シーラーのインプレ
意外に種類があって雷魚師がこだわっているのがシーラー。フックホールをふさぐ。メインの使い方はたったそれだけなんですが、意外に奥が深いです。
フロッグ概論でも言及していることなんですが、まず、シーラーの種類ですが、大きく分けて溶剤系・無溶剤系と二つあります。溶剤というのはいわゆるシンナーです。臭い匂いがするヤツは溶剤系。匂いがしないヤツは無溶剤系です。溶剤系シーラーは固まった後痩せますが、無溶剤系だったら痩せません。そのため、溶剤系はつけた時はモッチリでも固まったらスリムになっています。ただし、接着強度は溶剤系の圧勝。無溶剤系は相手を溶かすことがないので接着が甘いです。そして無溶剤系は兎に角水に弱い。長時間の浸水で白化して、指で削っただけでペリペリ剥がれます。そのため、フロッグシーラーとしては、溶剤系を使うことをオススメします。
グロッサシーラー
最初に買ったシーラーです。グロッサしかフロッグを持ってなかったからグロッサシーラーw
愛用していましたが、ナンボなんでも高すぎ。10gで700円くらいします。そのため、しばらくすると使わなくなりました。で、コイツは溶剤系のシーラーですが、兎に角臭い!溶剤系の中では結構な匂いです。でもって、乾燥が遅い!そのため、フックホールを塞いで、もう大丈夫かな?と思って吊るすと、シーラーがタレて、タレ跡が残ったり、ひどいのになると、上のほうが塞がれてしまったりという失敗談がありました。
がしかし、性能はというと、ピカイチ!硬くて、耐水性も良くて、接着強度も強くて、一般的なシーラー、「パンドー156A」に比べると、ワンランク上の性能と思います。
コニシ ウルトラ多用途SU
続いて使ったのがコニシのウルトラ多用途。
岡山にいる時に「超強力」という文字に惹かれてホームセンターで購入。無溶剤タイプのウレタン接着剤です。使ってみるとなかなか良かったので、当時愛用していました。
これは無溶剤なので匂いはほぼ無臭。また、痩せがありません。
そのためモッチリつけたら痩せずにモッチリのまま硬化。ツメで強く押すと、硬いながらもツメが入るような弾力です。で、強度もまずまずで、シーラーがズレることもなく、使えるレベルです。ただし、硬化速度は遅いです。
粘性が高いのでタレにくいのですが、固まる時間が遅すぎて、硬化するときにタレて、涙が出来るので、その涙を切って使います。
また、ヤセがないことから、フックホールシーラーに使うには良いんですが、シンカーの固定で使うと最悪。痩せないから、フックポイント〜シャンクの間が短くなるため、凹みが甘くなり、フッキングが悪くなります。
で、肝心の強度はというとイマイチで、指でこぞると、剥げます。が、実用面で不具合が出るようなことはありません。
がしかし、耐水性の悪さは目立ちます。
長時間水につけておくと、
若干曇って、接着が甘くなり、はげ易くなります。しばらく水から出しておくと、また復活しますが、水中で使うことが前提のフロッグではあまり適したシーラーとはいえません。
セメダイン スーパーX
無溶剤のシリコン系接着剤です。わりとフロッグチューニングで使っている人も多いのですが、性能面で見ると、コニシSUとほぼ一緒。痩せがなく、匂いがなく、接着が甘く、
長時間の浸水で白化し、剥げる。
ただし、コニシに比べて、チューブの先が尖っていて細いので、細かいシーリングはしやすいです。
現在研究中なんですが、対岸にぶつけてのアプローチで出る不具合「シーラー割れ&コイル千切れ」の対策で、パンドーのコーティング剤として使っています。
これがコニシSUだと先が太くて尖ってないのでやりにくいです。
がしかし、使っていくうちに先っぽに接着剤が溜まってきて、使いにくくなってきました。ニッパで切ってきれいにしますがネチャネチャなのでやりにくいです(汗)
パンドー156A
雷魚師に最も使われているんじゃないかと思われる接着剤。兎に角、安くて量が多くて、性能が良い。150gで680円。シーラーはフックホール塞ぎ意外にも、PEのコーティングとして使ったり、シンカーの固定で使ったり、他様々なところで使われるため、性能が良くて安いシーラーが一番!
で、何が良いのかというと、まず、接着が強いこと。
硬化したらカチカチになり、びくともしません。少々肉厚に盛り付けたって、中膿み状態になることはなく、
痩せて強靭に引っ付きます。
痩せてくれるため、シンカーの固定にも威力を発揮してくれて、シンカー周りがスリムになります。ボディがシンカーに干渉して不具合が生じることがありません。
そんでもって、水に強い!
