ブランクの塗装


ガン7ですが、絶対に色は白にしたいので、ブランクの塗装にチャレンジしました!

フデで塗装
まずは、練習。ホームセンターでプラスチックパイプを買ってきました。150円です。これをブランクと思って塗装します。


まずは、プラパイプをドライングモーターに。


サンプルとして使うのは、タミヤの油性エナメル塗料です。以前、カルコンのプレート塗りに余っていたヤツです。ムラがなく、光沢がものすごいよかった塗料ですw


で、フデで丁寧に塗っていきます。


しかし、フデで塗ることに無理があることに気づきました。フデは付いた塗料を塗って、塗料がなくなると、また塗料にフデを付けてブランクを塗ります。しかし、塗るときに前の塗装の上にフデが当たるので、そこだけ塗料が剥がれます。そのため、フデを付けるたびにムラが出来ます・・・・


塗料を変えたらいけるか?と思って、油性シリコン塗料でも試してみました。


しかし、結果は一緒。やはりフデでブランク塗装をすること自体に無理があることに気づきました。


フデでブランク塗装は、絶対無理!!!だきん、スプレーとか、しごき塗装なるものが考案されたのね〜


とりあえず、塗料の皮膜だけチェック。
シリコン塗料の皮膜は柔らかいです。


まげても塗装が割れることはありません。


しかし、ツメで簡単にヒビが入る皮膜はどうなんでしょう!?


続いてクリアの皮膜も見ることにしました。使うのはUVカットのウレタンクリア(1液性)+専用薄め液。普通は2液性ウレタンクリアを使うみたいですが、1液だとどういう不具合が出るのかもチェックしたいので・・・・


塗ってみると、なんと薄め液が悪いのか、溶剤でシリコン塗料がどんどん溶けていきます(涙)。もう、うすめ液のにおいがすごすぎて、「ウォォォォェ!!!」となりました。絶対に外でやりましょう!もしくは、うすめ液を使わないか。

アクリルカラーの上塗りに溶剤系のウレタンは下地が溶けるので無理ですね。


しごき塗装
フデで無理なので、あとはスプレー塗装か、しごき塗装。ブランク塗装では両方有名なので、まずはしごき塗装にチャレンジすることにしました。

しごき容器作り
しごき塗装で、必要なのがしごき容器。ホームセンターでポリ容器を買ってきました。

他にも何種類か買ってきたので、全部ドリルで穴を開けます。

リーマーで穴を広げます。

塗装しようとするガンガン77のブグリップ差込口は17パイなので、しごき容器の穴はそれよりも広くないと下まで入らないので、だめです。

まだちょっと小さいので、

もうちょっと広げてOK!

ブランクスの根元まで入ります。これで準備完了!

この容器が塗料が入れやすそうでいいですwww

しごき塗装
で、下でブランクを固定する道具が必要なので、バイスを買ってきました。

まずは練習です。黒いプラスチック棒を買ってきて(150円)、それでやります。バイスにブランクを挟んで、垂直に立たせます。この時バイスを閉めすぎると、ブランク真っ二つなんで、要注意です。タオルかなんかをかぶせてもいいですw

で、ここからが問題。しごき塗装は生ゴムを使います。生ゴムは伸縮性がものっそある、黄色いゴムです。しかし、生ゴムは売ってません。ホームセンターに行っても、あるのは、生ゴムのホースだけ。小さすぎてしごき面積が足りません。

どうしよう・・・・・


考えて考えて・・・・・・


ひらめいた!!!!



コンドームだ!伸縮性は文句なしでしょうwww

多分コンドーさんでしごき塗装をやった人なんていないだろうから、面白いかもwww

というわけで、イソイソと薬局へコンドーさんを買いに行きました。
オカモトコンドーさん





ハサミで切ります。なっかなか切れません。破けたら避妊にならんけん、なかなかやぶれんようになっとる!

しかし、しごき塗装に流用する人間にとっては迷惑そのもの(怒)

しごき容器にセットオン!別のモンしごいたらイカンどwww

そして今度は穴が開かん!伸びすぎ!でもこの伸びがいい塗装を生み出すかもwww

だもんで、ライターで熱してようやく穴が開きました。でもめちゃんこ小さいけど・・・・。

小さすぎて棒が入らん!

しょうがないので、大き目のドライバーで穴を開けました。

ようやく挿入しました!

根元まで下ろします。

今回は一液ウレタンを使います。

下まで下ろしたしごき容器にウレタン塗料を注ぎこみます。

一気に上げると、途中で引きちぎれてしまいました(涙)

穴の開いたしごき容器からは塗料がダダ漏れ・・・・

バイスは、ウレタン塗料まみれ。白だけに、色が怪しすぎる!

ウレタン塗料がのかないのかない。掃除がたいへんちゅうたらなかったです。パーツクリーナー1本使い、ペンキまみれのダウンジャケットが残りました。

しかし、これであきらめてたまるか!

今度はホームセンターで黒い薄いゴム板を買ってきました。200円くらい。

ドリルを熱して穴を開けました。

コンドーさんの二の舞になったらいかんので、今度は、裂けるかどうかをはじめにチェック。

下に降ろすと、今度は左右に裂けました。これでは塗料がダダ漏れです。

で、八街のピーナッツさんからナイス情報げっと!

ポンチでやったらいいそうですw

だもんで、ポンチを買ってきました。1000円。

で、ガン77のティップを見てみると、2mmが合いそうです。

で、ポンチをセットして、ハンマーでたたいて穴を開けます。

丸い穴が開きました。

途中まではいけそうだったんですが、バット付近で亀裂が入ります。これだと、また塗料がダダ漏れになります。もっと細いロッドだったらいけそうですが、総じて太い雷魚ロッドには不向きです。

専用のしごきゴムを使ったら出来るんじゃないかと思って釣具屋に聞いてみました。で、専用のしごきゴムですが、釣具屋に問い合わせると、一般の釣具屋に置いてあることはまずないそうです。しかし、しごき塗装セットなるものがあるそうです。ゼニスから出ており、値段は8000円。2液ウレタンも一緒に入っているみたいです。しかし、なんせ需要がないので、いつ来るやらわからへんど。とのこと。他にもネット通販とかでビルド屋から取り寄せることも出来ますが、それでは、一般的なやり方になってしまい、面白くない。

私のブランク塗装のテーマというか、身近な道具を使ってやりたかったので、通販使ってまでするのは今のところ考えていません。だから、今のところ、しごき塗装でガン77の塗装は出来ないという結論で。

結局、ガン77みたいに、差込口17パイの極太ブランクスでしごき塗装は無理です。


しかし、大き目のホームセンターで発見
生ゴムシート!あめゴムの名前で存在している模様です!

ガン77の根元までいけるか?と思ってやってみると、いけました!!!これでしごき塗装ができます!

で、まずは練習。しごき塗装装置を作ります。生ゴムを円形に切り取ります。

で、だいたいフタにあわせたら

フタに合わせて、フタを閉めます。

ジグソーで反対側をきります。ここに塗料を入れます。

今回使うのは、振り出し竿のトップ部分。テーパーがかかっているので、練習にはもってこいです。

マジックで中心にマーキングします。

いったん生ゴムを外して、ポンチで穂先に合うサイズを打ち込んで穴を開けます。

で、ティップに入れて、バットまで押し入れます。

今まではクランプを運んでましたが、めんどくさいので、今回は油粘土を使います。

油粘土に塗装する予定のブランクを突き刺してセット完了。

で、塗料の選定です。シリコン多用途と、水性エナメルがあります。

シリコン多用途は、「超速乾」と書かれています。

樹脂+顔料の溶媒は有機溶媒とかかれています。

一方、水性エナメルは水で溶かれています。

だから、乾くのが早いのは、どう考えても、シリコン多用途でしょうね。しごき塗装をする場合、すぐに乾いてくれなければ垂れそうなので、今回は超速乾のシリコン多用途を選択します。

しごき容器にシリコン多用途を入れます。

一気に上へ上げて終了。10秒も経たないうちに乾きます。

しかし、塗料が乗ってません。ブランクをペーパーがけしていなかったのが原因の模様です。

アセトンで色を落として、

ペーパーがけして再挑戦。

今度はいけるか!?

ところが、
ムラが出ている場所や
スジが入っている場所や
色が薄いところも・・・

だもんで、重ね塗りしごき塗装2回目をやってみました。
しかし、スジやムラはなくならず。

思ったんですけど・・・・

しごき塗装、結構技術がいります!

