レボ トロ 61HS オーバーホール
今年発売されたばかりの海外モデルレボです。シーズン序盤にスプールシャフトぶっ飛びトラブルが起こり、シーズン終盤まで使えなかったレボですが、結構な雷魚と戦ってきたので、オーバーホールします。パーツリストを見る限り、カルコン並みなので、気合入れてオーバーホールします!で、今回は、いつもやっているように、一気に分解してやるんじゃなくて、本体とサイドプレートに分けてオーバーホールすることにしました。たぶんそのほうが楽です。
まずは、マイナスドライバで、ここのネジを緩めます。
で、反対側をネジったら、ボコン!と外れます。最初これが分からなくて、ポパイまで聞きにいったっけ(^^;)
続いて、ハンドルを外します。オーシャンマークは、リテーナーのマイナスネジを外します。
すると、ハンドルナットが出てくるので、これを10mmラチェットで外します。左ネジなので、当然「の」の字に回したら緩んで外れます。
レボの場合、ハンドルの直後にワッシャーが付いています。
ドラグを外します。
ドラグの内側には凹凸があって、ハンドルシャフト側にはポッチが付いているので、それがこすれあって、カチカチ鳴る、カチカチドラグ構造です。
続いてオメコワッシャーを外します。
カチカチドラグのワッシャーを外します。
続いて、またワッシャー×2のセットが出てきます。ぱっと見、分かりませんが、実はコイツもオメコワッシャー。レボはオメコワッシャー2枚でドラグ力調節をしているみたいです。微妙なドラグ調節も可能なシステムですが、ガチガチに締める雷魚釣りでは、まったく意味がありませんw
続いてメカニカルブレーキ調節ねじの分解です。
これもドラグと同じく、カチカチ音構造になっています。
ピンセットで座金を外します。
カチカチ音プレートを外します。こいつは油断すると真ん中のワタが外れるので要注意です。
ナットの頭には、凹があります。一方、ハンドルプレートには凸があって、これがハマっていた模様です。
本体側のカチカチプレートも外します。
オープンベアリングが見えてきました!レボはレコードと同じく、スプールシャフトの本体受け部分にもベアリングが仕込まれている模様です。そのベアリングが、六角リングで固定されています。
六角リングはピンセットでこじったら外れます。その後ベアリングをのけます。
ピニオンギアが見えました!アンバサダー系ラウンド型はメインギアの真後ろにセットされていますが、レボは上側にセットされているみたいですw
続いてメインギア側のサイドプレートを外します。写真のネジ2個を外します。
マイナスドライバで強めにトルクをかけて緩めて、あとはプラスドライバで一気に外します。
外れました。
で、もいっちょ。全く役に立たない水抜き穴。ここにもネジが仕込まれています。
プラスドライバで外します。
メインギアが見えました!
そして、最後にこのネジ!こんなとこにあんのか!?と言いたくなります。車のインパネ外し術みたいです。
外していくと、だんだんサイドプレートが離れていきます。これは、反対側サイドプレートをあけるためのスプリングと、クラッチのスプリング2個が関係しているからで、油断しているとポッコーン!となってしまうので、手で押さえながらゆっくりあけましょう。
カルコン並みのややこしい構造が見えてきました・・・・
外れたほうのプレートは汚れが凄まじいです!カルコンもそうですが、構造がややこしいリールは汚れ方が半端でありません!で、このスプリングをなくさないようにしましょう。
IARです。カルコンと同じく、脱着式か!?と思いきや、カシメているようで、外れません。
続いてドラグの分解。まずは、IARスペーサーを外します。
金属の凸プレートを外します。
カーボンマトリクスドラグが出てきました!デカイ!!!メインギア自体がデカイのでC4の倍近くあります!C4系のカーボンマトリクスドラグがドラグ力10kgですから、それよりもデカイということは、摩擦が大きくなるので、ドラグ力も大きくなるはずです。ということは、12kgぐらい???とにかく、アブ最強のドラグですね!
ドラグを外すと、両端凸付き金属プレートが出てきました。
ツメの向きに注目です。内側に折れてます。
現れたドラグを外すと、最後の円形金属プレートが出てきました。
これも外して、最後のドラグワッシャーも外します。
メインギアだけになりました。
こいつも外すと、最後に、メインギアの止めワッシャーが出てきました。これは、Btrapのストップワッシャーそっくりです。強靭なストップワッシャーでメインギアをとめるんでしょうね。レボトロはアンバサダーに比べると、何もかもがゴツいです。
あとは、クラッチ関係です。
なんと、ここですごい部品を発見!IARがぶっ壊れても逆周りを防止するためのツメです。オールドアブについているヤツです!IARとクラッチギア止めがダブルで付いているモデルはアブで初めてではないでしょうか!?急なトラブルにも対処ですかwすごい!注カルコンには普通に付いてます。
こじったら、緩んで簡単に外れます。
クラッチカムを回すプレートを外します。
カルコンと同じようなハンドルシャフトが出てきました。これを外します。
ネジのとこのプレートで、レベルワインドが固定されています。
ドライバでネジを外します。
プレートが外れました。裏にベアリングが付いています。これもカルコンにそっくり!
