ラッティツイスターのフロッグ紹介
バーストアウト3が発売され、見て、それ以来、セサミが好きで、ラッティが気になり、何個か使っていました。が、皮が硬く、(色によってかなりバラツキがある。ジェリービーンオリジナルが顕著(黒がやりこく、白が硬い。詳しくはフロッグのやりこさを参照)、ゲイブ部分の凹みが甘く、バレが続出したので、もう使っていません。
が、世間一般的に言うと、デザインがいいのと、代表の高井さんの雷魚スタイルに感銘を受けた雷魚マンも多く、人気のあるメーカーだと思います。
セサミ
バーストアウト3で高井氏がメインで使っていたのがこれで、また、シンプルなデザインも他のフロッグにはない魅力で、バーストアウト3を見て以来、好んで使っていました。
肉厚ボディにかわいらしい赤い目が特徴的。ボディが大きく浮力が稼げるので、ウェイトを増やしてぶっ飛び仕様にできます。モコモコと震えながら動くようなアクションが特徴的で、くわえ込み後のフッキングで、唇にフックアップできるように設計されたため、脅威のフッキング率を誇る!との触れ込みですが、ホントよくバレました。
あまりにもバレが多いため、、フック以外のバレの原因として、この部分のボディの硬さが原因かな?と推測しました。セサミは触った感じは全体的に柔らかいんですが、左の写真で触った部分の皮が特に厚く、さらに硬いために、雷魚が噛んだときの凹みを邪魔します。ここがフニャフニャ凹んでくれないとカカリが浅くなるため、バレに繋がります。
だもんで、こんな感じで、分厚い部分をニッパーでそぎ落とし、薄くしました。ボンバーと同じ系統の贅肉カットチューニングです。気になっていた部分は柔らかくなり、カカリは良くなったような気がします。これで、若干フッキングはマシになりましたが、それでもバレは多いです。
で、時は過ぎ、自作フロッグでフロッグのフォルムを研究していた結果、どうもタマゴ型のフロッグはミスバイトが多いということに気づき始めました。
いわゆる、パン食い競争理論です。
雷魚が狙った獲物をバイトし、吸い込む。
口に入って、口を閉じる時に、タマゴ型だと、ツルッと滑って、マウスアウト。雷魚にとって食いにくい形だからバレが多い。
と、こういう推測をしたわけです。
パン食い競争と同じで、両手がない状態で、口だけでモノを食う時に、食いやすい形はミスバイトが少ないけども、食いにくい形はミスバイトが多い、とこんな感じで、フロッグのフォルムとバレる関係を考えました。
詳しいことは雷魚に聞いてみないと分からないんですが、とにかくバレの多いフロッグだと思いました。
重量データは22g垂直浮き。
と、ワタシ的には、セサミはナシのフロッグなのですが、ファンアンドリラックスで、90UPを捕獲してたし、使う人それぞれじゃないですかね。一つの意見としてとららえてもらえたらと思います。
セサミL
28g垂直浮きで、空気抵抗が少ない弾道ミサイルのような起動でぶっ飛びますw
25gで水平浮きにして、ゆっくりとシェイクするとドッグウォーキングもしてくれます。ただし、セサミとほぼ同じフォルムなので、セサミと相性の悪いワタシは、当然、セサミLとも相性がいいはずがなく、バレ続出で即2軍落ちとなりました。
セサミのラメ配合量の違い
2007年モデルのセサミのオオノオリカラ銀ラメ。
2009年モデルのセサミLのオオノオリカラ銀ラメ。
2009年モデルの方がラメの密度が高いです。
バップ
ポッパータイプのラッティフロッグ。 カップが深く、エゲツない音が出ます。ブオッォコン!って感じ。ポッパーフロッグの中ではバップが一番良い音が出るんじゃないですかね。ファーを二本つけてオタマジャクシ仕様にしたり、45度浮きでボコボコならしたり、色々な使い方が出来ました。ウィプラのところでも書きましたが、ポッパータイプで垂直浮きはダメです。
針は夢想転生3号をフッティング。バレはあまりありませんでしたが、いかんせん、こんまいフロッグなので、今は全く使ってないです。
左側は2007年モデルのオオノオリカラ銀ラメ。2007年セサミ銀ラメと同じくラメ配合量が少ないです。そのため、使っていると白く曇ります。
ロングポーズでボコッン!と鳴らした時によくアタックがありました。それと、滑らすように一気に移動させてポーズ。ボッコン!も効きました。
短小包茎チューニング
2008年のルアーファンで、バップを真っ二つにして頭を入れ替えるチューニングが紹介されていて、その時にひらめいてチューニングしました。バップの真ん中アタリを切断して短くし、パンドーで張り合わせるだけ。フックは無想転生の3号をつけています。これで70UPを1本釣ったんですが、小型フロッグをさらに小型にすることに、意味がないような気がして使わなくなりました。ヘッドシェイクで真ん中のつなぎ目が伸びたことがあるので、あんましオススメのチューニングではありません。
天狗堂津島店には、ジェリーの短小ムケチンチューニングが紹介されていましたが、あれはどうなんだろ???
2012年追記
このページを書いてから時は経ち、特に自作フロッグの研究で、フロッグの製造方法を勉強しました。ただのフロッグとしてではなく、プラスチック成形品としての側面から見たラッティのフロッグについて、思うことも出てきました。自作フロッグのコンテンツからの流用という点もあるかもしれませんが、その点を踏まえてのウンチクを語ってみたいと思います。また、最近知ったんですが、ラッティとウィプラって製造元は同じみたいです。そういえば、皮が似たような感じだし、材質も同じかも???
