ブランクとグリップの擦り合わせ



通常、ロッドを構成する、ブランクとグリップ、他にも、2本継ぎのロッドとか、いわゆる、カーボンとカーボンが繋がる部分というのは、パイプ成形時には合いません。

作った後に人力で、「擦り合わせ」と言う、突っ込み可能になるような微調整をしているわけです。簡単に言うと、パイプに入る凸側をペーパーで削り、パイプ内に入るように調整することです。

例えば、ガンガンなんかがそうでしたが、グリップ単体で注文した場合、ブランクを送って、メーカー側で擦り合わせをする必要があります。例え、グリップ単体で受け取ったってブランクは差し込めないからです。

そんなわけで、今回、その擦り合わせというのをやってみようと思います。

ってか、上記理由から、グリップ改造には擦り合わせが必須条件だったはずなんですが、なんでか、今まで買ったグリップ改造用パイプはジャストフィットで、擦り合わせをする必要がなかったんです(汗)

今回、Jraidenのグリップ改造で使うマテリアルはホーペックに依頼したワンオフパイプで、これがうまいことに?現行Jraidenのブランクが入らず、擦り合わせが必要になってきました。

実は私も初挑戦なんで、手探り状態でやってみようと思います。

まずはこれが今回使うJraidenブランクです。

で、これがホーペックパイプ。

同じ16φのはずなんですが、Jraiden側がわずかに大きく、先っちょが1mmくらいしか入りません。

これを、こんな感じになるくらい突っ込める状態にしなきゃいけないわけです。

やり方としては、もう研ぐしかないんですけど、ためしに400番の耐水ペーパーで水研ぎしてみました。

水研ぎした後は、カーボンの粉をよく吹きとって突っ込みチェック。

もうね、全く入りません(汗)

このままじゃラチがあかないので、

320番

240番

という具合にペーパーの番手を下げていきました。

途中、パイプ内にカーボンが詰まってきたので、歯ブラシで取ったりして、削りまくり、

それでも5mmくらいしか入らないので、まったくもってラチがあきません。

180番、120番、しまいにゃ100番まで下げて削り倒していたら、

オッ!?

エポキシに凄まじいキズが入ってしまいました(涙)

これ、やる時は、マスキングしたほうがいいですな(汗)

で、100番で削り倒してダメ。削り倒してダメ。でも根気強く続けていき、30分くらいたったころでしょうか、

ようやく入りましたw

こんだけ入ってたらバッチグーだべ!通常、ブランクは抜き差ししているうちに磨耗してスカスカになってくるので、突っ込んだ状態でもナンボか遊びがあります。

雷魚ロッドもそうで、奥の奥まで突っ込もうとする人が多いですが、実際はナンボか余るのが普通なんです。カーペンターに解説されています。

で、もうこれ以上削る必要がないので仕上げ。

100番→240→320→400→600→1000番で水研ぎして表面を整えて完了w

表面のザラザラはきれいになりましたw

さて、これで安心して組めるばい♪

具体的な削り方
今回初挑戦だったんですが、具体的な作業指南はというと、

バットスレッドの継ぎ目のところから2cmくらいが突っ込む限界なんで、2cmくらいの位置から下端に向かって研ぐこと。今回失敗していましたが、逆に研ぐとテーパーが逆になるリスクもあるし、エポキシは傷つくし、これが一番言いと思います。

あと、意外に削れないんで、耐水ペーパーの番手は100番からやるのが正解だと思います。


2013年フィールドテスト結果

上記事を書いたのは2013年冬だったんですが、すり合わせの結果組んだ新生Jraidenを持って釣りに行き倒して、早速トラブルが出ました。何度か釣行を重ねると、抜けてきます。ン?って気づいたら、ガイドがナナメになってて、アレ!?って思ったら、グリップが抜けてて、ブランクが空転していたって感じです。

市販ロッドの擦りあわせを見てみると、スポン!と入るのは希で、ほとんどは、中腹辺りからギチギチになります。上の方法では、中腹辺りが削られすぎてしまうため、問題を感じます。

異径ブランクの擦りあわせ
先日、Jraiden用の16φグリップに16.4φのオーシャンクエストランナーブランクを突っ込む作業を行いました。

微調整というよりは、削り倒して無理矢理突っ込む荒業でしたが、キホンは擦りアワセと同様です。

ただ、ペーパーの番手は100番スタートだと、全然けずれなくてラチがあかないので、

80番手を使った空研ぎでサクサク削っていったら、効率よく調節できました。スグに目詰まりするので、掃除機で目詰まりしたカーボン粉を取りながら作業したり、いい加減削れが悪くなってきたら、新しくペーパーをちぎって使う等の方法が効率的です。

ただし、気をつけなければならないことがあって、2013フィールドテストでのトラブルの項でも説明していますが、擦り合わせ調整をする場合、まず、先が入らないので、先ばかり削っていくこととなりますが、その際、中腹まで削れてしまいます。

そして、どこまで入れるんだ?の調整で、ブランク側根元を削って調整することとなりますが、その時も、中腹にペーパーが当たります。

そんなわけで、手順としたら、まずは先ッチョを削って、その後根元を削る。その際に、なるべく中腹にペーパーを当てないようにするって感じです。中腹は先と根元を削る時にイヤでも当たります。故意に当てないように留意することで削りすぎを防止します。

で、先っちょを削っていたら

やがて先っちょが入るようになりますが、この際、大体、イビツな削りシロなんで、斜めに入りますが、奥まで入っていくうちにまっすぐに調整されますから気にしません。

その後、少し削ってやれば、中腹もいつの間にか削られていますから、

このあたりまで入るようになります。

ここまできたら、ゴム手を付けてねじりながら押し込むような感じで、入るようになるので、あとは微調整でスレッド側根元を少し削っていき、調整します。

最終的にはこんな感じになればOK。雷魚やってると、よく、根元までいっぱいいっぱいに入れないとダメ!って人がいて、私もその一人だったんですが、実はこのすり合わせは根元まで入れてはいけません。何度もグリップを抜き差ししているうちに、ブランク側が磨耗してスカスカになるので、その際、奥まで入れることで固定するという大前提があります。キホンは、スレッド根元〜グリップ上端までのスキマは1cm程度空いているのが好ましいです。

あとは、80番手で調整しているので、100番、320番、600番で水研ぎして表面を整えればOK。最後に、フェルールワックスをベッタリ塗って固着防止を図りましょうw



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