フクスケフロッグ コンセプト



ウンチク垂れます。僕が思うフロッグの良し悪しと、それをもとに作っているフクスケフロッグの特徴というか、コンセプトです。

こんなもんは人によって考え方が違うと思うので、あくまで僕の独断と偏見です。


1.雷魚のカバーゲームの確率論

まず、雷魚のカバーゲームははっきり言ってバレとの戦いで、確率論だと思います。

例えばですが、20回アタックがあったとして、そのうち、持ち込むのが9回。そのうち、うまく持ち込んでフックアップが入るのが6回。いいところにかかって、藻化けせずにランディングできるのが1回としたら、キャッチのチャンスは20分の1。仮にこんな感じに仮定してみます。

「20回アタックがあったとして、そのうち、持ち込むのが9回。」
というのは、訪れたチャンスの20回のうち、20−9=11回は、

・アタックがあったものの、そもそもミスバイト。

・フロッグが持ち込んだと思ったものの、実は違ってて、ミスバイトで藻の中で見えなくなっていただけ。


とか、そーゆーのでチャンスの回数が減るということです。

フロッグは構造上、口の中にスッポリとルアーが入らないとフックアップのチャンスがゼロのため、ペンシルとかミノーのように、魚が触るだけでフックアップするようなものではありません。

そのため、訪れたチャンスの中で本当のチャンスになるのは、フロッグが完全に口の中に入った時のみ。つまり、チャンスは、ほんの一部ということです。

「うまく持ち込んでフックアップが入るのが6回。」
というのは、持ち込んだ9回のアタックのうち、9−6=3回は

・まともなアタックではなく、持ち込んだように見えて実はブレードをくわえただけだけ。→そもそも針がないところを噛んでいて、スッポ抜け。

・持ち込んだアタックが甘噛みすぎて、フックアップできるような体制ではなかった。→針がかかるところまで奥に入っておらず、スッポ抜け

・唇の手前の、フッキングで身切れしやすい位置で持ち込んだ。→フッキングで身切れしてスッポ抜け。


などなど、いわゆる、フッキングで定番のスッポ抜け。まともにフックアップ入らなかったとか、そういうのです。持ち込んだって、フックアップ入るのはほんの一部です。


「いいところにかかって、藻化けせずにランディングできるのが1回」
というのは、フックアップが成功した6回のうち、6−1=5回は

・身切れするところに入って、ヘッドシェイクでそのまま身切れ。唇が半分溶けてるような雷魚はそうやってバレたんじゃないでしょうか。

・または、カタガカリで1本しかかかっておらず、もう1本がカバーに引っかかって抜けた。

・綱引き状態になった時に、手前にハス茎があって、そこでラインが止まってしまって、その時にヘッドシェイクでスラッグが出て抜けた。


色々抜ける原因はありますが、対自然の原因はこんな感じ。

さらに、人間サイドの問題としてもバレる原因はたくさんあります。

・フッキングかました後に、リールゴリ巻きでモタついて、スラッグが出てヘッドシェイク一発でフロッグが吹っ飛ばされた。

・硬い竿でかけて、カバーは薄々。竿の弾力がなさ過ぎて、雷魚が暴れた時にスラッグが出てサヨウナラ。

・反対に、柔らかい竿でヘビーカバーでかけて、藻ダルマになり、藻をちぎれずにもたついて、ヘッドシェイクで藻化け。

・ランディングで、藻が切れた瞬間に暴れてサヨウナラ。


などなど、ここで挙げた原因はほんの一部ですが、

バレる。

兎に角バレる。


バレてバレて、バレ倒します。

雷魚のカバーゲームは、ホントにホントにバレとの戦いなんです。



2.良いフロッグ、悪いフロッグ
1で述べたように、雷魚のカバーゲームはバレとの戦いであり、訪れたチャンスのうち、何割をキャッチできるかです。

極端な話、どんなにいいフロッグを使っていても、カタガカリで藻に絡んだらバレますし、どんなに悪いフロッグを使っていても、魚が完璧に持ち込んで、喉の手前の柔らかいところにダブルフック両方がガッツリ食い込んだら、高確率でキャッチできます。