まず、フロッグの研究といえば、縦割りにすることからだと思います。もったいないですが、縦で割って、厚みを見てみると、なるほど、同じコンセプトで作られているのか、同じような厚み勾配を持ったフロッグだというのが分かります。
まずこれはセサミです。注目すべきはケツのあたりです。フックホールからケツの先端に向かって樹脂が肉厚になっていることが分かります。
続いてバップです。これもセサミ同様、ケツのあたりの厚みが目立ちます。
セサミLも使いましたが、同様な肉付きです。※すでに贅肉カットチューニングに使ったため、そぎ落とされていますが・・・
ケツの先端が厚く、硬いと、フックップ後に奥まで入る時に抵抗になるので、フックアップ後のヘッドシェイクでバレ易くなります。そして、卵型のフロッグのため、ボディ上部は平らではありません。すると、1箇所が凹んだときに針の露出が悪くなるため、フックアップもしにくくなります。つまり、針が露出しにくく、奥まで刺さりにくい。
動画で表わすとこんな感じ。凹んだ時にフックポイントが出にくく、また、ボディ上部が後ろに行くほど厚くなり硬くなるので、スライドした時にゲイブ前側でボディの硬さがフックアップの抵抗になります。
ここが厚くなる原因は金型の形状にあり、フックホールの近くにあり、尖がっている部分は厚くなる傾向にあるように思います。
フロッグ概論参照なのですが、スラッシュ成形の場合、Rのきつい、尖っている部分はバスから伝わる熱が伝わる方向が増えるため、高温になりやすく、肉厚になる傾向にあると思います。
さらにゾルを排出する際にフックホールに向かって排出するため、
その時ゾルが排出されにくい形状、つまり、フックホール付近のケツに向かって下側が厚みを帯びるようになると考えています。
つまり、ラッティの肉付きの問題点は、ケツの先端が尖っていることと、フックホールが後ろのほうにありすぎること。ここにあると思います。
これを改善すればもっと良いフロッグになると思います。
ケツに丸みを帯びさせることでゾルが排出されやすくなり、また金型の温度上昇を抑えられるため、肉付きも悪くなるはずです。
それとフックホールを薄くしたい部分からなるべく離すこと。つまり、フックホールを前のほうに移動。そして、ゾルの排出を促すために大型にすることも1つの手です。
こうした金型の作り変えでゲイブ付近の柔軟性が増し、もっとフッキングはよくなると思います。
そして、ボディの上部が丸すぎること。あとドテがないこと。これも問題です。
ドテがないと卵形のボディにフックポイントを沿わせることでしかウィードレス機能を確保することが出来ません。
そうすると、シーリングでひょっとフックがずれた時、ウィードレス機能が死にやすい問題点と、フックポイントよりもボディが上に来てしまうので、
ボディが凹んだ時にちょうどフックが刺さる領域のそばに凹みそこねのボディが残ることになり、刺さりやすさを阻害します。
ここも問題点のひとつだと思います。
何度も強調していますが、
フロッグのボディ上部は平らにするべしです。そうすることで、
凹んだ時の針の露出を上げることができ、それがフックアップのしやすさに繋がります。
一方で、コンセプトが違うフロッグは、ジェリービーンです。セサミやバップは針を隠すための造形は施されておらず、
フックポイントはボディに沿わして隠す方法を取っています。
一方、ジェリービーンはドテがあります。そのため、ウィードレス機能でいうと、ジェリービーンのほうが良いと思います。
がしかし、ジェリービーンの弱点は薄さにあり、フロッグ概論でも述べましたが、細長くて薄いフロッグは凹んだ時の針の露出が少なくなるので、フッキングに悪影響が出ます。そのため、これも課題が残るフロッグだと思います。短小包茎な形にしたほうが良いと思います。ほぼ同じ高さで短いジェリービーンjrがありますが、フロッグのフォルムで言うとjrのほうが短小包茎なのでフッキングは良いと思います。同じ高さということは、あわせるフックは同じになるため、短いほうが凹んだ時の針の露出は大きくなり、フッキング能力は上がります。
なお、これも切って断面図を見てみましたが、やはりケツの先端の厚みが気になるところです。ケツの厚みと硬さはラッティの持つ課題のひとつだと思います。いっそ材質をもっとやりこくして、ケツの厚みの悪影響を消すのも手ですが。
針について
最初、セサミを使い始めた頃に、純正フックを使っていましたが、本当にバレが多くて困ったことがあります。なぜこんなにバレるのか?と思って、針の各部の長さを測ってみました。
針のサイズ比較の写真。
ほぼ同サイズのハニカム4号と比較してみました。
フックの刺さる領域というのは、フックポイント〜ゲイブの弓頂点までの長さ及び高さの面積で表わされると思います。これはハニカムですが、ゲイブの弓頂点が結構下にあるので面積が大きいんですが、
ラッティのフックはゲイブの弓頂点がかなり上にあるんですよね。となると、刺さる高さが低くなるため、フックの刺さる面積は狭くなります。
ということは、ラッティの針は刺さる領域が薄いということです。
これはフロッグでよくある、雷魚の目を貫くリスクを減らすためなのかも???なんて思ったりもしますが、果たしてバレにくさを優先させるべきか、目を貫くリスクを減らすべきか、どっちを取るかだと思います。
ワタシは雷魚の目を貫いても気にしないタイプなので、フッキングを重視したほうがいいと思います。
などなど思ったことを色々と語ってみましたが、ラッティは見た目が可愛くて、よく使っていたフロッグでもあるので、更なるフッキング向上を期待していますw
produced by fukusuke