フロッグについて思うこと



ずばり、高い!

私が雷魚始めたときは、だいたいフロッグで1000円突破するものはありませんでした。だいたい800円〜1000円。
ところが、今や、ロデオは1200円。ラッティも1200円。ハネクラ1200円。エバグリ1200円。ウィプラはあまり変わらず、1000円。ってな感じ。

で、オプティマムベイトとか、ウォーターランドとか、1500円を超えるようなフロッグもあります。

軒並み1000円突破の最近。高騰の一途をたどっているように思える最近のフロッグ事情。

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もっと安くでけるやろ〜!


とつねづね思います。


実際、皮1個作るのにかかる原料代なんて高くても100円もかからないでしょう。だって塩ビですよ。ビニールホース5cmくらいですよ。これに可塑剤はめて柔らかくして、中空構造に成形。どうせプラントでやるんだから、製造工場のメインは他の中空製品。マヨネーズの入れ物とか、しょうゆさしとか、ペットボトル容器の容器とかのほうがメインじゃないんですか?そのついででやるんでしょう。

おもちゃ工場が下請けメーカーという説がありますが、あれには少し疑問です。トイザラスとかに行って、中空の塩ビ人形見てみてください。精度が荒すぎます。あの精度で、継ぎ目を消して、均一な皮を作るような成形が出来るわけがないと思います。

プラ成形マーケットで見ると、中空製品のメインは、液体容器です。市場規模がおもちゃとは桁外れ。技術力も雲泥の差があるでしょう。だから、私はプラ容器の工場がフロッグの下請け工場ではないかと予測しています。

フロッグ製造工程の予想
あくまで私の予想ですが、一般的なフロッグは、無駄な経費が山のように乗っかっているように思います。

まず、皮のOEM、下請け工場で作られた皮がメーカーに送られてくるでしょう。
そして、フックのOEM。プラ成形工場と金属加工技術では技術が別の気がするので、おそらく鉄鋼系の下請工場ではないでしょうか。

針は剛性だの曲げだの、特殊な金属加が必要なので、特殊な金属加工工場ではないでしょうか。ちなみに、ポパイで聞き込みしたんですが、カツイチは手曲げで加工しているみたいです。アイはフックと同じように、金属曲げ技術が必要な気がするので、同じ工場から製造され、送られてくるように思います。

それからパッケージ。これは印刷会社から送られてくると思います。

で、純正のオモリ。これは第一精工とかの板オモリを流用しているだけのような気がします。

で、これらフロッグのパーツたちが、メーカーに送られてきます。

そして、単調作業専門のパートさんや内職でせっせと組み立て、梱包して発送。

こんな感じじゃないでしょうか。

銀ラメのアマガエル。
オモリ部分。どう考えてもペンチでひねった跡!
ゆえに、フロッグは下請け工場で出来たパーツを単調作業で組み立てという感じで製造されているように思います。小ロット生産で、しかも色々な部品を組み合わせるので、オール機械組み立てはまずないと思います。

以上のことを踏まえて、フロッグ製造〜販売までの工程図を予想で作ってみました。


まず、工場から集まったパーツがメーカーに送られ、メーカーに雇われた内職が組み立てて完成。それを問屋に出荷し、問屋から釣具屋へ。最後に客ってな感じではないでしょうか。最初にバレーヒルのフロッグが安いといいましたが、バレーヒルの場合は、バレーヒル自体が問屋もしているため、問屋マージンをヘズレるため安いんじゃないでしょうか?

