エポキシの硬化不良の原因と対策
エポキシの硬化テストを散々やってきましたが、ひとつ気づいたことがあります。硬化後の硬さにバラつきがあります。
@指で触ると、ツルッツル。皮膜がカチカチで、バッチリ硬化している時。
A指で触ると表面がちょっと引っかかって、ツメを立てたら簡単に傷が入ってしまう時。←この状態が硬化不良です。
エポキシの選定のまとめ
東邦産業
何度かテストするも、全滅。全部Aの状態でした。全体的にやりこいのか?もしくは、硬化不良になりやすいか。樹脂自体がサラサラで、硬化剤も透明で、混ざったか混ざってないかが分かりにくい。ゆえに、攪拌不足による硬化不良の可能性もあります。
フレックスコート ハイビルド
レジン2.5、硬化剤2.4で安定して、@の状態。しかし、同配合でもたまにAになる時もありました。
フレックスコート ライトフォーミラ
レジン2.5、硬化剤2.4で安定して、@の状態。しかし、同配合でもたまにAになる時もありました。
ジャストエース
レジン2.5、硬化剤2.3で、@の状態。しかし、同配合で行ったところ、結構な確率でAの状態になります。完璧に硬化した時と、硬化不良のときの差が激しいです。透明度がめちゃんこ高く、エア抜き完璧。うまく硬化した場合、かなりキレイで硬い。これを使いたいんですが・・・。
アルテマエポ
レジン10.01:硬化剤10.00。ミキシングカップを使って、10+10の20cc作りました。粘度がめちゃんこ柔らかく、サラサラ。硬化後の皮膜も完璧。しかし、シリンジで2.5:2.4で再テストしたところ、硬化不良。
疑問
・同配合で硬化不良になるときとならないときがあります。
・アルテマエポで感じたんですが、シリンジとミキシングカップで、皮膜が違います。
その理由の推測
シリンジがよくない!
シリンジは、吸う時にエアがかみます。これが誤差になります。
吸って吐き出すときは、最後の1滴が落ちるかどうかが、誤差になります。さらに、シリンジをエポキシ容器に入れて吸う時は、液の中にシリンジを突っ込まなければなりません。すると、シリンジの外側に液が付きます。吐き出すときに外側の液がミキシングカップに入ったら、これも誤差になります。
2.5ccテルモシリンジ。100個1300円。ビルディング用のシリンジはだいたいこれです。シリンジを10本ほど取り出して、印刷をよーーーく見てみました。プラのシリンジに目盛りの刻印を印刷して製品が出来上がっているはずです。
予想通り、シリンジの目盛りの印刷が若干ズレています。これも誤差になります。
つまり、シリンジ検量は誤差の固まりみたいなもんです。2つのシリンジを使って検量するので、誤差は2倍になります。
打倒!エポキシ化学!でも説明しましたが、硬化剤が少しでも多いと、それが流動性につながり、ツメでひっかくと傷が付きます。ボートビルディングのエポキシ使いの人は言ってましたが、「エポキシを使うには、熟練の腕が要る」そうです。つまり、正確な検量をするのに、技術がいる!ということではないでしょうか。
つまり、エポキシによって、完璧に硬化したり、硬化不良になったり、同配合で完全硬化or硬化不良になっていた今までの現象は、シリンジでの検量誤差によるものだと感じます。
ミキシングカップを見てみました。
100個1300円。マルエム製。ビルダーには一般的なミキシングカップだと思います。たとえ印刷がズレても、刻印する2.5ml刻みのメモリ間隔はズレないので、シリンジよりはよっぽど正確な検量が出来ると思います。
が、ミキシングカップも大きな問題点が・・・・・
一般的なミキシングカップ。
しかし、ミキシングカップの目盛りに注目!エポキシを入れることで、目盛りが消えます!これじゃぁ、どこまで入れたかな〜?が分かりにくいです。ゆえに、ミキシングカップの目盛りを使った検量も、アラが多いです。正確な検量はこれでも限界があります。
ではプロはどうやっているのか???
マタギのビデオを見てみました!
シリンジ使ってない!!!ミキシングカップに4オンスフレックスを直接注いでエポキシを配合しています。
東邦産業&スケルターワークスのロッドビルディングパーフェクトガイドを見てみました。
シリンジ使っとる!!!でも、今までの考察から、シリンジは使わないほうがいいと思います。
めっちゃお世話になっている香川のビルディング屋、ホライズンの店長さんに相談してみました。
「シリンジは絶対に使わないでください!目盛りなんてなんちゃーあ当てにならんですから!」
使っている道具を見てみると、子供用のうがい薬のキャップ。0.5ml刻みで刻印が入っており、3mlからでもエポキシ樹脂が作れるそうな。そして、自分がよく作る液量のところにマジックで印を付けています。硬化剤の液面をマジックの下側の線に合わせ、続けて入れる主剤の液面は、マジックの上側の線にセット。若干硬化剤が多くなるように、検量していました。マジックだったら外側にマーキングがあるきん、液入れても、線消えんしね!やっぱ、プロは細かいところまで気をつかっとる!スゴイ!
