自作フロッグ販売計画 そのB



当初は利益が5万になったらゾルの選定に入るとか言っていましたが、その前に原料が尽きそうなのでゾルの選定に入りました。

とりあえず、ゾルメーカーのコバヤシに営業マンを紹介してもらい、電話して色々話を聞きつつ、ゾルの選定を相談をしたんですけど、その際、聞いてみたのが、「アクリルゾルは使えんのか?」ということでした。

アクリルゾルというのは、フタル酸由来の可塑剤が使われていないゾルのことです。

可塑剤とは、塩ビを柔らかくするために加える添加剤で、こいつが多いれば、やわらかくプニョプニョした感じになります。フロッグの場合、皮の6割強は可塑剤です。

この可塑剤の正体はDOPと呼ばれるフタル酸2ビスといわれる油です。

で、このフタル酸2ビス、ネットで調べてみると、かなり物騒なことが書かれています。環境ホルモンの一種で生殖機能に障害を及ぼす・・・・とかです。

これを聞いてみたところ、時は、90年代後半、環境に悪影響を与える物質としてダイオキシンが指摘され、その際、ダイオキシンを発生させる物質として塩ビが悪者にされ、このときついでに悪者として指摘されたのが軟質塩ビに含まれる可塑剤だったようです。
フタル酸ビスが環境ホルモンで、人体の生殖機能に悪影響を及ぼすので使用を控えましょうといった具合にです。その際、赤子のおしゃぶりに塩ビのチクビが使われており、それに含まれるフタル酸が問題視されたわけです。

当時、というか、現在もですが、子供用のおもちゃには軟質塩ビはかなり多く使われており、このフタル酸の悪い噂のおかげで、子どもが安心して遊べなくなっても困るというわけで、メーカーはフタル酸を含まない軟質塩ビの開発に着手しました。

こうして開発されたのがアクリルゾルとかESゾルといわれるもので、いわゆる、フタル酸を含まない軟質塩ビです。

私が成形作業しているところは子どもがウロウロするところなので、どーせなら安全性の高いアクリルゾルでやったほうがいいんちゃう?って思い、そこで、アクリルゾルを使ってフロッグは作れんのか?と相談したわけです。

結果、「やめておいたほうがいい。」とのことでした。

アクリルゾルは機械的強度が弱く(破れやすい)、さらにゾル自体の保存性が悪く、僕のやっているようなフロッグ成形で使うには、メーカーとしてオススメできず、さらに値段も高いそうです。

一応、アクリルゾル自体は釣具で使われたりもしているんですけど、主にワーム用途が多いみたいです。

サンプルももらってみたんですが、それがコレ。ES116Zです。触ってみると、ボタモチのような触感で、テイスト的には、以前実験した防振ゴムとかのエラストマー系のゴムの感触です。

なるほど、ワームとかで使うんだったら、むしろ破れやすいほうが針が出やすいんで、こっちのほうがいいのかもしれませんね〜〜〜。これでフロッグは無理があると思います。

結局、今回、安全面でアクリルゾルの可能性を相談したんですが、営業マンいわく、「軟質塩ビで使われるフタル酸系の可塑剤は安全性の高い物質で、万が一摂取しても代謝によって排出されるので、全く問題はありません」とのことでした。

そもそもフタル酸ビス=環境ホルモンというのはダイオキシン関係で塩ビが悪者になった時の風評被害であり、科学的根拠がないとのことでした。


可塑剤の安全データシートもくれて、そこにはこのようなことが書かれていました。



なるほど、環境ホルモンだのということが問題視されてはいるけども、それを人間に当てはめることは適当ではないとの旨が書かれていますね〜。

さらに塩ビゾルとアクリルゾルの違いで、品質保証期間面での違いも教えてくれました。

それはゾルの劣化に関することです。

塩ビゾルというのは、物性として水に弱く、空気中の湿気で劣化するとのことでした。

で、その劣化というのは、成形品の内部に気泡がかんだり、表面が曇ったような感じになるとのことです。

これは私が成形した皮ですが、なるほど、表面が曇ったような感じになることが多いのはゾルの劣化だったんですね〜。気泡もたくさん入っています(汗)今使ってるゾル、4年前のヤツですからね(汗)曇って当然、気泡が入って当然といったところでしょうかw

一般的には塩ビゾルの品質保証期限は開封後3ヶ月。湿気に気をつけて使っても半年〜1年が限界とのことでした。

アクリルゾルはさらに消費期限が短いそうです。

ただし、劣化したゾルで成形した皮がいったいどんな影響を及ぼすんや!?という点については

曇りについては見た目が悪いだけ。気泡については、その部分には樹脂が存在しないことになるんで、機械的強度が落ちるくらいのもので、柔軟性が変わったり云々ということはないみたいなんで、結局塗装を施すと分からなくなるんで、フロッグの性能的に問題はなさそうです。

