エポキシと湿度
よく、「湿度の高い時のエポキシコーティングはカブリ(白化)の原因で・・・」
なんて言いますよね!?
で、思うんですが、エポキシに湿度って関係あるんでしょうか?
今まで散々エポキシを塗ってきましたが、カブったコーティングというものを見たことがありません。
湿度が関係するということは、水が影響することだと思います。ということは、H2Oがエポキシに反応することで、(H−)または(OH−)が反応することです。
が、しかし、エポキシの薄め液で使われているのが、メタノールです。メタノールの化学式はCH3ーOHです。もし、エポキシがOHと反応するのであれば、薄め液と化学変化が起こるはずですから、薄め液にメタノールが使われるはずがありません。つまり、エポキシはOHとは反応しないことが分かります。よって、H2OのOHと反応する線は消えます。
だったら、後はHです。そもそも、エポキシで硬化剤として使われるのがアミン系化合物の活性水素というヤツみたいなんですが、活性水素は、マグネシウムの還元反応や電解で得られるもので、そこらの水蒸気に大量に含まれているようなものではないです。なので、エポキシがH2O中のHと反応するわけではないことが予想されます。
だから、エポキシの反応に水が加わって白化現象が起こることは考えられないと思います。
で、話は変わるのですが、2液ウレタンです。2液ウレタンは、レジンがポリオールというアルコールのポリマーで、硬化剤がイソシアネートといわれるNCO化合物です。アルコールのOHとイソシアネートのNCOが結合して、HNOCO(ウレタン結合)が出来、ウレタン樹脂が形成されます。ウレタンは、硬化剤イソシアネートのNCOがアルコールのOHと反応するので、水分子中のOHとも反応します。だから、2液ウレタンは湿度による白化現象が起こると言われています。
ですが、よく言われる、
雨の日は塗装中止!
なんて、ほんとにしているんでしょうか。
だったら、板金塗装業者なんかは、梅雨時期なんかは、仕事にならないということですよね。
室内環境で、湿度と温度をコントロールできるところならばそんなことはないかもしれないですが、香川でも1,2を争う板金業者のところへ、勉強に行ったこともありましたが、塗装スペースは、風と虫をさえぎるためにカーテンで仕切られたスペースで行っており、とてもじゃないけど、エアコンで制御しているようなところではありません。
中小企業の板金屋が多い中、湿度まで気にしてやっているところなんて稀じゃないでしょうか。
事実、雨の日に塗装したって、ウレタンの白化現象自体、起こったことがありません。そんなものは、塗料メーカーがとっくの昔に、雨の日でもカブリにくい塗料を開発して世に出しているのではないでしょうか。直接水に付ければ当然白化しますが、湿気云々で塗料が変わったところを見たことがない。
それについてはエポキシも同じ。
今まで散々エポキシのコーティングはしてきました。たくさんのエポキシでテストしてきました。
カブリが起こったこと・・・
1度もないです。
メーカーのエポキシコートでも、かぶっている状態のものは見たことがありません。
そこで、実験してみました。
ジャストエースに、水を一滴たらしました。すると、くもの巣状の網目の白化現象が起こりました!
予想を反して、エポキシのかぶる現象はあります。
そこで、ミクシィで討論してみたところ、
結局、エポキシは、水が直接付かない限り、かぶりは起こらない。
水が直接付くような環境とは、結露が出るような環境。
野外ではそのような環境があったとしても、
室内で結露が付くことなんて、ほとんどない。
エアコンつけてればなおさら。
結露が出るような時に、エアコンかけてないアホはいないでしょう。
だから、
湿気が多いから、コーティング中止・・・
これは、気にする必要なし!
という結論が出ました。
稀有に悩まされずに、堂々とコーティングしましょう!
で、エポキシがかぶるメカニズムですが、
エポキシの硬化剤で、アミン系のものを使った場合、化学結合の途中に、カルバミン酸塩を生じる。このカルバミン酸塩と水が反応して何になって、これが白濁の原因になるみたいです。だけど、難解すぎて、これが本当に合っているのか、良く分かりません。
ちなみに、結露が出る目安が湿度80%以上で、夏の日の雨の野外がこれくらいの湿度です。だけど、気温が高ければ、露点が上がるので結露は出にくくなります。一番結露が出やすいのが、湿気は多いけど、朝夕の気温が低くなる秋口の夜明けです。それでも、室内の湿度は、60%くらいです。雨の日の野外が湿度80%を超えます。
だから、当然、室内で湿度80%気温が低くなるような環境は考えられないし、エアコン入れていたら、まず結露は出ないので、室内なら全く気にすることはないと思われます。
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