ホライズンの店長さんに聞いてみると、東邦産業だろうが、ジャストエースエポキシだろうと、きちんと検量したら、カッチリ固まるそうです。
結局のところ、皮膜が柔らかい云々は、検量誤差で硬化剤が多くなっているために起こる模様です。
と、いうことは・・・・・・
「エポキシの選定」であれだけ頑張った配合率&皮膜調査は、すべてシリンジでやっているので、全く意味がありません(涙)
あんなに苦労して、エポキシ使いまくった日々はなんだったんだ・・・・
が、あれがあるから、コレに気づいた!
OK!シリンジは使いません!
で、エポキシの配合には、液量にものっそ神経質になる必要があることが分かりました。では、何を使って検量するか。
この際だから、とことん神経質に配合を行いたいと思います。
ミキシングカップでやるっていっても、ミキシングカップは直径が2cmくらいあって広いので、1滴、2滴落としても、液面の高さはそんなに変わりません。このくらいでいいかな?もうちょっといったほうがいいかな?こんな感じになってしまいます。ここらがエポキシ使いの技術がからんできそうです。
が、カッチリ配合できる方法があります。
比重を応用するのです。
比重=液1mlの重さ
あらかじめ、硬化剤の比重とレジンの比重を求める。硬化剤を適当に入れる。入れた硬化剤の重量を測る。硬化剤の比重から何ml入れたかを計算する。それを元に入れるべきレジンのml量を求める。レジンの比重から、入れるべきレジンの重量を求める。ハカリで、入れたレジンの重さを量りながら目的の量を検量する。
この方法だと、エアがらみの検量誤差はゼロ。さらに、メモリを読むときの誤差もゼロなので、検量誤差は限りなくゼロになります。
しかし、比重計算をしたり、重さを元に検量するには、正確な天秤が要ります。ホームセンターで売っている天秤?アレはおもちゃです。
が、正確な天秤は高い!
最小秤量1gで、だいたい2万。0.1gで大体5万〜10万。0.01gで15万。0.0001gで、30万くらいします。
で、一応、天秤は持っているので、それがどれだけ正確かを校正してみました。
持っている天秤の校正
TANITA製クッキング用電子天秤の校正。ホームセンターで1000円。しかし、TANITAはれっきとした天秤メーカーなので、信頼できそうです。
フロッグチューニングで重宝する電子天秤。長いこと使ってます。性能は最大1kg。最小秤量1gです。
校正に使うのは、標準分銅。精度は、0.001g〜50gで精度は0.9999g。フォーナインです。50g分銅だけ、49.9971gなので、ツーナインです。精密部品や医薬品で使われる製品は純度が限りなく完璧に近くないといけません。それで、その純度を0.9999999といった感じで表します。その9の文字が多ければ多いほど純度は高くなります。フォーナインは限りなく完璧に近いという意味です。ロデオのフォーナインの語源でしょうね。
校正のやり方
電源を入れて、TAREボタンを押してゼロ設定をします。分銅を置きます。分銅の重さと天秤の表示が一致していることを確かめます。分銅を外します。TAREを再度おして、ゼロ設定をします。また分銅を置きます。分銅の重さと天秤の表示をチェックします。これを繰り返します。
校正結果
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | ||
50g | 50 | 50 | 50 | 50 | 50 | |
20g | 20 | 20 | 20 | 20 | 20 | |
10g | 10 | 10 | 10 | 10 | 10 | |
10g 2個入っていたのでこれも |
10 | 10 | 10 | 10 | 10 | |
5g | 5 | 5 | 5 | 5 | 5 | |
2g | 2 | 2 | 2 | 2 | 2 | |
1g | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 |
1g単位でしか分からないので、精度の整合性はアレですが、まぁ、正確っちゃぁ、正確です。1000円でこれだけの性能を出しているんだから、TANITAはすごいです。
TANITA製クッキング用電子天秤の校正。
ドリテックというメーカーのジェリーというハカリ。3000円でした。2kgまで測れて、2〜200gは0.1g単位。500gまでは0.5g単位。2000gまでは、1g単位です。この性能で3000円は安い!と思って買いました。ボタンをカチカチ押しながら操作するのではなく、タッチするだけ。タッチしたかどうかが分からなくて、結構手間取る。なので、TAREボタンがカチカチなるタニタのほうがいいと思ったので、全く使っていません。0.1g単位が測れるので、この際だから校正してみます。
校正結果
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | ||
50g | 49.9 | 49.9 | 49.9 | 50.1 | 49.9 | |
20g | 20.1 | 20.1 | 20.1 | 19.9 | 20.1 | |
10g | 10.1 | 10.1 | 10.0 | 10.1 | 10.0 | |
10g | 10.0 | 10.0 | 10.0 | 10.1 | 10.0 | |
5g | 5.0 | 5.1 | 5.1 | 5.0 | 5.0 | |
2g | 2.0 | 2.2 | 2.2 | 2.0 | 2.0 | |
1g | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
0.5g | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
0.2g | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 | |
0.1g | 0 | 0 | 0 | 0 | 0 |
精度は±0.1gです。2gが最小なので、2gになると、精度が落ちます。それ以下になると、重さを感知しません。ミキシングカップを乗せて測りますが、軽い量を測るので、そのあたりの精度が悪いとエポキシの検量に影響が出そうです。
でも、ミキシングカップの重さで3gほどあるので、ドリテックで逝ってみようか!と思ってやってみると・・・・
なんと、測るたびに重さがバラバラ。ミキシングカップ1個で3.2g〜2.4gほど幅があります。予想はしていたけど、やはり島津クラスのハカリじゃないと、使いモンにならんです。校正の時だけ調子がよかったのか!?そもそもが、最大秤量2kgで、0.1gの精度を求めること自体無理がある!100kgの体重計で1gの精度が全く出ないことと同じ理屈です。
結局どうする!?