なので、フロッグが良い悪いの判断は、性能云々というよりかは、「人間がフロッグを信頼できるかどうか」にあると思います。

たとえば、僕は昔、バーストアウト3を見て以来、セサミを愛用していました。ところがこのフロッグ、非常によくバレました。当時は岡山に住んでいて香川遠征した時によく使い、遠征先のアタックをモノにできず、悔しい思いをたくさんしました。

その際、釣友「ウィッパー」さんに「セサミってよくバレない?」って聞きました。

ウィッパーさんは、こう答えました。

「やっぱそうだよね!?俺もそう思うわ。モコモコ動いてアタックはよく取れるんだけど、フックアップ入ってからが抜ける。よ〜〜〜抜けるわ。」

俺「いろんな針でセッティングしてみたんですけど、やっぱダメですわ。そもそもケツの先っぽが厚杉ですよね。」

雷魚が食ったら、ここの皮がホラ、こーなるでしょ!?

そんで、フッキングでフロッグがこーなりますよね?

そん時にケツんトコが厚いきん、フックがスライドするときに、ここで引っ掛かりますよね?

ほしたら、フックの先っちょしか入ってないきん、ヘッドシェイクで抜けるんちゃいますかね!?

ウィッパーさん「やろやろ?俺もおもっとったんよね!」

こうして二人の1軍ケースから、セサミは撤退しました。

ところがその後、1発狙いの激渋池で遭遇した雷魚マン(尾張小牧の遠征組)と話してて、フロッグケース見せてもらったら、1軍フロッグが全部セサミw

彼曰く「この可愛さが最高だがね!飛距離も出るし、アクションもいいし、フッキングも、どえりゃあエエがや!」

つって、絶賛w

俺やウィッパーさんとは評価が真逆w

ちなみに、スケーラー写真を見る限り、俺やウィッパーさんよりダイブ腕がイイですわ(笑)

おそらくですよ、あくまでボクの予想ですけどね、

オワリコマッキーは、セサミを使いだしてスグにイイ思いをしたんですわ。そんで、「セサミ=良いフロッグ」って評価して、以後、セサミを愛用。

愛用するから魚が釣れる→セサミさらに最高→1軍へ昇格。

一方、僕やウィッパーさんは、

セサミを使いだしてから、序盤にバレが連発→人間由来のバレなのか、魚由来のバレなのか、分かりませんが、バラして悔しい思いをしたし、皮を揉みながら原因を分析した結果、ケツのとこが厚くて、針の露出が悪いので、フッキングが甘い、ダメフロッグと評価→フロッグケースから撤退。

撤退後、使うことがないので、魚を釣ることもなく、1軍昇格の機会ナシ。

オワリコマッキーは、使いだして最初のほうにいい持ち込み方をして、いいかかり方をして、キャッチできたんでしょうかね!?

これはラッティーでよくある話ですけどね、ハネクラも多いんだコレがw

フィネスの柔らかいフロッグを愛用している雷魚マンがハネクラ買いました→皮の硬さにビックリ!なんだこの硬さは!?→「せっかく買ったんだし、一応使ってみようか。」→使いだしてから序盤に雷魚がダメな持ち込み方をしてバレる→やっぱ硬いフロッグって、針でねぇ。ダメだコレ→フロッグケースから撤退。

一方ハネクラ愛用者→硬いフロッグのほうが飛距離でてアクションがキビキビ動くし、口の中に入ってしまえば、フックアップするし、最高w柔らかいフロッグはアクションしてたら浸水して沈むし、縦カバーで引っ掛かりまくって、1枚ヒシくらいしか使い道無し!→フロッグケースほぼハネクラw

よく耳にするのはこんな感じかな!?

続いてはPONいきましょう!

