俺の自作フロッグ、ナンボや?
先日、某有名ブロガーがチューニングしたフロッグがヤフオクに出品され、結構いい値で落札されました。
そこでフト思ったんですわ。
俺のフロッグはナンボなんやろ?
そんなわけで、俺も出品してみるッス!
ナンボになるか楽しみじゃ〜!
数えてみると、今までに実践に投入した自作フロッグは43種類。
最高傑作は何かと聞かれたら、ダントツ「大関」ですわw
良く飛んでフッキングがイイ。ただこれだけなんですが、ベリーグッドなわけですwそんなわけで出品するのは大関!
そんで、せっかくの企画なんで、作る手順をアップしながらやってみますわ〜!
入札を検討する方はぜひぜひ更新をチェックしてくださいね〜!!!
ではイキマスよ!
まずは成形から。自作フロッグの原料はコバゾール。塩ビゾルといわれる熱硬化性のゾルを原料にして作ります。市販フロッグも同じ原料で作られているようです。ただし、市販フロッグはいわゆるキューピー人形のようなソフビ人形を作る技術(スラッシュ成形)を応用して作られており、私の自作フロッグはタコベイトを作るような技術、ディップ成型を応用して作ります。
どちらも熱によってゾルを硬化させるため、熱がいります。
私の自作フロッグでは、電気炉を使用しています。電気炉で金型を暖めてゾルにディッピング。すると、硬化したゾルが金型に肉付きした状態になります。このとき、金型が大きいと畜熱が大きいため、肉付きがよくなり、逆に金型が小さいとスグに冷えて温度が下がるため、肉付きが悪くなります。ドブ漬けする時間によっても肉付きは変わってきます。ドブ漬けする時間が長ければ肉厚に、短ければ肉薄になります。さらにもうひとつのファクターがゾルの配合で、一般的な軟質塩ビは塩ビ主剤と可塑剤と呼ばれる油が含まれており、この油が多ければやわらかく、少なければ硬くなります。さらに可塑剤が多いと、ゾルの粘性が下がり、サラサラになる代わりに肉付きが悪くなり、逆に可塑剤が少ないとネバくなり、肉付きはよくなります。
金型の温度とドブ漬けする時間、塩ビゾルの油の配合、この3つの組み合わせをあれこれ変えてみて、各金型に最適な組み合わせを決めるのが至難の業です。何度も試行錯誤を繰り返すしかないんですけど、私の思うフロッグの理想的な皮は少し硬めで、薄く成形されたものです。一般的には皮がやわらかいほどフッキングはいいと思われがちなんですが、皮が柔らかいとボディを支持するためにある程度の厚みが必要となり、そうなるとへこんだ時の凹みシロがすくなくなり、針の露出が甘くなります。大型フロッグの場合はなおさら形状を維持するために厚みがいるため、これがアダとなります。そのため、大型フロッグを作る場合、ある程硬い皮を使うことで、形状の支持に薄さを使うことができ、この薄さでやわらかさをカバーできます。私の作るフロッグは全体的にデカイんで、なるべくなら薄く仕上げたほうが性能が良く、したがって、ある程度硬い皮を薄めに成形するように心がけています。
このときにモノを言うのが試作の回数で、何度も成形を繰り返し、金型に最も最適な組み合わせを模索します。これである程度は成形条件を固定できるんですが、成形する時期が冬だとゾルの温度が低くて肉付きが悪かったり、2度3度連続して成形する場合、1度目のドブ漬けでゾル側の温度が上がっていて肉付きがよくなりすぎたりだとか、そういうのがあるんで、結局はたくさんの試作品を作り、その中からよさそうなのを選んでチューニングするというのがイチバンだと思います。
私の出した条件は160度前後で、ゾルは主剤:可塑剤=10:9前後ですかね、肉付きが悪ければ可塑剤の少ないゾルを足したり、逆に硬すぎたら可塑剤が多いゾルを増やしたりしています。または、温度を少し変えたり、ドブ漬けの時間を変えたりして作りつつ、作るたびに若干皮の特徴が異なるんで、もう最終的な出来栄えは「運」です。
具体的な成形方法としては、電気炉で金型を加熱し、ゾルへドブ漬け。すると金型側が硬化し、外側が生乾きになるんで、外側にも熱を加えて後乾燥。その後いったん水につけて冷やします。
そして、まだ冷え切らないうちにカッターで肉付きを切り、皮を剥ぐような感じで成形した塩ビの皮を剥ぎ取ります。冷え切ってしまうと柔軟性が失われてしまうため、離形(金型からはがすこと)がうまくいきません。