で、クラッチ関係の分解。
まず、なくさないようにスプリングを外します。
ピニオンのシャフトを外します。
ピニオンが外れます。
外れました。
こんなもんは引っ張ったら抜けます。
これもひっぱったら外れます。サムバーを固定しているステーも一緒に外れます。
黒いクラッチカムは二つに分かれます。
続いてサムバーの分解です。奥にネジが見えます。
これを外します。
そして、細いドライバで、サムバーから出ている黒いプラスチックを押し出します。
だんだんズレていって、反対側に出てきます。
引き抜くと、サムバーが外れます。
プラスチックカラーも外します。
で、残るはレベルワインド。
まずは、ナイトライダーの頭を外します。スピードマスター201と同じような感じです。写真の2個のネジを外します。
すると、ナイトライダーの頭が外れます。汚れがスゴイ・・・
レベルワインドはこんな感じになります。
で、ここのEリングを外します。
隙間に合うマイナスドライバを入れてひねったら取れます。
ワッシャを外します。
プラスチックブッシュを外します。裏にベアリングが見えます。セラミックレベル
ラインキャリエッジの分解です。でかいマイナスドライバーであけます。
中に小さいワッシャが入っているのでなくさないでください。
で、ラインキャリエッジポールを外します。焼付けで強度を上げているんでしょうか。上半分が黒いです。
セラミックレベルを支えているシャフトを引き抜きます。
セラミックレベルがブランとなります。
クロスギアを引き抜きます。
ベアリングがついてます。
で、そのベアリングを外します。で、その左側にあるリングも外します。
すっからかんになりましたw
あとは、カバーだけなので、それを引き抜いて外すと・・・・
全バラ終了!!!
カバーからベアリングが出てきました。反対側にもベアリングが付いているので、なんと、純正でBBクロスギア仕様!!!すごか〜!
こんな感じで、セクターごとに部品をまとめていると組むとき楽です。
で、今回は新たな洗浄マシン、「シャカシャカ君」を買ってきました!本来はベアリング専用なんですがパーツも出来るかどうかやってみます!
灯油を入れて・・・・
中に部品を入れて・・・・
シャカシャカ振ります。
脱脂され、きれいになります。
しかし、ちょっと凹凸の激しい部品なんかは間の汚れが取れず、結局はパーツクリーナーで吹き飛ばさないといけません。だから、これはベアリング専用洗浄機ですね。
で、
長いことかかって洗い終わりました。組み付けです。
まずはクロスバー。
大き目のワッシャーを通します。
ベアリングを入れます。
ベアリングにIOS1を1滴入れます。
カバーを入れます。
ベアリングが邪魔して奥まで入りませんが、これでいいです。Btrapのクロスバーみたいなモンではなく、もともと入りません。
ボディに入れます。
途中でセラミックレベルを入れます。
注)大き目のワッシャーがギア側にはみ出ないようにしてください。ブラブラして、遊びが出ます。
このように、内側に固定されるようにセットしてください。
で、反対側からセラミックレベルを固定するためのシャフトを入れます。
続いて、レベルワインド向かって右側のベアリングに注油します。IOS1で1滴です。
ベアリングを入れます。
プラスチックブッシュを入れます。
ワッシャを入れます。
Eリングを入れます。
カバーをこっち側に向けます。
ラインキャリエッジポールを入れます。
フタを締めます。
クロスギアにIOS2を注油します。
ナイトライダーの顔を入れます。
ネジを入れます
ただし、強く締めすぎないように注意!!!
