ナガノ無線の熱転写プリンターでデカール


アルプスと同じ熱溶融型のプリンター(ナガノ無線電気製)を使ってデカールを印刷してみました。


使ったプリンターはナガノ日本無線の名刺印刷用のプリンターです。アルプスのMDプリンターが20台買える値段です。


熱溶融型の熱転写プリンターの原理

熱転写プリンターは大まかに言うと、インクリボンフィルムとサーマルヘッドで構成されます。ここで使われるインクリボンフィルムは熱で溶けてすぐに固まって、それが色として出るので印字を表現出来ます。サーマルヘッドが熱源で、それがインクリボンフィルムを溶かし、印刷媒体に直撃させます。溶融したインクリボンは紙に直撃してすぐに乾くので印字できます。リボンはフィルムみたいなものなので、それが溶けて相手にくっつくので、相手が紙だろうとプラだろうと関係なく印刷が出来ます。アルプスのMDの中身を詳しく見たことがないのでなんともいえないのですが、おそらくこれと同じ原理だと思います。


たとえば、サーマルヘッドに「讃岐の夢」という文字を熱として発熱しまい!とパソから命令します。すると、サーマルヘッドには、「讃岐の夢」という文字型の熱が発生します。


すると、インクリボンフィルムに讃岐の夢という文字型の熱がサーマルヘッドから直撃します。すると、「讃岐の夢」をかたどったフィルムだけが溶融して紙にくっつきます。


印刷媒体には溶けてくっ付いたインクリボンフィルムが印字として表現されています。


インクリボンフィルムは、熱があたったところだけ溶けるので、フィルムを見てみると、熱の当たった「讃岐の夢」だけ溶けているのが確認できます。


実際に熱転写プリンターを開けてみます。左側には赤のインクリボンフィルムのカセットがセットされています。このタイプは300mのリボンが巻かれているタイプです。


これがサーマルヘッド。これが熱源となって、インクリボンフィルムを溶かします。


で、デカールの準備です。デカールを名刺サイズに切ります。


で、印刷機にセットします。


で、印刷しました。黒、赤、緑です。


インクフィルムには、讃岐の夢が抜かれています。


まずは、赤をガンガンの黒下地に付けてみました。全部透けてしまって全然ダメです。これはインクジェット以下です。


続いて緑。これもヒドイ・・・・。


次は白下地に付けてみました。これは見えますが、インクジェットと比べてみても色の発色がイマイチです。


今回のナガノ熱溶融熱転写プリンターでの実験は大失敗。フィルムの色が薄すぎて、ネーム用のデカール印刷には全く向きません。アルプスならはっきりとした発色が出来るみたいですが、インクリボンフィルムが違うんでしょうか。熱溶融型プリンターなら何でもOKというわけにはいかないみたいです。


2011年からのメッセージ
ナガノ熱転写プリンターしかり、
レーザープリンターしかり、

結局のところ、

染料インクはダメです。

デカールに使って下地の色関係なしに発色させようと思ったら、必ず、顔料インクが要ります。

MDがすばらしいといわれる所以の一つに、顔料インクをリボンに使っているからです。同じ顔料インクのリボンで、テプラがあります。テプラも顔料インクなので、下地の色関係ナシに発色します。

つまるところ、プリンターの性能ではなく、何のインクを使っているかなのです。


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