エポキシの選定



補足:2液混合型のエポキシは、硬化開始時間(30分とか60分とか)が長ければ長いほど、仕上がりの接着強度が強いです。また、2液の内訳は主剤と硬化剤ですが、主剤のほうが硬化剤よりも多いと、表面がべたついて、キズが簡単に付く等の硬化不良になります。チューブタイプの2液エポだったら、硬化不良はまず起こりませんが、シャバシャバのロッドビルディング用エポキシだと、まず硬化不良になります。そのため、主剤よりも硬化剤のほうを若干多めに入れて混ぜる方法が主流です。硬化剤が少なければ少ないほど硬化不良のリスクは減りますが、反面、硬くなって割れやすくなります。これはガイドのフットのクラックへとつながります。よもやまばなしです。

ではいきます。

セメダインハイスーパー30

30分硬化型(ハウツー関係では、ライトロッドのグリップ接着に使っている)。主剤と硬化剤を混ぜてまず気づくのが、粘度の高さ。めちゃくちゃネチャネチャしてて、硬い。そのため、筆に染み込まず、ラッピング時にスレッドの間に染み込まない。そのため、表面はデコボコ。スレッドは染みた場所と上部に乗っかっただけの場所が混在し、非常に見た目が悪い。

セメダインスーパー60

60分硬化型(ハウツー関係では、ヘビーロッドのグリップ接着に使っている)。30分型に比べると、粘度が低くなっている。しかし、筆にしみこむにはまだまだ粘度は高い。そのため、30分型と同じように、表面がデコボコ。でも全体的な仕上がりは30分型よりはマシ。

ボンドEセット90

90分硬化型。粘度は60分型と同じぐらい。やはり筆に乗りにくい。しかし、硬化時間が長いため、ドライイングモーターでまわしているうちに染みていき、最終的には均一に液がしみこんだ仕上がりになる。ところが、硬化した後、ガラスのようなツルツルになるわけではなく、ほんのすこーーーーーし表面が柔らかい。そのため、指で触ると油が付いて、ツヤがなくなり、これまた出来栄えが悪くなる。

結論
チューブ型2液エポキシは、粘性が高すぎてフデの毛先に入っていかない。結果、スレッドにも塗りこめず、したがって、

ロッドビルディングのスレッドコーティングには全く不向き!



ビルディング用エポキシの配合率&皮膜強度テスト

初めて使うエポキシはどんな配合がベストか、それによって、どんな皮膜になるのかを入念にテストします。そして、自分の中でベストの配合で、失敗できないコーティングをします。
2.5mlシリンジで主剤を2.5mlにし、硬化剤を2.5→2.0mlまで、1ml刻みで少なくして、計5種類コーティングして皮膜の硬さと配合比のチェックを取りました。そして、例えば、2.2、2.3、2.4mlの皮膜が硬くて使えそうなら、2.3mlで配合を組みます。

こんなふうに、順番でつけていくと、硬化した後の皮膜強度比較がやりやすいです。

2011年からのメッセージ
あ、青い・・・・。これは、まさにアナログな時代の記事です。エポキシの配合はものっそ神経質にする必要があり、シリンジで検量すること自体が向いていません。正確さは重量配合なのです。詳しくは、エポキシの硬化不良とその対策を参照。

ではインプレ行きます。

東邦産業 NT エポキシコート

日本のロッドクラフト材料メーカー、「東邦産業」製のラッピング用エポキシ「NTエポキシコート」。ホームセンターでは2300円前後で売っているが、釣具屋にいくと1500円前後なので、釣具屋で買うのが絶対得。他にもロッドビルド用のうるしとか、塗料とか幅広く作っているメーカー。で、使ってみた感じ、汎用品のエポキシとは粘度が全く違います。まぜてもサラサラで、ホントにエポキシ???と思えるくらい。薄い砂糖水を加熱して粘り気が出てきたくらいの粘度です。当然、筆にもしっかりと乗ります。筆でひと塗りするとそこから液がどんどんスレッドに染みこんでいき、アッという間に均一に広がります。仕上がりもガラスのような光沢で、大変美しいコーティング剤です。ただ、最終強度に達した後の表面が柔らかく、ツメで引っかくと、簡単に線がいきます。他のビルディング用エポキシに比べるとかなり柔らかい印象を受けます。

ただ、メリットは硬化剤が透明なこと。通常、ロッドビルディング用のエポキシは、

硬化剤が黄色なのです。そのため、

ここ大事ですよ!