ここのネジ穴はめちゃんこ弱くて、少し強い力で締めると、パキッ!と逝ってしまいます。幸い、真っ二つにはなってなかったんで、アロンアルファで修理して使いました。どうせ両脇からサイドカップで挟んで固定されるので、強い締め付けトルクは要りません。
で、カムの取り付けです。カム真下にグリスを注油します。
で、本体にクラッチを組んでいきます。少し押し付けて穴に入れます。これはカムですが、他の部品を取り付けるときに結構押さえつけるので、金属にして欲しいです。
カムを抑えるプラを入れます。サムバーのレバーの真下にくるようにします。
メインギア下のクラッチリリースが当たる金属部品をセットします。
これらの部品は、大小二つのスプリングで固定します。大小スプリング二つとも柄は短いほうと長いほうがあります。
まずは、下側に小スプリングを入れます。長いほうの柄が銀色の部品にセットされます。短い柄はあとからつけるので、そのままにします。
そのまま上側の大スプリングの長い柄を黒いプラパーツに付けます。
それで精密ラジオペンチで力を入れて、ボディにセットします。力を入れたときにプラパーツが折れそうになるので要注意です。このプラパーツの弱さを何とかして欲しいです。
上のスプリングを入れた時点でプラパーツが外れそうになるので指で押さえながら、下側の小スプリングを入れます。これも精密ラジオペンチでやったらいいです。
二つのスプリングを入れた時点でクラッチカム全体が今にも外れて飛んでいきそうになるので、指で押さえつけながらグリスを注油します。
そんですぐさまカムを押さえつけるプラパーツ(橙)を差し込みます。差し込むときも、カムの2本の棒が折れそうになるので、これも要注意です。
入れたら一刻も早くネジで固定してください。これで指を離しても安心です。
落ち着いたら、こすれるパーツ周辺にグリスアップです。
で、ピニオンギアを入れます。
ピニオンのシャフトにIOS2を注油します。
シャフトを入れます。
続いてメインシャフトを組みます。シャフトの下のベアリングに注油です。ここは回転関係ないのでIOS2を入れています。
で、レベルワインドを固定する方向でネジをとめます。
クラッチ戻しギアを入れます。裏表の向きがあるので注意です。
続いて、この凸をグリスアップ。
空回り防止ストッパーのツメを入れます。
注油した関係で、クラッチリリースギアにグリスが飛散しています。
ここはドラグが関係する場所なので、しっかりと脱脂してやる必要があります。だからパーツクリーナーをティッシュにつけて脱脂します。
きれいになりました。
ドラグの受けを入れます。
メインギアを入れます。
メインギアとピニオンギアの間にグリスを入れながら回し、充填します。
メインギアの中にもグリスが飛散するはずなので、これもティッシュ+パーツクリーナーで脱脂します。ドラグがモロにあたる部分なので絶対に油系は避けたいトコロです。
で、ドラグを入れます。
円形金属プレートを入れます。
またドラグを入れます。
ツメ入りの金属パーツを入れます。
ドラグを入れます。
凸金属パーツを入れます。
IARスペーサーにグリスを入れます。
スペーサーを入れます。
スプリングを2本入れます。
IARにグリスをたっぷりとつけます。
で、サイドカップをゆっくりと押し込んで
反対側からネジを入れて締めます。
で、水抜き穴を入れてネジを締めます。
サイドカップのネジを2本入れます。
で、メカニカルブレーキ。オープンベアリングにIOS1を1滴注油してセットします。をグリスアップします。
六角リングを入れます。
カチカチプレートを入れます。
IOS2を2,3滴ギザギザになじませるように注油します。
ナット側のカチカチプレートにIOS2を注油してナットに入れます。反対側の凹にカチカチプレートの凸が入るようにセットします。
金属カラーを入れます。
本体にセットします。
オメコワッシャーを2個準備して。
ハンドルシャフトに入れます。
カチカチドラグ座金を入れます。
オメコワッシャー×2を入れます。
ドラグを入れます。
ワッシャーを入れます。
ハンドルプレートを入れます。
写真では分かりにくいんですが、プレート側にワッシャーを入れます。
ナットを入れて締めます。
で、本体は完成!
しかし、残っている部品が二つ。
スプールアッセン。
Eリングを外せば、スプールピニオンとベアリングが外れます。
サイドカップはプラスネジを3個外せば
遠心があたる部品が外れます。
コグホイールのネジを外します。
カラーを外せば分離します。惜しい!これにベアリングが付いていれば最強の雷魚リールなのになぁ・・・・
コグホイールの前についているワッシャーをなくさないようにしましょう。あと、写真のプラスネジは外さなくても洗浄できるのでわざわざ外しません。
で、洗浄が終わりました。組み付けます。
スプールです。
ベアリングにIOS1を1滴注油します。
スプールシャフトに入れます。
スプールピニオンにIOS2を満遍なく注油します。
スプールにセットしてEリングで固定します。
反対側にはIOS1を1滴注油します。
で、スプールの外輪にIOS1を2滴注油して
本体になじませながらセットします。
続いてサイドカップです。
コグホイールの真ん中にIOS2を1滴注油します。
ワッシャーを入れて、カラーを入れたコグホイールをてプラスネジを入れます。プラなので、あまり強い締め付けトルクはネジなめるので厳禁です。
サイドカップにセットします。
ネジを入れます。これも受け側がカップなので、強い締め付けトルクは厳禁です。
コグホイールのギアにIOS2を満遍なく注油します。
クロスギアにIOS2を満遍なく注油します。
サイドカップを入れてひねって固定します。
最後の最後にネジをしめてサイドカップを固定します。これはネジ受けが金属なので強めにトルクをかけて固定します。
完成!純正のオイルをIOSに変えたらめっちゃ回転がよくなりました!ホンマ疲れました。この手のリールはあんましOHしたくないなぁ・・・・
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