タニタ天秤は1g単位だから正確な検量は出来そうにありません。といって、ドリテック天秤は問題外!
しかも検量するエポキシが2mlとかなんで、思いっきり正確な天秤が必要です。最小秤量0.001g。島津とかの信頼できるメーカーの天秤が要ります。新品だと30万はしそうだぞ!?
高い・・・・
さてどうしようか・・・
そんなこんなで、しばらくハカリ探しに奔走しましたが・・・・
中古0.01gで4万。中古0.001gで7万。
高すぎ・・・・・
だもんで、あきらめかけていると、ホライズンの帰りに寄ったダイキONEで、ハカリ発見!
0.1g単位ですが、なんとメーカーがA&D!高性能ハカリメーカーです!!!
値段は9000円!分析用の天秤が1万きっとるがな!しかも、最大秤量が小さめの200g。ということは、小さい重量の精度が良いというワケです。
もう即買いです!
他のおもちゃ天秤と比べると、全く違います!
普通の天秤は電池1個ですが、A&Dは4つ。しかも常駐できるようにACアダプタのコンセント差込口まであります。
ハカリの位置による誤差はゼロ。しかも、数値安定がめちゃくちゃ早いので、使い勝手がむっちゃ良さそうですw
説明書をよくよく見てみると、校正モードが付いており、200g標準分銅で0-200gの2点校正が出来ます。さらに、県別の重力加速度の補正モードも内臓されています!これが、1万切るとは、デフレ万歳!の一言!分析値の精度はかなり信頼できます。家庭用の領域を超えとるど♪
A&D HL200iの校正
このハカリは、他のハカリと違って、ちゃんとした校正モードが付いてます♪
ホールド・ゼロ設定ボタン・ONOFFボタン同時押しで、キャリブレーション機能が立ち上がります。
重力加速度の設定
これ、ホンマに家庭用か???
純正は9.798ですが、香川は9.797なので、
補正します。
分銅による2点校正
標準分銅かいました。2000円。0.1mgハカリで計ったら、19.9993g。2000円にしては、上出来!十分校正に使えます!
何も乗せない状態でゼロ設定。これで、ゼロ点を認識。
200g設定モードにして
分銅を乗せて、終わり。
で、秤量チェック。200.0g。OK!
0-200の2点校正が終わりましたw
秤量能力のチェック
1回目 | 2回目 | 3回目 | 4回目 | 5回目 | ||
50g | 50.1 | 50.1 | 50.1 | 50.1 | 50.1 | |
20g | 20.0 | 20.0 | 20.0 | 20.1 | 20.0 | |
10g | 10.0 | 10.0 | 10.0 | 10.0 | 10.1 | |
10g | 10.0 | 10.0 | 10.0 | 10.0 | 10.0 | |
5g | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 5.0 | 5.0 | |
2g | 2.0 | 2.0 | 2.0 | 2.0 | 2.0 | |
1g | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | |
1g | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | |
1g | 1.0 | 0.9 | 1.0 | 1.0 | 1.0 | |
0.5g | 0.4 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | 0.5 | |
0.2g | 0.3 | 0.2 | 0.1 | 0.2 | 0.2 | |
0.1g | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | |
0.1g | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.1 | 0.0 |
やりました!!!秤量精度は±0.1g誤差に収まります!!!比重を応用したエポキシ配合には十分な能力です!
コイツがあれば、比重による検量が出来ます!!!
あとは、比重測定です。使う天秤の最小秤量が0.1gなので、0.01gの精度で比重を出す必要があります。しかし、その天秤がない!1回測れればいいんだけど・・・・
というわけで・・・・・
県の某研究機関までハカリをレンタルしに逝って来ました〜!
比重測定
最小秤量0.0001g。島津の電子天秤です。骨董品です!