「銀や白のスレッドをコーティングすると、若干黄色くなります。」これが黄変というやつです。
→フレックスコートライトフォーミラでコーティング後わっかりにくぃなぁ!チクショウ!

兎に角!

硬化剤が透明だったら、銀や白のスレッドが変色しないという武器なのです!

ただし、これは弱点もあって、硬化剤が黄色だったら、混ぜた後、レジンが黄ばむので、混ざったか混ざってないかの判断が付きやすいですが、透明だと、混ざってんのか混ざってないのかがわがんね!っつーわけです。クレオスのカタ取り用シリコンが硬化剤を赤色にしているのと同じ理由です。

というわけで、一長一短なのであります。

ただ、私は表面が傷つきやすいエポキシは使いたくないので、このエポキシは使いません。



フレックスコート ハイビルド

フレックスコートのハイビルドエポキシ。たくさんのロッドビルダーに支持されている、おそらく最も一般的なエポキシ。黄色いほうが硬化剤。どのサイトにも注意点が書かれているんですが、硬化剤が少しでも多いと完全硬化しないみたいです。NTエポキシに比べると粘度が高いが、汎用品ボンドほどではない。粘度が高いため、スレッドに浸透しにくいが、タップリ塗って1分くらいたつと、いい具合にしみこむ。エア抜きで暖めるとさらに浸透しやすい。東邦産業NTエポキシより、よっぽど硬い。ツメで引っかいても傷が付かない。ただ、硬化剤と主剤を混ぜて、15分くらいは粘性も低く、コーティングがしやすいんですが、15分を超えてくると、粘性が一気に上がり、ダンゴを塗るようになる。当然、塗りにくく、もし15分以内に全ガイドをコーティングできない場合は、作り直さないといけない。で、結構な値段がする上に、一般の釣具屋にはまず置いてない。例えあったとしても、これいつの!?といいたくなるくらい古いものが多い。そのため、手に入れるなら、通販。値段は2オンスが1700円。4オンスが2200円。上の写真は2オンスのものですが、あっという間になくなるので、4オンスを買ったほうが無難です。また、ボトルの文字がベタベタで、手がむっちゃネチャネチャします・・・。これは容器に低密度ポリエチレンを使っているからで、PEは溶剤にものっそ弱いので、なんと接着剤自体の溶剤で容器が溶けているといういわゆる欠陥?かと疑いたくなるアメリカ品質です(爆)。これに関してはPP容器に移し替えることで解決できるので、「フレックスコートのべたつき解消法」を参照!

讃岐の夢でワンシーズン使い倒しましたが、これといったトラブルは起きていません。やはり出来のいいエポキシだと思います。

もう一個のフレックスコートライトフォーミラに比べると、硬い仕上がりだそうで、ヘビーな釣りでは、ハイビルドを使用するように。と色々なサイトでフレコミがありますが、それは逆。ヘビーなロッドに硬いエポキシを使った場合、フルベントした時にガイドの足にクラックが入りやすくなります。負荷がかかった時の力が強いからです。逆のようにも思われがちですが、ヘビーなロッドにはやりこいエポキシです。

ただ、ハイビルドはUVカットがないので、赤スレッドや、赤いネーム等、紫外線対策を考える場合はライトフォーミラを使うそうです。(プロに教えてもらいました。まだライトフォーミラを使ってないので後々書き加えていきます。)

で、探してみると、ハイビルドでもUVカットモデルもあるみたいです。ライトフォーミラと同じく、ウルトラVのシールが張ってあります。この画像は、フレックスコートの本社ホームページから。アメリカでは、これが出回っているんでしょうか。日本では見たことがありません。

フレックスコート ハイビルド 配合テスト表(シリンジが2.5mlなので、2.5ml表示です。)
硬化剤 主剤(レジン) 硬さのインプレ
2.5 2.5 硬いこた硬いが、思いっきり引っかくと傷が付く。粘性が高くてエア抜きもしにくい。
2.4 2.5 むっちゃ硬くて、ツメで引っかいても傷が付かない。ガラス並みだが、ジャストエースエポキシに比べると、透明度は低い。
2.4 2.5 安定性をチェックするために、2度目の配合。ツルツルカチカチ。再現性もいい。
2.3 2.5 むっちゃ硬くて、ツメで引っかいても傷が付かない。ガラス並みだが、ジャストエースエポキシに比べると、透明度は低い。
2.3 2.5 安定性をチェックするために、2度目の配合。ツルツルカチカチ。再現性もいい。
2.2 2.5 むっちゃ硬くて、ツメで引っかいても傷が付かない。が、2.3、2.4ml配合に比べると、若干皮膜が柔らかい。粘性が低く、エア抜きがしやすかった。
2.5 2.2 あえて、失敗配合にチャレンジ。硬化不良というほどではない。しかし、一般的なフレックスコートの最終硬度に比べると弱め。東邦のNTエポキシよりは強度は高い。ツメで引っかくと、傷が入るが、一般的なサイトで言われている「全く固まらない」感はなし。