なお、可塑剤の多さによっても劣化が変わってくるらしく、一般的には可塑剤がたくさん入っているゾルのほうが劣化しやすいようです。可塑剤と塩ビ主剤が分離して混ざらなくなることもあるそうです。ゾルの上部に油が浮いていたらそれが湿気をガードして長持ちしそうな気もするんですが、なかなか分かりませんねぇ。

やはり、この手の話は専門家と話さないと絶対わからないことなので、目からウロコの連発でした。

ンデ、話が横道にそれまくったんですが、選定に戻ります。

ンデ、なるべくならやわらかい原料で成形したほうがボツの確率が減るんで、ディップ成形用のゾルのなかで一番やわらかいものをリクエスト

とはいえ、ディップ成形の場合、やりこければ肉付きが悪くなり、成形自体が出来ない可能性もあります。そこで、今現在自力で調整したのが109程度のゾルなので、それを注文して、それプラス可塑剤を渡すのでそれをハメつつ調整して、一番いい配合を見つけるのが一番ちゃう?て提案されました。

そうして、何週間かしてテスト用のゾルが送られてきました。

500mlのスチール缶2つなんですけど、

1つは塩ビゾル本体。109です。

もう一つは可塑剤です。柔軟性調整用に可塑剤単体でも売ってるらしく、塩ビゾルは20kg単位で販売。可塑剤は15kg単位で販売って感じですね〜。

今まではスペックの異なる塩ビを混ぜて柔軟性を調整していましたが、どうもメーカーによると、可塑剤単体でも販売しており、粘度調整であれば、ゾルそのものに可塑剤を混ぜて調整したほうが楽とのことでした。

というわけで、長くなりましたが、テストに入ります。

今回もらったサンプルは109です。聞くところによるとディップ成形用のゾルは110までラインナップがあり、やっぱし今までのテストと同じように、可塑剤が多くなるほどしゃばくなり、肉付きが悪くなるようです。

一応、今やっているゾルは108と115を混ぜて109程度に調整したやつなんで、メーカースペックの109でテストを行い、可塑剤を追加していき、110のゾルを作り、成形テストを行い、塩梅のいいスペックのものを発注するという流れでいこうと思います。

まずはメーカースペックそのまんまの109で小カメを成形しました。

結果、硬すぎです。アレ〜!?今までの混ぜたヤツとは少し違っています。肉付きも自力で調整したものよりもよく、硬さも硬いです。若干違いますね。塩ビゾルは可塑剤と主剤のほかに添加剤が微量に含まれているんで、その添加剤の影響なのかもしれませんね。可塑剤が多いのに肉付きがいいというのはディップ成形ではありがたい機能なので、そこらの調整を添加剤が行っているのかもしれません。

そこで可塑剤を増やし、次は110でテストしてみます。ハカリでゾルを計り、それに応じた可塑剤をシリンジで追加していきます。

可塑剤は芳香臭とでも言いましょうか、甘ったるい良いニオイですw

これが入れた直後の写真です。可塑剤の比重は0.98で、ゾルの比重は1.2のため、ほっておくと、可塑剤が上に、ゾルが下に分離した状態になります。

これを混ぜてゾルと可塑剤を均等にします。本来なら専用のバターナイフみたいなのがいいみたいなんですが、掃除がメンドイんで、いつも割り箸でやって使い捨てています。が、湿気に弱いんなら水分を含んだ割り箸でやるのはよくないですね。

で、成形したら、いけましたw自力で調整した時は110だと全然ダメだったのに、なんでかシャバイのに肉付きが良くてビックリしました。で、この皮の塩梅が自力調合の109とよく似ています。ディップ成形専用ゾルのほうが肉付きがよく、硬い傾向にありますね。

やっぱディップ成形用のゾルだからでしょうか、今までの自力で作ったやつはマテリアルの一つの108はディップ成形用でしたが、もう一方の115はスラッシュ成形用のゾルだったから肉付きが悪かったんですかねぇ?やっぱ餅は餅屋。ディップ成形にはディップ成形用のゾルがイイですね!