昔懐かしのグローリーポン!ウィッパーさんが持ってて、チューニングしたフロッグを俺に見せてくれたw

ウィッパーさん「これ、フロッグのボディのどこへこんでも針先でないよね?」つって、揉みながら俺に見せてくれたw

俺「これ、フッキングしないでしょ!?」

ウィッパーさん「そうそう、使い始めて2連発でバラしてから、もう使わなくなったわwだって針でねぇしwww」

僕は背中の中央部がへこんでいるフロッグは針先でドテが残りやすいため、針の出かたがイマイチだと思いますので、ウィッパーさんと同感です。


ですが、


先日、F澤さんにフロッグケースみせてもらったら、フロッグケースの大部分はボロボロのグローリーポンww

俺「これ釣れますか???」

F澤さん「これがイイんバイ!ばってん、もう絶滅寸前くさ。あるうちにかっとーと!」

僕がダメフロッグとして烙印を押したセサミ、ハネクラ、ポン、これらフロッグも、ユーザーによっては、愛用者多数。

フロッグは、これが非常に多いと思います。

思うに、そのフロッグを使いだした最初にいい思いをすれば、以後愛用。使うから魚が釣れる。魚が釣れるから評価がさらに上がる。一軍へ。

最初にそのフロッグ使って、そこで釣れりゃぁ、ええけど、釣れんかったら、その後使うこともなくなる。なんせ、雷魚の釣れるチャンスって少ないですからね。そのチャンスをフイにしようものなら、ルアーのせいにしがちです。

最初に使って釣れたら、信用してたくさん使う。使うから釣れる。フロッグの1軍2軍ってそんな感じじゃないでしょうか。

最初に説明した通り、雷魚のカバーゲームって、バレとは縁が切れない「確率低減のゲーム」ですからね、取れるか取れないかは、半分くらいは運ですわ。

最初にそのフロッグ使って、そこで釣れりゃぁ、ええけど、釣れんかったら、ダメですわ。

じゃぁ、いいフロッグと悪いフロッグって何なんだって話に戻りますけどね、

良いフロッグってのは、バレた時に、フロッグのせいにできない説得力があるものだと思います。

僕とウィッパーさんの会話に出てきた言葉をもう一度出します。

ウィッパーさん「そうそう、使い始めて2連発でバラしてから、もう使わなくなったわwだって針でねぇしw

ここやと思いますわ!

揉んだ時にキチンと針が出るかどうか。

雷魚マンとフロッグ品評会すると、必ずと言っていいほどフロッグを揉んで針がザックリ刺さるか見てます。

ズバリ、

揉んだ時に、ザックリとフックが刺さるフロッグ=いいフロッグ

だと思いますわ。

なぜか?

バレた時に、フロッグのせいじゃないと思うから

だって、カバーゲームはバレとの戦いです。バレた時に、針の露出がいいフロッグだと、原因はフロッグじゃないと思いますもん!

だから、バレた原因は魚か自然か、はてまた人間か、

兎に角、フロッグ以外の要因が大きいと思っちゃうんですよねw少なくとも俺は!

僕も経験しましたけどね、係長とか社員とかパートの時代ですわ。まともに使えるフロッグが初めてできた時代のことです。

4月中旬にデビューさせたものの、キャッチ率がすこぶる悪かったです。

だけど、揉んだ時の針の露出が良かった。だからフロッグは悪くないと思って使い続けた。

すると、5月に入ってから、キャッチ率が急上昇。社員で1時間で5アタック5本キャッチ。アタックからのキャッチ率100%ってのもありました。

結局、4月中旬にキャッチ率が悪かったのは、気温が低くて、雷魚の活性が悪くて、アタックが甘かったのが原因だったわけです。

この時、揉んだ時の針の露出が悪ければ、そこでダメフロッグの烙印押されて使ってないですわ、結果、2軍落ちw

だから、人間サイドでフロッグを信頼できるかどうか、いいフロッグというのは、バレた時、このフロッグは悪くないと思わせる説得力。そこをクリアしているフロッグに他なりません。


つまり、「揉んだ時に針の露出がいいフロッグ」。これこそがいいフロッグといえます。



フクスケフロッグのコンセプト
前置きが長くなりました。

ここまで書けばもうお分かりだと思いますw

フクスケフロッグのコンセプトというのは、揉んだ時に針の露出がいいフロッグです

フロッグを揉みつつ、針の露出がいいボディ形状。これを追求し続けて、今の形になっています。


コンセプト@
体高のある短いフロッグに大きなフックを搭載。


皮がへこんだ時に針をきれいに出そうと思ったら、体高を大きくすれば簡単です。というのも、上の背中が落ち込んだ時に、ボディ上部に空洞が大きくできるからです。空洞が大きくできるので、フックの露出がいいです。