あかん。フジのカタログ見てたら、誰でも簡単に出来そうと思ったけど、思ったよりも難しいど!!!まず、ロッド自体がゆがんでいて、そのゆがみが塗装のムラに出てきます。右曲がりのロッドだったら、右側の皮膜が厚く、左側が薄くなります。

ガン77のしごき予想
穴を開けた生ゴムをバットまで突っ込みました。

そこから、逆向きに、しごきシュミレーション。もうしごきゴムはパッツンパッツンです。ということは、バット部分はゴムのテンションが強くてあまり塗料が出ないはず。つまり、薄い塗装になるはずです。

中腹下側。バット部分に比べると、テンションが緩みました。おそらく、塗料はバット部分よりも出やすいので、ここは濃い塗装になるはずです。

中腹上側。もっとテンションが低くなったので、さらに塗装は濃くなるはず。

ティップ下側。もうテンションはゆるゆる。塗料が垂れそうです。

ティップ。このあたりはもうスカスカです。塗料は垂れるでしょうね。

で、引き抜きました。

右側に、しごく前のポンチ穴を開けました。しごくことで、穴が広がっています。ということは、ティップに合いません。だから、バットまで落とした時に広がった穴がティップ付近でスカスカになり、塗料が垂れるはずです。

ブランクは、バットからティップにかけて、細くなってますから、細くなるにつれて、しごきゴムのテンションが緩み、塗料がたくさん出るはずです。
極端な話、黒ブランクに白塗装だと、こんな感じの塗装になると思われます。

これを回避するには、しごき容器を引き上げるスピードを変えれば出来るでしょうね。ゆっくりしごくと塗装は濃く、早くしごくと、塗装は薄くなりますから、それから、しごき容器を引き上げるタイミング。塗料が乾きかけの時をダイレクトに狙ってやらないと、サラサラのときにやったら、しごき容器をブランクスから引き抜いたときに垂れて、スジが入るはずです。だから、塗料が乾く瞬間を狙わなければなりません。しかし、この塗料は1液性のため、自然乾燥の塗料。構造的に、空気に触れている上部だけ固まって、固まったら下部が乾かず、粘度が下がりません。すると、常に攪拌する必要がありますが、なかなかに難易度が高そうです。ならば、2液性のほうが効率が良いかもしれません。2液性なら、空気乾燥ではなく、単純にポットライフ、作業時間が決まってますから、粘度が上がるタイミングを計りやすいはずです。ところが、2液性の塗料を使ったことがないので、なかなかにやりにくそうですが・・・・。

もし、やるとしても、「最初は遅く、だんだん早くして一気にティップを引き抜く!」

これは結構技術がいります。雷魚ロッドみたいに、テーパーがきついロッドは特に・・・・

だから、しごき塗装は、雷魚ブランク塗装にはあまり向かないような気がします。

だもんで、スプレー塗装をすることに決定!

その前に
総巻きの可能性
もう一つ、ビルディングの技で総巻きという塗装方法があります。塗装というか、ブランク全部にスレッドを巻いて色を変えるという荒技です。全部に巻くんですから、何時間かかるか、腱鞘炎も心配な非常に危険な技です。

その総巻きの方法ですが、
スケルターワークスのDVDに解説付きでやり方が乗っています。

で、その方法でいけるかどうか、試してみました。

まずは、ジャストエース製NCPスレッドの白でテスト。普段よりも少し多めに巻いてみました。で、スレッド巻きですが、絶対に均一には巻けません。人間のやる作業ですから、絶対にゆがみとか、線が出ます。

そこで、巻いた後に修正作業があります。バニッシュナイフによるアラ消し作業です。専用の道具もありますが、私はピンセットの後ろでやっています。


角度を深くして、軽い力でシャコシャコやります。

※2011年からのメッセージ
ピンセットはやめとけ。素直に専用のバニッシュナイフをつかいまい。

すると、アラがごまかせます。

で、コーティングしてみました。

しかし、それでも薄い部分と濃い部分があって、それがスジとなって浮き上がります。黒下地に白はモロに影響が出ます。

これはうまいこといってますが、ドアップで見ると、

こんな風に糸目が見えます。

もいっちょやりましたが、コレはだめ。

そこで、Cスレッドではなく、今度はAスレッドでやってみました。

Aスレッドは、細いのでCスレッドよりももいっちょスジが出ます。

バニッシュナイフでなんとか糸目はごまかせますが・・・・、Aスレッドは細いのでどうしてもスレッドが毛羽立ちます。

コーティングしてみると、その影響がモロにでて、毛羽立ちがブツブツとなって現れます。

紫スレッド、赤スレッドのNCPスレッドだったら、ブランクの色を隠すような色なので、塗装みたいにはなるんですが、色の中で最も明るい白だと厳しいもんがあります・・・・・

結局、黒下地に白スレッドで総巻き塗装は無理だと思います。たった、5cmのスレッド巻きで、コレです。270cmのスレッド巻きで完璧な総巻き塗装!?出来るかそんなもん!!!バニッシュナイフでのスレッドの補正では誤魔化しきれません。絶対に下地が見えて、そこがスジになります。

では、スケルターワークスはどうやっているか。

なんと、白に塗装したブランクに白で総巻きをやってます。それって、総巻きの意味ないんじゃ・・・・・

黒ブランクで白で総巻きやってくれると説得力あるんですが・・・・

結局、この選択肢、総巻きにて白塗装は無理!

もう、スプレー塗装しか選択肢がなくなりました(^^)

スプレー塗装と塗料の選定
で、結局、スプレー塗装をすることに決定。早速、色々買ってきて、テストすることにしました。

アクリルラッカー(アクリル)
昔懐かしのディックスプレー。アクリルラッカーです。

うーん。全体的に皮膜が薄いと言うか、ちょっとツメを立てたら、ガリガリ削れるような感じです。ツヤもないし、皮膜も硬く、もろい感触を受けます。ツヤもないし、イマイチです。


エナメルラッカー(アルキッド)
エナメルラッカー。アルキド樹脂。

最悪。エナメルなのに、ツヤはあんましないし、2時間くらいしないと乾かないし、しかも、軽くこすっただけで皮膜がペリッペリ剥がれる。これは絶対ダメです。



アクリルシリコンラッカー(アクリルシリコン)
アクリルシリコンラッカー。ニトロセルロースとアクリルシリコン樹脂。

テストの中では、一番ツヤがあって、皮膜がツルツルしていて、皮膜も強い。少々ツメを立ててもびくともしないです。しかし、少し力を入れると傷が付きます。一応、テストの中では最も優秀な塗料だと思います。ただ、シリコン配合というのが不安要素です。シリコンははじくので、シリコンを配合していることにより、上塗りの食いつきが心配です。上塗りするときは同じ塗料がいいのではないでしょうか。しかし、結局はウレタンか、エポキシで上塗りする必要があると思います。


ホルツラッカー(アクリル+ニトロセルロース)
ホルツ、アクリルラッカー。車のペイント用。ちなみに色はチャン白wアクリル+ニトロセルロース樹脂。

半分、アクリルシリコン、半分アクリルラッカーみたいな塗料。皮膜はアクリルシリコンに次いで強い。ツルツルしているが、アクリルシリコンほどではない。ツメを少し強めに入れると、ペリペリ剥がれる。コレも大丈夫かいな。ただ、バンパーやエアロ塗装も出来まっせと書いているのがすこーし心強いです。バンパーやエアロ塗装は、塗料に「軟化剤」を配合して塗って柔軟にして、少々ゆがんでも塗装皮膜がそれに付いていくようになるみたいです。これを知らない板金屋がバンパーを塗ると、ひび割れトラブルが起こるみたいです。このホルツラッカーには、バンパーやエアロでもいける!とわざわざ書いてあるので、それがちょっと安心できます。でも不安だけど。

一応、この中では、ホルツラッカーが一番良さそうだったので、テスト
細くてしなるプラスチック棒を買ってきて、ホルツラッカーを塗ってみました。

それで、何回もこんな風にしならせて、塗料の様子を観察しました。

で、曲がったところを見てみると、シワが入ってます・・・・。やっぱり柔軟性が足りないみたいです。

カシュー(カシュー)
で、続いてカシュー塗料。カシューナッツから取れる天然樹脂で、人口漆と言われます。普通の塗料は樹脂成分が30%くらいなのですが、これは75%以上が樹脂で構成されており、モッチリ弾力があり、それでいて、皮膜は高強度。ツヤはウルシ並の理想的な塗料とのこと。良いことずくめの塗料で、このサイズで800円くらいしました。高級塗料です。ただ、なかなか乾かない上に、ネバネバしているので、プロ向けの塗料とのこと。溶剤キシレンなので、毒です。外で作業しましょう。

あけてみると、粘度がすごい!もうネバさが、他の塗料の比になりません。モッチモチのマツヤニみたいです。

早速プラパイプに塗ってみるも、塗れない!もうマツヤニをこびりつかしているみたいで、塗料が、パイプに全く乗りません。ママコになったままこびりつきます。

しょうがないので、普段使わないうすめ液を使いました。といっても、薄め液を入れる量もハンパでない。薄め液を入れても入れてもなかなかネバさがとれずに、結構入れました。それで塗ると何とか塗れましたw

