シンカーのハンダ接着


フロッグ概論でも語りましたが、シンカーの固定方法で最もいいのはコイル式です。

が、コイルにすると、ゲイブに巻きつけた場合、フックよりもコイルが外に出ますから、対岸に打ちつけてのアプローチで、かならず、

こーゆートラブルになります。接着剤がはがれて、巻いていたシンカーが解けるトラブル。コイツの対処法を長いこと考えていましたが、どんな接着剤を使っても無理でした。今までは接着剤を緩衝材にする方法で打開しようとしていました。

が、不可能です。強度が持たない。

そんなわけで、でんでんまるの店長に相談してみたところ、全く違う方法での対処法を薦められ、

それが、ハンダを使ったコイル固定方法でした。

接着剤とはレベルが違う強度で、そもそも金属と接着剤の樹脂が相性が悪いため、ハンダという金属を使って、金属同士で接着してしまうという原理です。

というわけで、実践です。

いつものようにコイルを巻いていきます。

で、ハンダを使って接着します。

ちなみに、種類は家庭用ハンダとコテは1000円くらいの安いやつです。

で、溶かしながら、一旦盛って固まったのを再溶融させると、コイルのスキマに浸透していき、きれいになりました。

その様子はこんな感じ。ただし、作業する時に、シンカーの裏とか横とかハンダをつける時にフックを触る必要があり、その時、熱くて触れないので、皮手袋してやったほうが無難です。動画を見ると、ワタシがフックを触ったあと、アチッって感じでフックをスグに離しているところが写っていると思いますが、まさにソレです(汗)

終わったのはこんな感じ。

で、ハンダが終わった直後のフックは、シャフトがかなり熱くなっており、やけど注意です。ブレイデッドの場合、接着剤が溶けるリスクがあるので、ワタシはすでにやっておりましたが、本来ならばブレイデッドを組むのは後にするか、ステンアイのほうがいいと思います。

熱くて作業できないので、浮き調整の水槽に付けて冷やすとサクサク作業できます。

で、この接着法は、接着剤じゃないので、乾燥時間とかは関係なく、スグに次の作業に移れるところがGOODです。作業性はいいと思います。追加コイルも完了。

で、ハンダが終わりました。まだ慣れてないからキレイにはいかないよね(汗)

で、ところどころバリが出ているので、ニッパーで落とします。

そしてウェイトを測ってビックリ!まさかのウェイトオーバー(涙)ハンダ接着、結構重量が増加します。ハンダ付けする前は27gだったのに、3gも増えています(汗)

そのため、シンカーを減らそうとした時にビックリ!頑強すぎて、全然シンカーが外れんの!!!もうね、コイルの接着がスゴすぎて、ニッパーが全く入らんとです!もうね、接着剤の比じゃないですよこの強さ!溶接みたいじゃ〜!

結局、中途半端にしかおとせんかった・・・・。ハンダでやると、リチューニングはできませんね・・・。やるなら、後から修正は見込めません。ウェイト調整は、一発狙いです。

で、UV樹脂つけてUV照射。これは、ボディとシンカーをくっつきやすくするために、シンカーを接着剤でコーティングしているのです。

終わったらこんな感じ。

パンドーでつけましたが、無事付きました。

ダメ押しで、セメダインスーパーXでコーティング。

これで完璧だと思います。

たのむ!次こそうまくいってちょ〜!


※熱いので軍手が無難
で、ちょこちょこやっていくうちに色々とコツがつかめてきましたwまず、2,3滴ハンダを垂らすと、針がクソ熱くなって、手で触れないくらいになるし、続けてハンダを垂らすもんだきん、やけどします。軍手をしたほうが無難です。

※ヤニ入りハンダはくせ〜!
今使っているヤツはヤニ入りのタイプなんですが、こいつは、溶けた時に白い煙が出てきて、そいつを吸うとクセークセー。調べてみると、ヤニというのはフラックスのことで、こいつがあると、すっとなじんでくれるとか・・・・。詳しくは銀ロウ溶接(オリンポス改造のところ)参照。

でもって、ヤニなしのものもあって、フロッグチューニングくらいだったら、ヤニナシでもいけるのかどうか分からないんですが、今度ヤニナシのハンダでやってみようと思います。

※ハンダ前は軽めのコイルで!
このハンダ、前述にもありますが、コーティングすると結構な重量増加になります。これは14gからハンダで17gになりました。

同じ17gなのに接着剤を使ったウェイトはコイル2回巻きで17gなのに対し、ハンダだったら、コイル1回で済みますので、シンカー部がスリムになります。

そんなわけで、ハンダを使えばコイルの巻き数をカナリ落とすことができて、戦力が上がります。

だもんで、ハンダ接着はホントオススメですw

ヤニなしハンダで実験
そんなわけで、ヤニ入りハンダは臭いので、ヤニなしハンダを買って来て実験してみました。

ところが、全然ダメ!シンカーのスキマに染みこまないんですよ!溶かしても、シンカーの上に浮いたまま!