比重測定に必要なのはメスシリンダーです。しかし、エポキシが付くと、掃除がめんどくさいので使い捨てです。だもんで、私のもう一つの趣味のアロワナ飼育で使っているアンモニアチェック用メスシリンダーを使います。本音を言うと、メスフラスコのほうがキッチリ正確に測れますが、あれだと注ぎ口が狭いので、十中八九ヘチにエポキシが付いて誤差が出ます。このメスシリンダーは、注ぎ口が広くて、しかも広すぎないので、1滴落とすときの液面移動も大きいので正確な比重測定が出来るはずです。
マックス15mlです。
硬化剤を入れる予定のメスシリンダーはマジックで印を付けました。もう一個のほうはレジンを入れます。
目盛りの補正
このメスシリンダーのml表示はアテにならないので、補正します。
まずは、レジン用の空容器を計ります。6.0564g
で、レジン用容器に純水を15mlの目盛りのところまで入れます。
その状態で計ると、20.7896gでした。
ということは、このレジン用メスシリンダー15mlはホントは20.7895-6.0564=14.7331mlです。
続いて、硬化剤用の空容器。6.1929g。
15mlの純水を入れて測定すると、20.8471g。
ということは、この硬化剤用メスシリンダー15mlはホントは20.8471-6.1929=14.6542mlです。
これで補正が終わりました。
測定
で、入れ物容器を変えました。シリンジでやるとエアが噛むので、すべてのエポキシをオイル差し(75円)に移し変えました。今回、フレックスコートのライトフォーミラを例に測定をします。
トラブル情報
このホームセンターの容器は2ヶ月ほど使っていると、フタに白化したエポキシがこびりついてました。パッキンをして液を保護しているわけではなく、フタがかぶさっているだけなので、どうしても空気に触れて劣化した模様です。
すぐに容器を入れ替えましたが、こまめにチェックして、白いエポキシが付いていたらサッサと容器を変えましょう。
それともういっちょ。レジンはネバいので、なかなか出てきません。だからフタを広げたほうがいいです。上のダメになったやつは、ニッパーで先を切ったもの。口が広すぎるとエポキシの白化が起こりやすいのかもしれないので、改良版。柄付き針を熱して口に入れます。
→口の広さは広くなります。これで効率よくレジンが配合できます。
で、純水を入れていたメスシリンダーの水を抜いてキレイに拭きます。前回計った時は6.0564gでしたが、0.0002gほど拭き残しがあるもようですが、このくらいはもう良いです。
で、レジンを入れます。すると、やっぱり若干エアがかんでしまったので、若干液面を高くして補正しました。レジンはネバイので入れるのが難しいです。
その状態で、23.0582gです。
ということは、
レジン重量は、23.0582-6.0566=17.0016g。
体積は、14.7331mlなので、
フレックスコートライトフォーミラのレジン比重=17.0016÷14.7331≒1.154
続いて、硬化剤の比重測定
これも水を出して拭きました。前回測定したときが、6.1929gなので、0.0003gほど拭き残しがある模様ですが、これくらいはもういいです。
硬化剤はレジンよりもサラサラしているので、エアはほとんどかみませんでした。結果、20.4548g。
ということは、硬化剤重量=20.4548-6.1932=14.2616g。
体積は、14.6542mlなので、
フレックスコートライトフォーミラ硬化剤の比重=14.2616÷14.6542=0.973
まとめると
フレックスコート ライトフォーミラの比重
レジン=1.154g/ml
硬化剤=0.973g/ml
です。
で、ここから、確実に硬化不良にならない配合を探ります。
レジン1ml検量の場合
まずは、レジンを1ml検量してエポキシを作る場合。1mlという少ない検量をする人はいないと思いますが、念のため。
フレックスコートライトフォーミラの混ぜ率は1:1の同体積配合です。
ということは、重量比にすると
レジン:硬化剤=1ml×1.154g/ml:1ml×0.973g/ml=1.154g:0.973gです。
硬化剤の多い少ないが硬化不良の運命を左右するのでをキッチリと測定する必要があります。
最悪なのは、硬化剤が実際よりも多く配合されたときです。つまり、検量誤差が出た時。A&Dの天秤だと、検量誤差は0.1gです。
仮に、検量誤差が出て、硬化剤が0.1g多かったとしましょう。
すると、レジン:硬化剤の重量比は1.154g:0.973+0.1g=1.154:1.073gとなります。
これを容量比にすると、レジン:硬化剤=1.154÷1.154:1.073÷0.973=1ml:1.103mlとなり、硬化剤が多くなってしまいます。
これを防ぐには、硬化剤の量を0.103ml減らす必要があります。
硬化剤0.103mlの重量=0.103×0.973=0.100gです。
ゆえに、硬化不良を防ぐには、検量する際に、硬化剤をあらかじめ0.100g減らす必要があります。
そうすると、最初に1ml同士の検量でやってたのを
レジン:硬化剤=1.154g:0.973g=1.154g:0.973g-0.1g=1.154g:0.873gにする必要があります。
このときの容量比は
レジン:硬化剤=1.154g:0.873g=1.154÷1.154:0.873÷0.973=1ml:0.897mlです。
つまり、容量比がレジン:硬化剤=100:89.7(重量比1.154g:0.873g)だったら、最悪の検量誤差が出たとしても、99.9999%硬化不良にはならないということです。