というわけで、ベストの配合は、レジン:硬化剤=2.5:2.35です。

←これがフレックスコートでワザとレジン少な目の配合でテストしたもの。全くの硬化不良ではありません。指で触っても、生乾きの樹脂がジュワっと付くような現象も起きず。ただ、皮膜がいつものフレックスコートよりも弱いんです。

ツメで引っかいたところの写真。傷が浅すぎて分かりにくいんですが、赤丸で囲ったところに薄く傷が入ってます。これは、東邦産業のNTエポキシや、ジャストエースの配合でたまに出る皮膜柔らか現象と全く一緒です。←それが硬化不良だっつーの!2011

つまり、フレックスコートは、レジンを少なめにしても、固まらないわけではない。固まるこた固まるが、いつもより皮膜が柔らかい。ということが分かりました。

賞味期限
エポキシの賞味期限なんてあってないようなもの。と言われていますが、プロに聞いてみると、そんなことはないみたいです。フレックスコートの場合、開封して半年〜1年。持って1年半みたいです。だもんで、プロみたいにバンバン作る人ならボトルで買ってもいいですが、年間1,2本くらいしか作らない人の場合、2ozを買って使って、久しぶりに新しいロッドを作るときは、古いフレックスコートを捨てて、新しい2ozフレックスコートを買ってコーティングしたほうがいいみたいです。
で、私のフレックスコートも、こないだ1年ぶりに取り出してみると・・・
硬化剤は問題なさそうでしたが、主剤が結晶化しています。ボトルの内側に白い結晶がこびりついています。写真では分かりにくいんですが、よく見てみると、結晶が沈殿しています。

これは4ozのものですが、これも2ozと同じく、主剤が結晶になっています。

湯煎で使えないこともないようですが、プロに言わせると、これが原因で硬化不良になって、スレッド巻きなおす手間を考えれば、新しいのを買ったほうが間違えなくていい。とのこと。まさにその通り。古いのを使うよりは、勇気を出して捨てて、新しいのを買いましょう。買ったって、1700円です。


フレックスコート ライトフォーミラ
テストをしてみるも、皮膜が柔らかい現象は感じなかったです。まだ使ってないので、インプレは後日ですが、ホライズンで聞いたところ、ハイビルドよりはやわらかいみたいです。UVカットが付いているため、対紫外線対策になります。特に赤いスレッドは紫外線でピンクになったり、色落ちしやすいのでコレで対策するそうです。ネームで赤い文字が入っている場合もコレでコーティングして、対策するそうです。やわらかいので、ライトな釣り。管釣り、メバル、バスなんかではこれを使ったほうが竿が曲がりやすく、性能を引き出せるそうです。

フレックスコート ライトフォーミラ 配合テスト表(シリンジが2.5mlなので、2.5ml表示です。)
硬化剤 主剤(レジン) 硬さのインプレ
2.5 2.5 ツルツルカチカチ。しかし、レジンが少なめになる可能性もあるので、あまり使いたくない。
2.4 2.5 配合の中で一番硬い。スレッドの透明度もいいし、エア抜きもしやすい。
2.3 2.5 ツルツルカチカチだが、2.4ml配合に比べると、ほんのすこーーーーし柔らかいような気がする。
2.2 2.5 配合攪拌中の粘性が一気に下がり、塗りやすく、エア抜きがめっちゃしやすかった。しかし、硬化後の皮膜は柔らかめ。
2.1 2.5 配合攪拌中の粘性が2.2ml配合よりグッと下がる。硬化後の皮膜は柔らかすぎ。たぶんヤブコギで傷つきます。
2.0 2.5 2.1ml配合よりも粘性が低い。サラサラ。硬化後の皮膜はもっとも柔らかい。使いモンにならない。
2.5 2.2 あえて、失敗配合にチャレンジ。硬化後の皮膜は、ツメを立てると、ツメが入る。硬い弾力がある。使いモンにならず。