こうしてできるのが自作フロッグのボディ。こういった製法で作るため、自作フロッグには必ず切れ目があります。帝王切開フロッグです。
で、試作品は大関以外にも色々あるんですが、
今回使う大関はコレにします。薄さ、柔らかさ、共に悪くないクオリティです。実戦でも十分通用すると思います。
で、皮ができたら次は色塗りです。
本来ならば、最初から色が付いているゾルがあるので、それを使ってやるのが一般的ですが、素人がやるなら透明が無難です。というのも、透明の皮の場合、ゾル状態の時は白で、硬化したら透明に変わるからです。このため、透明になったら完全硬化って分かりやすいため、素人がやりやすいからです。
熱をかけすぎたら若干茶色くなって焦げてしまい、柔軟性がなくなります。
逆に熱が足りなかったら曇ったような色になり、へこんだ時に亀裂が入ります。そんなわけで、イイ感じの透明を目指して仕上げるって感じです。そんなわけで皮は透明です。
そのため、透明以外の色で使おうと思うと、塗装する必要があり、着色には色々な方法があるのですが、イチバンのオススメは黒マジック。というのもマジックの塗膜は非常に柔らかく、塗っても柔軟性が失われることがありません。
ただし、染料系のインクなんで、顔料系ペンキのエアブラシに比べると「透け」が入りますが、そこは黒なんで、見た目には顔料系黒のように見えます。そして色落ちもほとんどないというか、分からないので、柔軟なまま色が変えられてそして持ちがいいってわけで、黒マジックがオススメなんですが、黒はいかんせん見えにくい色なんで、雷魚マンからはあまり好まれていないように思います。僕は好きですけどねw
そうなると視認性のいいピンクかオレンジかという選択肢になってくるんですが、マジックのピンクを使うと透けまくって発色がよくありません。そこで顔料系のペンキを用いることになるのですが、そうなるとペンキの選択肢は軟質塩ビ専門のイリサワVカラーかナガシマソフビカラーになってくると思います。ただし、このペンキ、塗れば塗るほど硬くなると思って間違いありません。マジックに比べると皮が硬くなるのは間違いないと思います。
これを皮の裏側から塗るのがオススメです。
オモテから塗っても実戦で落ちることはあまりないので、耐久性は問題ないのですが、このペンキ、鬼のように乾燥が速く、エアブラシで吹くと結構ユズ肌になります。そうなると肌荒れが目立ち、見栄えがあまりよくないのと、ザラツキが滑り止めみたいになって、雷魚の口の中をスライドする時に性能が悪くなるんちゃう?って思ったりすることもあります。でも実戦で問題アリとなったことがないんで問題なくらいのクオリティだと思うんですが、やっぱし裏側から塗ったほうが表面がツヤツヤに見えるので、市販フロッグみたいで見栄えがいいというのがイチバンの理由です。
しかし、使っていくとナンボか色落ちがあるんで、そこらが課題かなとも思うんですが、塗装という選択肢を選ぶ以上、仕方がないのかなとも思います。
で、色なんですが、オレンジもピンクもどっちも見えるんですが、一般的なんでピンクを使おうと思います。このピンクはナガシマの蛍光ピンクに白を少し足したものです。純正の蛍光ピンクは透けやすく、色のノリが悪いため、顔料系の白を足して隠蔽生を高めています。
そんなわけで、いったん皮を裏返してエアブラシにて塗装を行います。使用するガンはオリンポスのPCジャンボ203です。乾燥が速く、タレることがあんまりないんで、失敗が少ないです。
こんな感じに塗り終えました。
ただし、塗装する時にワニグリップがはさんでいる部分はペンキがのらないんで、塗れていません。しかし、どうせこの後パンドーを塗ってしまうのでめだたなくなるのでそのままです。
そして、自作フロッグ最難関の作業、皮の張り合わせです。
こんな感じに開いた状態の皮をうまいこと接着しなきゃいけません。
まっ、パンドー、爪楊枝でやるんですが、イチバン技術がいるのがこの作業です。まずはパンドーを出してしばらく爪楊枝でコネコネして乾燥を促します。そして、ある程度乾燥してきたら
こんな感じに張り合わせの部分に乗せていきます。
そして、爪楊枝で皮と接着剤をこそいでいって、息を吹きかけながら、粘りを出し、そのネバった接着剤を再び皮になすりつけ、慣らしていきます。