そして、フロッグのレングスをなるべく短くすること。


フロッグ概論でも述べていますが、フロッグは後ろの方にフックが搭載されますから、ボディのレングスが長ければ長いほど、ボディ前方がへこんだ時の、針周りの空間は小さくなります。

フックポイント直前をへこませればそりゃぁ、針先は露出しますが、それは理想論であって、手で揉む時は、

「ここがへこんでも針でるかな〜!?」

「ここは!?」

「ここは!?」

つって、色々揉むのが恒例です。

その際、ボディの前の方をへこました時に、ながいフロッグは針がでません。ま、フッキングでスライドするんで、フックアップは出来るんですが、揉んだ時の説得力が悪い。

XOSRとアマガエルだと、アマガエルのほうがフックポイントの露出がいいってのと同じことです。XOSR,AMGR,どちらも針先のドテの形状は似たようなものですが、

ボディの中央がへこんだ時はXOSRはかろうじて針先が出ますが、ボディ前方がへこんだ時は針先はほとんど出ません。

一方、アマガエルは、前の方がへこんでも、針先はシッカリと出ます。

これはアマガエルのほうがボディが短いからです。全長が短ければ、へこむレンジが針先から近くなる確率が高いので、短いフロッグのほうが針の出かたはキレイです。

針の出かたをよくするには、なるべくデカイ針を全長が短いフロッグにセッティングすることが近道です。フクスケフロッグはここを追求しています。

すなわち、短くて体高のあるフロッグ。フクスケフロッグはこの特徴を追ってカタを作っています。このボディでチューニングを行うと、小さいボディに大きなフックを搭載することとなります。

たとえば、最小サイズのスズメですが、
ボディでいうと、スナプルよりもチョイデカサイズ。ところが、ベストフィッティングの針はラッティの5/0S2。セサミやセサミLで搭載されているフックです。スナプルサイズのフロッグがセサミLのフックを搭載しているんです。おまけに、体長が短い。

そりゃぁ、
エグイでっせ!

だいたい、市販フロッグは皮の前方をへこましたら針はほとんど出ませんが、フクスケフロッグはバッチリです!

エグイほどフックポイント出ますわw

フクロウ。

大きさ的にはアマガエルやマンズとほぼ一緒。17g前後。搭載している針は、ブルバップ用のデッドスティング5/5です。

これもエグイッ!

ハヤブサ!大きさ的には雷魚デントス。フックはボンビ搭載のハニカム6/0、もしくはアナコンダ針!

まぁ、どのフロッグもそうなんですが、

揉んだ時にエグイほど針が露出します!

デカイフロッグは、皮の前がへこんだら、針先のドテが残りやすいんですが、コイツはバッチリ!

中でもハト。これがやばい!ボンジュニサイズの大きさで、搭載している針がアナコンダ針w

真ん中がへこんでも、

前がへこんでもこの針の出かたはヤバイッ!

こんだけ針がキレイに出たら、バレたって、フロッグのせいじゃないと思いますヨッ!

バレた時に、フロッグのせいにできません!



コンセプトA
背中はなるべく平らにすること。

続いての特徴です。これは「特徴@」の揉んだ時に針の露出がいいというのをアシストする特徴でもあるんですが、僕がフロッグを揉んだ時によくやるのが、背中が落ち込んだ時に、フックポイントがきれいに出るかどうかというのを判断します。フロッグは背中が下へストロークした際に隠れていた針が露出してフッキングします。

マグロとZOD。共に名フロッグですが、共に、背中にフックを隠すための凸があります。

市販フロッグには多い特徴ですが、針先の背中に凸を作ってしまうと、背中のいいところがボトムした時に針先に凸が残ります。

この皮の残りが、ボク的にはものっそ好かんのです。

こいつがあると、

指をスライドした時に、針先の直前で皮がひっかかるんですよね。

「抜けるんちゃうか!?」と思ってしまいます。

中にはきれいに出るフロッグもありますが、ボク的にはこのフォルムデザインは好かんのです。エグイほど針先を出す。これが僕のやり方です。

これを改善するためには、背中をまっすぐにすることだと思います。
背中をまっすぐにすることで、背中の一点が下にストロークした際に、その点に付いていくように、追従しながら落ちていきます。