ベストの配合は、レジン:硬化剤=2.4ml:2.5mlがベスト。


ジャストエース エポキシコート
ロッドビルディングのパーツやらブランクやらを発売しているジャストエースのエポキシ。だいたいビルディングパーツが少し置いてある店なら大抵あります。40cc×2で1500円くらいなので、かなりお得♪

←ジャストエースエポキシコートでスレッドのコーティングをした写真。ツルツルで綺麗で、非常に硬く、フレックスコート並み。ツメで引っかいても全く傷は付きません。

モコッとしたコーティングも綺麗に仕上がります。

テストで思ったのは、エア抜きがめちゃくちゃやりやすいです。少しアルコールランプを熱しただけで、一瞬でエアが抜けてくれて、透明度も高いもんだから、フレックスコートよりもきれいに仕上がります。粘性の上がり方も、フレックスコートよりも長いから、長時間塗れます。とはいっても、やはり塗ってると粘性があがってくるんで、結局最後のほうは作り直さなければならないと思います。

まだ、経年劣化や対紫外線のテストをしてないので、なんともいえないですが、次のロッドをこのエポキシで作って、試してみます。
→リメイクガンガンで使いましたが、全く問題ありません。いけます。2011。テイストはフレックスコートハイビルドみたいな感じです。2011

と、ここでトラブル。一番初めにテストしたときは、抜群の出来だったんですが、何度も練習しているうちに硬度が甘くなったりのバラ付が判明。

というわけで、ベストの配合を探るべく、テストをしました。

ャストエース 配合テスト表 (2.5mlシリンジを使っているので、配合比は2.5mlにしています。)
硬化剤 主剤(レジン) 硬さのインプレ
2.5 2.5 硬いっちゃ硬いが、力をこめてツメを立てると傷が入る。
2.4 2.5 硬いっちゃ硬いが、力をこめてツメを立てると傷が入る。
2.3 2.5 硬いっちゃ硬いが、力をこめてツメを立てると傷が入る。
2.2 2.5 上の配合に比べて明らかに粘性が低い。そのため、塗りやすく。エア抜きがものっそきれいにできる。硬さはフレックスコート並み。透明度はフレックスコート以上。ガラスのような美しさ。
2.2 2.5 安定性を見るために、同じ配合の二回目。皮膜が柔らかく、ツメで傷が付く。再現性が悪い。ダメ。
2.1 2.5 ツメで傷つき。ダメ。
2.0 2.5 柔らかすぎ。ダメ。
2.5 2.4 失敗配合にあえてチャレンジ。硬いっちゃ硬いが、力をこめてツメを立てると傷が入る。
2.5 2.2 失敗配合にあえてチャレンジ。硬いっちゃ硬いが、力をこめてツメを立てると傷が入る。

ということは、2.2mlでいけるか!?と思いきや、2度目のコーティングで失敗。皮膜が柔らかすぎです。というわけで、ジャストエースエポキシは、硬化剤の安定性がフレックスコートよりも悪いということで、使わないことにします


アルテマエポ
打倒!エポキシ化学!で発見した新配合のエポキシ。東邦NTコートのレジンにフレックスコートハイビルドの硬化剤を同量混ぜて作ります。サラサラでエア抜き楽々。硬化後の皮膜は、カッチカチやで!

が、

再テスト レジン2.5、硬化剤2.4でやって硬化不良。ツメで皮膜が傷つきます。

これはどういうことだ!?

悩んで悩んで、仮説を出しました!

詳しくは、「硬化不良の原因&対策」へレッツゴー。


使いやすいエポキシランキング
以上のエポキシを表にまとめてみました。1〜5の数字は順位です。

粘度(1が柔らかい) スレッドへの染み込み フデの乗りの良さ 気泡の少なさ 硬化後の硬さ1が硬い 評価 価格 完全硬化
セメダインハイスーパー30分 7 6 7 7 7 34 1000 24時間
セメダインスーパー60分 6 7 5 7 7 32 1000 48時間
ボンドEセット90分 5 5 5 7 7 29 1000 72時間
東邦NTエポキシコート 1 1 1 1 4 8 1700 60時間
フレックスコート HB 4 4 4 4 1 17 1700 72時間
フレックスコート LF 2 2 2 2 3 11 1700 72時間
ジャストエース 3 3 3 3 2 14 1400 72時間