これなら、111でもいけるか?と思って111を調整してやってみましたが、調合してみると、結構シャバシャバで肉付きが悪いかとおもいきや、案外いけますね〜。ただ、これはたまに薄すぎて自重を維持できないことがあり、失敗の確率を考えると、110.5くらいがちょうど良いかもしれません。戦力的にはほとんど変わらないような気がします。

そして、111でのテスト結果なんですけど、ゾルがしゃばくなるとそれに伴って、タレの涙が大きくなるように思います。これがしゃばいゾルでの成形のデメリットですかね!?ま、見てくれが悪いのはディップ成形のお約束なんで、しゃーないですけど・・・・。

で、条件を変えつつ、色々テストしてみた結果、110を薄めに成形するのが一番のような気もしますが、110.5を調整してやや皮を厚めに成形するのが失敗が少なくて良いかもしれません。ベストは111配合のゾルを肉厚1.0〜1.5mm程度で成形するのが一番だと思います。まっ、これに塗装を施すとまた変わってきて、111のほうがイイってなるかもしれませんけど・・・・。

あと、新鮮なゾルで成形した時の見てくれなんですけど、これは111で成形した中カメですが、今までのに比べると透明度が高くて見た目がいいんですけど、市販品みたいに完璧とはいえませんね〜。やっぱ気泡が入って、表面がくすんでいたりします・・・・。新鮮なゾルなのになんでやろ???これはカタの温度や離型に問題があるのかもしれません・・・・・。

が、どうせ塗装で分からなくなるので、この問題は後回しにしてとりあえず成形テストは成功w

とりあえず、メーカーのスペック的にはディップ成形用で110以上の原料が存在しないんで、ゾルは110を注文して、必要に応じて可塑剤を添加して配合を調整していくって感じで進めるのがベストじゃないでしょうか、この方法で逝ってみようと思います。

で、一応、しゃばいゾルでも厚みを確保できる方法はないのか、コバヤシの営業マンに聞いてみたところ、ナイスな方法があるということで教えてもらいましたw

それは二重ディップといわれる技術で、一度ドブ漬けしたカタを早めに引き抜いてもう一度ディップするという方法だそうです。

ディップ成形はドブ漬け後に引き抜くと、カタの余熱でゾルが半硬化状態になります。その状態だとまだカタに余熱が残っているので、もう一度ドブ漬けして、肉を追加するって感じだそうです。ただし、欠点としてディッピング回数が多くなる分、タレが多くなり、見てくれが悪くなるそうなので、技術的には難しいでっせ〜とのことでした。

見てくれの悪さはあんまし関係ないんですが、二重ディップ、銀ラメ作る時とかに色々応用できそうなので、ヒマを見て、テストしてみようかと思いますw

んで、注文したんですけど、なんせ注文数が少ないので、なかなか時間がかかるみたいで、待っている間に別の実験をすることにしました。

ンデ、急に横道にそれますが、

ソークの実験です。

通常は、フロッグのソークはマルキューのエコギアオイルを使って行われますが、

コレを使うと、大きくなる代わりに、クッソ臭くなります。ワームをやりこくしてさらにエサの匂いをつけるためのオイルなんで臭くなって当然なんですが、フロッグの場合、ソークの目的は皮の肥大化に伴うウェイトアップで、さらに臭くなっても釣果に影響がないんで、フロッグケースが臭くなるし、メリットがまったくありません。で、以前マルキューに聞いてみたんですが、フロッグが大きくなる理由は、塩ビの皮が可塑剤を吸収するからとのことでした。つまりは、ソークオイルの正体は塩ビゾル用の可塑剤。さらにマルキューの話では、食べても大丈夫といっていました。可塑剤の中には、食品添加物の規格に適合したものとかもあるんで、そーゆー可塑剤とエサのニオイエキスを混ぜたものじゃないですかね〜!?

ともすれば、フロッグは手持ちの可塑剤、DOPに入れても大きくなるはずです。

そこで純粋な可塑剤でソークしてみることにしました。つまり皮をDOPにドブ漬けってこと。

ちょうど大きさが比較出来るフロッグで、セサミが2つあったんで、片方をDOPにドブ漬けして変化を見ました。

1ヶ月くらい放置していましたが、結果がコレ!めっちゃでかくなりましたw

もーね、バスプロとあんまし変わらないくらいですわ〜!