で、この中で、削れるところは削りまい!と思います。

フロッグに限って言うと、無駄が多すぎます。



@まず、釣具屋・問屋マージン削りまい
雷魚人口なんて、他の魚種に比べればほんのわずか。釣具屋いってんまい。まともに雷魚用品そろう釣具屋がどれだけあるか。たとえ、あったって、バス用品にまじって、ちょこんと隅っこにあるくらい。愛媛・岡山はまともに道具がそろう店はなかったですね。香川でさえ、まともに選んで買えるのは、香西とポパイのみ。それでも足りない道具があるから、揃えようと思ったときは、通販使います。おそらく、雷魚マンのほとんどが通販を利用しているのではないでしょうか。だって、道具が売ってないですからね・・・。

だったら、いっそ全部通販直売でかまんやろと思います。どうせ、多くのライギョマンが実際に目で見て買うことがでけんのんで、販売店に下ろす必要なし。これで、問屋マージンと釣具屋マージンを削れます。



A続いて、針+アイいらんやろ
フロッグは、もともとチューニングしやすいようにバラしやすいように作られています。
自分の持っている針から、ベストの針を選び、その針を元に、ボディに合うようにアイを選択します。だから、雷魚マンは色々な針を持っていて、チューニングの自由度が増せるようにしています。そのため、針はキホン別売りも用意しています(アルキデス、雷魚デントスは惜しい!)だったら、初めからフロッグについている針にどれだけの意味があるのか。自分のチューニングケース開けてんまい!純正針、どんだけ余ってますか?

針をコレクションして、実戦投入時に悩めばいいじゃない!
これで、針+アイの製造原価+メーカー利益が削れます。別売りするにしたって、組み立て人件費が削れます。



B続いて、パッケージ、単色印刷でかまんやろ。裏の印刷いらんやろ。
フロッグって、ハコとパッケージ全部一緒で中身だけ違いますよね。ハンコでフロッグ名を打っているだけ。だったら、単色印刷にして、ハンコだけにしたらいいじゃない。これで、版代、パッケージ代大幅に削れます。



C組み立てんでかまん!
フロッグは、チューニングしやすいように、簡単にバラせるように作られています。パッケージあけて即バラすもんを組み立てることに何の意味があるのか。全く意味がありません。内職で組み立てるにしても、人的ミスで、不良品が発生する可能性が出てきますが、組み立てないと、その危険性が小さくなるので、不良品率低下につながって、コスト削減にもなります。また、内職の人件費も削れます。針とか全部一緒に入れるとしても、組み立てないだけでも作業効率は上がって、人件費は下がるはず。組み立てないことで、人件費が大幅に削れます。



D皮、1色でええやろ!
量産効果。同じものをたくさん作れば、作るほどコストが下がる効果。そりゃそうです。

1種類の商品を1000個作るとしたら、どうせ作るのは機械ですから、1000個できたころを見計らって、商品を移動させる人が一人いればよし。しかし、5種類の商品を200個ずつ1000個作るとしたら、全くコストは変わります。まず、200個できたあたりを見計らって移動×5。原料を入れ替えること5回。それに伴い、樹脂投入ホッパーの掃除×5。そして、人的ミスによる不良品発生率急増。

だから、コストを下げようと思ったら、少ない種類をたくさん作ることです。

しかし、最近のフロッグは、色が多い。たくさんある色が量産効果を妨げる。
ラッティなんて、調べたら、25色もあるんですね・・・・。オリジナル・セサミ・セサミL・ジェリービーン・ジェリー・バップ6種類で25色もあったら・・・・

ひゃ・・・・150種類。

それにボンバーオリカラとか、オオノオリカラとか、が加わって・・・・。もう考えるのがめんどくさい。これ、一色で作ったら、たった6種類ですよ。150種類のフロッグを各100色ずつ作るとしたら、15000個。6種類だったら、各2500個も作れて合計15000個。コストも後者のほうがだいぶ安いはず。

コストがどれだけ違うか・・・・・・。

でも、皮の色は重要ですよねw

だったら、塗料があれば良いんです。フロッグをすべて白で作る。オプションでCMYKの塩ビ塗料を発売。すると・・・・・CMYK+W(フロッグの色)でどんな色でも表現できます。白下地だったら、発色は良いのでカラーのノリは良くなります。

欲しい色がないからって、通販使う必要もなし。欲しい色の発売を待つ必要もなし。

もし、ラメにしたけりゃ、ラメ塗料を作ればいいんです。実際、化粧品でラメマニュキュアありますから、あーゆーふうに作ればいけるはず。ただし、マーブルは無理でしょうが・・・・。

