オーバーホール補足


コンテンツの中にオーバーホールの紹介が結構ありますが、これは大体雷魚2年目に作ったもので、今やっているオーバーホールとは異なっている部分が多いです。部品の組み方云々は変わってないんですが、全く違うのがケミカル。オイルだのグリスだのが全然違います。すべてやり直すのがめんどくさいので、ここで紹介します。ついでにその他、補足があったら、こちらにアップします。


大型ネジの外し方
まず一発目は、サイドカップのネジの外し方。今までショートのマイナスドライバを使っていましたが・・・


若干、遊びがあります。このため、力を入れてネジを締めたり緩めたりするときに、よくネジ穴をなめます。


ネジ穴をなめると、こんな感じになります。ホンマよくなります。ドライバが全く引っかからないってことはないので、普通に緩めたり締めたりできるのですが、ひどくなったときに、カップ交換になったら悲惨です。


そこで登場するのが大型マイナスドライバ。後ろに上のドライバが写っていますが、大きさは4倍くらいでしょうか。メーカーは同じくビッセルです。


こいつを使うと、遊び無しでネジ穴にひっかかるので、なめる心配もないし、トルクをかけれます。ちなみに、このネジを指で締めただけだと、雷魚のファイト中に緩んでカップが外れます。絶対にドライバでしっかりと締めてください。ただし、強すぎると今度はねじなめてご臨終なので、力加減を考えてやりましょうw


ちなみに、レベルワインドのラインキャリエッジを外すときも、この大型ドライバを使ってください。小さいドライバだと、やはりなめます。


小型ネジの外し方
次はカップの小型ネジ。これはそれほどトルクをかけなくてもいいですが、しっかり締めていないと、やはりこんなかんじで、雷魚とのファイトで緩むので、出来る限りトルクをかけて締めましょう。


使うのは、普通のサイズのドライバ。これで、力を入れて締めたり緩めたりします。


で、いったんトルクが緩むと、この精密ドライバにチェンジ。この精密ドライバは100円ショップで5本セット200円くらいで売っているものですが、エンドが回るようになっているので、手の甲でエンドを抑えて、あとは柄が回転するので、外すのが圧倒的に早いです。


当然、こちら側のサイドカップも同様に締めたり緩めたりします。一本のドライバでやるよりも、かなり早いです。


ドラグワッシャーの保護
ドラグワッシャーはグリスを塗るメインギアの近くにあるので、グリスが付きやすい部品です。グリスが付くとすべりますし、オーバーホールをするときはオイルが手に付いた状態になることが多いので、オーバーホールをするときは、パーツクリーナーで脱脂した後、出来るだけゴミやオイルが付かないように、ティッシュにくるんで、よけといたほうがいいです。


ケミカル
オーバーホールの紹介で、間違ったことを紹介しているのがケミカル。コンテンツ内のオーバーホール記事では、グリスをコグホイールやレベルワインド等に塗りたくっていましたが、これが大きな間違いです。グリスは粘性が高いので、力がかかる部品だけつけます。それ以外につけたら回転が悪くなり、飛ばなくなります。

で、今までシマノのオイルを使っていましたが、現在は違うオイルを使っています。

究極のオイルはこれだっ!
スミス IOS01、IOS02
エドワードさんが、がいなオイルですぞ!と教えてくれたので、買ってみました。1個3gで1700円×2という、とんでもない値段です。普通のオイルは粘性が低すぎて、キャスト時に、付いたオイルがあっという間に飛散して、回転が落ちます。飛散するため、調子がいいのは最初の数投のみ。で、飛距離はだんだん落ちるし、回転もピーキーになって、バックラもしやすくなるそうです。
ところが、このIOSは飛散しにくいオイル。粘性が通常のオイルよりも高く、飛散しないため、安定した伸び、惰性を実現。しかも界面活性剤のような働きもしてくれて、ベアリングの磨耗をカバー。リールが別物になるそうです。
最初は販売目的のうたい文句やろうと思っていたんですが、いざオーバーホールしてみて、目玉が飛び出ました!

ホンマにワンランク上のリールになります。

ハンドル回すと、一発で実感できます。今まで経験したことがないくらいの軽さです。ハンドル弾いたら、オイオイ!ってくらい回ります。今まで鳴らなかった音とともに!ウィィィーーーー!!という感じで、驚くほどスムーズに回転します。そのままクラッチ切ったら、回りすぎじゃろ!ってくらいスプールが回ります!

しかも、実釣で使っても、この効果が持続!

こりゃぁ、すごいオイルですよ!!!

是非是非オススメしたい一品です。

ちなみにIOS01よりもIOS02のほうが若干粘性が高いので使い分けています。

で、IOSを使うと、機能を疑いたくなるのが、
コイツら。いわゆる飛散するオイルたち。IOSに比べると全くダメです。回転がいいのはほんの少しだけ。ZPIのFOオイルも結構な値段がしますが、シマノのオイルと違いが分かりませんでした。「高いので飛ぶ気がする」チューニングってやつでしょうか。

オイルやグリスの使い分け
部品によってオイルやグリスを使い分けます。

グリス編
まずはグリス。グリスはオイルに比べ、粘性が高く、飛散しないので、強い負荷がかかる所に使います。シマノのグリスがあるので、それを使っていますが、これは飛距離には関係ない場所なので、どんなグリスでも変わらないと思います。使う部品はメインとピニオン。メイン&ピニオンをかみ合わせた状態で、グリスを少し注入して回す。少し注入して回す。といった具合に充填していきます。