前にマルキューオイルでソークしたのと比較してみると、マルキューのは表面がツルツルヌルヌルで、ローションプレイみたいだったんですけど、DOPでやったのはそこまでツルツルではありません。肥大化もマルキューのよりは大きくなっていると思います。市販のソーク剤はエサエキスが配合されているはずで、もしかしたらあれが肥大化の邪魔になり、さらに表面をローション化させているんじゃないですかね〜!?フロッグの肥大化用途であれば、エサオイルよりはDOPのほうが良いと思います。つってもDOPでも、表面はベタベタですよ、ツルツル感があんましないだけ。理想は、ソークなしで最初からでかいフロッグを使うことだと思います。


コバゾールの到着
結局、コバヤシに問い合わせてから2ヶ月くらいかかったんちゃうかな!?問屋紹介してもらって、問屋とやり取りして、やっとこコバゾールが到着しました。値段は商品代金、送料、消費税全部あわせて二万弱。20kg!フロッグ2000個分や!1個1000円で売れたらなんと200万円や!10円だったら20000円w。ほんま、最低でも100円出品くらいからやないとやっとれんで(滝汗)

しかし、これでは使えません。小分けにしないと、いちいちこんなクソ重いもんをビンに移しかえれますかいなw

フタをあけたらプシュッと音がしました。おそらくこれが劣化の始まり。空気中の水分に反応するんやろね〜!はよ作りきらんと!つってもフロッグ2000個作るん、いったいどんだけ時間かかるんやろw

小分けにする方法をいくつか考えたんだけど、100均のお茶のボトルにいったん移して、それを4Lのスチール缶に移すことにしました。しかし、1斗缶からお茶に移す時に1斗缶の口から微妙に漏れていき、下が油まみれになります。ビニール袋をしくと、1斗缶を持ち上げる時にビニールがひっついて作業性が悪い。

一応移しかえれましたが、作業的には改善の余地アリです。次やるときはもっといい方法を考えようwってか、次はあるのかしら(汗)

そんで、早速成形テスト。ゾルを量り、DOPを足して、110.5のゾルを調合します。

DOPの追加はロッドビルディング用のミキシングカップに移し変えた後やるのが調整しやすかったですw

こうして110.5が完成w

そんで成形テスト結果がコレ!キレーイ!実はカタをペーパーがけしたんよねぇ〜!成形を繰り返していくと塩ビの細かいカスがこびりついてくるんですが、それをペーパーでこすって落とすとカタがきれいになって透明度が増すようです。

ホラ、これなんて市販フロッグの透明な皮と変わんないですよ!

ただし、大関はダメ。気泡がかなりかんでいます。カタが大きいとディッピング時に蓄熱が大きすぎて沸騰するんかねぇ!?それか、ディッピングした際にエアがかんでて、そのエアが蓄熱で膨張して硬化しているのかも!?いずれにしても、クオリティの高い皮というのは難しいですね〜。

で、小カメ、中カメ、大関まではいい感じに成形ができましたwやりこさもグッド。厚みは1.5mm前後になってやや厚気味の皮なんだけど、今までのゾルでの成形に比べるとやりこさがベリーグッドで、市販フロッグと大差ないくらいの厚み、やりこさだと思います。本音を言うと、やや硬めの109くらいの皮を極薄成形するほうが私的にはベターなんですが、雷魚マン受けするのはコチラのやや厚めでやりこい皮だと思います。前者の皮はへこむ時にクシャッとなりますが、今回の皮はプニョン!ってなるんですよね。

ただ不安な点がひとつ。

やっぱ可塑剤多くて、ペチャペチャいいます。この状態で、塩ビ塗料を使っても大丈夫なのか少し不安です・・・・。

あと成形テストで横綱が失敗。やたら肉付きが悪いです。

あと、今回、ゾルのガラス瓶をモノタロで買ったんですけど、いつもの瓶じゃなくて少し高めのパオックのG450という容器なのですが、フタがちゃちくて、ゾルがダダモレ。

やっぱ前使っていた東洋佐々木硝子の瓶のほうが安くてこぼれにくくてあと深いので、ディップ成形には向いています。ただし、取り扱いがあんましなく、香川では木太町の西村ジョイくらいしか売っていません。昔は100均にも置いていたんだけど、なくなってしまった・・・・。

横綱、でかいんで、1Lの瓶でやってみたんですけど、

これもイマイチ。もう少し肉が欲しいです。ひょっとしたら引き抜く時の速さかなぁ!?肉付きが悪いカタは引き抜く時の速度を遅くしたほうが良いかもしれません。

そんで、再び、同じ条件で引き抜く時にゆっくりとやってみると、肉付き回復wやっぱし、おそらく横綱のカタはケツの尖がりが大関よりもきついんで、肉付きが悪いんだろうと思います。カタによって引き抜くスピードを変えたほうがよさそうです。やりこさもバッチリw