通常、長い間水につけておくと、無溶剤系接着剤は水を吸って白化し、ペリペリにはがれますが、こいつは皆無。
長時間の浸水でも強度に影響は全く出ません。
また、乾燥時間が早い。フロッグチューニングでは、フックホールのシーリングで大きな穴を埋めないといけませんが、硬化が遅い接着剤だったら、タレて穴が塞げないんです。そのため、シーラーは接着が早いものが良く、溶剤系のシーラーではパンドー156Aが一番早いです。
モチモチに盛っても、息をフッ!と吹きかければ表面が白化して粘性が上がり、タレにくくなります。そのため、作業性が良い。
また、乾燥が速いため、いったんチューブから接着剤を出して、コネコネと混ぜると粘性が上がってきて、任意の粘性でシーリングしやすいという特徴があります。
早い安い量が多いと、牛丼みたいなフレーズですが、兎に角、フロッグではこのパンドー156Aが圧倒的に良いです。
ウィップラッシュ フックホールシーラー
溶剤系のウレタン接着剤。ウィップラッシュから発売されているのですが、性能面で言うと、パンドーとほぼ一緒。ただし、乾燥はパンドーのほうが速いのでチューニングのしやすさでいうと、パンドーの勝ち。でもって容量が50mlで、1000円するので、価格面で言ってもパンドーの勝ち。だもんで、これを使うならパンドーのほうがお勧めです。
セメダイン2液エポキシ 5分型
粘性が高く、強靭、それで硬い。ロッドビルディングで多用するこの接着剤ですが、
軟質塩ビは付かないのでシーラーとしては不向き。
また、シンカー接着に利用するも、全く肉痩せしない上に、ネバイのでオモリの隙間に接着剤が行きにくく、使用はNGです。
利用方法としては、シンカーの両端に少量滴下して、オモリのズレを防ぐことくらいでしょうか。
また、パンドーの上塗りなら接着するため、パンドーの保護に使っても良いかもしれません。
が、結局は対岸にぶつけていると、割れます。
セメダインEP001
ロッドビルディングのグリップ接着で大活躍の2液ウレタン。
通常、2液エポキシは軟質塩ビには付かないんですが、コイツは付きます。
これを使ってシーリングを試してみましたが、これは完全にNGです。まず、2液エポキシは硬化は時間です。このEP001は約5分で粘り気が上がってきますが、動かなくなるのは40分程度です。
5分経つまでは粘性はトロトロ。タレてしょうがありません。そのため、穴を塞ぐような接着には全くの不向き。
やるとしたら、パンドーの上塗りでコーティング剤として使うことです。
がしかし、この接着剤、ビルディングのグリップ接着だったら強靭な接着を見せるのですが、上塗りコーティングは不向きで、ペリペリ剥がれます。だもんで、あまり使わないほうが良いと思います。
セメダイン バスコーク
セメダインのシリコンコーキング剤。粘性が高く、タレない。その上、軟質塩ビにも接着してくれるため、使えるかどうか実験してみました。
がしかし、付くことは付くんですが、接着が甘く、手で簡単にはがれてしまいます。そのためフックホールシーラーとしては不合格。
パンドー保護のためのコーティング剤としても使ってみましたが、
結局はボロボロになり、
リチューニングするときは少しでも残っていると、接着剤がつかないので作業性が悪く、使い道がない接着剤だと思いました。
ゴールデンミーン フロッグシーラー
溶剤系のシーラー。特徴が他のシーラーと全く違います!
こいつは固まった後です。通常、溶剤系シーラーは固まると白くなってカチカチになるんですが、こいつはあめ色で、ブニブニです。
その様子はこんな感じ。無溶剤系・溶剤系のなかでこれだけ弾力に富むのはこいつだけ!
これはチューブから出した時。かなりねばくて、ママコが出るようです。
これは出した直後に爪楊枝で回した時ね。粘性はかなり高いです。
ただし、強度はいまいち。指でつまんで、思いっきり引っ張ると剥離します。なんちゅうか、接着が甘いんですよね。実釣で支障が出るようなことはないですが、強度で言うとパンドーのほうが上です。
また、ネバイがゆえ、針のウラに接着剤を入れようとしても、爪楊枝についたままでなかなかボディに接着剤を入り込ませることが出来ません。
そのため、使うとしたら、フロッグの補修か、パンドーの緩衝材として使うくらいでしょうか。
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