この硬化剤89.7と言う数字が分かりにくいので、簡単な数字に置き換えます。硬化剤89.7よりも少ない配合だったら、硬化不良にはならないので、85としましょう。
レジン:硬化剤=100:85(容量比)=(1×1.154)g:(0.973×0.85)g=1.154g:0.827g
数字が1mg単位になっているので、A&D天秤の0.1gの値に換算すると、レジン:硬化剤=1.2g:0.8gです。
1ml配合という最も厳しい配合で、硬化不良にならないのなら、2ml配合、3ml配合でも、絶対硬化不良にはなりません。
以上の考察から、
フレックスコートライトフォーミラは、1ml配合の厳しい検量でも、容量比100:85、重量比1.2g:0.8gの時、絶対硬化不良にはなりません。
ただ、これは、1ml配合の場合。2ml、3ml配合となると、許容値が変わってくるので、硬化不良が起こるかどうかの状況も変わります。
2ml検量の場合
やり方は1ml検量と同じ
100:100配合の時を考え、容量比を重量比に換算。
レジン:硬化剤=1.154×2:0.973×2=2.308g:1.946g
最悪の誤差が硬化剤0.1gアップと仮定。
レジン:硬化剤=2.308g:1.946+0.1g=2.308g:2.046g
容量比に換算する。
レジン:硬化剤=2.308÷1.154:2.046÷0.973=2ml:2.103ml。これだと硬化不良になる。
硬化剤が2.103-2=0.103ml多いので、これを防ぐために、あらかじめ、硬化剤を0.103ml減らす。
硬化剤0.103mlは0.103×0.973=0.100g。
ということは、最初に硬化剤を0.100g減らして配合すれば良いので、
重量配合は、
レジン:硬化剤=2.308:(1.946-0.100)=2.308g:1.846g
容量比に換算すると
レジン:硬化剤=2.308g÷1.154:1.846g÷0.973=2ml:1.897ml
ということは、両辺を50倍すると
容量比レジン:硬化剤=100:94.8配合。
硬化剤が94.8以下だったらOKなので、
硬化不良にならない配合は、
容量比レジン:硬化剤=100:90。
この時の重量比は、
レジン:硬化剤=2×1.154:2×0.9×0.973=2.308g:1.751g
0.1g天秤にあわすと、レジン:硬化剤=2.4g:1.7g。
つまり、
2ml検量の場合、容量比100:90で、重量比2.4g:1.7gだったら、絶対硬化不良になりません。
3mlの場合
同じように計算して、
3ml検量の場合、容量比100:95で、重量比3.5g:2.7gだったら、絶対硬化不良になりません。
で、エポキシは100:100配合だと、柔軟で粘り強い皮膜ですが、硬さが足りなくなります。だからある程度、ある程度硬化剤を少なくして、皮膜を硬くして表面保護を図らないといけないので、フレックスコートライトフォーミラのベスト配合は、レジン2ml配合100:90だと思います。
そんなこんなで、ビルディングで使われる一般的なエポキシ4種類(フレックスコートライトフォーミラ・フレックスコートハイビルド・ジャストエースエポ・東邦NTコート)についても、比重測定をして、同じ考察をしてみました。
使い捨てメスシリンダーを買ってきて、上の方法で補正・検量で出しました。
各エポキシの重量配合早見表(エクセル)
エクセルの中身(引越しで消えることあるので)
↓ジャストエース
↓ライトフォーミラ
↓東邦
↓ハイビルド
やり方(ジャストエースエポを例に)
まずは、レジンと硬化剤の比重を入力します。
すると、数字が変わります。で、次に何ml配合で行くかを決めます。5mlミキシングカップなら、2ml+2ml配合でいけそうです。だから、レジン2mlで行くとします。
次に、レジン2ml、秤量誤差0.1gの表を見ます。100:100、100:95だと、誤差で硬化不良になります。だから、100:90配合で行きます。その時の重量はレジン:硬化剤=2.311804g:1.75774gです。これを天秤の最小秤量の0.1gに換算します。硬化剤は少なく、レジンを多く配合すると硬化不良にはならないですから、レジン:硬化剤=2.311804g→2.4g:1.75774g→1.7gにします。よって、重量配合は、レジン:硬化剤=2.4g:1.7gです。
他の表は、1g天秤でやる人のために作りました。
例えば、レジンを3g取るとします。次に硬化剤がキリの良い数字を見ます。キリの良い数字は、2.027554です。硬化剤は少なくしてもOKなので、2.027554→2gとします。その時の配合は、100:80。つまり、レジン:硬化剤3g:2gでやると、硬化不良にはならず、常に安定した硬化が得られます。ただ、天秤の秤量誤差が1gとなると話は別なので、こだわる人はやっぱり0.1g天秤の購入をオススメします。
こんな感じで、活用してくださいね♪
ちなみに、4つの表を見れば分かるんですが、東邦NT以外は、すべてレジン:硬化剤=4g:3gでいけます。4g:3gはエポの黄金率です!
実際にやってみた
フレックスコートライトフォーミラ100:90。重量比4g:3gでやりました。先に入れました。入れるたびに、数字がカチカチ上がっていくので、まるでデジタル検量のようですw目盛りみながら、「まだかな!?まだかな!?」なんてやる必要がないから、むっちゃ楽!
で、硬化剤3g、レジン7gを入れました。
で、硬化テスト。3日経過です。
やったね♪ツルツルピカピカ!指でこすってみると、硬化不良の時のような、皮膚に引っかかるような感触はゼロ。ツメで引っかいても、びくともしませんwww
ところが・・・・・
渾身の力をこめて引っかくと、傷が・・・・
???
