ベアリング脱脂ツール導入
ワタシ、ベアリングは何度も使う派ではなくて、OHごとに新品に交換派なんで、ベアリングを洗浄することがないんですけど、先日、
愛用のミネベアベアリングのシールドを外した時、グリスでベタベタであることが分かり、シールドを外した時に脱脂をしなけりゃならんと思ったわけです。
通常は、パーツクリーナーでグリスを吹き飛ばして、軽く回転するくらいになるのを目安にするんですが、それだと、色んなところにクリーナーが飛び散って臭くなるし、吹き付け時に、ベアリングを支える指が揮発熱で凍傷の恐れアリで、なかなかに難儀する作業なのです。
そんな時、フジオカのHPを見てみたら、ベアリングのグリスを簡単に落とせるツールというのがあって、買おうかなと思ったら、急になくなってて、問い合わせてみたら欠品中途のことで、
汎用品はないのかな?と思って探してみると、ありましたw
ベアリングリフレッシュセット!ABCホビーというラジコンパーツの会社から発売されています。
ラジコンのベアリングのメンテナンスをする時に使われるツールのようで、よくよく見てみると、フジオカのと全く一緒と思われます。
値段は1600円ほどで、フジオカの半値です♪アマゾンで手に入るので送料も入りませんw
早速バラしてみると、4つのパーツから構成されていて、ベアリングを刺して、フタを締め、上からパーツクリーナーを流し込んで脱脂するシステムのようです。
脱脂する時はこのようにセットして、上の穴にクリーナーの出口をつっこみ、
この穴から噴出されたクリーナーは
台座にセットされたベアリングに直撃。その後下に落ちたクリーナーは周りの穴から落ちて、
その下のケーシングの穴を伝って、
ボディ下部から吐き出される。とこーゆー仕組みです。
グリス注入も出来るんですが、リールの場合、ベアリングはオイルを使うので、リールのメンテナンスで使う用途としては、脱脂のみだと思います。また、こーゆー構造上、シールドありのベアリングは脱脂はすごく効率が悪いと思われます。
で、実戦ですが、まずベアリングの台座を付けます。
内径:2・3・4・5・6・10(mm)
外径:5・6・7・8・9・10・11・12・13・14・15(mm)
に対応しているので、リール用ベアリングではほぼ全てに適応できます。
で、実戦ですが、ミネベアのベアリングをこのようにセットして、
※ ミネベアのベアリングはシールドを外した時、片方にのみグリスがベッタリと付いています。また、このツールは上から下へとパーツクリーナーを流すため、グリスベッタリ面を上にセットしたほうが効率が良く、ベアリングをはめる向きに気をつけたほうがいいです。
で、ボディを組み付けて、
上の穴にパーツクリーナーの出口を挿して、パーツクリーナーを押します。
時間としては4秒くらいでしょうか。
脱脂中はこんな感じで、パーツクリーナーの液が下からダダ漏れになります。
脱脂後にベアリングをチェックしてみると、グリスは完璧には落ちておらず、ボールの保持器の隙間には、溶けかけのグリスが残っており、結局はクリーナーで吹き飛ばさなければ、完璧な脱脂は出来ません。
結局、ベアリングリフレッシュセットであらかた脱脂した後、エレクトリッククリーナーで仕上げ脱脂をしました。
そんなわけで、ボディをバラして、ベアリングを入れて、またボティを組む手間を考えたら、最初からツールクリーナーを吹き付けて脱脂するのが作業的には一番いいと思いますが、ま、このツールを使うことによって、「部屋が臭くならない&ベアリングを支える手が凍傷にならない」程度の気休め程度だと思いました。
ベアリングリフレッシュセットでの脱脂は、198円くらいの激安クリーナー。最後の脱脂を、エレクトリッククリーナーを使うことによって、一発目の脱脂は強力に。仕上げの脱脂は、手が冷たくならない&残渣ゼロのツールを使ってやることで、より脱脂が快適に出来ると思います。
なお、2個重ねての脱脂もやってみましたが、落ちはサッパリでした。1個ずつセットして組んでばらしての作業性は非常に悪く、これだったら、おなじみ、
「カワダのシャカシャカ君」にアセトンかラッカーシンナーなんかの強烈な溶剤を入れて一気に脱脂して、取り出して、仕上げのエレクトリッククリーナー吹き付け、若しくは、50mlガラスビーカーに30mlくらいラッカーシンナーを入れて、脱脂予定のベアリングを全部入れて、1日放置、あらかた落ちたグリスをエレクトリッククリーナーで吹き飛ばす洗浄のほうがよっぽど効率がいいと思います。
さらにダメ出しさせてもらうと、ボディのパッキンとしてパーツ下部にゴムのOリングが2つかまされていますが、ここにゴムを使うと、溶剤でやられて膨張してしまい、故障の原因となります。
溶剤を使うことが前提のパーツにゴムの使用はNGだと思います。
私的には、これは導入しないほうがいいような気がします。
※なお、昔やった「スプールベアリンググランプリ」でシールド有無についての賛否で、私はオープンベアリングを支持しましたが、メーカー出荷時点でシールド内にベタベタなグリスがある以上、シールドを開けて脱脂しなければ回転は悪いわけで、やはりベイトリールの回転に関係するベアリングは、オープン化が良いと改めて思いました。
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