2011年からのメッセージ
※ペイント薄め液は、用途が違う(アクリル塗料の薄め液)なので、普通はカシュー薄め液を使います。

で、一晩乾かしてもまだまだねばねばだったので、4日間放置。

乾きました!うたい文句通り、かなりの光沢!キレイで、肌触りもツルツルしていて良いです!ラッカー系のスプレーとは比較になりません。ただ、厚く塗っている部分と薄く塗っている部分だったら、薄く塗っている部分の皮膜はツルツルですばらしいんですが、反面、厚い部分は皮膜が弱く、生乾き状態が永遠と続きます。ほんのちょっと厚くてもダメ。だから、相当な塗装テクニックが必要とされそうです。プロ向けと言われる理由が分かります。しごき塗装で一気に塗ると、いいかも。

まげてもさすが高分子樹脂。モッチリ感で、きっちり弾力ある曲がりを見せてくれます。

ただ、厚く塗った部分は一生乾きそうにありません。

あと、皮膜もカチカチとまではいきません。つめを立てると、やはり傷が入ります。でも、ラッカー系のように剥がれることがないので、硬いクリアで上塗りしたら、十分使えそうです。



アクリルウレタン(1液ウレタン)
珍しく、ホームセンターにウレタン塗料が売っていたので、買ってやってみましたw

塗りたてはツヤツヤピカピカだったんですが、、乾いてくるとだんだん色がツヤなしになってきて・・・・。仕上がりはアクリルラッカーとあんまし変わらないくらい。

裏を見てみると、なんと、アクリルとウレタンの混合塗料でした。アクリルのほうが量が多いのかなぁ。ウレタン塗料のピカピカ感がないです。

ツメを立てると簡単に傷が入ります。やっぱり、アクリルのほうが圧倒的に多い感じがします。

2液ウレタンエナメル塗料
既製品以外の塗装で、ウレタン塗料というのものを見たことがないので、ホライズンまで見に行ってみました。


スゴイツヤと強度!


鏡のような皮膜です。発色もまぶしいくらいの鮮やかさ!


今までホームセンターレベルの塗料ばかり見てみましたが、もうレベルが全く違います。ホームセンターに置いてある程度の塗料は素人・これはプロの塗装レベルです。


ゼスト 2液ウレタンエナメル塗料
釣具の塗装について詳しく解説しているゼストからブランク塗装用のウレタンエナメル塗料を取り寄せました。エナメルについてですが、アサヒペイントの元技術者に聞いてみたんですが、エナメル塗料というのは、テカテカ光る塗料全般を指すみたいなので、これといった樹脂が決まってないそうです。だから、エナメルラッカーでもアルキッド樹脂と表記していたんかな?だから、ウレタン塗料でテカテカしている塗料という意味でしょう。

ツヤはカシュー並み。皮膜はカシューよりもよっぽど強いです。エポキシが若干柔らかくなったような感じです。塗って20分もすれば手で触っても大丈夫。完全硬化は3日くらい。粘りも弾力も問題なし。

うーん。

さすが、釣竿用塗料。

申し分なしです。

で、思ったんですが、


なんで2液ウレタンが一番適しているんでしょうか?


ゼストのホームページには、1液ウレタンは硬く、二液ウレタンは柔軟性があって、釣竿には2液ウレタンをオススメしますとのこと。

ところが、歴史を見てみると、2液ウレタンがあって、改良版が1液ウレタンです。もともとは、2液ウレタンを使って車の塗装をしていたらしいんですが、2液だと、一度混合すると余っても捨てなければならないし、混合ミスもありうるし、溶剤からの毒性もあります。2液だと、硬化剤がダメージを受けやすく、硬化剤がパアになったら、作業できません。

だもんで、1液ウレタンになった模様です。

1液ウレタンと2液ウレタンで、どないに違うんな!?

と思って調べてみると、

2液ウレタンの構造
2液ウレタンは、アクリルポリオールというアルコールが主剤で、イソシアネートという、NCOという官能基が付いたものが重合して出来た高分子化合物です。

2液を混ぜると、ポリオールのOHとイソシアネートのNCOが結合し、HNOCOという接着剤が、硬化剤・主剤をくっつける働きをして、巨大な樹脂を構成します。これがポリウレタンです。ウレタン塗料は、樹脂がこのポリウレタンで、ポリウレタンが紫外線に強く、皮膜が強く、透明度が高く、ツヤもあるため、顔料が生きて、キレイな発色をします。一方、レジンや硬化剤は混合する前は、溶剤に溶けている形で存在しており、その溶剤がトルエンやキシレンなので、揮発によりアンパン中毒になります。ウレタン塗料は毒性ありというのがこのためです。
ちなみに、イソシアネート(硬化剤)は、OH基と反応する物質ですので、水と反応すると硬化します。水がH−OH構造だから。そのため、開封後はさっさと使わないと、あっという間に劣化します。このため、ウレタン塗料は、硬化剤のフタがむっちゃきつくなっています。

一方、一液ウレタンは、1液性ポリウレタンという名で売られています。ということは、2液ウレタンも1液ウレタンも同じポリウレタン樹脂です。樹脂が同じ以上、物性は同じはずです。

なのになぜ、ゼストは、1液ウレタンは硬く、2液ウレタンは柔軟性があると言っているのでしょうか???

考えに考えて、一つの結論を出しました。

それは、可塑剤です。

可塑剤とは、塗料を柔軟にするための塗料添加剤です。フタル酸エステル・Dブチルフタレートとうの油分がそれです。ちなみに、フロッグの皮は、硬質塩ビにフタル酸エステル等の可塑剤を加えて柔軟性を持たせています。

どんなときに使われるかと言うと、プラスチックに塗装するときです。プラスチックは、曲がります。しかし、樹脂が硬かった場合は、樹脂が曲がるのを邪魔します。しかし、プラが曲がろうとすると、そこに歪が生じ、塗料が剥がれます。

しかし、塗料に柔軟性を持たせると、プラが曲がったときにそれに付いていくことができるので、塗装は長持ちします。

車のバンパーを思い出してください。バンパーはプラです。新車で買った場合、バンパーの塗料ってそのまま剥がれずにずっと持ちます。しかし、塗装屋で塗装をしてしまうと、劣化がすごく、やがては剥がれます。これは、塗料に柔軟性を添加しているかいないかの違いです。

これは、私が昔、族をやってた時代に、塗装屋に全塗装を出したときのシングルシートカウルですwこの塗装屋がクソヘタクソで、前の塗料は落としてないわ、皮膜はエアだらけ・ラメはバラツキ&ママコあり。もうホントこれで金とるんか!?と思えるくらいのシロモノでした・・・。

このクソ塗装屋は、十中八九、可塑剤を添加する知識もなければ、そんな手間をかけているはずもありません。

剥がれかけてエアが混入し、表面ボコボコ。

カウルのハシは、クラックはいりすぎて欠けまくっています・・・。

塗料の可塑剤はこんな感じです。

つまり、2液性ウレタンと、1液ウレタンは基本一緒で、ブランク塗装用の2液ウレタンは、可塑剤をはめているだけではないか!?というのが予測です。1液ウレタンに可塑剤をはめると、柔軟性が増すはずなので、可塑剤さえ添加すれば1液ウレタンでもブランク塗装は可能なはずです。

というわけで、ゼストに質問してみました。

その返答です。

弊社の2液性ウレタンの場合、硬化剤を使い分けることによって柔軟性に優れたウレタンになっています。
10:1タイプがそれに当たります。
別途4:1タイプもありますが4:1タイプは10:1のタイプに比べ高度は出る設定になっています。詳しい成分や内容については、わかりません。
基本的には可塑剤を混合させれば、柔軟性は出ると思いますが添加する量によっては、乾燥不良・濁り・耐候性・密着性が悪くなる可能性があります。
自己責任の上で試していただくには良いと思います。

やっぱしそうでした。2液ウレタンがすべて柔軟性が出ると言うわけではなく、
可塑剤を添加しているのが柔軟性が出るみたいです。一方、4:1タイプは、2液タイプなのに、柔軟性が出ないということは、可塑剤が添加されていない普通のウレタン塗料なんでしょうね。

一方、こちらは、ぺいんとわーくすのホームページ。

http://www.paint-works.net/ure/hardener/index.htm

この硬化剤の宣伝のところにはこんなことが書いてあります。

塗装素材によっては、塗膜に柔軟性を持たせるために、柔軟性を発揮できる特殊な硬化剤もご用意しています。

つまり、硬化剤に可塑剤を添加することによって、ウレタン樹脂の物性をいじっているんですね(^^)