ある程度粘ってきたら、指で触ってもネチャネチャなるだけで引っ付かなくなるので、そこから指と爪楊枝を使って皮のハシとハシを継ぐような感じで接着します。
で、こんな感じになったら成功w
仕上げにもう一度パンドーを塗って乾いたらいい感じに腹筋強化もできて出来上がりwとまぁ、言うのは簡単ですが、これがなかなかに難しく、継ぎ目が内側に回り込んだりしてなかなかうまくいきません。
で、一応、フロッグっぽい紡錘形の皮は出来上がりましたが、いかんせんカタが素人仕事なんで、市販品のように左右対称完全シンメトリーというわけではありません。
やや左曲がりのボディといいますか、いびつな形なんで、神経質な人は入札NGです。
あと、ディップ成型のお約束なんですが、タレ跡があります。フックホールの近くなんですが、ここらも素人成形のご愛嬌です。
続いて、このフロッグの断面図の紹介。
ちょうど、硬すぎに仕上がったダメな皮があるので、これを真っ二つにして厚み勾配を説明します。
これが断面図なんですが、
これをノギスで測ってみると
実測値はこのようになります。皮の厚みは1.4mm前後といったところでしょうか、
ちょっと透明なボディがわかりにくいかもしれんので、黒も二つに割って紹介します。
こんな感じッスね。
際立って注目すべき点はケツのとんがった部分で、ここの厚みが他の皮に比べて著しく薄く、0.5mmしかありません。私が思うに、フロッグというルアーは普段隠れているフックポイントがボディが凹むことによって針がいかにきれいに露出するかだと思うので、この部分が薄いというのは大きな武器になると思います。
実際手にとって揉んで見たらその戦力が分かると思うんですが、兎に角、オススメのフロッグです。
ただし、この薄いケツはボディ後部をとんがらせたことによってできるのですが、その代償としてたまに針がケツに突き刺さることがあります。
すっぽ抜けて何かに激突した時とかに希にこんな感じになります。まっ、そうなっても空気が入ったりするとかはなくて、刺さった針を抜けば元通りになるんでなんてことはありません。
で、揉んだ感じ悪くない感じです。ナガシマの塩ビ塗料が表面が少しネバイのでペチャペチャいいますが、実戦では問題ありません。
フルボトムに必要な力は250g前後。これも良好です。
実戦でも戦力十分と思うので、チューニングに入ります。
ここらは自作フロッグのチューニングの項参考なのですが、
やっぱ売り物として出品する以上、結構神経使います。特に自作アイは4回もやり直しました。もう勘弁ですね。もし次出品するとしたら確実に皮だけのほうがイイですな。チューニングまでやったらめんど杉。
で、続いてウェイトなんですけど、これもHPで紹介しているようにハンダ接着なんですが、これも課題が残る感じで、
一周目のコイルへのハンダはいい感じに染みてくれるんですけど、
2回目のハンダはどーも空洞部分への接着がうまくいかないです。
糸オモリが密になった部分へのハンダはうまく入ってくれるんですが、
こちら側の糸オモリはどうしても隙間が空いてしまって、そこにコテを当てた際にハンダと共にオモリが溶けます。仕方がないのでダマになったハンダとオモリを溶かしながらこんな風にふさいでいくんですが、見栄えがよくなく、また運が悪ければ大きな穴ができてしまいます。
ここらの改善点は今後考えていくとして、続いてオモリ部分の収縮チューブです。
ここはPEを巻くか収縮チューブかなんですが、接着強度でいうと、収縮チューブよりもPEのほうが上だと思うんですが、PEは下地が糸オモリなため、巻いている最中に緩みやすく作業性が悪いのと、収縮チューブでも実用上問題があるわけではないため、最近は収縮チューブしか使っていません。2種類の径の収縮チューブを使ってこんな感じに塞ぎ、さらにパンドーで隙間を埋めます。
なお、アイとフックの固定についてなんですが、これもチューニングに課題が残る感じで、アイの穴がフックの軸に比べて大きいんでグラつきがあって、それがガタツキにつながるんで、私はガタ防止のためにアイとフックを縛って、それをパンドーで接着しています。しかし、縛りすぎたらアイが動かなくなってボディがへこんだままになったりするし、緩いと固定用のPEが後ろへ移動してガタが復活したりということがあるんで、何か良い方法を模索中です。なお、これは接着に使ったパンドーのアイ接地部分を熱したニードルで溶かしています。そうしないとアイが動かないんで凹み方が不自然になります。