今回テストしたのは、レジン:硬化剤=重量比4g:3gの理想的な配合です。容量比にすると、レジン:硬化剤=3.466ml:3.083mlです。
使った天秤の秤量精度は、±0.1g誤差です。例え、最悪の検量誤差が出ても、レジン:硬化剤=4-0.1g:3+0.1g=3.9g:3.1gです。
これを容量比に直すと、レジン:硬化剤=3.9g÷1.154:3.1÷0.973=3.3795ml:3.186ml。仮に、最悪の誤差が出ていたとしても、レジンが硬化剤より0.2mlも多いです。硬化剤がレジンよりも多くなったために起こった硬化不良とは思えません。攪拌誤差も、あそこまで気を使っていれば、混ぜ残りも考えられません。この配合で、硬化不良はありえないのです。
そこで、思いました。
これが正常な皮膜とちゃうんな???
今回の配合は、重量比で配合しましたから、目盛りを追いながら、まだかなまだかなみたいな誤差はゼロです。エア噛みの影響もゼロです。カッチリ検量できたはずです。
その結果、出来た皮膜は、今まで悩んでいた硬化不良の時の生乾き感はありません。ツヤも申し分なし、指でこすると、キュキュキュと甲高い音が鳴ります。硬化不良になる皮膜は、指でこすると、指紋の薄いヤツみたいなのが付いて、色がくすみ、ツヤがなくなります。柔らかさも、硬化不良に陥っているものは、ちょっと強く引っかいただけで、深い傷が付きます。
典型的な硬化不良との比較
硬化剤多すぎによる、まさに典型的な硬化不良のエポキシです。
指でこすると、ちょっと指が吸い付くような間隔になります。その後の皮膜を見てみると、指紋というか、指の油がベットリと付着し、輝きがくすんでいるようです。当然ピカピカと光る光沢もないです。
ツメでひっかくと、そこだけ、樹脂がペコッと凹んだような感じになって、傷が付きます。
これは、比重で4g:3gで硬化させたフレックスコートライト。2回目のテスト同様、手触りは1回目のテスト同様、ツルツルピカピカ。指でこすっても、引っかかるような感じはありません。
硬化不良の出来損ないエポキシと比べると、輝きと、触ったときのツルツル度合いが全然違います。これが硬化不良とは到底考えられません。
そこで、思いました。
今までツメで傷が付くかどうかを硬化不良の目安と考えていましたが、これが大きな間違いなのではないでしょうか。
4g:3gの配合は、硬化不良とは思えません。むしろ、計算し尽くしているので、カッチリ配合できていると思います。うまく配合させて、硬化させても、思いっきりツメを立てると、傷は付きます。付かないのは、硬化剤が少なすぎることが原因だと考えられます。
硬化剤が少ないと、皮膜は硬くなっていきます。
そのときのエポキシ樹脂はおそらくこんなかんじ???硬化剤が赤で、硬化剤と結合しているエポキシレジンが黄色。余ったレジンが水色。硬化剤が少ないと、レジンは身動きできなくなり、皮膜は硬くなる???ハッキリと分かりませんが、硬化剤が少なくなると、皮膜が硬くなるのは確かです。
では、妙に硬いエポキシ樹脂が強いか?というと、これは間違い。硬化剤が少ないと、エポキシ結合の数が少なくなるため、絶対的な強度は必ず落ちます。だから、限りなく1:1に近い結合が一番強い結合です。妙に硬いこともなく、柔軟性も持つ理想的な配合です。そのため、硬化剤がかなり少なく、妙に硬いエポキシは割れます。そのため、グニャグニャ曲がるブランクのガイドに使用した場合、ガイド根元に負荷がかかったときに、ブランクからペリペリ剥がれたり、割れたりします。
雷魚1年生の時に大活躍したジギングロッド。マニューバースティック。めちゃんこ曲がりまくって釣り難いったらなかったんですが、コレといったトラブルもありませんでした。
クラックなどもこれといってなし。
このエポキシに思いっきりツメを当てて引っかきます。
薄く傷が付きます。だけど、エポキシの粘度というか、接着強度は全く問題なし。というわけで、ツメ跡が付くからと言って、硬化不良と言えない!というわけです。
続いて、これはダイコー史上最強の名バスロッド。コブレッティ千里眼。ホント良い竿だなぁwと思っていますが、こいつのエポキシがめちゃんこ硬いです。爪跡は一切付かず。ってか、ダイコーはだいたい硬くて、おおかたのロッドのエポキシは割れています(汗)リメイク時にばらす時、エポキシがパキパキ飛んできていたいのよね。
硬すぎるのが原因かと思うんですが、クラックがキッチリと入ってます。全ガイドの8割がクラック入ってます。
硬すぎるエポキシはもろい!適度な粘度のエポキシは強い!