塗装方法の変更

昨年問題だった、外壁塗装の問題点。つまむところが塗装できない点の改善です。

まずはワニクリップに爪楊枝をはさむ。

フロッグには熱したニードルで穴を開ける。

爪楊枝を穴にはめて、このようにセット。

これでボディをつかまなくてすみますw

で、塗装しましたw

バッチリッスね〜w

ちなみにこれは前のゾルでやった皮なんですけど、塗装後はボタモチ風の弾力が殺されて、プニョッ!からクシャッ!となります。塩ビ塗料の問題点ですね〜。新しいゾルは前のテストゾルよりも可塑剤が多く、肉付きもいいと思います。塗装したらどうなるのか、楽しみです〜w



銀ラメ成形
前々からやってみたかったんですが、銀ラメ成形のテストをやります。昔はよく使っていたんですが、使わなくなりました。銀ラメカラー多いけど、ラメが入る分、どうしても皮が硬くなるので、まったく使わなくなりました。

市販フロッグを見ての考察

今となってはレアなフジオカ銀ラメマンズ。

ところどころでラメの粉が飛び出しています。

クソレア。オオノ初期ロットの銀ラメアマガエル。

表面は多少ザラついているものの、飛び出ているようなラメはなし。

紗フロッグも同様に飛び出ているラメはなし。

成形上、どこかでラメ配合のゾルを入れていないと表面は飛び出たラメでザラザラなになるので、おそらくですが、スラッシュ成型での銀ラメ作りは、外側から、透明ゾル→ラメゾル→透明ゾル、といった具合に、ラメを隠す層を余分に成形しているはずです。さらにラメが入ることで柔軟性が失われるはずで、だからラメカラーのフロッグはソリッドカラーのフロッグよりも硬いんじゃないかな〜と思います。

さらにラメは外膜を飛び出すリスクがあるんで、アマガエルみたいにラメ粉は少ないほうが見栄えがいいと思います。使用するゾルはどう考えても透明ゾルなんで、今現在使っているゾルでもできそうや!というわけで、テストをやってみることにしました。

ちょうど今あるのが、パール塗装用のパール粉。パールよりかは細目のメタリックのほうがキレイなんでまったく使っていないので試しにこれを入れてやってみることにします。

適当に瓶に入れて、

ゾルを入れてみると、下で沈殿したまま固まっています。バラけるかと思いきや、ゾルがねばいので、混ざりにくいですな(汗)

混ぜてみると、なっかなか混ざらず、

マドラーの箸を見てみると、バラけそこないの粉ダマの嵐。ちょうど、タコ焼き作る時の溶け残りの粉みたい。あと気泡がすごい。

で、しばらく待ってみても気泡が消えるような気配はゼロ。

この状態で成形してみました。結果、大失敗。表面はエアをかんでボコボコ。かたいし、全然ダメ。また、キラメキもまったくないし・・・・。

ま、1回目からうまくいくはずがないし、これを元に改善点を考えてみると、

@ラメ粉はあんまり小さいとキラメキがなく白くなってしまう。
Aラメ粉は少なめでOK。
Bゾルはシャバくないとラメ粉がバラけない。
Cエアがみを抑える必要がある。

こんなところ。次なるテストは、ラメ粉をもっと大きいものにチェンジ。ゾルに少し入れて成形。エアがみが多いと、DOPを追加してゾルの粘性を下げる。将来的には、ラメ層を積層した後、二重ディップで外装を積層という方法でいけるかな?と思いますが、これもテストする必要がありますね〜!

あと、今回思ったんですけど、

まえまえから問題視していた皮に付くエア。この原因は、

おそらくコレ!成形前にゾルに残っているエア。

ゾルって塩ビ主剤と可塑剤で、比重が違うので、可塑剤が上に、塩ビが下に分かれるんですが、それを混ぜるために成形前に瓶を逆さにしてフリフリしているんですわ。おそらくこれでエアがかんで、さらにカタの蓄熱でエアが膨張して、結果、塩ビボディに気泡が付着するんじゃないですかね〜!?兎に角、フリフリはやめたほうがよさそうですわ。箸も混ざりにくいし、ナイフみたいなマドラーをかって、なるべくエアが立たないようにゆっくりと混ぜたほうがよさそうです。

んで、続いてラメを変更することにして、選んだのがコレ。手芸センタードリームで売ってたラメ粉。

きらきらしていて、こんな感じ。

そんで成形するとこんな感じ。

いい感じかと思いきや、

裏返すとボロボロとラメが落ちます。

ディップ成型では、ラメが埋め込まれた感じにならず、カタ側のラメがカタに付着してゾルが付着しないのでラメが埋め込まれたようにならず、そんで、裏側のラメがボロボロと落ちるんじゃないですかね〜!?