そんで、コイルウェイトによってできたゲイブ部分の空隙についてはセメダインスーパーXUを流し込んで塞いでいます。今のところ、これで問題は起きていません。
で、仕上げはアイ抜け防止のためのゴム管。これはフジオカで100円で売ってるヤツで、東邦産業のよりも肉厚で抜けにくいかなと思い、今回初めて使ってみました。
で、最後の仕上げのボディへの接着です。
最終的なフィッティングで針先がボディに沿って隠れるようにセッティングします。
具体的にはフックホールを前に切って広げると針のアッセンブリが下に移動して針先が隠れてくれます。
なお、コツとしては、なるべく黒い部分で囲った部分を切らないことです。ここを切るとシンカー接地面が増えてしまい、上下にへこむ時に接地面が抵抗になります。なるべくフックホールは小さいほうが針の出方がいいと思います。
結局、骨組みはこんな感じ。今からシーリングします。
で、シーリングはパンドーをまず腹側にだけ少し塗ってフックの位置合わせ。
その後、完全硬化してからゲイブ側を接着するのですが、今回新しい試みをやってみました。今まではパンドーでやってたんですが、こちら側は柔らかいほうがフックアップするときに抵抗にならないんじゃないかと思ったので、パンドーよりも柔らかいゴールデンミーンのシーラーを塗ってみました。手で揉んだ感じ良好ですw
そんでアイ側はパンドーで下塗りした後、セメダインの5分型エポキシ。今まではスレッドで縛っていましたが、市販フロッグのようにチューブ型のアイ口ができず、スレッドが引っかからないのでやりにくい上に、今までのフィールドテストでやった結果、別にスレッド巻かなくてもアイが抜けたりすることがなかったので、これでかまわないと思います。ただ、希にパンドーとエポキシの間で層間剥離することがあるので、その際はパンドーをエポキシの隙間に入れて接着すれば問題なく使用することができます。
そして、ケツのところにセメダインのスーパーX2。ショック緩衝用に使っていますが、これがあったほうがダメージが少なくなってベターだと思います。一発厚塗りだとタレるので、薄塗り3回で仕上げています。
ただ、これも使っていくうちに白化していき、接着がはがれてくるんで、様子を見ながら剥いで再びスーパーX2がベストだと思います。
そんなわけで完成w
フックポイントの隠れ方は悪くない感じですが、カタがイビツなため、左側のフックポイントの隠れ方が甘いです。あまり気にするほどじゃないと思いますが、
もし気になるならパンドーでドテを作って対処してください。フッキングには影響はありません。
なお、ボディ下部ですが、腹側を尖がらせて船底形状にして水中で動かした直後にスグに安定するようにしています。このほうがストップしたときにフロッグが安定してくれて雷魚が食いやすいかな?と思いますw
なお、フックホールは真ん中に横長の大きな穴を1個。
両サイドに点状の穴を2個つけています。サイズがでかいので、空気の抜けが悪かったら、バイト時に皮がへこまないのでその対策です。横長フックホールを大きめに1個だけとることもやってみたんですが、あれをするとへこんだ後に上下の皮がひっついて水抜きがしにくくなるのでキャンセル。真ん中1個、両サイドに2個の穴が今のところベストだと思います。
トラブル情報
たまに起きるのですが、エアホールが横の穴とつながってしまうことがあります。
これは、先日、バラした横綱ですが、右側の穴と真ん中の穴がつながってしまいました。
別にこれだけ大きな穴でも沈まないし、フッキングに影響はないんですが、修復するなら、パンドーを使います。が、パンドーをイキナリ塗りたくると、パンドーの中にあるシンナーが皮を侵してシワシワになっちゃうので、
いったん、紙の上に出した後、爪楊枝で混ぜながら5分くらい放置します。
その後、シンナーが抜けて、糸を引いたような状態になるので、この状態の接着剤を、
穴の開いたフックホールにツナギとして塗布します。
後は乾くのを待って、穴を開けなおせば修復完了!