だから、2液ウレタンがブランク塗料に優れているのではなく、可塑剤を添加している塗料が、ブランクに適した塗料ということです。だから、1液性ウレタンだろうが、可塑剤を添加したらブランク塗装用の塗料に早変わりですwウレタン塗料は車に使われる塗料で、わりかし用途が多いので、バンパー用の塗料、つまり柔軟な塗料が充実しており、ブランク塗料はそれを流用している可能性が高いです。


ナガシマ 2液ウレタンエナメル
ゼストが、10:1配合なのに対して、ナガシマは、10:5です。比重のバランスか?と思いきや、そうでもなく、昔は硬化剤が多いほうが結合が強かったため、10:1ウレタンエナメルは10:5の廉価版という位置付けだったそうです。ところが、最近は、10:1ウレタンも進化してきて、10:5と大して変わらなくなったそうです。で、ナガシマウレタンは、レジンが驚くほど少ないです。エッ!?これで40gあるの!?と言うくらい少ないです。新品状態で開封しても、瓶の半分くらいしか入っていません。少しソンした気分です。その代わり硬化剤が多いけど。ただ、人間ですから、色が付いているのが多いほうがトクした気分になるので、10:1ウレタンのほうが好きです。

2011年
※ナガシマに質問してみたら、重量配合を基本にして作られているので、少なめに見えるそうです。つまり、比重の大きな塗料は容量が少ないというわけです。

実際、使ってみましたが、ゼスト製と違いが分かりません。若干ゼストよりも薄い気がします。ゼストは10:1だから、ほとんど顔料付きの樹脂ですもんね。ナガシマは、2:1塗料ですから、顔料入りのウレタン樹脂が少なく、薄いのかな?

結局、ゼストとナガシマとどっちだ?と言われると、ゼストです。100ml、900mlとあるし、調合もしてくれるし。なんせ、詳しくて、質問したら何でも答えてくれるし。

だから、使うなら、ゼストですね。



クリアーの上塗り

2液ウレタン(東邦産業)
いずれは練習しないといけないので、生まれて初めて2液ウレタンクリアというものを使ってみました。東邦産業です。

シリンジ検量でやりましたが、B液がサラサラすぎて、勢い良く飛び出しすぎて、こぼれました。めちゃクサイのが続くので要注意です。しかも、ウレタンクリアは、トルエンとかキシレンとかのアンパン中毒物が溶剤になっているので、特に要注意です。これは、ノンキシレンだったかな!?それでもくさいです。ブランク全部をコーティングしてみました。サラサラで、1日経ってもまだ粘性がありました。

2,3日ほっといて、見てみたら・・・

硬化不良キター!表面がベト付きます。エポキシの硬化不良とはまた少し違うみたいです。

傷も簡単に付きます。


オイオイ。またエポキシみたいに、硬化不良に悩みながら配合探るんかい・・・・


ウレタンクリアのコーティングはやめ!エポキシでやろう!


ホライズンで教えてもらったんですが、ブランクのコーティングはウレタンでやっていたり、エポキシでやっていたりだそうです。どっちでもいいなら使い慣れたほうがよっぽど楽。くさくもないし。中には、ブランクのコーティングにエポキシを使うのは、皮膜が硬くなりすぎて、ヒビが入る・・・という方もいるようですが、そこは、比重配合で慣らした経験でカバーします。エポキシだったらフデで全部いけるし、何より、ある程度使い慣れているから、新素材のウレタンに手を出すよりもよっぽど楽!


で、エポキシ上塗りテストです。
細めのブランクにアクリルシリコンラッカーを塗り、フレックスコートライトフォーミラ10:9配合で上塗りしました。シリコンだったら、はじくと思ったんですが、はじかず。ということは、アクリルシリコンラッカーはほとんどシリコンは入ってないのでは!?

ツヤツヤしてますが、フデでやったもんだから所々いびつです。

曲げてみると・・・・・硬っ〜〜〜〜〜!!!!

これは、うーん。皆がエポキシコーティングしない理由がよく分かりました。全然曲がらん。これは硬すぎです。あと、皮膜厚すぎ。やっぱり粘度の問題とフデでやった問題があって、皮膜が厚く、硬いです。

あとね、エポキシは、完全に気泡を抜くことがでけんのよ。

薄く塗れて、気泡が発生しにくくて、塗膜も強いというわけで、

やっぱりウレタンクリアのほうがいいかも・・・・。

というわけで、ついに通販出動。釣具塗装だったら、ここだろ!のZESTで注文し、やってみることにしました。

ゼスト 2液 ウレタンクリア
で、ゼストのウレタンクリアを使ってみました。10:1です。20mlミキシングカップに塗料を10ml入れ、スポイトで硬化剤を1mlぶちこみ。全く硬化不良にならず、かなりキレイな皮膜になりました。エポキシみたいに、硬化不良がシビアというわけではなく、かなりアバウトですね。

2011年
そもそも、2液ウレタンは、板金塗装のための塗料みたいなもんで、塗装屋が作業しやすくでけるように作っているため、作業性重視で、容量配合でも重量配合でも硬化不良にならないように作られているみたいです。


が、


東邦産業のウレタンクリアを見直すことが一つ。

あれは、ノントルエンキシレンなんです。

ゼスト・ナガシマは、トルエンキシレン入りの塗料。

実は、使っていくうちに、東邦産業のウレタンクリアがいいんじゃないの!?と思うようになってきました。

まず、トルエンの危険性。

甘ったるい香水のようなあの匂い。

あれは、ホルムアルデヒドと並んでシックハウス症候群の原因物質になっています。毒性はシンナーの数百倍と言われています。神経系統を破壊し、とくに視神経へのダメージがでかいみたいです。

実際、ノンマスクでトルエン・キシレンを吸いながらの作業をした後は、もうひどい中毒症状が出ます。

まず、目がパシパシします。頭がクラクラします。立ち眩みします。

そして、もいっちょトルエンの悪いところは、揮発が遅いところです。

塗ったら、大体30分で手で触っても指紋が付かないくらいの乾燥速度で、便利なように思えますが、そこからが問題。

完全硬化にむちゃくちゃ時間がかかります。

冬場、10度以下で1週間。

夏場、30度くらいで2日。

70度くらいで50分。

で、雷魚ビルディングはだいたい冬にやりますよね。ということは完全乾燥に1週間かかります。

で、完全乾燥まで1週間かかると言うことは、部屋で乾かした場合、1週間もジワジワとトルエンが部屋中に充満していくのです。

これがシックハウスの原因になります。

溶剤にトルエンが使われた塗料で内壁を塗った場合、夏場には、トルエンが揮発しやすいので、出来たばかりの家は、ジワジワとトルエンが出続けるのです。そのため、トルエン中毒になり、シックハウス症候群へ。

トルエン入りのウレタン塗料を塗ったブランクスを車の中に置いたままにして、半日置いて、車の中に入ってみてください。

あの匂いが充満しています。

といういことは、部屋で乾燥できないということなのです。家族が居る状態だったら、なおさら。

一人暮らしでやるんならまだしも、他の人間の健康にかかわることですから、極力、トルエンウレタンは避けるべきです。

そのため、塗料の世界では、トルエン・キシレンを使わない塗料への移行が叫ばれていると言うことです。

ホームセンターに行って、塗料の裏側を見てください。

ノントルエン・ノンキシレンがアピールされているはずです。

そこで東邦産業ウレタンを見直したわけです。

前回、シリンジでやって失敗したので、今回は、

ミキシングカップでやりました。

今度はOK。ネトネト感が、ゼストウレタンそっくりです。今度は硬化不良にならなさそう!