そんで続く方法は2重ディップ。最初にノーマル少し肉付きさせた後、ラメゾルにディッピングという方法でやってみようと思います。

ラメは少なかったので増量してバンバン入れてみましたw

で、成型したのがコレなんですけど、まず、ラメのバラつきがひどいです。ケツのほうにラメが固まって頭のほうは全然付いていません。それと肉付きがよすぎ。2重ディップ自体、やったのは初めてなんですが、肉付きめっちゃいいですね。110.5の配合で2重ディップをすると厚すぎかもしれません。110・5のまま浸漬時間を短くするか、もしくは111くらいに希釈して2重ディップってのもアリかもしれません。

しかし、さすがにラメ前にいったんゾルを肉付きさせていたら、内側は完璧。裏返してみても、ラメがボロボロこぼれるようなことはありませんでしたw

しかし、ラメのバラツキばかりはどうしようもないので、

ラメの量をもっと増やして再チャレンジしてみました。

そうして再成形したのがコレ。思いっきりバラ付いています。表面にういているので、ディップするときに頭にたくさんついて中央付近はサッパリつかないのでしょうか?

そこで今度は表面にういたラメ粉を沈めるためにゾルを混ぜてみました。

すると粉が下に沈殿。ラメ粉の比重が高いのでしょうか、ほとんどの粉は沈殿しました。

そこで沈殿したラメ粉を均一にするために瓶をひっくり返して粉を再び表面付近へと向かわせました。

この状態で成形をしてみたところ、これも失敗。粉が付きません。うーん・・・・という感じです。

ここらでちょっとラメ粉見なおす必要があるんちゃう?って思い、ラメの粉を小さくしてみてはどうかと思いました。ラメ粉が大きいとバラツキが目だつのと、重いので沈殿しやすく、さらにラメが斜めになって付くこともあるので、そうするとその部分がボコッと凸になってしまいます。

その点の改善で、ラメ粉を小さくすることに決定です。

で、今度は別のドリームに行ってみるとありましたwグリッターという名前でよさそうなラメ粉がおいていましたw

で、適当に粉を入れて、

混ぜてこんな感じにして、沈殿する前に表面に少し浮いた状態で成形してみました。

結果は大失敗。

粉が浮いている部分は空気がかんでカタの前方は肉付きがありません。

その他の部分は、バラツキは均一ではないにせよ、なかなかいい感じなんですが、ラメ粉が少ないためか、透明ボディが目立ちます。

あと、コレは2重ディップしていないのですが、ラメが大きいやつに比べると裏面の粉の付着はいい感じです。粉が大きいほど裏面のハガレがひどくなるけども粉が小さいと裏のハガレは気になりません。

しかし、完璧とはいえず、やっぱ2重ディップして裏面のコーティングを事前にしておいたほうが良好だと思います。

それと、やっぱ銀ラメならラメが多くないとダメやろ?って思うので、ラメ粉多くしてみることにしました。

というわけでラメを追加し、さらに混ぜて表面のゾルを落としました。


そして2重ディップ。

結果はコレ。ラメ粉がつかない!

みてみたらやっぱしラメ粉が沈殿しています。

ラメ粉の沈殿を回避して、さらにゾル内に均一にラメを分布させなければ程度のいい銀ラメは難しいと思いました。

改善として思いつく方法はスターラーでしょうか、攪拌枝子を中に入れてマグネットつきのモーターで回転させて液を混ぜる道具ですが、あれは液がしゃばくないと攪拌子が回ってくれないため、果たして塩ビゾルみたいな水あめ状のものが混ざってくれるのかが心配なのと、遠心力によって重いものはビンの外側にむかって飛ばされるため、ラメは中央が少なく、外側が多く分布することが予測されるため、これもラメを均一に分布させる方法としては適していないようにも思います。

となると、うーん、という感じなんですが、ラメをもっともっと多くして、いっそラメでドボドボくらいにした状態でバラツキを殺すかです。

メーカーがどうやって作っているのかが気になるところなんですが、

これなんかは銀粉まみれのゾルじゃないとできないですよね・・・・。

あとスラッシュ成形は

http://www.obitsu.co.jp/process/index.html

脱法工程で遠心機を使っているようなので、このときにラメ粉が遠心力によって均一にボディに張り付いてくれるのかな?とも思いますが、ディップ成形でこれをせないかんので、なお分からんです。

とりあえず仕切りなおしで、ラメ粉を多くすることからやって見ようと思います。


腹の接合方法の見直し
話はガラッと変わるんですが、毎度毎度接着剤による接合がめんどいのでもっと効率よくできんか考えました。

目をつけたのが溶接。フロッグのチューニングでたまに見かけますが、皮をハンダコテで溶かしてシーリングのところに塗る方法がありますが、あれの応用です。調べてみると、軟質塩ビの溶接棒があるため、これを使って腹を接合できないかやって見ました。