ディップ成型フロッグはケツの尖ったところが兎に角薄いので、たまにこういうことが起こるので適時対応してください。
ちなみにこれがシワシワになった薄い皮です。
あと、素人チューンお決まりのアラなんですが、いつの間に付いたのか分からなかったんですけど、皮の一部にシーラーが付いていたようです。仕事が甘いですね(汗)
なお、アイですが、自作アイは市販アイよりでかく、PE12号のヨリ糸ダブルラインでも楽々通りますので、フロッグ交換は楽です。
あと自作フロッグの注意点として、ギューギュー詰めのフロッグケースの中に入れておくと、良く変形します。特に気温の低くなる朝方に。
これくらいすし詰めにするのはよくないです。
これくらい隙間を空けて詰めたほうがいいです。同じ理由で、長期保存の際はなるべく腹を下にして成立した状態での保管が好ましいと思います。
一応、比較実験として市販フロッグと共に洗濯バサミでつまんだ状態で半日くらい置いて皮の変形を見てみたりもしたんですが、
このときは皮の変形があまり見られず・・・・。どーも、塩ビの皮が変形する要因がハッキリとつかめておりません。兎に角、ギューギュー詰めは厳禁です。万が一、変形した場合は、手でモミモミしながら引っ張ったら元に戻りますのでやってみてください。
で、スペックですが、仕上がりは37g。大関のベストウェイトだと思います。
浮力はこんな感じ。キビキビと動きます。市販フロッグで言うとボンビくらいだと思います。
仕上がった状態のフルボトムの皮の感じはこんな感じ。私的にはフックポイントやや後ろの皮の凹み方がイマイチ。これについては後から検証します。
フルボトムに要する力は250g程度。悪くないです。
実戦で雷魚を捕るなら十分な戦力だと思います。
フィールドテスト
カバーのかわし方、オープンエリアの動きを見るためにフィールドに来ました。
こんな感じのところでテストしましたが、ウィードレス機能、問題ないです。またオープンエリアでのキビキビ動きも申し分なし。戦力になると思います。
針の角度によるチューニングについて
ここに大関が二つあります。1つは今回の出品作。1つは昨年チューニングした大関です。
同じ位置をへこました感じ、黒いほうは良い感じに針が出ていますが、
ピンクのほう(今回の出品作)は黒い→の部分の皮の残りが気になります。
これは針の位置を下にしているかどうかによるもので、黒大関は針を上にセットし、ピンク大関は針を下にセットしています。フックホールを切って調整する際にどれだけ前を切るかで針の角度が決まるんですが、ピンクの大関はなるべくドテを作らずに針先を隠したいために針を結構下にセットしています。結果、針先はドテなしでも隠れているんですが、変わりにへこんだ時の皮残りが犠牲になっています。
一方、黒大関は針を上にセットしているため、左のフックポイントの隠れ方が甘く、ドテを新設する代わりにへこんだ時に皮残りがないようになっています。
この凹んだときの皮残りの問題はおそらく針の角度による凹みシロのストローク量の問題で、
この図でいうと、上が黒大関。針がまっすぐ向いているんで、へこんだ時のストローク量aが長く取れるため、凹んだときの皮の突っ張りに後方の皮が追従するカタチでフックポイントがキレイに出るんじゃないでしょうか。一方、下がピンク大関。針が斜め下に向いているんで凹んだときの凹みストローク量bがaよりも短いです。そのため、凹みのストロークが足らず、フックポイントの出方が悪くなっているのではないでしょうか。
ただ、同じ仕様のスイカ大関は実戦でもウィードレス機能、フッキング機能問題なく機能してくれているんで、果たして実戦で良い悪いを感じるかどうかは良く分かりません。
もし落札して気になるようであれば、いったんバラしてアイをもう少し長くしてフックのアッセンブリの角度を水平に近くして、左側フックポイント前にドテを作ってリチューニングしてください。
バラしかたはアイの補強エポキシが少し厄介で、エポキシ部をアルコールランプで直火で少し炙ってニッパーで少しずつ切っていって全部除去。その後、フックホール側の接着部を熱したニードルで溶かし除去。その後フックのアッセンブリをケツ方向に引っ張ったら外れます。
