アルプスリールシート DALT−20の検証
雷魚ロッドのビルディングをやってる人は、おそらく、多くの人が気になっていると思います。
アルプスのアルミリールシート。
2011年だったと思いますが、大阪フィッシングショーで発表され、兎に角、見た目がクソかっこいいリールシートで、しかもマテリアルがアルミで、アルマイト済み。おまけにトリガーもダブルのやつとかがあって、
フジのちゃちいプラスチックリールシートを見慣れているビルダーにとっては、かなり新鮮なパーツだと思います。
がしかし、気になっているまま時は過ぎ、時は2012年冬。Jraidenのリメイクをすることから、奮い立ち、導入に踏み切りました。
アルプスのリールシートは、日本ではまず取り扱いがなく、海外通販サイトから仕入れるしかありません。
しかし、大手のマッドホールは取り扱いがなく、GET BIT OUTDOORSにその取り扱いがあります。
送料は9ドルチョイで、安くて、発注から、わずか1週間弱で到着するという便利な通販サイトです。
このアルプスのリールシートの中で雷魚ロッドみたいな、基本20パイのグリップに組めるものといえば、DALT−20か、AT−20です。かっこいいのは、ダブルトリガーのDALT−20だと思います。色がシルバーとブラックの2色しかありませんが、トリガーが二つ付いているモデルなんて、他にないし、フィッシングショーで触ってみた感じ、ダブルのほうが親指と人差し指の間が安定するので、パーミングしやすいと思いました。
そんなわけで、DALT−20のブラックをチョイスし、1週間後、
国際郵便のダンボールに入ってポストに投函されました。リールシートが45ドル。送料が9ドル。レートが80円ですから、4000円チョイです。到着は1週間弱でかなり早いほうだと思います。
見た目がクソかっこいいのは、スグにわかるんですが、
フジのリールシート、DPS20―LDナットと比較してみると、重量がかなり重く感じられます。
フジのは、36g。
アルプスのは、89g。軽いバスロッド1本ぶんってところです(汗)
ま、マテリアルがプラとアルミじゃ違いますからしょーがないんですけど、
早速、リールにフィッティングさせてみました。
で、まず、ナットに不具合。ギチギチでなかなか動きません。
さすが、タイワン製だけあって、ナットがきついきつい。
CRCを吹き付けると、スルスル動くようになりました。
あとダブルナットの間にワッシャが一個入るんだけど、このワッシャ、驚くことにプラスチックなんよね。
アルミのナットやのにワッシャはプラとは、いつ折れてもおかしくない感じですなwww普通に考えたら、アルミだろw
よーに見ると、結構、ちゃちい作りなんです(驚)
で、愛機C4をセットしてみたら、
もーね、
目ン玉が飛び出そうになりましたよ。
このタイプのリールシートはフット固定のツメとナットが離れているから、まずツメをフットに入れてから、ナットを締めていくんですけどね、
この写真みて分かります?
この状態で締めるとどうなるかというと、
こーなっちゃうわけ。
分かる?
ねじ山が足りないのwwww
つまり、
こーなるwww
まとめるとね、
アルプスのDALT−20リールシートでは、アブの6000番は固定出来ません。
というわけ。
もーね、しばらく時がとまったわよね。チーン。。。。って感じで(滝汗)
ってか、キホン、7000番クラスから〜なんてリールシートあるんかいな!?
日本の釣り事情に詳しいフジではまず起こらないであろう、こーゆートラブルも海外個人輸入独特の問題といえます。
色々調べてみたけど、
なぜか、UC6501C ハイスピードウィンチだけはギリギリで固定できましたが、ロケットその他全てダメです。
UCハイスピードウィンチにしても、固定は出来たけど、フードナットが下にきすぎてて、ダブルトリガーが1個死んでるしね、これ、ダメダメだわ。雷魚流用を考えている人は絶対買わないほうがいいと思います。
ほんだけんど、ビルディング以外に使い道ないし、なんとかして、C4が固定できるようにしないとハナシにならないから、
ツメ物をして対策しようと試みました。
UVコート(ハード)を
フット固定ツメの内側にタラし、
UV照射。
10分後、固まりました。
ついでに、ケツ側のフット側にも
UVコートをたらし、
これも10分照射。
固まりましたw
ンデ、セットしてみたら、ねじ山が残り、
固定できました〜(涙)
いやはや一安心www
若干、フットのハサミシロは少なくなりましたが、ま、ダブルナットだし、緩むことはないと思います。ってか、緩んだら即座にゴミ箱行きです。
で、パーミングしてみた感じ、
これ、デカイな。と思いました。
ダブルトリガーだもんで、2個目のツノが手を全体的に下に押し下げているから、丸型リールがホールドしにくい。
フジとの比較をしてみましたけど、中指の位置に注目してください。アルプスのほうがかかりが浅くなっているでしょう?