30分で指紋付かないくらいの乾燥。3日部屋に置いていて、完全乾燥。思いっきりツメを立てても全く傷つきません。

しかし、ツヤが全くダメ。鏡のようなツヤは期待でけんです。皮膜のツヤはゼストやナガシマのほうが圧倒的に上です。板金塗料はやっぱり、ツヤがないとクレームになるから、かなり性能を追求されているのだと実感しました。

今回の実験はフデでやりましたが、エア噛みは、東邦ウレタンのほうが少なかったです。

しかし、ツヤは、水研ぎフィニッシュを使えば問題なし。

今はゼストウレタンが余っているので、これを使い切ったら、今度から東邦ウレタンを使います。また、東邦ウレタンはホームセンターにも売っているので、入手が楽です。

そして、安い!薄め液も簡単に手に入りますしね。

あの毒性の強い匂いをかがなくてもいいのが一番!結局、ウレタンクリアは、東邦ウレタンが一番!ということでw

とはいえ、もう一度テストをやってみると、明らかに粘性が低い・・・・。硬化不良か?と思って塗ってみるも、ツヤがいまひとつ。匂いも結構キツイ。この時、開封後2ヶ月。ウレタン塗料は、水蒸気による劣化が激しいので、キホン使う直前に購入が良いかもしれません。

ウレタンクリア上塗りの注意点
まず、東邦ウレタンA液(硬化剤かレジンか分かりません。)をポリスポイトで注入。その後アセトンでポリスポイトを洗浄。しかし、塗料がのかない。粘性が高すぎます。だから、ウレタンA液のピペットは使い捨てのシリンジでやったほうがいいです。

ラッカー上塗りすると、ラッカーが溶けました。上塗り下塗りの可能不可能は、プラモサイトを見てください。ちなみに、これはホルツアクリルラッカー。アクリルは水には溶けないが、溶剤つけると一撃なんで、要注意です。

つまり、ラッカー下塗りでウレタンで皮膜を強くしようとしても出来ないということです。

2011年
※スプレー塗装したら出来ます。フデヌリだと、量がたくさん付く上に、フデでこするから溶剤に弱い下地は皆溶けます。


情報収集
ネットサーフィンしながら、とにかく情報収集しました。

UV塗料

http://www.minamishinshu.co.jp/news2002/5.2002/530n1.htm

なんと、天龍が塗料をウレタンからUV塗料に変えてエコ賞を受賞してます。このUV塗料は、紫外線によって硬化する1液性の塗料で、専用の紫外線発生装置を照射すると、わずか数秒でカッチカチに固まるそうです。紫外線を当てるまでは永遠に固まらないので、いくらでも作業のやり直しは出来るし、1液性だから、硬化不良の起こる心配もなし。また、2液混合で使わなかった塗料を捨てることもないし、硬化時間は数秒なので作業性もグッド。いいことずくめの塗料ですが、照射装置が高い!また、完全なプロユースで、2液ウレタンよりも入手が困難そう。またUVは、硬化しているかどうかが分からないので、照射を終えるタイミングがかなり微妙です。

漆(うるし)
使いこなせば最強の塗料。しかし、これは酸化でも乾燥でも、化学反応でもなく、酵素による硬化反応です。そのため、乾くのがむちゃくちゃ遅いみたいです。しかも、完全なる天然素材なので、ろ紙で濾して不純物を除いたり、なにかと手間がかかりまくるみたいです。しかも油断するとカブレがすごい。道具もむちゃくちゃ高いので、一般的な塗料というよりは、食器職人の使う塗料みたいです。その上、そもそも漆って、木材のステインとして使われるのがメインなので、カーボンみたいなプラスチックには向かないと思います。


塗料の原理
今まであれやこれや試してみましたが、そもそも塗料の原理を知っていないと、選定の基準すら浮かんでこないので、塗料の原理というものを調べました。
そもそも、塗料は液体です。液体の中には何が入っているのかというと、顔料+樹脂+溶剤です。樹脂は塗料を作る皮膜。顔料は、色のついた粉。白だと、チタン白の粉末とかです。ここでは、顔料を赤にしてます。もし、ニス等の透け色だったら、顔料と呼ばず、染料と呼びます。で、溶剤が、それらを溶かしている溶媒です。溶媒が水の場合は、水性塗料。油性の場合は、トルエンやキシレン、などの有機溶媒です。



これらの塗料を何かに塗ると、溶剤は蒸発します。しかし、顔料と樹脂は蒸発できません。そのため、どんどん顔料と樹脂の割合が高くなってきます。



最終的には溶剤はすべて蒸発し、樹脂と顔料が残ります。樹脂は透明ですが、顔料は色が付いています。そのため、透明の樹脂に色の付いた顔料が含まれている皮膜が塗装面に残ります。それを人間が見たら、色が付いているように見えるので、赤色の塗料と呼ばれるゆえんです。

例えば、水性アクリル塗料というと、アクリル樹脂と顔料を水と少しの有機溶媒で溶いたものです。厳密に言うと、有機溶媒を含んでいるので、油性ですが、油性よりも、水性のほうが環境と人間に優しいので売れるから、水性と表記しているのだと思われます。デカールのコーティングで使う水性アクリルクリアなんかは、顔料が入っておらず、アクリル樹脂のみを溶剤に溶かし、透明な塗装膜を形成します。

顔料
顔料の選定基準は、ずばり隠ぺい力だと思います。下地の色をいかに隠せるか。例えば以前やったインクジェットでデカール印刷では、色が染料インクだったので、隠ぺい率が弱かったので、ブランク下地が全部透けました。一方、プリゴでデカールでやったときは、プリゴインクは隠ぺい率が高かったので、ブランクの地肌がすけずに、うまく発色してくれました。今回ブランク塗装で選んだ色は、すべて顔料系で、隠ぺい力はあると思います。薄い部分は重ね塗りすればいいだけなんで、そこまで顔料に神経を使う必要はないと思います。

樹脂
おそらく、ブランク塗装で最重要ポイントがこの選定。スプレーで実験した時は、ニトロセルロース樹脂、アクリル樹脂、アクリルシリコン樹脂、で形成されていました。しかし、全部硬くて、薄くて、ペリペリ剥がれます。これは、塗装面と樹脂の相性があまりよくないのと、硬すぎるために起こるものと考えられます。剥がれたり、欠けにくい樹脂はずばり柔らかい樹脂です。しかし、柔らかすぎると、ツメが当たった時とかに凹んでしまうんで、耐久性の面で、これも問題です。釣りで使うブランクの場合、塗装するブランク自体がしなるし、ヤブコギしたときに草やら枝に引っ掻き回されるので、硬くて、柔軟性に富む樹脂がブランク塗装に適した樹脂と言えます。ということは、硬いことは硬いが、塗装面との接着力が弱く、ペリペリ剥がれやすい、アクリル・ニトロセルロース・アクリルシリコンは完全に不合格です。唯一、可塑剤添加の2液ウレタンが皮膜が硬く、柔軟性もあって、適した塗料と言えそうですwww

溶剤
これも重要なポイント。溶剤が早く乾く場合は速乾性塗料と言われ、すぐに樹脂が固まります。1液性だと、空気乾燥がほとんどなので、厚く塗ったら、内部は乾かず固まりません。しごき塗装をやるにしても、液をたくさん入れるといつまで経っても粘性が上がらないのでタレます。逆に少なすぎると、均一に液が出てくれない可能性があります。加えて、水性塗料は乾くのが遅いので、どうしても油性に分があります。2液性だと時間が経つと空気に触れている面関係なしに、だんだん粘度があがるので、しごき塗装はやりやすいです。つまり、2液ウレタン塗料はしごき塗装にも適しているというわけです。


以上、順位を付けるとするとこんな感じです。

皮膜の強さ ツヤ 顔料の発色の良さ 柔軟性 速乾性 合計
アクリルラッカー 32
エナメルラッカー(アルキド) 33
アクリルシリコンラッカー 22
アクリル・ニトロセルロースラッカー 23
カシュー 14
1液アクリルウレタン 24
ゼスト2液エナメルウレタン 10
ナガシマ2液エナメルウレタン 1 1 1 10

で、以上の条件で、一番いいのはというと、やはりブランク塗装用のゼスト2液ウレタンです。

で、結局、2液ウレタンで塗ることにしました。


しかし、ここで問題があります。エアブラシがないから、2液ウレタンのスプレー塗装が出来ないのです。

となると、あとはフデか、しごき塗装ということになります。

前回、エナメル塗料でフデでやってひどい目にあいましたが、エナメル塗料は1液性の油性なので、乾くのが早く、半がわき状態で再度フデが触れるため、そこに跡が付いた可能性があります。2液ウレタンは、可使時間というものがありますから、判乾き状態にならず、うまくぬれるかもしれません。

だもんでやってみました。

フデリベンジ
ダメでした・・・・。やっぱりフデで全部キレイにぬるには限界があります。

しごき塗装リベンジ
前回あめゴムで全滅だったので、次はあめゴムをソークしてやって見ました。
ポリ容器にシンナーうすめ液を入れて、その中にあめゴムを入れて1日放置しました。

すると、1.5倍くらいの大きさになります。ゴム自体は多孔質で、その間に薄め液が侵入して、ゴムは膨張します。フロッグのソークと同じです。ただ、ソークすると、多孔質の穴に溶剤が侵入するわけなので、柔らかくはなりますが、空隙がなくなり、柔軟性がなくなります。寒天みたいな感じです。

で、しごき容器にセットして

試してみると、スグに破けてしまいました・・・・。ソークしたゴムはしごき用では使い物になりません。

続いて、コンドーさんリベンジ
前回は熱したドリルピットでやりましたが、今回はポンチがあるので、ポンチで2mmの穴を開けて再チャレンジです。

が、しかし、しごくと、コンドーさんがへばりついて、伸びて、ゴムが動かない!コンドーさんでしごきは無理!