一方、ヤニ入りハンダでやってみると、ばっちり、シンカーのスキマに入っていってくれます。

臭いですが、ヤニ入りハンダじゃないとフロッグチューニングには応用できません!

でもって、段々慣れてきてコツというか、分かってきましたw

コツはまず、盛ることです。適当な場所にハンダを盛って、

あとは盛ったハンダをコテで溶かしながら、薄く、シンカーに染み込ませて行く。こんな感じですかね!?

で、ヤニ入りハンダなんで、接着作業をしていたら、コテの先にハンダが付いたままになり、ヤニの煙がモクモクと出てくるので、

いらない紙にこすり付けて、こびりついたハンダをこすって落としながら作業すると快適です。煙は終始モクモクと出てくるので、窓際で作業したほうがいいと思います。

だもんで、防毒マスクと軍手(暑いから)は必須アイテムだと思います。それと今はないんですけど、コテ台。置き場に困るのでコテ台は必要だと思います。

それと、フックホールシーリングで使うためのUV接着剤ですが、ハードでやってズレたので、ソフトでやってみることにします。

で、こいつをつける位置も工夫。今までは全部を接着していたんですが、結局、フックホールが当たる部分だけコーティングできていれば問題ないので、ゲイブ周辺だけ接着剤を付けて固めました。ただでさえ、ハンダを使うことで、重量増加があり、目的の重量とズレやすいので、無駄な重量増加は極力減らしたいのが本心です。

これでチューニングしてみて、また様子を見てみることにします。


実践結果
ハンダチューニングですが、クリーク戦で多用したパートでフィールドテストを行いました。

これ、

みてんまい(^^)!

オープンクリーク戦だもんで、対岸に打ち付けてのアプローチ多数。UVコートははがれてしまったけど、今までの悩みの種であった、

コイルゆるくなって外れますがなというトラブルは皆無!

い、逝けました(涙)コイルウェイトはハンダがベストです!

はがれた接着剤については、セメダインスーパーXとかで再コーティングすれば半永久的に使えます。

コイルウェイトチューニングの悩みのタネの対岸ぶつけ対策。

これで完全攻略です!

思えば、コイルウェイトチューニングを考えたのが2008年。以来ずーーーーーっと課題だった対岸ぶつけ対策。

5年の歳月が過ぎています。その間、接着剤の選定やら色々したけれど、

その難問が解けたってのはサイコォ〜ですね♪

さぁ、あとはガンガン釣るだけですw
2回巻きで17gなのに対し、ハンダだったら、コイル1回で済みますので、シンカー部がスリムになります。

そんなわけで、ハンダを使えばコイルの巻き数をカナリ落とすことができて、戦力が上がります。

追記2013年1月26日
で、ハンダ、大活用しておりまして、使いにくいので改造しました。まず、スイッチ追加。ハンダはスイッチがないのでコンセントを抜き差ししなきゃいけないのでめんどかったので、スイッチ追加です。やり方はぶったぎって、スイッチにハメるだけ。ドライモーターのスイッチと一緒です。で、コテ台追加です。これがないと、机が焦げます。

トラブル 鉛が溶ける!
これ、困ったトラブルなんですけど、ハンダを執拗にしみこませていたら、シンカーが溶けます!遠慮がちにハンダを染みさせるしか手がないんですけど、執拗な攻撃は厳禁です!



シンカーの減量方法
昨年導入したシンカーのハンダ接着ですが、簡単で早くて強いので、コレしか使ってないのですが、一つ難点があって、それはウェイト調整がしにくいことです。

ハンダ自体の比重が重く、針に糸オモリの長距離ラップをした場合、ハンダを流し込んだ後の重量は2g近く増加します。

すると、例えば、OOのフロッグだったら、18gがベストだからそれに近づける・・・時に、重量オーバーで沈んでしまうわけです。

さらに、ハンダ、強力というメリットの裏返しである、ハズレにくさが

シンカーを軽くしたい時にデメリットに働きます。

ウェイトが強靭すぎて外れない・・・・

これの改善策を考えていたんですが、先日、ハンダを流し込む時に失敗した、「熱しすぎると溶ける」

これを利用して行ってみました。

例えば、ハンダ接着をしてボディの合計が30gになっていますが、私的には、28gにしたいので、2g落としたいです。

そこで、接着されたシンカーにハンダごてを押し当て続けると、

ヌルッ!と巻きつけていた糸オモリがズレました!