重ねて比較してみましたが、2つ目のトリガー。これが曲者なんですわ〜。
これ、使い勝手は明らかにフジの勝ちですわな。重いし。
サテ、本当にアルプスで逝っていいのでしょうか?って思ったりもしますが、ダメだったら、ダメで、それもオリジナルのビルディングの良い所。勉強になったとあきらめることにして、とりあえずコレで組んでみることにします。
総括
おとなしく、フジのリールシートを選択したほうがいいんじゃない???なんか、久しぶりに人柱でしたわ〜。
使用3回で不具合
このDALT20、ほんと、カッコイイ以外はクソですね(汗)
まず、使っていくうちに、ナットが緩んできて、ガクガクするんですよね。そんで、増し締めしていくと、段々と入っていきます。
この時、リールシート下部に充填していた接着剤が崩れてくるようで、接着剤がハミ出てきます。
この不具合の対策として、まず崩れた接着剤をエアブラシのニードルでほじくり出し、
仕上げにベビー麺棒でカスを取り出し、
一旦、パイプを垂直に固定して、
エポキシを充填します。前回はUVコートだったんですが、耐久性がサッパリだったので、今回はフレックスコートライトフォーミラでやってみます。
フィールドテスト 2013
カバーが生え揃ってきてから、Jraidenがメインになってきて、それと共に、リールシートを使う機会が多くなり、段々と分かってきました。
このアルプスのリールシート、良いけど悪いんですよね。
まず、このリールシート、内径が19φなんで、フジの規格にはないサイズで、フジなら18φから20φに行きます。
リールシートは大きくなると、パーミングしにくくなり、小さいとリールのカドが手に当たって痛いということが起きます。
雷魚用では標準が20φ。小型が18φとなっています。このリールシートに6000番をセットした場合、20φだと大きめ、18φだと小さめとなります。
その点、アルプスのリールシートは19φと、その中間を付いているため、パーミングがすごく楽で扱い易いです。
フジのモデルよりも重いんですが、実際の使い勝手はフジのものよりも軽く扱えると思います。
カーボンパイプを20φから19φに削り込んでいくのが手間がかかりますが、実際使ってみると、かなり使いやすいと思います。
反面、ダメなのが規格なんです。
まず、アブの6000番のフットがスカスカで固定できないというのが致命的。今のところ、フレックスコートライトフォーミラで対策をして、不具合なく使えていますが、この加工はかなり手間です。
そして、フードナットのロックがうまく出来ないという点。普通、フジ製のリールシートだったら、フードナットはある程度締めこんでいくと、ロックがかかってシッカリと固定できますが、アルプスの場合、使っていくうちに緩んでくることが多々あります。
時々、ナットの緩みを確認して・・・というチェックが必要になります。ダブルナットの意味は???という感じです。
そして、リールを取り外す時の手間です。構造的にリールのフットを固定するツメとナットが分離しているので、リールを外す際、ナットを緩めていってもツメが残ります。
そのため、ツメを人力で外さないといけないんですが、そもそも締めこんでいっているので、なっかなか外れない。この時、急に外れてリールがポロッと落ちることもあるので、スゴイ不便です。
そこで、ナットの移動部にグリスを付けました。
そしてツメの大きさが大きすぎ。リールのフットのツメに対して、リールシート側の受けが、ワイド過ぎ、浅すぎで、固定がうまく出来ません。そのため、雷魚がヘッドシェイクすると、
キシッ!キシッ!
ときしむ音がして、
リールシートに傷が行きます。
この対策として、リール側に緩衝材としてカバーを取り付けることにしました。この手のカバーはすでにピュアフィッシングから発売されているんですが、主にレボ用で、
http://www.purefishing.jp/products_2013/acc/abugarcia/abu_works/Reel_Foot_Cover_M.html
6000番への対応は不可らしいので、ホムセンで色々物色してきました。
良いなと思ったのが、電設資材コーナーにあった絶縁カバーで、
ニチブのLP―TIC―14 と 8です。
取り付けてみると、14は大きすぎ。
8がシックリきました。
リールシートに取り付けてみると良い感じだったんで、そのまま使ってみて様子を見てみますw
しかし、これも何度か出し入れしてると、ダメになってきます。消耗品と考えたらグッドですねw
リールフットカバーMの利用
先日、ピュアフィッシングのアブワークスより新商品が発売され、
リールフットカバーMというものです。2つ入りで、300円ほどです。
で、ちょうどアルプスシートを使うときは肉増しのパッキンが必要なので、塩梅を見てみました。
そもそもがバス用レボに使うためのツールですが、6000番でもいけます。
少し小さすぎてエッジが浮いてしまいますが、
アルプスシートとの塩梅は悪くありませんw絶縁チューブよりもガッツリと固定できます。
絶縁チューブは1回使うごとに破れたりしますが、コチラのほうが耐久性があると思います。
しかし、ガッツリ止まりすぎていて、ナットがなっかなか戻せません。ゴム手袋必須です。
なお、5000番とのフィッティングも見てみましたが、やはり小さすぎ。
カルコン201も小さすぎ。
ビックシューターでも小さいですね。
いまのところ、Mしかないですが、リールフットカバーLの販売を望みます。
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