で、続いてシリコンゴム。少し高くて500円くらいしました。

フィルムのようですが・・・・

これも中腹で破れてしまって無理。

続いて百均で見つけたゴムボール。100円で3個入ってます。これを真っ二つにして、真ん中にポンチで穴を開ける。ボールは受け皿になるので、塗料をそのまま入れてしごけます。コレで出来たらクソ楽!!

が、しかし、途中で破けます。だけど、細いロッドだったらこれでいけると思いますよw

続いて百均で見つけたフーセン。

コイツを半分に切って、しごき容器にセット。

ゴムが薄いので、何も成形せずにフタはしっかりと締めれます。

反対側は塗料がちゃんと乗るようにハサミで穴を広げます。

で、ポンチで穴あけ。

で、しごいてみました。

でもやっぱりこれも途中で穴が開きます。

でも今まででフーセンが一番良かったです。細いロッドだったらこれが一番楽なような気がします。

で、

いつまでたっても練習ばかりして、イライラしてきたので、思い切ってしごき塗装をやることにしました。今のところ、風船が一番伸縮性に富んでいたのでこれでチャレンジします。

逆しごき塗装
で、新たなやり方。今までのように、上から下へもって行って、下から上へ塗料を塗る方法だと、下に持っていく途中にゴムが破けてしまうので、今回は、上から下へ塗料を運ぶやり方でやったります。

しごき塗装の原理はドブ漬けです。ただ、一般の人が塗料のドブを持っているはずがないので、小さい塗料でどぶ漬けをするだけのこと。だったら、上から下へ塗料を移動させて塗っても、どぶ漬けの原理は同じはず。

だったらやってみようかwという感じです。
一応、こんな感じで計画です。しごき容器をティップに差し込み、ここで塗料をなみなみ注ぐ。で、そこから下へ一気に落とす。途中で少々穴が広がっても、そのまま下へ押し込めば、塗料が良い感じに流れてくれるはず。塗装は厚くなりますが、どうせ後で削って水研ぎするので、かまんかまん。


最後にグリップ差込口が塗料まみれになることが予想されるので、あらかじめマスキングします。


で、今までは、クランプ出してきてたんですが、重いし、挟むときに斜めになったり、締めこむ時にブランクが割れそうで怖いし、塗料が垂れると掃除が大変だし・・・・。というわけで、100均で油粘土を3つ買ってきて、重ねた後、ブランクぶっ刺して終わりにしました。これで固定は出来ます。掃除も楽だし。塗料が付いたって、混ぜればリサイクルOKです。


しごき容器を用意。ポンチで2.0mmの穴を開けました。ちなみに、ガンガンのティップは3mmです。


ネットで勉強してみると、塗料がシャバシャバの時は、塗装が乗らない&タレるので、かなりネバくなってからしごくべしとのことだったので、今回、2液混合してしばらく放置して、ネバネバにしました。綿棒が立つくらいのネバさです。













そんで、上から逆しごきやってみました。
















大失敗。


図解でやると、こんな感じになりました。上からしごく時に、ゴム風船の膜が塗料の上を逝ってしまい、そこから下が塗れなくなった模様です。なぜ、これが予想できなかったのか・・・・。人間やってみないと分からんもんです・・・・。


で、一度塗ってしまったので、あせってフデで修正しましたが・・・・


ひどいなこりゃ・・・・。ま、でもこのガンガンはそういう練習というか、実験のためのリメイクなので、まぁいいです。とりあえず、次は新たな方法で再チャレンジしまっす。

1週間置いて完全に乾かしました。筆で修正したと言っても、ヒドイなこりゃ・・・(^^)


が、もともとこの予定。ペーパーで水研ぎして、アラを修正していきます。150番→600番→800番で整えました。


まぁまぁ、平坦に地ならしが出来ました。で、まだまだぬれてないところや薄いところがたくさんあるので、上から塗っていきます。


今回はしごき塗装リベンジ。今度は、ゴム手袋を使います。薄手のニトリルゴム手袋3種類です。


まずは白のヤツ。一瞬で裂けた。ダメ。薄すぎです。


続いて青色。硬さは丈夫なほうだけど、伸縮性が甘い。ダメ。


で、最後に黄土色。これは伸縮性があって、結構丈夫。下までしごいても破けませんでした!


が、しかし、しごき容器にセットするとネジ部分で裂けました・・・・。しごき容器持って動かしたら耐えれんぞ・・・。


というわけで、ゴム手袋は全滅


これでまた暗礁に・・・・・


でも、次なるツールは選定済み。


霧吹きでスプレー塗装です。エアブラシを使おうかと思っていたんですが、ホライズンの店長さんに聞いてみると、掃除がめちゃ大変そうな・・・・。すべて分解してアセトンで洗いまくって、アセトンめっちゃ使うし、アセトン高いし・・・。だったら、使い捨ての霧吹きは!?一応、エアブラシも原理は霧吹きと同じはず!これだったら、使い捨てでいけるし!


勢いよく出るほうが粘性の高いウレタン塗料は出が良いと思うので、霧の力が強いものを選定します。家の霧吹きで選んでみると、バスマジックリンが一番力が強かったです。


が、バスマジックリンは、ボトルがでかすぎるので、霧吹きはある程度、液体が埋まってないと、スカスカになってしまうので、下の容器は百均の小さい容器にしました。で、塗料をぶち込みです。ゼストの取扱説明書には、スプレー塗装する場合は、塗料:薄め液=1:1〜3にするべしと書いてあったので、霧吹きは力が弱いので、一番粘性が低い、3倍希釈にしました。レジン:硬化剤:うすめ液=15:1.5:45で作り、ボトルにぶち込みです。


シュシュシュシュ〜!


で、出た!信じられん!やった自分もビックリ!

しかし、塗料が薄過ぎて乗ってない。薄め液入れすぎた・・・・・。


で、色の薄い部分を中心に吹いていきました。しかし、霧吹きは一回のプッシュで出る量が多い!60mlの塗料が、わずか20プッシュくらいで終了。うすめ液少なくしたら・・・・・・めっちゃ歩留まり悪いです。


で、出来栄えを見てみると、泡が多い・・・・。バスマジックリンみたいな霧吹きは泡立たせるのが目的なトコロもあるので、泡が出やすくなっているのかな????


とりあえず、霧吹きスプレー塗装はNG。


で、もう最終手段。

エアブラシを買ってきました。

タミヤの入門用エアブラシ。コンプレッサー不要。エア缶が付いており、そこからエアを出し、エアブラシにするという優れもの。値段がなんと、全部セットで3500円(新品)!安〜〜〜〜。とはいえ、ブランク塗装に現時点でいったい何万かけたんだろう・・・・・。


エアブラシの原理
エアブラシはコンプレッサーと、エアガン、塗料ボトルで構成されています。

で、エアガンのボタンを押すと、コンプレッサから空気が放出され、エアガンの先から、勢い良く噴射します。すると、空気の流れが速いところが出てくるので、ベルヌーイの定理により、減圧します。すると、エア噴射口に比べ、塗料ボトル内の圧力のほうが上ですから、塗料が上っていきます。すると、エアと一緒に霧吹きのように噴射されます。タミヤのバジャーなんかは、コンプレッサーの代わりがエア缶です。


まずは外でブランクをドライモーターにセット。回しながらのほうがどう考えても塗りやすいので・・・・。


エア缶にホースセット。すべてがちゃちいけどもちゃんと吹けるんだろうか!?


スプレー容器に塗料を入れました。レジン:硬化剤:うすめ液=10:1:10の配合です。前回霧吹きで薄すぎたので、今回は濃くしてみます。


エアブラシにセット。


ふ、吹けた!主に色の薄い部分を修正するように吹きました。生まれて初めてのエアブラシなので結構ギクシャクしましたが、3500円でちゃんとふけるんやからスゴイです!でもまだ薄い。10:1:0.5くらいでもいいかもwあと、風が・・・。スプレーは屋外でやるとどうしても風の影響が大きく出ます。でも家の中では出来ないし、作業部屋もないし、しょうがないんですけどね・・・・。


で、悪夢の片付け。アセトンを容器に移して、チュチュチュチュかけながら掃除するとアセトンを節約しながら掃除できました。


あ、アレ!?ボタンが動かん!


だきん、エアがでん!


ななななななな、なんと!エアブラシのボタンのパッキンが飛び出して、ボタンが押せんがな〜(怒)そのためエアが出ん。これ、不燃ゴミに早変わり。


タミヤに電話して文句言うと、ウレタン塗料はネバイから・・・・。アクリル塗料をオススメします。って、アクリル塗料は市販ラッカーがなんぼでもあるがな。エアブラシなんて、ウレタン吹くためのモンちゃうんな!?あと色の調合と。しかもこれ、新品購入して1回目やど!