欲しい色は自分で調合して作りまい!フロッグチューニングに塗装が増えたら、これまた自由度が上がって、チューニング楽しいでしょうねwネット調べたら調合表なんてスグに見つかります。

そして、これはメーカーにとってもひじょーーーーに有利です。

まず、1色製造で製造コストは大幅に下がります。単純に、コストが下がると他社との競争力が上がります。
そして、塗料ですが、CMYKすべてがないと調合が出来ないので、全色バランスよく売れます。
そして、リスク回避。今までのように、25色作ったら、売れる色・売れない色が必ず出てきます。そうすると、売れない色は在庫となってしまい、釣具屋のダメージにつながります。1色製造だと、たとえシーズンで売れ残っても次の年の売れる時期(春〜夏)に出荷できます。

つまり、製造リスク・販売リスク、共に下がります。それと、下請けメーカーとの交渉ですよね。「最小ロット何個から・・・」の時に、1色製造だったらたくさん作れるので交渉がしやすいでしょうね。

そんなこんなで、フロッグはもっともっと安く出来るはずだと思うし、メーカーにもそうして欲しいな。と思う今日この頃です。



追記140228
雷魚用の針について

フロッグ製造について最もネックになるのが、針だそうです。

針の作り方については
http://www.hyoturi.or.jp/?page_id=181
ここにわかりやすいフロー図があり、この中の「成形」というところが問題で、成形する以上、「金型」が必要になるようです。

硬線を曲げることはモチロンのこと、針先を尖らせるのも金型で、どうも聞くところによると、針先にペンチのような金型を挟んでバチン!と一気に尖らせるようで、その際にできる傷が、

こーゆーキズなんだとか。言われて見れば、デッドスティングにもハニカムにもあって、おおむね多くの針でこーゆーキズを確認できます。

だもんで、金型を作る以上、大量生産しないとメーカーとしては対応しかねるというわけで、某ショップの話では、オリジナルフックの最小ロットがなんと「2万本から〜」とのこと。

そんなわけで、フロッグのパーツの中で最も投資が必要なのがフックというわけです。

つまり、針を作る段階で、とてつもない数のフックを作らないといけないので、メーカーとしてはそのフックを裁くためにはフロッグの皮に抱き合わせで償却していかざるを得ないそうです。

なるほど、新商品が発売された時、皮は年々変化していくけども、フックは同じのが付いているというのはそのためだったようです。また、明らかにボディに不釣合いの小さいフックを付けて販売しているのも、一度作った針をさばくためだったというわけです。

特に、雷魚みたいなマイナージャンルでフックを開発したところで、釣り人の絶対数が少ないため、作ったはいいが売れんからなるべく少ないロットでしたいのがメーカーの希望でしょうね。しかも軸径3mmクラスの極太フックを加工できるところも限られてくるようで、製造までいくには苦難の連発だそうです。

そんなフックにまつわるリスクを減らすために皮だけで販売していたのが、カンジインターナショナルで、昔11号線のポパイに置いてあったけど、皮オンリーで500円で販売していたのは、そのためだっただそうです。

そして金型を使う以上、作れば作るほどダメージが累積していくため、釣り針用のカタは消耗品だそうです。ある程度数作ったら金型が死亡するようで、その時新たな金型を作るかどうかは、売れ行き次第だそうですが、雷魚用で追加ロットが可能になることは希で、昔カツイチから雷神フックとかモーリスから夢想転生が出たりしていましたが、あれも結局は金型が逝ってしまい作れなくなり、さらに雷魚用だもんで、売れる見込みなしとのことで、金型死亡に付き廃盤になったとのこと。

ずいぶん前になりますが、「フックいらねーんだよ」って書いていましたが、抱き合わせで売っているにはこんな理由があったからなんですね〜。

そういえばウィプラのブルバップもフックがまだでリリースできんそうですが、それも納得ですわ〜。



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