つまり、エポキシの硬化不良の判断は、ツメ跡でやるのが間違いだと思います。
では、どうやって判断するか。
以上のことがあるんで、私はエポキシをこすったときの音と肌触りで判断することにしました。
まずは音。コイツは硬化不良のエポキシです。指で、シコシコこすってみると、ちょっと、よどんだ、低い音が、グィグィといいます。手触りも、指が吸い付くような感じです。
輝きもよどんでいると言うか、ツヤがあんましありません。
これはばっちり硬化したときのエポキシ。こすってみると、キュキュ!と洗剤で皿を洗ったときのような音がします。指紋も付きません。手触りはツルツル。輝きも全く違います。
とはいっても、音はあいまいなので、指がツルツル滑るかどうかに重きを置いて判断したほうがいいかも。
時は経ち、硬化不良の分かりやすい判断材料。
←硬化不良食らったエポキシ。表面にツヤがない。表面もタックというか、ベタつきます。
←カッチリ硬化したエポキシ。表面がツヤがある。ツルツルです。
とはいえ、カッチリ硬化したエポキシでも、硬化したては、結構指が引っかかる感触があるので、つまり、ツヤを判断材料にすれば良いと思います。
で、話は戻る。
で、その後も、フレックスコートライトフォーミラで、硬化テストを3回行い、いずれも硬化不良にならなかったんで、比重計算で重量配合でのエポキシテストは、大成功というわけで!正確な天秤で重量配合すると、絶対に硬化不良は起こりません。
サヨウナラ硬化不良wwww
混ぜ方
エポキシの硬化不良は、配合だけでなく、攪拌不足でも出ます。だから、こだわりの混ぜ方が必要になります。
まずはプロの混ぜ方のマネ。
マタギのビデオを見てみました。
エアがかんでもいいから、グチュグチュにかき混ぜています。しかし、フデで混ぜるのではなく、フデのケツを使って混ぜています。
東邦産業ビデオを見てみました。
エアがかまないように静かに、時計回り・反時計回りを繰り返して1分間ほど混ぜています。そして、1分間放置して、コーティングに入っています。
理想の混ぜ方の予想
空気がかむと、プレポリマー(レジン)のエポキシ基と硬化剤の活性水素の間に隙間が出来るので、結合の邪魔をするはずです。これは混ぜ不足による硬化不良の原因へとつながるはずです。だから、混ぜる段階では空気は嫌ったほうが良さそうです。東邦産業ビデオでの混ぜ方は、その意味では理想的と言えます。マタギもフデではなく、フデのケツを使って混ぜているので、その意味では、エアを嫌っているやり方と言えます。フデの先で混ぜた場合、毛と毛の間にエアがかんでいて、それがエポキシの中に入ります。当然、フデのケツで混ぜたほうがエアは入りません。
また、東邦産業は混ぜた後に1分間放置してます。これは、結合先(まだ活性水素と結合してないプレポリマー)を探している硬化剤にレジンを見つける時間を与えているのではないでしょうか。そうすることで、安定して結合するプレポリマー&硬化剤を実現できるのかもしれません。
攪拌棒の選定
攪拌で必ずあるのが、ヘチにつくエポキシ。これも硬化剤だったら、少なくなるだけなんで硬化不良には結びつきませんが、もしレジンが残っていた場合は硬化不良になる可能性があります。これをなくすためには10mlミキシングカップに10mlとか、入れたら何も問題はないんですが、いつもかしこもそんな量作るとは限りません。だもんで、ヘチのエポキシを出来る限り落とす必要があります。
簡単なのは、5mlミキシングカップを買うこと。100個840円なので、これを買ったほうが早いかも。
攪拌棒の話に戻します。一般的なのは、爪楊枝ですが、爪楊枝は硬くて、曲がらないので、カップのヘチに付いたエポキシを拭き取るのが難しいです。また、細いので、混ぜ不足にも陥りやすいです。
そのために、柔らかいヘラでこそぎ落とそうと考えて、百均でかってきました。これをハサミでカットして攪拌棒にしようともくろみましたが・・・・
よくよく見てみると、柔らかい樹脂なんで、色々なホコリがくっついていました。すると、ホコリがエポキシに混ざり、それをコーティング時に運ぶ可能性があるので、やめました。
割り箸でもやってみましたが、硬いし太いしで、爪楊枝よりももいっちょやりにくかったです。
で、ミクシィで聞いてみて、一番良さそうだったのが、綿棒のプラスチック。
百均で山のように売ってます。
で、この先をニッパーで切ります。綿をとってもいいんですが、綿が完全に取れないので、エポキシ内に綿繊維が入る可能性があるので、やめたほうが良いです。ニッパーで切ったら早くて作業は楽だし、攪拌棒もキレイです。
これが、めっちゃフニャフニャしていて、柔軟性バッチリ!