評価は1位〜5位の数字を足しました。少ないほうが優秀という見方をしています。

一番良かったのはフレックスコートのハイビルドとライトフォーミラ。やっぱり最終強度が強く、ツメで引っかいても傷が付かないというのが魅力です。ライトフォーミラは柔らかくてフデののりが良いし、薄く塗りやすいし、エア抜きがしやすい上に、皮膜も硬く、透明度も高いので、これから多用します。


で、これだけ頑張って選定したですが、シリンジ検量でやっているので、配合率が全くアテにならず、今までの研究はすべてパァ!ということが分かりました!詳しくは、エポキシの硬化不良の原因と対策を参照。


というわけで、新しい選定をやります。


エポキシは星の数ほど種類があるので、色々使うのはキリがないので、もう止めました。一応、釣り用として、一般的に手に入る、東邦NT、フレックスHB、LF、ジャストエースの4種類で選定します。


で、良いエポキシ、悪いエポキシの判断は、硬化不良が起こりやすいか起こりにくいかに尽きると思います。ビルダーで、硬化不良に悩んだ人なら分かるはずです。

で、早速、シリンジ検量からミキシングカップ検量に切り替えました。

東邦産業NTエポキシコート
ミキシングカップ検量に切り替えです。20ml、2.5ml刻みのミキシングカップ使用。2.5ml検量で、目盛りを見ながら、若干、硬化剤が少なくなるように設定して、コーティングテストをしました。

さらに、瓶入りのエポキシを、油さしに移し変えました。

目的は、エアがみの防止。エアは一切かみませんが、東邦NTはレジンがものっそネバイので、液面が暴れます。これだと、目盛り検量の誤差がどうしても出てしまいます。

しかし、テスト結果は全滅。


そこで、ミキシングカップを変更。20ml2.5ml刻みから、10ml1ml刻みのものに変更しました!これによって、もっと微妙な液面調節が出来るはずです。


それで、レジン5ml硬化剤4mlの10:8でテストしました。ちなみに、箱に固めの仕上がりが希望なら10:8でやってくださいと書いています。すると、東邦NTで初めて硬化不良にならずに、ちゃんと固まりました!


結局、20mlミキシングカップの東邦NTはすべて硬化不良。10mlミキシングカップのみ、まともなエポキシが作れました。このエポキシは、ものすごく微妙な調節が必要です。


ジャストエースエポキシ
これも東邦NTと同じく、20ml2.5ml刻みのミキシングカップでレジンを若干多く、配合してテストしました。


その結果、すべて硬化不良にならずwww透明度がものっそ高くてキレイ。エア抜きもめっちゃしやすい!皮膜の硬さは、なんとなくフレックスコートのハイビルドに似ています。ツメの跡は全く付かず。東邦NTはすべて失敗したけどもジャストエースがすべて成功したということは、東邦よりも、ジャストエースのほうが硬化不良になりにくいのかなw透明度も高いし、エア抜きもめっちゃしやすいし、いいエポキシですね〜!
シリンジでやったときは、硬化不良になったりならなかったり、色々でしたが、ミキシングカップのほうが精度がいいですねw


フレックスコートハイビルド
さて、テストをしようかと思ったところ・・・・・
なんと、また結晶になっとるがな〜!!!

これは、開封して2ヶ月足らず。冬になると溶解度が下がって結晶化しやすいけれども、フレックスコートは結晶になりすぎ(怒)。結晶になるということは、中の濃度が飽和状態ということです。ということは、レジン濃度が上がっているはずです。ということは、今までと同じ配合でやっていると、レジンがいつもよりも多いはずです。硬化剤が多くなるわけではないので、硬化不良にはならないでしょうが、硬化状態を操るビルダーにとっては致命的です。例えば、100:95が自分の中での配合なのに、結晶化している状態でやると、実際は100:90になっているかもしれません。ただ単に温度低下で溶解度が下がっているだけなら良いんですが、
秋に開封したハイビルドレジンも結晶化しているので、温度低下だけではなさそうです。残るは、揮発による溶媒現象です。ジャストエースや東邦NTなんかは、瓶のフタにポリの密閉パッキンが付いていますが、フレックスコートは付いていません。だから、微妙に揮発していって、溶媒が減った分、飽和になり、結晶が出てきているのかも。硬化にばらつきがあると言うビルダーもいるくらいなので、これが原因かも!?何にせよ、すぐに結晶化するエポキシは良いエポキシとは言えません。

ちなみに、熱湯で暖めると、温度が上昇して溶解度が上がるので結晶は溶けてなくなります。

しかし、完全に溶けるかと言うとNO。若干残ってしまいます。ということは、やっぱり、溶媒が揮発しているのか!?