ここで、背中を平らにしてさらにケツの先端をフックのゲイブ上方付近まで上げることで、背中が落ちた時に、皮の残る支点をなるだけ後方に持っていくことができます。

このため、本来、背中のフルボトムで残るべき凸はゲイブのギリギリのところまで後退させることができます。結果、刺さりシロを十分に確保できるというわけです。

ゲイブ周りの皮は、背中が下へストロークした際に、ある程度隙間ができます。

この隙間をいかに大きくするかが、フックのサクリ具合をアシストすると考えています。

隙間を確保するためには法則があり、背中を平らにして、ケツの頂点をゲイブ付近の上部にセットすること。これに付きます。

フクスケフロッグはこの点を追求しているため、モデルのほとんどは背中が平らです。

普段隠れている針が、背中がストロークした際にどれだけきれいに出るか、ここを追求しています。


※背中をまっすぐにせず、ケツの頂点を下げる場合の注意点※
フクロウやトンビの世代では、背中をまっすぐすることで針先の出かたを良い方向へ持って行っていっていますが、それだと針がかなり限定されるので、ドテの頂点を下げて、ドテを作り、フックの選択肢を増やす方法もあります。

スズメなんかはアマガエルみたいなドテを作ってウィードレス機能を維持しつつ、全長を短くすることで、針先の出かたをよくしています。これはドテを作った場合、全長を短くして、でかい針を搭載することで針の刺さりシロを確保するというアマガエルと同じような理論を用いています。



コンセプトB
なるべくケツの先端を薄くすること。

揉んだ時のフッキング性能テストでよくやるのが、背中を下にストロークさせ、その後、指をゲイブ方向へ滑らせて、指がフックの奥の奥までサックリ逝くかどうかを見ます。

この際、市販フロッグではよくあるのですが、たいてい、フックポイントななめ後方でボディが干渉して、指が滑るのを阻害します。

スライドした時に針先に邪魔な肉が残る。結果、針先が刺さりにくい。→バラした際にフロッグのせいになってしまう。スッポヌケの考察です。

これは市販フロッグの7割型は持っている特徴だと思います。

そこで、どうしてこうなるのかを、市販フロッグを割って肉付きを調査しました。







すると、市販フロッグでは、皮の厚み勾配は、ケツ周りの肉が最も厚いものがほとんどでした。

これは、スラッシュ成形で皮を仕上げる過程で、排出口に近い部分が皮が厚くなる傾向にあるからではないだろうかと思っています。もしくは、離型時にケツの周りに付いたバリをつかんで引っ張るため、その部分が厚くて丈夫でないと、離型時に破れてしまうからかもしれません。

ただ、僕が調べた限り、市販フロッグはおおむね、ケツの周りの皮は厚く、硬い傾向にあると思います。

しかし、ここが厚いと、当然、背中がへこんだ時にゲイブ周りの抵抗になるので、フロッグが雷魚の口の中に入って竿を起こしてルアーがスライドした時にサクリ具合が悪くなるため、上級者の中には、ケツ周りを切って薄くしたり、メーカーなんかでは、ルーターでケツ周りの皮を内側から削って薄くするチューニングなんかを紹介していたりします。

アタック→バイト→スライド→フックアップ

という動作で魚をかけるフロッグにおいては、ゲイブ周りの肉はなるべく小さい方がフッキングでは有利に働きます。

この点をクリアするために、フクスケフロッグでは、ディップ成形の特徴を活かし、ケツを尖らせることによって、放熱をよくして、肉付きを悪くしています。

ディップ成形では、カタの蓄熱を利用してゾルを肉付けする製法なので、角度が急なところは放熱が大きく、肉付きが悪くなります。

そのため、とがったところは薄く成形されるという特徴を持っています。

これを利用するために、僕のフロッグはだいたい、ケツの先端はとんがっています。

そのため、ケツの先端は薄くなります。

さらに、ケツで支えて、頭からドブ漬けし、そのまま引き抜くことで、引き抜いた後にゾルがケツからアイに向かって流れて行きます。

なので、後乾燥前の段階で、カタの上部は他の部分よりも薄くなります。ゆえに、ケツの先端は極薄に成形されます。

僕のフロッグの場合、おおむねケツの先端は0.5o程度。


色止まりの悪いカラーでは、透けているほどの薄さになっています。

背中が平らなので、1点のストロークでもゲイブ周りの針先がシッカリ出てくれる。
ケツの先端が極薄なので、フロッグがフッキングでストロークした際に、フックの奥の奥まで抵抗なく、サクリ倒してくれる。

そらもう、フロッグ揉んだら、エグイほど逝きまっせ!