なお、最後にやはりダメ出しなんですが、この大関もやっぱし課題があって、ボディの上下幅が少し狭かったかなと思います。上下幅が狭いんで、フックポイントが隠れず、アッセンブリを下側にずらさなきゃいけないんで、もともとのボディ幅がもっとあればアッセンブリを平行に近づけてもフックポイントが隠れるため、凹み時のストローク量を確保できます。その状態で若干、アイの位置を下にすることでフックを更に平行にでき、凹み時のストローク量は更に広がるため、フッキングは更によくなると思います。また、若干長くすることでアイの角度が水平に近づくんで、ボディをもう少し長くする。つまり、アイの位置をもう少し下側に下げ、ボディの上下幅を広げて、若干ボディを長くする。ただし、長くしすぎたら今度は凹む位置によって針の出方が悪くなるんで、長くするのはほんの少しだけにすること。ハニカム6がスッポリ入るくらいにセッティングしたほうがいいと思います。
つまりこんな感じのボディのボリュームアップを図ったほうがベターだと思います。狙いは42gくらい。やっぱし飛距離は一回り大きい横綱のほうが上なんですけど、横綱は少し長すぎ。大関くらいの長さで40g前半を背負えたら文句なしです。
また、カタ自体がイビツなんで、左側のボディが斜め下に傾いているのもウィードレス機能が下がる原因なんで、カタの精度を上げてフックポイント前のドテが平行になるようにすること。それと上皮が下に下りる際にもうちょっと素直にまっすぐ逝って欲しいんですよね。今回の大関は逆三角形ですけど、逆台形のほうがいいかも?って思います。
あとカタと、成形で使う電気炉の大きさに問題があるんですが、ここらの改善は金がかかるため、しばらくは今の方法でやるしかないと思います。まっ、私自身、自作フロッグオンリーで3年目で、フツーに雷魚釣りが成立しているんで、魚を捕るというクオリティにおいては市販品に比べて劣ってはいないと思います。
また、売るためにいいことばっかり並べてフィールドテストの結果をありのままに公表しないメーカーのやり方にも疑問を抱いているんで、今回のように良い事も悪いことも今後の課題も、ありのままに訴えて出品するんで、興味がある人は入札をお待ちしています。
では出品の準備をするんで、少々お待ちを〜♪
と思ったんだけど、やんぴや。
やっぱ針の出方が気に食わ〜ん!
別にこの状態でも魚は釣れると思うんだけど、納得ができん状態での出荷は作り手として不本意やね〜。これはある意味自分の「作品」であって、中途半端なクオリティでは出したくないってのが心のどこかにあって、果たしてフロッグの場合、ルアービルダーというのかわかんないけど、ルアービルダーってそんなモンなんじゃないかね〜?って思うっぺね。
いっそのことやり直しや!というわけでリチューン。
というわけで、アルコールランプで熱かけながらニッパーでエポキシを切って、
骨組みをバラしました。
そんで、アイの長さを変えたり、フックホールの大きさを変えたりあれこれやってみて、今回、アイを短めにして、フン詰まり気味にすることにしました。
というのも、1軍フロッグの中で、この横綱の針の出方がベリーグッドで、
その横綱が若干フン詰まり気味になっているからであります。フツーのフロッグならフン詰まりにすると、ボディの逃げが少なくなって凹み方が不自然になるんだけど、自作フロッグの場合、ケツの先端がものっそ薄いんで、凹んだときの応力がそこに逃げてくれてフックポイント周辺の盛り上がりを減らしてくれるのかな〜?って思ったりしました。
そんなわけで、アイを短めにセッティング。
その後、こないだスカーさんから教えてもらった収縮チューブのアイ固定を試してみることにしました。
アイの出っ張りにあまり熱を当てないように火を当てていき、
こんな感じに仕上げました。PE使うより楽でいいです♪
動きは、若干固めなんだけど、ガタツキがなくて良好です♪
ボディを仮組みした時のボディ凹みに対する追従性もバッチリ!ガタツキもないし、作業性は楽だし、PEはいつか緩んでくるけど、これだと緩みがないんで、むしろこっちのほうがいいかも?