洗濯ばさみで接合面を合わせて、バイスで固定。

これに溶接棒とハンダコテで溶接を試みました。

ところがどっこい溶接棒が溶けません。溶け方からみて、これはおそらく硬質塩ビの溶接棒と一緒。あれのやわらかいバージョンかねぇ???角度のきついところを溶接する時に使われるんじゃないでしょうか、軟質塩ビの溶接にはまったくの不向きです。

そして実験ついでに、フロッグのボディの切れ端を使って溶接を試みました。

これは出来たっちゃ出来たんですが、ハンダでやるとこげてから見栄えが最悪。

あと強度がイマイチすぎ。やっぱ塩ビっていったん固まると溶ける時は焼けこげる時なんで、うまくいきませんね〜。それならいっそ接合面にねばいゾルをつけて温風で硬化させながらやったほうが良いかも知れません。なんにせよ、今回の実験は失敗。

次の方法を試みます。

銀ラメはスターラーがないと前に進めないので、とりあえず置いておいて別の研究に着手します。


塩ビゾルの着色について
今現在、塩ビゾル自体を売ってみてはどうか?ということを試してみてるんですけど、この際、色付きのゾルだともっと付加価値がでるかも!?なんて思ってゾル自体の着色をやってみようと思いました。

そこでコバヤシに相談してみたところ、製造メーカーでは、ごくごく一般的にゾルの着色が行われているようで、その方法もいたって簡単。

油絵の具を混ぜるだけ。

食玩メーカーなんかではクサカベ油絵の具を原料に混ぜて着色しているようです。

なるほど、塩ビつっても半分以上は可塑剤っつー油だもんで、この油に溶ける顔料を入れてしまえばいわゆる「油性顔料」というカラーリングができるんやね〜。

ともすれば、フロッグで使われるようなソリッド系カラーは顔料系の油絵の具。ワームで使われるような「透け」カラーならば、マジックで使われるような油性の染料インクってことでしょうか!?
色の道が開けてきたような気がしますw

一応、コバヤシからも専門の顔料が出ているこた出ているんですけど、量が最低でも15kgとかとんでもない量なんで、とてもじゃないけど無理!

そこで油絵の具を用いたゾルの着色を試してみることにしました。

つってもクサカベ油絵の具はあんまし流通していなくて、香川で手に入るのは番町のナルホドウくらいのもの。

一般的な文房具屋ではホイルベインの油絵の具がポピュラーだと思います。

そこで仕入れてきたのはホイルベインの油絵の具。20mlで250円ほどでした。クサカベもホイルベインも同じ油絵の具なんで、いけるでしょ〜!って感じですw

ンデ、実験スタートw

用意したのは110.5に調整したゾルとホイルベインの油絵の具(黒)、ハカリに30mlのミキシングカップ3つ。

で、ミキシングカップに0.2gほど油絵の具を入れます。

その後、2%、3%配合といった具合に調整しました。

その後、20gほどゾルを入れます。いわゆる、絵の具を1%配合。

その後、割り箸で沈殿した絵の具を混ぜます。

ゾルが割り箸にくいつきにくくてやりにくかったけど、何とか完了w

こうして3種類のサンプルができました。

そしてこれらをテストで焼いてみました。

こうしてできたのが1〜3%配合の皮。

絵の具1%の皮
ぱっと見、まったく問題なく着色されていますが、

LEDにかざしてみると透けが目立ちます。1%では少し隠蔽性が弱いように思います。
また、ゾルに混ぜ込まれた顔料の染み出し(ブリード)はなし。樹脂内部にガッチリとホールドされて、ガッツリと発色しています!
こりゃ市販フロッグの皮とまったく変わらんぜよwww

絵の具2%の皮
隠蔽性が上がり、まったく問題なし。柔軟性もいい感じw

絵の具3%の皮
同じくまったく問題なし。柔軟性もいい感じw

2%と3%で色の違いが分かりません。
揉んでみて柔軟性を見てみても、これも違いが分からず。

と、ここで昔の記事を思い出したんですけど、

http://fukusukeraigyo.digi2.jp/furoggunoirotoyarakosa/furoggunoirotoyarakosa.html