特徴C
腹は尖らせる。

全部のフロッグでそうしているんですが、腹を尖らせています。

以前、大関とか小カメとかの時代に見られた失敗で、腹を切って離型する関係で、腹が平らだと、接着剤で継いでしばらく使った時に腹が内側に向かって沿ってくるという弱点がありました。見た目が悪いんですよね。この問題を解決するために、腹を尖らせて、なるべく内側に向かって反らないようにしています。今のところ、大丈夫ですw

つまり船底体形。

この腹の形状、水中での姿勢が安定しやすいというメリットにつながっています。船と一緒で、水中で両方からななめになっていると安定しやすいんですよね。だから雷魚がチェイスに入った時に、チョンチョンやっても姿勢が崩れないので、じっくりみて捕食できるというメリットにつながっています。いってみりゃ、アタックの時に針先が口の中の上側にかかりやすいってことですw ※実際、捕食体制に入ったところをスローカメラで見たわけではないので、あくまで憶測ですがw

船底体形にすることで、姿勢が安定しすぎて、ドックウォークとかの左右首振りができんかな?と思いきや、問題なくできているので、イケルと思います!



特徴D ペイントが剥げない

市販フロッグは、使っていくとまず目が取れて、

さらにフィルムの転写によるカラーは剥げて行って透明になります。

雷魚の歯型でボロボロにはげて、なおかつ、軟質塩ビ自体が食いつきが悪いため、のせたペンキが油で浮くというんでしょうか、塗料との相性が悪く、大抵、数匹釣ったらボロボロになってペイントは剥げてきます。

ところが、フクスケフロッグの場合、色違いの塩ビゾルを成形することによって着色しているため、剥げることがありません。

なんぼズタズタになっても、剥がれることはまずありません。塗料でもフィルムでもなく、ゾルだからこそですw




デメリット
悪いところもたくさんあります(^^;)

@適合する針の選択肢が少ない。
背中を平らにすると、ネムリ針じゃないと針先が隠れません。

フクスケフロッグはおおむね、針先を眠らせてフックポイントをボディの背中のRに沿わせるような感じで針先を隠しています。

こんな感じのネムリ針は、

アイで気持ち上向きになるんで、その際アイと一直線になるようになり、この特徴があって、初めてフクスケフロッグは針が隠れます。

ところが、昨今流行りの上向きフックの場合、ボディ側に急なドテがあって針先が隠れるような感じですので、

こんな上向きフックでは、

針先は隠れません。

そのため、ネムリ針じゃないと適合しません。昨今、ノリ重視で上向きの針が主流となりつつあるなか、ネムリ針は減少の一途をたどっています。

さらに、ボディの体高があるため、小さい針が使えません。そこそこ大きくてネムリ針で、さらに短いのでショートシャンクといったら、なかなか選択肢が狭いですわ。
よく使うのは、デッドスティング、剛双牙、ハニカム、アナ針、ラッティ、バジュラってところでしょうか。アナ針は上向きなんですが、アイの角度が急になっているので、アイの連結部を工夫することで不思議と合いますw
が、兎に角、針には苦労します。
市販フロッグに比べて、針の選択肢が極端に少ないと思います。



Aチューニングがクッソめんどい
も〜お客様のフロッグのチューニングを数こなしているんでよく分かりますけどね、兎に角セッティングがクッソメンドイですわ(汗)

そもそも、ディップ成形で作っている点に問題があるのですが、ディップ成形は内形寸法は正確に出るのですが、外形寸法がアバウトなため、成形するたんびに全長が変わります。