だから、フレックスコートのハイビルドは、私はもう使いません。ジャストエースエポキシと同じような感じなので、ジャストエースを選択します。


フレックスコート ライトフォーミラ
こちらはフレックスコートハイビルドと同時期に購入して開封するも、結晶化していません。ハイビルドは濃すぎるんじゃないのか?柔らかめとはいうものの、きっちり配合したら、ツメで引っかいても跡は付きません。透明度も高く、輝くようです。

ジャストエースエポ
100:90(2g:1.5g)配合で3回やって1回硬化不良発生。

で、続いて、100:85、重量配合で2g:1.4gで行いました。テストを5回やり、硬化不良ゼロ。少量配合なら、2g:1.4g配合がベストです。皮膜も強力です。


うすめ液のインプレ
うすめ液を使うと、気泡が発生しにくく、一発目のコーティングでスレッドに染みやすいとのことなので・・・・。いままで食わず嫌いだったけども、ホライズンで見つけたってのもあって、やってみました。
これがジャストエースのうすめ液。ジャストエースエポの評判がいいので、これから積極的に使おうと思っていた矢先なので、ちょうどいいです。

早速、2,3滴たらしてみると・・・・。うすくなった!?微妙です。あまり粘度は変わってないような・・・・

!?

こっ、このあまったるい匂いは・・・・

トルエン!!!!!あっちゃぁ・・・・・。これは使えませんね。詳しくは、ブランク塗装を参照。

でも、成分って、トルエンとメタノールなんですね。

メタノールっていえば、アルコールランプの燃料です。

燃料アルコールはすでにあるので、これを使って薄めてみます。

ジャストエースエポをレジン2g。硬化剤1.5gの100:90配合(容量は4mlってところ)で、ポリスポイトを使って、1.5ml。0.5ml。0.3ml。0mlの4種類を作ってコーティングしてみました。使ったミキシングカップは5mlです。

緑+黒の下巻きが、ジャストエース+ジャストエーストルエンうすめ液2滴(0.1ml)。黄土色がジャストエース+燃料アルコール1.5ml。オレンジ色がジャストエース+燃料アルコール0.5ml。

続いて、緑メタリック+黒の下巻きが燃料アルコール適当にぶち込み。で、黄土色がジャストエース+燃料アルコール0.3ml(最初は0.2ml入れましたが、薄まった感触がないので、0.1ml追加で合計0.3ml)。オレンジがジャストエースのみで薄め液なし。

で、塗った時のインプレですが、まず、アルコールを入れすぎると、エポとアルコールが分離します。比重はアルコールのほうが低いらしく、アルコールが上。エポが下に行きます。だもんで、各液のレンジが変わって、硬化不良になりそうな気がします。

で、4mlエポに1.5mlは入れすぎ。分離して、そのままスレッドコーティングに入るので、エポが均一に乗っているのかどうかが分かりません。0.5mlも同様です。山盛りに塗って地ならしで何とかコーティングしていますが、山盛りなしで、フデで薄塗りだと、うすめ液1.5ml配合と同じような感じになります。

また、薄めすぎると、
エポキシコーティングで最も大事な、フット内側のコーティング補強が甘くなります。だから、薄めすぎ厳禁です。

で、0.2ml配合もやりましたが、薄まった実感が得られなかったので、0.1ml追加。合計0.3ml配合でやってます。すると、これはうまいこといきました。一番塗りやすかったです。

が、

0.3ml配合で出る粘性の低さは、エポを配合後にランプやら湯煎やらで暖めた時の粘性とほぼ一緒です。ということは、うすめ液を入れることのメリットがないっつーことです。

また、NCPスレッドをアルコールの染みたティッシュで拭いても、スレッドの色は落ちませんが・・・・

メタリックスレッドでこれをやると・・・・

若干色が落ちます。

あまり影響がないかもしれませんが、アルコールを使うことで、メタリックスレッドの色落ちなんかがあるかもしれません。

で、三日たちました。すべて、硬化不良はなし。ツメで引っかいても一切傷は付きません。配合は100:90の1.5g:2.0g配合でバッチリいけます。

ということは、専用の薄め液を使う必要がないということです。アルコールランプのメタノールで薄めたらOKというわけです。

で、肝心の出来は・・・

ダメ。薄すぎ。だいぶ揮発して、肉痩せしています。

オレンジが一番良い。黄土色、まぁまぁ良い。

薄め液入れないのが一番出来栄えがいいと思います。スレッドの間にもバッチリ染みているし・・・。

薄め液入れることで、エポキシの長所である「肉痩せしない」がなくなります。1回目塗りはシャバシャバでやって、スレッドの間にエポキシを染みさせて・・・・薄め液入れんくても薄く塗ってアルコールランプでエア抜きしたら染みます。
薄め液入れたらエアが入りにくく・・・・。アルコールランプで抜けます。ジャストエースエポは、かなりエア抜きがしやすいエポなので、問題なし。