あとはハンダコテで誘導していって、シンカーをハンダもろともこそぎ落とします。

こんな感じでハンダゴテの先でシンカーをずらしていって、アイのところまで移動させ、最後にズリ落とす感じでウェイトを落としていき、

最終的には28gにできましたw細かいウェイト調整はこんな感じで行えばいいと思います。


ハンダに適した糸オモリについて

前述にもありますが、ハンダを使ったシンカーの溶着は、シンカーが溶けるというリスクがあります。

特に、こーゆーシンカーの巻き方の溶着については、中空部分にハンダゴテの先端が当たるや否やあっという間に溶ける事が多いです。

そんな時、溶け易いシンカーはなんといっても細いシンカーです。

第一精巧の糸オモリは、

0.5、0.65、0.8、1.0、1.5、2.0

とラインナップがありますが、1.0mm以下はカナリ溶け易く、使いにくいです。

ギリギリ0.8mmといったところでしょうか。

ハンダ接着にはなるべく太い糸オモリがオススメです。


チューニングに適したハンダの太さについて

シンカーのハンダ接着で、ハンダ大活躍で最近使いまくっているんですが、使いやすいハンダと使いにくいハンダがあるので紹介します。

細いハンダのほうがやりよいです。

太いハンダは糸オモリの上にたらしたときに、ダマになって止まり易く、シンカーの隙間に浸透しにくいです。

このダマをコテでしごきながら糸オモリの隙間に入れていくんですが、ハンダの太い部分でこする必要があるため、その時に温度が高くなりすぎて、シンカーが溶け易いです。細いほうがハンダを溶けタラした後に糸オモリの隙間に入っていきやすいので、細いほうがよりチューニングがし易いです。

一般的に手に入るハンダは1.0mmと1.2mm。

0.2mmしか違わないじゃないか!と思うかもしれませんが、使ってみると、結構その違いに気づくものです。

使いやすいのは1.0mmです。0.8mmもあるけど、1.0mm以下になると、値段が急に高くなるので、オススメなのは「ヤニ入り1.0mmハンダ」です。

板オモリの溶接
コイルウェイトチューニングは巻けば巻くほどシャンク上が狭くなり、凹んだ時の針の露出に悪影響が出てきます。

その改善策として、板オモリを活用してみました。

板オモリを適当な長さに切り、洗濯バサミで固定。

あとはハジをハンダで接着。やってることは溶接そのもので、原理はロデオのスロットシンカーと同じです。ただ、板の下に空隙が出来ているはずなのでこれが実戦でどうなるか?フィールドテスト次第ですが、試してみようと思います。



針の取り外しについて
いったんチューニングしたはいいけれど、やっぱり針が合わん!新品だし捨てるのももったいない!こーゆーとき困るのがハンダ接着。接着が強すぎて取れないわけ。

で、コレに関していろいろやってみました。まずは、ハンダゴテを当てながらコイルを溶かし切っていきます。

で、ゲイブ側も同様に溶かし切りつつ、フックポイントから抜くような感じで外します。

で、この状態になったら、ハンダのヤニでベタベタなので、

1日シンナーにつけておきます。

するとピッカピカwこれはオススメですw


後方重心化のまとめ
垂直浮きのテーマはアクション重視で、より軽いウェイトで浮き姿勢を垂直に持っていくことで、兎に角ウェイトをゲイブ周辺に持っていくことにあります。そんなわけで、色々試してみました。

今まではまず針の周りにコイル状に巻いていましたが、これだとコイル間の隙間が少なくなって間にウェイトをハメにくいので、キャンセル。

素直にゲイブを巻きつけるカタチでオモリを巻いていき、ハンダで接着しました。

そして、ゲイブ間の隙間にガンダマを入れます。

で、ガンダマが落ちないように適当にマスキングテープで針を固定し、

ガンダマの上からハンダを垂らしていきましたが、ガンダマが曲者でハンダを弾きます(汗)半ば無理矢理シーリングしてこんな感じ。

そして続いて板オモリ。今までは厚手の板オモリをつけてやってましたが釣具屋にいってみるとシールつきの板オモリがあったので、

これを使ってみると、手を離してもついたままなので、半田接着がしやすくなりましたw

最終的なウェイト位置はこんな感じ。うまく出来たかな?

最終チューニングが終了した時点ではこんな感じ。ウェイトは若干下に出すぎていますが実戦でどうなるか?軽量垂直浮きなので動きはピコピコピンで絶好調ですw



スロットシンカーのハンダ接着について
先日、スロットシンカーを使って、ハンダを使ってやってみたんですが、失敗。

スキマが大きくてハンダが入りません。やはり、コイルシンカーでないとハンダが染み込んでくれないようです。あと、コテを執拗に当ててたらスロットが一撃で溶けました。コイルシンカーに触るか触らないかくらいで調整するのがベストですね。


フックのマスキングについて 140223
先日、チューニングしていてシンカーのハンダ接着をしていたんですが、知らぬ間にフックポイントのあたりにハンダがついていました。

で、このハンダを取ろうとコテを当てると、今度はコテのハンダがさらにフックにこびりつき、どうにも取れなくなりました。

ダイヤモンドヤスリで削ったらまぁ、刺さるには問題ないくらいにはなるんですが、

ベストとは言えないので、シンカーのハンダ接着をする際はフックポイントをマスキングした状態で行ったほうがいいと思います。

バイスで固定
いつものハンダ接着をバイスに固定してやってみましたwいつもコロコロころがってやりにくかったんですけど、コレ、ハンダ付けがすっごいやりやすくなりましたwオススメの方法ですw


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