たとえば、皮が厚くなると長くなり、薄いと短くなるわけです。

となると、アイを作るときが厄介で、統一アイでは組めないことを意味します。

厚くなったものや、成形回数の多いラメフロッグは全長が長いため、長いアイを使用し、ソリッドの薄めに仕上げたものなんかは、短い針が必要になるわけです。

ブレイデッドアイなら、チチワが大きくなったり小さくなったりですみますが、最悪なのがステンアイ。

20oピッチで作ったものの、セッティングのたんびに22mmにしたり、18mmにしたりの微調整が必要となってきます。

これなんかはオオノMアイ+バジュラフックで組んでいますが、

これなんかは気持ち厚めなんで、オオノアイでは短くて、自作で作りました。

こーゆーのがめっちゃあってめんどいんです。

ここらの微調整がむっちゃめんどいのですが、この解決策としては、最初からチチワを大きく、短く作っておいて、調整段階でチチワを小さくして、アイの全長を伸ばす調整が楽でいいと思います。

ちょい短いかな〜?と思ったら、

こんな感じに、アイのチチワを小さくしてやると、アイの全長が伸びます。

これでいけたか?みたいな感じで微調整するといいと思います。ただし、長くする調整は出来ても、短くする調整は出来ないので、長すぎたらやり直しです。

さらに、カタ作りが素人仕事なため、左右シンメトリーではありません。

そのため、トンビハヤブサミサゴなんかは、左のシャンクを落としてわざとフックポイントをずらし、逆に、スズメやハトなんかでは、右側のシャンクを意図的に下にずらすなどなど、普通のフロッグチューニングではまずやらないテクニックが必要となります。(マンズやスカムなんかではやりますが)

また、アイを縛る余裕がないため、エポキシでフタをする必要があったりなどなど、まぁ、チューニングに手間と時間のかかるフロッグです。


Bよく引っ掛かる。
背中を平らにしているせいでフックポイントが隠れにくなるため、よく引っ掛かります(汗)

フッキングを優先させた結果のデメリットという感じです。特に柔らかいフロッグなんかでは、カバーの上で転んだら一撃で拾いますね。2枚ヒシを転がった時なんかはよく引っ掛かりますし、縦カバーもよく引っ掛かります。ハスの茎もw特によくないのがトンビ。マットカバー専用って感じですかね〜、追い打ちかけるようですが、皮が軟らかいとなお引っかかりやすいんで、ラメなんかの気持ち硬めのフロッグのほうがいいと思います。

一方、比較的、ウィードレス機能が高いのがツバメです。

背中が丸みを帯びているので、針先よりも上にボディがあり、その点で、他の背中平らフロッグとは少し違います。

これについては、背中に丸みを帯びさせて、フックポイントを隠れやすくしているため、ヘビーカバーの使用でも引っかかることはほとんどありません。


ただ、背中が平らであるというコンセプトを追求していないため、他のモデルに比べるとフッキング性能は劣ると思います。手で触った感じ、フクロウトンビ世代のフロッグが一番フッキングいいと思います。

既にフッキング性能優先のフロッグは作っているんで、今後はウィードレス機能重視のモデルも作ってみようかなと思っています!


C変形しやすい。
皮を切って、もう一度継いでいるのが悪いのか、僕のフロッグはよく変形します。

これは同じトンビで、黄色いのが変形していないもの。青いのが変形しているものです。

かなりいびつに変形しています。皮も薄いので、これはアウトです。

市販フロッグも変形はするのですが、僕のフロッグのほうが頻度と程度が大きいと思います。

市販フロッグも僕のフロッグも、変形したら熱湯に付けてもみながら形を直していくのですが、一度変形してしまうと、なかなかもとには戻りません。

で、変形ですが、フロッグケースの中にギュウギュウ詰めにしているとよくなります。テンションがかかりっぱなしになると、変形したままの状態になることが多いです。
また、腹を尖らせている関係で、腹を下にしても立ちません。斜めに倒れた状態になっているため、ギュウギュウ詰めにすると、余計に変形します。

なので、フロッグケースは仕切りのないタイプはダメだと思います。

←これはダメ。

こっちのほうが良いです。


Dケツが裂けやすい。
ケツの先端を薄くしているため、ヤブレやすいです。さらに、小型フロッグに大きな針を搭載させるために体高の高いボディを作っているため、水抜けが悪く、しょんべん小僧になります。