もし薄め液を入れるとしたら、硬化剤1.5g、薄め液2.0g、薄め液0.3ml配合です。しかし、この配合は、薄め液を入れない配合と大して変わらない粘度です。

だから、私の結論は、薄め液は入れるな!になりました。


トップガイド編

フジ ホットグルー

フジ・ホットグルー。ハウツー関係では、「トップガイドの接着ならコレ!!!」といわれている接着剤。溶けてから2秒で完全硬化し、しかも肉痩なし。硬化後は2液混合型のエポキシと変わらない強度を誇ると歌われている。ってか、これ、ホットメルトとちゃうんな?スティックのりのような形状で、アルコールランプで溶かして、その液をブランクスのトップに接着。接着直後に固まるので、トップについたホットグルーをさらにアルコールランプで再加熱。溶けた瞬間にトップガイドを接着。するとまた固まるので、トップガイドをつけた状態でさらにアルコールランプで再加熱。溶けた瞬間に一番奥まで押し込み、余ったホットグルーをティッシュでふき取って終了。ところが、気をつけなければならないのが、「ブランクスは熱でダメージを受ける」ということ。他のエポキシに比べて、加熱する時間が長いので、トップガイドに深刻なダメージを与えます。私はコイツの接着でブランクスのトップを1回折りました(ラッピングテクニックのアルコールランプでの失敗例を載せているのがソレです)。さらに熱したトップガイドを素手で押し込むので、油断するとやけどします。成功したモノもちょっと不安な強度です。その他にも、熱に弱く、炎天下の車の中に置くと溶けるだの、激しいファイトでズレただの、評判は良くない。結論でいうと、コイツでガイドの接着はしないほうがいいと思います。ハウツー本では強く勧めているので注意が必要。


セメダインハイスーパー5

セメダインハイスーパー5分型。マタギでも使っているらしいので試してみました。汎用品でも全く問題なし。30分のほうが接着自体は強力だが、スプラインにトップガイドを合わせる必要があるので、硬化が遅いタイプはずれる可能性があり、NG。接着した後に手で支えっぱなしにして硬化開始を待つ。たかだか5分くらいなので、全然OK。10分も持っていると、完全に固まって動かなくなる。後は24時間ほったらかしにすれば、トップガイド完全装着完了。これは便利です。


番外編

UVカットのウレタンクリア。ガイドをコーティングした後上塗りすると透明度が増し、表面ツルツルピカピカ。めちゃくちゃ硬い。ところが、ウレタンは揮発性が高く、固まるのが早い。フデで塗っている間に乾いてきて、粘着性が増したフデ先で中途半端にかわいたコーティング面を剥がしてしまう。そのため、表面はボコボコ。また、直射日光で割れてしまうという経験者談もあり、断念。また、2液反応型じゃないから、モッチリコーティングができずに、中膿み状態硬化不良一直線。2液エポキシで仕上げたほうが無難です。


インプレ2011
最初からチェックしていたけど、無駄に長いなコンチクショウ!
トップガイドに最適なエポキシ→セメダインハイスーパー5

トップガイドは、ブランクにスプラインがある関係上、取り付けの向きがあります。接着中は動かないように固定しておく必要があり、30分も固定で動けんのは作業性が悪くて無理。ということは、5分型しかないのです。

なお、5分型エポキシには、ボンドのクイック5があります。容量が多いのでこちらのほうがよさげに思えますが、実際はセメダインの5分型よりも匂いがきついのです。また、トップガイド及びメタルパーツの仮止めくらいにしか使わないので、使う頻度が少ないし使う量もほんの少しなため、買うなら、セメダインハイスーパーです。



スレッドコーティングに最適なエポキシ→フレックスコートライトフォーミラ

以下に、一般的なスレッドコーティング用のエポキシのランキングをつけました。このページの上のほうでもやっていますが、ビルディング暦、1年も満たないヒヨッコの勝手なランキングだと思ってアテにしないでください。