結局、ウレタン塗料を使ったトラブルの報告がないので、とりあえず着払いで送ってん。とのことだったので、静岡のタミヤ本社まで送りました。

で、電話で、「異常なし。問題なく使えます。」

パッキンのことを言うと、これはバジャーというアメリカ製だから・・・・。3500円という安値だから。本格的なエアブラシは、15000円くらいするから・・・・。とのことで、ちょっとムッとしたんですが、まぁ、問題なく使えるならというわけで送り返してもらいました。


で、帰ってきたエアブラシをテストしてみると・・・・

今度は、エアが出っ放しやがな(怒)


パッキンが、抜けっぱなしになって帰ってきたど・・・・。


この異常なしの判断はどこからきとるのか・・・・。


泣き寝入りはゴメンじゃ。また電話して、文句言ってみると、結局、1,2回の使用頻度でパッキンがダメになるのはオカシイ!ということで、新しいのを送るということです。事前に動作チェックをして大丈夫だったので、今度は安心してくださいとのことでした。


で、壊れてないのがやってきました。壊れていたのはその便でタミヤに送り返して終了。チェックしてみましたが、今度は完璧です。


例のパッキンを見てみると、前の壊れていたのよりも若干厚いように見えます。押してみると、ゴムの弾力が伝わってくるので、これはOKでしょうwwwwタミヤのスタッフによると、このボタンは分解可能で、劣化したパッキンを変えることも可能なそうです。しかし、リペットのように見えますが、どうやってバラすんだろ!?


で、ブランクの塗装作業の続き。エアブラシが薄くて、ところどころ、ブランク下地が透けているので、それをフデで修正。分厚く塗って、後からペーパーがけして整える作戦です。


で、ペーパーがけ終了。しかし、またペーパーがけで削りすぎて、ブランク下地がうっすらと透ける部分が出てきました。


で、このウレタン塗料ですが、使い続けるうちにだんだん特性がつかめてきました。


まず、ウレタン塗料の持つ毒性。ウレタンはネバイから、強い溶剤に溶けています。それはトルエンとかキシレンとかです。しかし、トルエンとかキシレンは毒性がハンパじゃないくらい強いです。アンパン中毒です。

http://www.mhlw.go.jp/bunya/roudoukijun/anzeneisei10/05.html

これは、労災事故です。あるわあるわトルエン中毒事故。釣り道具の塗装中に中毒もあるのもカナリ気になります。そして、ウレタン塗料を洗浄するのがアセトン。アセトンも中毒性があって、労災事故もあります。

だから絶対マスク必要。

というのも、6畳部屋でドライモーターで部屋塗装してたら、中毒になりかけました。もう頭がクラクラして、目は痛いし、息を吸うと鼻の粘膜がピリピリと乾き痛いみたいな症状が出て、これが中毒症状と知ったので、もう部屋の中でやるときは、絶対マスクが必要だなと感じました。
それから、MSDSを見てみると、皮膚に触れるだけでも毒性があるそうなので、水研ぎなんかもゴム手袋をしてやったほうがいいです。ただ、ゴム手は洗浄用のアセトンでゴムが溶けますから要注意です。


続いて、皮膜。こんな風に部分部分で厚くなったトコロ。これは、乾きません。2液混合タイプだから、エポキシみたいに時間が経てば、厚い薄い関係なしでカッチリ固まると思っていたんですが、そんなことはありません。いくら待っても固まらず、つめでフニャとなります。これは、ウレタンの皮膜によるものだと思います。ウレタンは、乾き始めると、すぐに外側の皮膜が固まって、牛乳をあっためたときに出来る湯葉みたいになります。その湯葉がなかなかに強いもんだから、もう溶剤が揮発できません。つまり、溶剤のトルエンがいつまでたっても揮発せず、生乾き状態になります。

※2011年
これを中膿み状態といいます。すんごい待ったら硬化しますが、それでも塗膜は弱いです。薄塗りのほうが溶剤が抜けやすくてGOODです。

そのため、この手の皮膜は、こんな風に、汚くなってもいいから壊すべきです。薄くしないと固まらないから。あとから、ペーパーで慣らせばいいと思います。これがまたムズいけど。


それから修正方法ですが、透けている部分をいつも厚めに塗ってペーパーで修正していたんですが、これも間違い。厚めに塗ると、そこを削るときに、周りの塗装も削ってしまうので、


こんな感じで、厚いところは修正できても、他が透けてしまいます。だから、出来るだけ薄く細長い上塗りが理想的です。一番いいのは、シゴキとか、スプレーで薄く均一にいけば、修正も楽だし、出来もいいんですが、私には技術がない・・・・。

修正
で、ボコボコの表面を、ペーパーで水とぎします。大体、1000番くらいでやらないと、薄くなりすぎて、下地が透けます。600・800は試しましたが、一瞬ミスると、あっという間に、下地が透けます。1000番→1500番がいいんじゃないでしょうか。それでも、薄い部分がところどころあるので、マスキングテープでマーキングしてそこをフデで追加塗装していきます。乾いたら、またペーパーで水とぎして同じことの繰り返し。

で、もう、すんごいやさしく水研ぎしていき、ようやく、下地を全部隠すことが出来ました。アップで見るとアラだらけですが、クリア塗ると隠れるような気がするので、これで、ようやく上塗りに入れます。ホントの理由は・・・・塗料がもうないのです・・・・(^^;)塗料を追加してもいいんですが、ロットによって微妙に色が違うことがあるので、ツートンカラーになりかねません。


で、続いて、また新しい試み

しごき塗装2回目のリベンジ(クリア)
エアブラシでやろうと思ったけれども、やはり出来栄えが・・・・。そもそもが、室内での塗装環境がないため、エアブラシするにしても、基本野外なんですよ。外でやると、無風とはいっても、弱いけれども必ず風があります。その風に吹かれて、ウレタンが飛んでいきます。あまり安い塗料でもない上に、20mlしかエアブラシに入らないですからね・・・・。ネットで調べてみると、無風状態で、スプレー塗装での歩留まりが30%です。が、野外でやると、その4分の1くらいの気がします。と言うことは、歩留まり5%以下です。最悪・・・・。2mくらいのロッドを全部キレイに塗るには、どれだけ塗料を使えばいいのか・・・・。さらに、野外でやると、必ずゴミが付きます。ドライモーターをセットするのが、結構地面に近いところなので、エアブラシと一緒に、砂が噛みます。さらに、スプレー塗装は、キホン塗膜が薄いですから、ノリがいい部分や悪い部分がものっそでます。その上、ドライモーターで回転中ですから、薄い部分を上塗りしようにも、太陽が出ていると、ツヤで反射して、塗料の薄い濃いが全く分かりません。つまり、技術がものっそいります。だけど、所詮は素人塗装。技術がないので、結局、後からフデ補修ですから、エアブラシも雷魚ブランクの塗装には向かないような気がします。

だから、しごき塗装をもいっちょ見直してみました。今まで、しごき塗装が出来ない理由は、しごきゴムでした。ティップからバットまで入れると、必ずゴムが裂けます。

そんで・・・・・

通販出動。サバロで、しごきゴムを買ってきました。

4枚入り250円。他にも色々買い足して計5000円。送料200円。安っ!と思っていたら、なんと定形外でやってきました。大丈夫!?

ホームセンターで買ったしごき容器。ぴったり合います。ちなみに、サバロのしごき容器は、ゴムがすぐに外れて使い物にならないので、買うのはNGです。

2mmの穴を開けました。

ゴムが敗れないかチェック。強度がホームセンターのあめゴムと違って、強いです。それにしても・・・・これもやはり、ブランクが太すぎて、むっちゃ入りにくいです。

で、なんと、下まで裂けることなく逝ったんですが、パッツンパッツン。で、上にしごこうと思ったら、なんとゴムがビクともしない。足に引っ掛けて、ゴムを思いっきり上に引っ張って、ようやく移動できるレベルです。

コンドームしごき塗装と同じく、ゴムがへばりついて、動きません。こりゃ、一気に上まで持っていこうにも、最初きつくてなかなか動かないので、塗装が段になりそうです。(しごきゴムがとまると、そこだけ皮膜が厚くなるから)

で、オモクソ引っ張ったら、しごきゴムが裂けました。これはしごき容器でやれば解決できそうですが、しごく時に相当な力が必要だから、おそらく粘土クランプは引っこ抜けて無理。クランプでつかんでも、クランプを固定する場所がないので、クランプが上に上がるでしょうね。

つまり、ガンガン77でしごき塗装は無理!

