自作フロッグのチューニング
一言でいって、無茶苦茶めんどいです!なんせ、もともとフロッグじゃないもんを「フロッグ風」に無理やり改造するようなモンで、例えるなら、ピペット用のチクビを雷魚用にアレンジしたりするニュアンスでしょうか。
コツは、落ち着いてやることです。焦ったらダメ!
ではイキます!
製作例はもちろん、現段階でイチバンの自信作、133号です。
で、このフロッグですが、そもそもが、ディップ成形で作ったものなので、離型しようとおもったらカッターで金型から切り取らないといけません。それゆえ、必ず大きな切れ目が出来ます。プロがやると、ディップ成形でも「無理抜き」と言われる技術があって、それを駆使したら樹脂を切ることなく離型できるんですが、素人成形じゃ、まず無理。
で、まずは、塗装です。いわゆる、グリーンダイヤモンドさんで紹介されている方法で行います。フロッグの内壁をマジックで塗って色を変えてやろうというものです。色が限定される(明るい色は透ける。透明なフロッグしか色が変わらない)のが難点ですが、硬さも変わらないし、アレがイチバンいいんじゃないでしょうか。で、グリーンダイヤモンドさんでは、ちょっとした切れ込みの間からマジックの先を入れて塗り替えていましたが、ディップ成形では大きな切れ込みが入ってしまうので、「裏返し」て塗ります。いわゆる、カワハギの皮剥ぎの要領です。
で、ゴクブトマジックインキで塗りこみます。細いマジックが主流ですが、マジックが細いと、塗り重ねた時に、以前塗ったところが溶け透けてしまう為、ゴクブトで一気に塗りこんだほうがムラなくきれいにいきます。
塗り終わったときはこんな感じ。
で、乾くのに1日かかりますので、針金に引っ掛けて気長に待ちます。塗って2,3時間はちょっと指が触れただけでも指が真っ黒になります。乾くのが遅いです。
乾いた時はこんな感じ。
で、裏返していた皮を元に戻します。外壁はなーにも手を加えていないので、キレイですw
そして、離型できった切れ目を引っ付けます。一度切ってまたつけるのが非効率ですが、仕方がありません。パンドーでやります。なお、自作フロッグのチューニングし始めは、瞬接で仮止めしてパンドーでやっていましたが、どうも、塩ビと相性が悪いみたいで乾くのが遅くて、またタレやすく、タレたら最後、その部分だけカチカチになったりで、いいことありませんでした。瞬接厳禁。パンドーが乾燥が早くて強度も柔軟性もあって、ベストです。
こんな感じに切り口の内側にベットリと塗りこみ、(パンドーの溶剤で内部のマジックが若干溶けますが気にせずいきましょう)
手で軽く押さえながら、息を吹きかけて硬化を早めます。
2,3分まつと、もう離れなくなります。
それを待ってましたかのごとく、2,3回、下腹部を薄く塗りこみます。腹筋強化の要領です。切れ込みがある以上、
凹む時は下部がになりやすく、そのため、下部を硬く、平坦にしたほうが後々チューニングがしやすいのです。
で、このまま1日待ちます。間違っても数時間で次の過程にいかない。必ず1日待ちましょう。次に行くステップは完全硬化の後です。
で、完全に固まったらこんな感じ。
やりこさはこんなもんですwいい感じですw
フルボトムにかかる圧力、200gくらいのもん。ベストです。
ようやく次にいけますw
で、ディップ成形の宿命。タレかけの樹脂。
で、ハサミで切りますw
で、フックの選定。いわずもがな、ハニカム6号がイチバン合います。
で、エアフックホール構造をとるような場所に穴を開けます。
続いてブレイデッドの用意。25号のガリスウルトラノットを適当な長さに切り、
ノットを組みます。詳しくはブレイデッドアイ製作を参考に。アイまでの長さは2.3cmといったところです。
しかし、長さが違ったので、
作り直し、今度は1.5cmといったところにしました。結束に使ったPEはアバニGT8号です。
するとジャストフィットwいい感じです。
で、ブレイデッドの結束部のチチワの部分がちょうど合いの入り口のところに来たため、抜ける心配がありません。
そうしてアロンアルファで結び目を接着。これでブレイデッドアイの完成です。
で、アロンアルファをヒタヒタに塗った場合、完全に乾くまで、結構な時間がかかるので、1日待ちます。
これで完成。
いまいちどフィッティングしてみますが、いい感じですw
続いてシンカーを巻きます。
0.8mmを糸オモリ巻いていき、
垂直浮きを狙うので、1.5mmの太い糸オモリをゲイブ部分に巻きます。
重量測定。一発目は21g。OKOKです。
で、いつもの東邦産業UVレジンを適量付けて、
UV照射。
目安はオモテ6分、ウラ6分です。
固まったら次のシンカーの準備。UV接着剤はこのあたりの作業性がアホほどいいのでアホほどオススメです。で、次のシンカーを適当に切って総重量を測定。29g。前回作ったフロッグで31gでは余裕の浮力であるということが分かっているので、35gくらいを目指します。
シンカーを巻いていき、
さらにシンカーを追加。総重量が32gになるようにします。なぜかというと、この後のUV接着剤やシーラーやらが増加し、それが総重量に加わるため、目標の重量よりも2g程度少なくしておくのがコツです。ちなみに、シーラーやらシンカー接着剤の増量分は、1.5〜2.0gといったところです。
で、巻き終了。
ちょっとしたコツなんですが、最初の巻き始めはちょっと浮いているため、ラジオペンチでちょっと圧着させると干渉が少なくなっていいです。