その対策で、水抜き穴を3つつけています。その関係で、雷魚のバイト時に水抜き穴に負荷がかかり、裂けるのかなぁ?とも思います。

ただ、ヤブレは、そう頻繁に起きないですし、もしヤブレたら、パンドーで補修可能です。

ただ、あまりに薄いため、溶剤で破れた皮が丸まるので、パンドーを出した後、ある程度放置して溶剤を飛ばしてねちゃ付いた状態で補修するとグッドだと思います。





E気泡が噛んでいる

コレですこれ。たくさんあります。

塩ビゾルの成形では、使用する塩ビゾル自体がねばいため、気泡がかみ、それが原料の中に残ったままになります。

このまま成形すると、当然ながら、成形品には気泡が噛みます。

市販の成形品の場合、成形前にゾルを脱泡機にかけます。真空状態のスペースにゾルを置くと、気圧が抜けていくにしたがって、ゾル中の気泡が上から抜けて行ってくれて気泡が抜けてくれます。

がしかし、そんなもんないですし、規模的に買うこともできないため、僕の設備は脱泡機がありません。そのため、フクスケフロッグには大なり小なり気泡が噛んでいます

また、ゾルの物性として、ゾルと可塑剤が混ざった状態であり、可塑剤は、ゾルに比べて比重が軽いため、放置しておくと、可塑剤とゾルとに分離します。

←上の透明なところが分離した可塑剤です。

このままだと、バラツキにつながるため、成形前にスプーンで、下のゾルと上のゾルを混ぜて撹拌し、均一にしています。

また、使用しているゾルがかなりしゃばいゾルなので、可塑剤がたくさん配合されています。可塑剤が多いほど分離しやすくなります。

そのため、成形前にゾルを混ぜて、上下の可塑剤配合を均一にします。

その際、スプーンで撹拌したせいでゾルに気泡が噛みます。

脱泡機がないので、これを除去することができません。

この状態で成形すると、当然ながら、気泡が噛みます。

こればかりはどうにもならんとです・・・・

使用には問題ないため、気泡があってもかまんとします。



Fラメ付納品
僕のフロッグを買ったことがある人はたぶん気づいていると思いますが、ラメがちょこちょこついています。

ソリッドとラメを両方作っていますが、ラメの粉が部屋のあちらこちらに散っています。たとえば、離型時に、ラメフロッグの腹を切った時に、切り口からラメが落ち、腹を裂いたら、クリア層の中間のラメ層からラメが落ち・・・・

いつの間にか自分の手にラメが付いています。

手にラメが付いた状態でフロッグを触ってラメが移り・・・・

ってな感じで、ラメがフロッグにつきます。

また、軟質塩ビにつき、可塑剤がペチェペチャなるので、ラメがひっついて落ちません。

テープを使えば取り除けますが、そこまでする手間がめんどいので、そのまま出荷しています。気になる人はテープを使って落としてください。



G凹んでいます。

たまに指摘されるのですが、フクスケフロッグはたいてい、背中のどこかにへこみがあります。

これには理由があって、僕のフロッグは作る際に、写真のような感じで、ヒートガンで、外側のゾルを加熱硬化させます。

この際、皮は、非常に高温になっています。このことを皮を焼くと言います。

で、皮を焼いた後は、水の中に入れて冷やします。ところが、皮自体がかなりの高温になっているため、柔らかいのです。塩ビは熱いと柔らかいのです。だもんで、この姿勢で冷やすと、

底に接触している面がへこんでしまいます。
どこかにひっかけて自然乾燥させれば大丈夫ですが、それもメンドイので、やっていません汗。使用に問題はないので、そのままです。



以上、現時点で思いつくところはこんなところです。市販に比べるといいところ、悪いところ、たくさんあります。
ただ、「飛ばしてアクションさせてアタックを取り、フックアップさせる」という基本性能においては、市販フロッグに劣っているとは思いません。



長々となりましたが、そもそも市販フロッグとは製法が違いますので、揉んだ時にスラッシュ成形品とは一味違った面白さがあると思います。



いい面、悪い面、色々ありますが、一度手に取ってみると独特の魅力を実感できると思います!

是非是非お願いします!


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