硬化後の表面の硬さ 透明度 混ぜた直後のサラサラ具合 硬化不良のなりにくさ
フレックスコート ライトフォーミラ 1 2 2 3
フレックスコート ハイビルド 1 2 4 2
ジャストエース 1 2 3 1
東邦NT 2 1 1 4

硬化後の表面の硬さは、最重要課題じゃないでしょうか。だって、傷つくとイヤだもんねwこれに関しては、ジャストエースとハイビルド、ライトフォーミラに違いはないと思います。表面はツルツルピカピカで、強度もばっちり。ちょっとやそっとでキズが付くようなものではないと思いました。東邦NTはやりこすぎ。実用的な表面硬度か疑問です。

透明度は、東邦NT以外のすべてのエポキシが黄色い硬化剤を使っているのでできる樹脂も黄ばんでいます。したがって、白や銀といった明るい色のスレッドをコーティングすると、黄変が目立ちます。そのため、東邦NTが一番です。

混ぜた直後のサラサラ具合。これがロッドビルディングで硬化後の表面の硬さと同じくらい大事なのです。どんなエポキシが良いかというと、ずばりいって、サラサラなエポキシです。なぜか?スレッドに染み込みやすいから。コーティングで一番大事なのは1回目。1回目にスレッドの足にうまく吸い込まれていくような、そんなエポキシじゃないと

フットの根元にはいっていか〜ん!サラサラだと、この部分のコーティングがうまいこといきやすいのです。

また、スレッドとスレッドの隙間に入りやすいので、こんなふうにスレッドとブランクの密着性アップで強度アップにもなるし。

ねばいエポキシが必要な時もあって、それは、長距離コーティングなのですが、

サラサラなエポキシで長距離コーティングを行うと、エクボが発生します。この回避方法で、ネバイエポキシが必要になるのですが、

ここ大事です。

「ねばいエポキシをサラサラにすることは出来ないけど、サラサラのエポキシをねばくすることは出来るのです!」

待てばいい。それだけです。ライトフォーミラみたいに粘度の低いエポキシは攪拌後、7分も待てば、ねばくなるため、エクボの回避が出来ます。

つまり、大は小をかねるじゃないですが、さらさらのエポキシはねばいエポキシをかねるのです。

また、雷魚ロッドをメインで作るので、硬化の樹脂自体のやりこさも大事です。この中でやりこい樹脂といえば、ライトフォーミラです。柔軟で追従性があります。

となると、ロッドビルディングではサラサラで表面が硬くて、それでいて柔軟性にとむエポキシが一番良いということですが、そんなエポキシは、ライトフォーミラくらいしかないのです。

ハイビルドは硬い。ねばい。東邦NTはキズが付きやすい。ジャストエースはほとんどライトフォーミラと同じで、かなり良い線行ってるんですが、サラサラ度合いがライトフォーミラの勝ち。

ただ・・・・・

ライトフォーミラは、硬化不良になりやすいです。何度も使っているのですが、たまーに硬化不良食らって青ざめることもしばしばあります。しっかり攪拌しているつもりでも混ざってないのかな???

なお、硬化不良に一番なりやすいエポキシとして、東邦NTを上げていますが、これはサラサラすぎて、

混ぜる時に攪拌棒に絡まるような感触がなく、スカッと空を切るような感じで、しかも硬化剤が透明なもんやけん、混ざったかどうかが分かりにくいです。これが硬化不良のなりやすさにつながっていると思います。

←これはライトフォーミラですが、攪拌棒が下の樹脂にめり込んでいるようなところに注目。サラサラがいいとはいっても、ある程度のねばさがないと、攪拌の感覚がなくて、やりにくいので、このあたりがややこいところです。黄変の原因にもなりますが、黄色い硬化剤は混ざると、

樹脂全体が黄ばむので、それが攪拌できたかどうかの指標にもなるので、ややこいところでもあります。

なお、硬化不良に最もなりにくいのは圧倒的にジャストエースだと思います。兎に角失敗が少ない!初心者が使うならジャストエースだと思います。

なお、ライトフォーミラは、2OZで買うと1800円もして割高ですが、8OZを買うと、3465円で激安です!クリスマスセールなんかでは、2700円で買えてすごくお徳です!

なお海外通販を利用すると、1800円で買えますw送料は、6ドルくらいだったかなぁ???

兎に角!

エポキシは、

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スレッド:フレックスコートライトフォーミラ!


これでキマリです!


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