で、ボディにフィッティングさせようとおもったら、フックホールが小さくて入らん〜
だもんで若干穴を広げます。
こんな感じにフィッティングできます。
で、いまいちどボディにフィッティング。通常のフロッグでは、糸オモリを巻くことでボディが上に行き、ウィードレス性能がよくなり、フッキングが悪くなるんですが、このフロッグはは、ゲイブ部分がスカスカになるボディ構造なので、ボディに干渉する部分がなく、糸オモリを巻きまくってもボディの位置は変わりません。当然、最初にフィッティングした時と同じバランスになるため、問題はありません。
で、浮き方の確認。フロッグチューニングの難点なんですが、アイの部分から空気が抜けるんですよね。結果、最初は浮くけどスグに沈没。アイの大きいハネクラのフロッグでよく起こる現象です。自作フロッグでイチバン難しいのがアイの抜ける部分をどうやって作るかなんですよね。うまいこといきません。「多分」垂直でギリギリ浮くと思うんですが、シーラーの増量があるので、浮くかどうかはギャンブル。ここらが難しいところです。しかし、おそらく浮くことを祈って次の工程に移ります。
ティッシュでシンカーについた水を拭き取ります。スグに次の接着工程に移ると、水分が残っていて後で泣きを見ます。焦らないで工程〜工程の時間を十分確保すること。これがフロッグチューニングのコツです。
しかし、その間、他の部分の工程はできます。
アイのダメ押し抜け対策です。
現在、ブレイデッドの結束部はこの状態ですが、
このままだと、凸が出ているのが半分だけ。手前だけ出っ張って、
反対側は凹凸なしなので、
凸が出ていないほうをゴム管で凸をつけます。
いってみれば、片側だけ出っ張ったブレイデッドのアイ抜け防止対策。さらなる抜け対策です。これもアロンアルファベタベタ塗りなので、1日乾燥させます。
そんで、ボディにフィッティング。いい感じです。
アイの処理が終了した頃に、巻いたシンカーを接着。UVレジンでUV硬化。
フィッティングしてみたけれど、フックホールが小さくてパッツンパッツン。
だもんで、ニッパーで穴を広げて、
フィッティング。問題なしです。
総重量はUV樹脂の重み分、増加して、32g→33gになりました。
で、フックホールのシーリングの前にエアホールを空けます。というのも、中空内部の空気の逃げ道を作っておかないと、フックホールからエアが逃げるため、パンドーから中の気泡が出てきてうまく接着できないんですよね。柄付き針やマイナスドライバのちっこいのとかを使って、ボディに穴を開けます。
で、「横長のフックホール」の記事で載せたんですが、フックホールは横長のほうが凹みやすくていいんですが、このフロッグの場合、逆台形でディップ成形だもんで、ケツのところはうすうすです。フック&エアホール周辺が無茶苦茶薄く成形されるので、ミクロスパーテルで横長のエアホールをあけると強度が弱くなりすぎてNG。ディップ成形は、尖っているところは、薄いので、柔軟性、凹みやすさは、円形エアホールでも全く問題ありません。
で、いよいよ接着。パンドーを爪楊枝でフロントだけ接着します。
こんな感じ。
で、フックホール前方だけ接着しました。
裏側にはまだ接着剤は入れていません。一気に両側を塗るほうが作業性は良いんですが、フックがズレやすく、片側だけボディから出てしまってウィードレス性能が死ぬことが多々あります。焦らず、片面ずつシーリングしたほうが失敗なく、それでいてキレイにいけますw
で、1日待って、今度は裏側をシーリング。ボディが逆台形だと、ケツが尖っているので、めくりやすく、シーリングも楽です。
パンドーが余ったらついでに、腹筋強化もしておきます。
それが終わったら、アイをパンドー付けします。爪楊枝でブレイデッド〜ボディのスキマにシッカリとパンドーを充填させ、そして、外側のボディもシッカリとパンドーつけます。
乾いたら、Dスレッドを巻いて、
抜き糸をかまして、引き抜くと、スレッド内部にスレッドのハシが噛み込み、ノットのコブがないアイのグルグル巻きが完成します。
で、そのスレッドをパンドーでコーティング。
固まったら、フックホールシーラーの保護のためのシリコンコーティングです。バスコークというシリコンコーキング剤を付けて、
1日待ちます。乾燥が遅いのでのんびり待ちましょう。シリコンでバリヤーを張らないと、対岸にぶつかった時にUVレジンが割れます。
で、アイの抜き対策最終段階。2液エポキシ5分型で薄くコーティング。
これでカチカチになり、アイはまず抜けません。エポキシの硬い膜とスレッドで縛られた先端ボディががブレイデッドとゴム管の凹凸に引っかかっている状態です。
仕上げにアロンアルファでむき出しになっているブレイデッドをコーティングします。これで、ブレイデッドはフニャフニャからカッチカチになり、ラインが通しやすく、耐久性が増します。オススメは二回塗りです。
長いことかかったけど、ようやく完成w
総重量は34g。結局、ウェイト調整の段階では32gだったのが、接着剤の増量で2g増加しています。だから、ウェイト調整の段階での浮力はギリギリは避けて、控えめにしたほうがいいのです。
最終的にはカンペキな垂直浮きwGOODですw
大きさ的には、ボン以上、ボン未満といったところ。でもでも、デカフロッグの部類に入るよねw
さぁ、今期、一軍選手wがんばってちょ〜w
produced by fukusuke