で、これから塗るのは、クリアなので、透明なので、少々のいびつさは、ペーパーがけで完全に治せるし、エアブラシでやったところで、どうせ後でフデ修正が待っているだろうし、

だったらいっそ、フデでやってしまおう!

と考えました。

フデだと、使い捨てだし、アセトン使うこともないし、ものっそ作業性が良いので、最高です。分厚く塗って、後から水研ぎすればいいのです。

フデリベンジ(2回目)
まずは、セット。ティップに支えを入れて、ドライモーターに固定。

今まで室内で何度となくやっているのですが、換気しないと命取りなので、窓を開けて、時期はずれの扇風機。強で回しっぱなし。換気扇のようにします。

使うのは、ゼストのウレタンクリア+うすめ液でやったります!

で、文房具屋でかなり大きいフデ、というよりは小さいハケを買ってきました。配合は、主剤10、硬化剤1、うすめ液0.5の配合でいきました。

どんどん塗っていきます。うすめ液の影響がいい感じにでて、スッスッ、平坦に、キレイに塗れます。クリアなんで、隠ぺい力がよくわからないんですが、これ、エアブラシや、しごきよりも、うまく塗れとるような気がします。技術が必要な塗り方は、極めればうまくいきますが、技術がない場合は、フデが一番いいんじゃないの!?と思えます。

が、ここでトラブル。だんだん、気泡が目立つようになりました。

先っちょなんて、コレですよwww

多分、先に行くほど、両サイドをフデの毛が摺るんで、これがエアがみの原因のような気がします。

つまり、フデの両サイドが、ブランクスを回りこまないように塗れば、エアが入らないはずです。ということは、使うフデをだんだん小さくすれば、エア噛みの問題が解決できます。

新兵器導入
もう連日のウレタン塗装地獄で、すさまじいです。

なんせ溶剤がトルエンなんで、毎回、中毒みたいになります。

まず、頭がクラクラしてきて、のどの奥が炎症みたいになって、ヒリヒリして、目がパシパシして、鼻の中が熱い痛い・・・。

もうやっとれんのんで、ホームセンターに買いに行きました。

コレです。防毒マスク。3000円。

で、これをつけて、2度塗りをやったります。

で、ウレタン1度塗りから半日経ちました。

やはり、先っちょのエアがすごい・・・。

もうカチカチで、全く指紋は付きませんが、まだ完全硬化まで行ってません。ウレタンは、指紋が付かなくなる時間は、エポキシよりもカナリ早いですが、完全硬化はエポキシよりも長く、1週間近くかかります。温度によってはそれ以上かかります。水研ぎ&二度塗りは、完全硬化してからのほうが良いですが、

本心は、そんなに待ってられるか!の一言。

1週間ずつ、待ってたら、塗装が終わるの、いつになるんや。マタギさんとかの塗装納期って、だいたい2週間くらいだと聞いてます。おそらく、強制乾燥させているんでしょうね。

指紋が付かないし、どうせあとからペーパーがけするし、やったりました。

水研ぎ
まずは、ブランクに水をかけます。

で、普通なら、耐水ペーパーで削っていくんですが、このペーパーがくせもの。なんせ、研ぎ粉を紙に接着しているだけですから、凹凸に研ぎ粉が入ってしまって、黒くなることが多々あります。それに、研ぎ力が強すぎて、塗装面を削りすぎて、後戻りできなくなるときが多々あります。

そこで、秘密兵器登場

ミスターホビーの水研ぎクロス!なんと、水研ぎ専用の布が入っているのです。1000番、2000番、3000番、3枚入っています。

これは、研ぎ力がペーパーよりも弱く、また、布ですから、黒いペーパー粉が付きません。

ペーパーには出来ない、こんな芸当も出来ます。筒状のものを削るんだったら、コレです。研ぎ汁も透明。削りすぎることもペーパーに比べるとありません。目が詰まってきたら、洗ったら落ちます。経済的!

で、終わったので、2度目のウレタン上塗り。

次は、エア噛みを撃退すべく、フデを3種類買ってきました。

ハケで塗っていると、バット部分から、70cmくらいのところで、1発目の気泡地獄が発生。

続きを、筆を1個小さいのに落として塗ります。ティップまであと20cmというところで、2度目の気泡地獄発生。で、残りは、一番小さいフデに変えてフィニッシュ!

今度はうまくいきました(^^)

で、
これを4回繰り返して、終了。室内でやると、クサイのでということで、野外でドライモーター回しながらフデでやりました。


水研ぎ
ブランク塗装も最終局面。後は水研ぎを残すのみとなりました。
キホンは、エポキシコーティングの水研ぎフィニッシュと同じです。

アラ
もうブランクは、アラだらけです・・・。野外で作業をしていたのもあって、ゴミが飛んでくる飛んでくる。色んなところに、黄砂みたいなゴミがガンガン付いてます。写真じゃ分からないけども、ブランク表面もボコボコです。全部消すのは不可能ですが、ごまかせるところはごまかそうと、最後の水研ぎです。

まずは、ブランクを塗らす。

で、1000番の水研ぎクロスで作業。地ならしするような感じです。砂が付いているところはボコボコしているので、念入りに平坦にします。

続いて2000番の水研ぎクロス。

最後、3000番の水研ぎクロス。

ペーパーがけした関係で、ツヤはなくなりました。

ラスト、プラスチッククリーナーと呼ばれるコンパウンドでひたすら磨きます。

普通のティッシュでやると、こんな感じで、ティッシュの粉がバラバラになって、汚くなるので、

キムワイプが便利ですwこいつは、繊維がバラけません。

永遠と、3時間くらいやって輝きが取り戻せましたwところが、白は明るすぎて、ツヤのある部分ない部分が分かりにくいので、じっくり見ながらアラ探ししながら、プラスチッククリーナーがけしたほうがいいです。

コレで終了!長かった〜!!!

出来は、はっきり言って、よくありません。遠目に見たらキレイにぬれているように見えますが、ドアップで見てみると、ブランク表面はボコボコだし、色むら、フデ跡なんかもバシバシ見えます。

が、塗装という最も技術がいる作業で、しかも最も難しい白塗装。おまけに初めてなので、このくらいで妥協するしかないような気がします。毎日のように塗装をしていると、出来るかもしれませんが、年1本2本塗るレベルで完全にマスターすること自体が無理な話。実際、釣具屋の店頭に並んでいる市販ロッドを見てみても、白塗装は、いたるところにムラがあります。ブランク下地が透けている部分がありました。

これから先もやるつもりなので、だんだん妥協レベルを上げていくことで、ウデを上げていこうと思います。

色々とやってみての総括
ブランク塗料で使えるのは、樹脂に強度があるものです。ツメで簡単に傷が入ると、実使用で傷もぐれになることが予想されます。スプレーとか、「アクリル、アルキッド」と名前が入った塗料は全滅。強度で言うと、使えそうなのが、カシューと可塑剤入りのウレタンのみ。しかし、カシューはアクリル・アルキッド系に比べると段違いに強いですが、ウレタンはさらに強いです。だから、ベストは可塑剤入りのウレタン塗料だと思います。
ところが、ウレタン塗料には、トルエンが使われています。トルエン入りの塗料ならば、一人暮らしではない限り、まず、室内の作業は無理。家族が中毒になりかねません。
だから、ウレタンを使う以上、キホン野外での塗装になります。
ところが、外の作業だと、風と異物が邪魔をします。
外でやる以上、エアブラシは無理。
ならば、しごき塗装ということになりますが、雷魚ブランクは太すぎて、しごきゴムが入りません。
そのため、外でフデ塗り作業ということになりますが、フデ塗りだと、塗りムラビシバシ。デコボコ表面です。
ペーパーで平坦にしようとすると、ウレタン自体が厚くならずに、薄く塗れるため、削りすぎて新たな塗りムラが発生します。
それをフデで修正すると、フデによる塗りムラ・・・・。それをペーパーがけでごまかそうとすると、新たな塗りムラ。
そのため、ペーパーがけを甘くすると、アラが修正出来ない・・・・。

つまり、ブランク塗装は・・・・難しい。。。

この問題から、まず、技術なしで解決できることは、異物の処理でしょうね。

トルエン回避で室内作業が可能になります。だから、一発目の塗料は、カシューでやったらどうかと思います。カシューならば室内でも作業は出来ます。そして、皮膜の弱さは、ウレタンクリア上塗りで対処できます。で、このウレタンクリアを、東邦ウレタンにします。すると、トルエン回避になるので、室内作業が可能になります。

これで異物処理は何とかなりそうです。

しかし、カシューは乾燥が遅くて、最難関と言われる塗料。果たしてうまくぬれるんだろうか・・・・。

ガン77が終わったら、次はウィードフリーカーを予定しています。

次の塗装は、もっとうまくやりたいなぁwww

2011年からのメッセージ
青い。


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