ミキシングカップのヘチにうまい具合に沿ってくれるので、ヘチにこびりついたエポキシの誤差はかなり軽減されます。これが一番使いやすかったです。
※間違っても綿の綿棒は厳禁。綿はワタが異物としてエポキシに混入します。
攪拌不足の解消
エポキシの硬化不良の攪拌不足の一つに、比重の問題があります。一般的には、レジンよりも硬化剤のほうが比重が小さいです。すると、レジンが下に。硬化剤は上に行きます。
こんなかんじで、レジンは下、硬化剤は上です。
混ぜて、レジンと硬化剤が結合している最中でも、混ざり残りがあったならば、レジンと硬化剤は上下に分離するはずです。すると、硬化剤が上に来て、硬化不良になる可能性があります。だから、それを修正する必要があります。
というわけで、ちょっと加熱することにします。この時は手で持って暖めましたが、すごい熱いので、やけどして、ミキシングカップを離してしまって、エポキシまみれになりました。
だもんで、ピンボケしてますが、ラジオペンチとかで持って暖めることをお勧めします。ポリ容器なので当然暖めすぎると溶けますので、これも要注意です。
暖めると、こんな感じで、液の対流が起きます。これで、比重の差によるレジン・硬化剤の上下分布の補正をします。暖めることによって、エア抜き&粘性低下で塗りやすさアップ&硬化不良対策になります。
エアが噛むと、レジンと硬化剤の出会いを泡が邪魔するので、エアはないほうが硬化不良にはならないと考えます。暖めると攪拌で入った泡が
消えます。この状態で、1分間放置します。東邦ビデオで勉強したとおり、レジンと硬化剤が出逢うのを待つ時間を与えます。エアも抜けて、出逢いが促進されるはずです。
加えて、塗るときにフデをかき混ぜます。塗っている最中はミキシングカップ中の混合液は静止した状態です。もしかしたら、また混ぜ残りがあって、比重によって上下に分かれている可能性もあるので、塗る直前にもかき混ぜることによって、比重による上下分布の補正をします。
最後に検量の注意点
・エアコンとかヒーターを切ること。
部屋に風があると、風によって天秤の皿が動き、検量誤差につながります。部屋を無風状態にして、検量してください。
・ミキシングカップとエポキシを同じ温度にすること。
冷たいものは暖かくなると、重量が減少します。逆に、暖かいものが冷えてくると重量は増加します。その誤差をなくすために、エポとミキシングカップを同じ温度にしてください。だから、エポとミキシングカップは同じ部屋に置き、検量も同じ部屋でやったほうが良いです。
・検量時の机は水平な台。
天秤は水平で硬い台に置いてください。斜めになっているところや下がフワフワしたところに置くと、同じものを計っても誤差が大きく出ます。
・検量時は机を触らない。
検量するときにその机に触れないこと。机に触れて机がズレたりすると、重量が下がることが多いです。だから、
←ダメ!ダルイからといって机に腕を触れさせない。机がちょっとでも動くと天秤に影響が出ます。
←OK!机は触らずに!
・ゼロ設定はしない!
3g検量してゼロ設定をして4g検量。これはやめたほうがいいです。ゼロ設定をするということは、天秤に触れるということです。天秤に触れると天秤が若干動いたり、皿が変化を感じて誤差が出やすいです。
3g計った後、そのまま4g追加して7gで見る。こうすることで、いらない誤差は消せます。
フデを拭き取る時はフチをなぞったらいかん!
コーティング中、フデにつきすぎたエポキシを落とすとき、ミキシングカップのヘリをかいてそのまま塗ることを止めましょう!4種類のエポキシの比重を計りましたが、大方、レジン1.15。硬化剤0.97ってところです。そのため、硬化剤は上へ。レジンは下へ行く傾向があります。すべて結合の相手を見つけていれば、そんな心配をしなくてもいいんですが、分子レベルでは、何が起こっているかわかりません。だもんで、硬化剤がヘチについている可能性が高いです。そのため、硬化が終わったミキシングカップを見てみると、ヘチに生乾きのエポキシが付いていることがよくあります。
ということは、ヘチには、硬化剤がいっぱいついているちゅうことです。
よって、フデを拭き取るときにヘチをなぞると、硬化剤が付く可能性が高いです。
そのまま塗ってしまうと、硬化剤をたくさん持っていくことにつながるので、硬化不良になる可能性が出てきます。
だもんで、フデをしっかりと、ヘチにつけながら、均一に混ぜて、硬化剤を均一にした状態でヘチでつきすぎたエポを落としたほうがより硬化不良の心配がなくなります。もっとよく言えば、ミキシングカップを二つ用意し、つきすぎたエポキシを切る専用に使うとより効果的なはずです。
細かいことなんですが、硬化不良ってのは、これくらいシビアに向かい合ったほうが無難です。
一応、
ジャストエース・ライトフォーミラで10回くらいテストしましたが、硬化不良はゼロwww厚くても薄くても、モッチリでもすべて完璧です。
つまり、まとめると、
比重計算で、自分の重量比をチョイスし、デジタル天秤でデジタル検量。上の混ぜ方を実施すれば、99.9999%硬化不良は起こりません。硬化不良のない世界で、快適なビルディング生活を満喫しましょう♪♪♪
※実戦の様子をJraidenのリメイクで紹介しています。
http://www.raigyo.net/jraidendaikaizou/jraidendaikaizou.html
エポキシコーティングの解説!絶対硬化不良は起こさせない!
のところに書いていますので、参考になるかもしれませんw
※2015年1月追記
現在、ジャストエースから粘度のやわらかいJEC-50というエポキシが出ていますが、今回の実験で使ったエポキシは旧型のJEC-40です。比重が違うと思うので、配合が分かりません。参考にするならJEC-40がいいです。
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