ただ、ライターで炙るとPEにススが付きますね。
そのススが仮組した時にボディ裏側について、ボディ前方が若干黒ずみます。透明フロッグの場合、要注意です。若干、黒ずみました。
で、フックホールも切りつつ、調整していき、
こんな感じにフィッティング。フン詰まりを狙ったんで、若干フックホールがめり込んだようになっています。
ただ、長さを詰めたため、エアホールがへしゃげてしまいました。
そんなわけで、パンドーでいったんエアホールを閉じます。
で、シーリングして、新たにセンターに穴空けました。
で、アイをパンドー+エポキシで補強して完成〜♪
←これは前のリチューニング前のフィッティングなんですが、シンカーのオモリが下にセットされていますが、
リチューニング後のセッティングはフン詰まり気味にして、なおかつ針の位置をまっすぐ沿わすようにしているので、オモリがボディ下部にでっぱらずにキレイに収まっています。
針はアイを短くしてなるべくまっすぐになるようにセッティングしてあるのでやや下向きにセットされ、これにより、今までの難点だった左側のフックポイントのウィードレス機能の低さをカバーしてあります。
重量は以前と変わらず37g。
フルボトムにかかる重量は、以前と同じく、250g程度。良好です。
へこんだ時の針の出方、
大幅改善や!コレなんですコレ!へこんだ時に針先がガッツリ出てくれて、しかもケツのでっぱりが極薄なんで、スカッ!と逝ってくれる!やっぱフン詰まり気味にして正解や!ケツを尖がらせることとディップ成形によってなし得るフッキングクオリティ。出荷検査、合格や。
フィールドテストも、問題なし!カバーはしっかりかわし、オープンエリアでもキビキビとヘッドバンキングしてくれて、沈まない。エアの出方も良好。市販フロッグに負けないクオリティだと思います。
ただし、アラはよっけあります。
チューニングのとき、うっかりしとって、シーラーがいつの間にか飛んで付いていたり、
ペコペコしているうちに、いつの間にか内壁のペンキが欠けたり、
成形時にスが入っていたり、
いびつなカタチだったり、
ハッキリ言って、見てくれはよくありません
が、
戦力は高いと思います。
気合の入札、お待ちしています。
なお、これで得た利益は次なるフロッグの開発費用にまわさせていただきま〜す!
結果と総括
オークションに入札してくださった方、本当にありがとうございました。
結果は6800円、入札25件、ウォッチリスト85、アクセス1630でした。
自作ルアーを売るなんて事は初めての経験で、しかし、なんちゅーてもこの入札がヒジョーーーーーにいいですね〜〜w
自分が作ったルアーを買いたいという人がたくさんいて、それが目に見える形で確認できるというのは、製作者冥利に尽きるといいますか、兎に角最高ですわねw
兎に角、またやりたいwww
っつーわけで
とことんやったりますわ!
オークション代行に委託してやってたら手数料は取られるわ、代行屋までの送料とお客さんのとこへの送料で二重に送料がかかるわ、おまけに送料が高い。そして製品の完成から出品までが遅いわ、細かい説明はできないし、限界がありますわね。メインの紹介写真がひっくりかえっとるとはおもわなんだw次回はヤフオクのIDを取得して自力でやります。
自作フロッグシリーズはそのHで終了。
「自作フロッグ販売計画その@」に続きます。
やったるで〜〜〜〜!
produced by fukusuke