それともいっちょは、IAR(ローラーベアリング)。ここもハンドルが逆転するのを防ぐ役割をしており、強い負荷がかかります。特にフッキング時の負荷は計り知れないので、グリスをしっかりと充填します。

グリスを塗る場所はこんなモンです。


オイル編
使うのはIOSオンリーです!先っちょが極細になっており、半滴とか1滴たらすときにめっちゃ注油しやすいです。

スプールシャフト。ここはオーバーホールをするときに、よくオイルが完全に飛散しているので、IOS01に比べ、飛散しにくいIOS02を塗ります。一滴つけて、スプールをはめ込み、全体になじませます。

スプールピニオン。ベアリングは組まれていないので、IOS01は使いません。しかし、スプールとともに回って、飛散しやすい部品なので、より飛散しにくいIOS02をつけます。ギアの歯2個の間に半滴たらして、全体的になじませます。

で、コグホイールのベアリング部分。ベアリングはIOS01のほうが回転がいいらしいので、IOS01を半摘入れます。

コグホイールの付け根のシャフト。IOS01、02どっちでもいいような気がしますが、なんとなくシャフトは粘性の高いほうが飛散しにくいかな?と感じたので、IOS02を1滴注油しています。

クロスギアの両面ベアリング。ここはベアリングなので、IOS01を半滴注油します。

レベルワインドの真鍮ギア。これは飛散しやすいので、IOS02をギアの歯2個につき半摘注油して、全体になじませます。

レベルワインドのカバー上部。ここはセラミックレベルがいったりきたりする上に、モロに外部に出ている部分なので、より飛散しにくいIOS02を使います。距離が長いので、左右中央に3滴注油します。そして、セラミックレベルを動かせて全体的になじませます。

クロスギア裏側。ここも外部に出ている上に、回転も凄まじいので、より飛散しにくいIOS02を注油します。左右中央で合計3滴注油します。注油後はセラミックレベルを動かして、全体的になじませます。

セラミックレベル上側。ここも外部に出ている上に、セラミックレベルが行ったりきたりするので、より飛散しにくいIOS02を注油します。左右2滴注油して、セラミックレベルを動かし、全体になじませます。


スプールベアリング

ステンレスベアリング
一番大事な部品じゃないでしょうか。スプールベアリングは、最も回転が大事な部品なので、もちろんIOS01を使います。半滴注油します。シールドの隙間からポタッ!と入れるような感じです。

セラミックベアリング
セラミックベアリングはオイルレスで使っています。そもそもセラミックベアリングは「オイルが使えない食品関係のプラント」で使われているそうです。つまり、オイルレスで使うことを目的として作られたもの。熱膨張せず、焼きつかないため、オイルを使う必要がありません。オイルもやっぱり液体ですから、ある程度の抵抗になります。だからオイルレスで使っています。当然飛距離は出ます!今んトコ、トラブルはありません。

セラミックベアリングについて
セラミックは高温での熱処理によって焼き固めた焼結体の総称で、ダイヤモンド、アルミナ、ジルコニア、ハイドロキシアパタイト、SIC、などなど。
ってわけで、SICベアリングもセラミックベアリングです。SIC=世界で3番目に硬い素材で、耐熱性、耐酸性にめちゃんこ優れており、熱膨張がほとんど起きない素材。釣り業界では最高峰の素材かもしれません。

ちなみに、上の写真は今年発売されたライラクスのセラミックベアリングSICボールにステンボディだそうです。ZPIと値段も同じだし、同じものかな?と思ったら、ZPIよりも飛ぶような感じがします。回転時にウィィィィィーーーン!と軽快な音が鳴って気持ちいいです。飛距離も気のせいかZPIよりも飛ぶような感じがしますw

左から、アベイル製アルミハウジングBB(ステン)。ライラクス製セラミックBB。ZPI製SICBB。ライラクスが一番回転が軽くて飛ぶような感じがしました。

この冬、巻尺買って、正確な飛距離比較をしてみますので、飛距離の違いはその時の実験をお待ちください(^^)


オイルレスチューニングについて
オーバーホールするときに何から何まで完全脱脂して、組んでみました。

結果全然ダメ!

あきらかにIOSチューニングよりも回転が悪いです。やっぱり適度な注油が一番いいと感じました。


注意!パーツクリーナー
パーツクリーナーを使うと、白い粉が残りますよね?この白い粉が曲者で、あまり金属にいいもんではないそうな。中には、白い粉が残らないクリーナーなるものもあるみたいなので、これは後々分かったらアップします。


オススメのドライバー
これ、ワタシのリール整備用道具箱なんですけど、昨年奮発して、ホムセン工具からKTCに変更したんですわwで、しばらくつかっていたんですけど、コレ、良いんですwww

たかがドライバーと侮るなかれ。これはKTCのパームスドライバーというものなんですが、ふくらみが手の平にジャストフィットしてすっごくまわしやすくて使いやすいです。

さらにこれ、先っぽがザラザラしていて滑り止めになっているんです。だもんで、ネジ山に当てて増し締めするときに、すっごいフィット感があって、かなり舐めにくいドライバーといえます。もちろんマグネット機能付きw滑り止めがついてるドライバーなんてなかなかないですよwかなりオススメの工具たちですw

なかなか店頭でみかけることはないですが、香川では、バイクのパーツショップイワサキにおいてありますw


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