フロッグの色の違いによる柔軟性の違いをテーマにした実験を行いましたが、黒がやわらかく、白は硬いという傾向がありました。

ともすれば、この傾向の原因というのは混ぜた顔料の量によるものではないのでしょうか。
メーカーも同じく透明なゾルに顔料を入れることで着色しているならば、
黒と白だと黒のほうが隠蔽性が高いので、ゾルに入れる顔料が少なくてすむ。
反面、白はもっとも隠蔽性が悪いので、ゾルに入れる顔料は多くなってしまう。
結果、顔料をたくさん入れたゾルは焼かれた皮の重量比に対して可塑剤の割合が少なくなるため、硬くなってしまう。

たとえば、10:10配合のゾルで
黒:顔料2%配合
塩ビ主剤:可塑剤:顔料=10:10:0.4(20×0.02)
→成形後のゴム重量:可塑剤=20.4:10
→ゴム10gに対して可塑剤4.99g

白:顔料5%配合(仮)
塩ビ主剤:可塑剤:顔料=10:10:1.0(20×0.05)
→成形後のゴム重量:可塑剤=21:10
→ゴム重量:可塑剤=10:4.76
→ゴム10gに対して可塑剤4.76g

となるため、同じ10gのボディを成形したとして、黒は可塑剤4.99gなのに対し、白は4.76gと少なくなってしまいます。

このように考えたら、黒がやりこくて白が硬い理屈が通ります。

この推測からいくと、

柔軟性の高いカラーというのは

透明>黒>グリーンなど隠蔽性の強いナチュラルカラー>青>オレンジ>白などといった隠蔽性の悪いアピールカラー

って感じですかね〜!?

もし同じ柔軟性を持たそうと思ったら、白のゾルは10gに対して可塑剤が4.99gになるように可塑剤を別途追加する必要があるというわけです。

いやはや、フロッグというのは奥が深いルアーですな〜www

だもんで、兎に角、顔料は出来るだけ少ない配合で着色したほうがグッド。したがって、黒は油絵の具を2%配合でキマリです。

一応、1日置いてみると、やっぱ顔料が下に沈殿しているように見えます。使う前は混ぜなきゃいけませんね。顔料ナイフかってこよ!

これから別の絵の具も調査していきます。

で、ホイルベインに調合するさいに使われる標準的な色を聞きました。

結果がこれです。

白:パーマネントホワイト。
黒:アイボリーブラック
赤:ローズバイオレット。
青:ハイドレンジャーブルー
黄色:カドリウムイエローテール

です。これを各色そろえれば、どんな色でも調合が可能です。

で、とりあえず、購入するとして、まずは今ある色でフロッグの成形をやってみることにしました。

まずは絵の具を入れます。110.5のゾル462gに絵の具を9.24g入れます。

ところがどっこい、絵の具って比重が低くて、結構な量を入れんとダメですね。20mlの絵の具はあっという間に底をつきました。ディップ成形はゾル自体に全部着色しないといけないから結構絵の具を使います。この点、歩留まり悪いのでデメリットですね。100mlくらいないとラチがあきません。

そんでヘラで混ぜてみたんですけど、これがなっかなか混ざらなくて大苦戦。

液がネバすぎて絵の具が下にいってくれないんですよね。ひょっとしたら絵の具のほうが比重軽いんちゃうか?って思ったりします。

逆さにしたりして混ぜて混ぜて混ぜ撒くってなんとかいけたか!?って感じです。

そんで成形。フタをあけて確認してみたところ、明らかにドロドロさが増しています。絵の具をいれることでねばさが増すって感じです。絵の具自体がねばいけん、当たり前かw

そんで、成形完了。中カメのテスト成形。いい感じに出来ましたが、透明ゾルに比べると明らかに厚い。油絵の具を入れることによってゾルの粘性が増し、肉付きがよくなる傾向にあると思います。

で、離型してみたんですけど、スッゲーいい感じですwいつもは塗装して硬くなってうーん。という感じなんですけど、これは塗装する必要がないですからねwただ、やっぱ厚みがあります。市販フロッグみたいな感じなんですけど、もう少し薄くても良いかな?って感じです。

その後、小カメも成形してみたんですけどこれもやっぱ厚みが気になるかな?柔軟性はいい感じなんですけどね〜。

で、二つ成形するとゾルが減ってしまいました。継ぎ足し用のゾルも必要なので、100mlほど追加調整しました。これで絵の具はゼロ。20ml絵の具は大体500mlのゾルを着色したらなくなりますね。しっかし、これもめっちゃ混ざりにくくてスッゲー苦労しました。攪拌方法を考えなきゃいけないと思います。

で、課題として、ゾルの粘性を下げる必要があると感じたので、ゾルに可塑剤を追加して粘性を調整します。

自作フロッグ販売計画その4に続く〜〜〜〜

しっかし、昨年のフロッグに比べると格段に進化しちょりますw

楽しいね〜w


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