ガイド修理


会社の釣りクラブの同僚が、お気に入りのマミヤ鈴木ロッドがエポキシバキバキなので、近所の釣具屋に修理に行ってみたところ、

300円で直しまっせ!どないだ?と言われ、

大手釣具屋では、1箇所3000円取られるので、がいに安いのぅ!

ということで、

やってもらったところ、

凄まじい出来栄えなので、修理でけんの?

と頼まれ、

今日、ロッドを拝見してみると、

スゴイですよこれげっそり

ピンストライプの上側から切っており、おそらく、ライターで熱しすぎたためだと思うんですが、ブランクの塗装が溶けとる!1番ガイドだし、もう少し熱しすぎたら、溶けとったど!そして、スレッドはNCPではなく、黒いPE。抜き糸の概念がないのか、PEのスタート&終了地点はアロンアルファ。そして、スレッドコーティングも2液エポという選択肢はなく、アロンアルファ。

これがプロの仕事かexclamation & question1箇所5分だったそうです魚

300円払ってぶっ壊されたようなモンですYO指でOK

そんなこんなで、他の部分もすごいので、なんとかしてん。

とのことで、カタダの東京眼張行脚の時もそうだったんですが、人のロッドを触るのは自分の作るよりも気持ちが入るため、良い仕事をしようと、最良の手段を考えながら作業し、これがビルディングの上達につながるので、やってみよう!と思い挑戦。

というか、リメイクは何度もやってはいるけども、ガイド交換って初めてやんかw

というわけでやってみました。

まずは、ガイド外しですが、リメイクで何十個もガイドを外してきたため楽勝!アルコールラプの炎を小さくして少し炙っては指で温度を確認し、やけどしそうな温度になった時にカッターの歯を入れてスレッドを外すだけ。で、ガイドはものの1時間で全部外しました。実はマミヤの鈴木ロッド、オールチタンやんか!の高級ロッドだったのですが、「これがチタンか!?」くらいのサビっぷり!

チタンの酸化皮膜は酸化チタンTiO2ですが、こいつが無茶苦茶緻密なため、塩素を完全シャットアウトできるんです。だから、チタン=海水完全耐食と言われる所以です。常温の海水くらいじゃ、絶対さびません。瀬戸大橋も、海水に接するところはチタンライニングしているくらいですから、上の写真や、赤錆浮いてますよね?ホンマのチタンじゃありえないことです。

ハイテンシルチタンというフジ独自の名前が付いていますが、これだけさびるのは、中国チタンの可能性大。ペキンオリンピックの高騰相場でしたが、国産チタンがキロ8000円だった時に、中国人が中国製チタンをキロ4000円で売りに来たっけか。しかし、会社で品質検査をしてみたところ、中国チタンはサビまくりで、結局ステンに毛が生えたレベルの程度でした。

中国チタンはサビます!!!

そして、チタンのトップガイドは、パイプ部分はステンで、他のフレームがチタンですが、ここで溶接をかましてます。しかし、ここで別素材を組み合わせると、電食(局部電池)が発生しているのか、溶接部分がばっちりさびています。単に溶接部分が弱いだけかもしれませんが・・・。青サビが出ているということは、銅が含まれているはず。真鍮?また、純粋なチタンの溶接って、無酸素状態のアルゴンシーリングのTIG溶接が推奨されているはずだと思うのですが、そんなことをホントにやってるんですかね!?ホントに純粋なチタンやろか!?

話はそれましたが、

このスレッドの中から好きな組み合わせでやりまっせ!と言ってはみたものの、純正と同じでかまんとんこと。ほぼ全ガイド付いていたチタンの赤錆は、ペーパーで取りましたw

うーん。遊びたかったwww

ボロい釣具屋に直された1番ガイドはスレッドを長く巻いて、溶けかけたブランクを補強することにしました。

一応、サビはサンドシートで取りました。

そして、コーティング。ここだけのシークレットにして欲しいんですが、ドライモータはブランクの曲がりが大きければ段々ブランクが前に移動し、最悪落ちてしまうトラブルがあります。そのため、チャックが抜けないように、チャックのつかみバネの手前をモッコリさせて抜け防止にさせます。加えてチャック滑らないように掴むところにもマスキング。これで完璧です。

1回目のコーティング終了。アルコールランプで熱した時に粘性が一気に下がって、下に垂れようとする部分があるはずなので、そこを軽くフデで乗せ返して平坦にする。熱しているので盛ってもエアはかまず、粘性はスグに上がるため、盛ったままになります。経験と技術なので、あまりうまく表現できませんが、これが一番いいコーティング方法だと思います。

そして、糸目の修正。スレッドを巻いた時に、ちょいとピンピン飛び跳ねているようなところが出ます。そこを削るのですが、局部的に削るのでペーパーよりは板ヤスリのほうがいいです。で、プラモ屋で見つけたタミヤのプラモデル用ヤスリ。1300円と、結構高かったですが、さすが餅は餅屋。簡単にキレイに削れました!

で、サンドシートで足付けして、アルコールランプで脱脂。これを怠るとエクボのリスクが上がるので要注意です。

って、あれ!?

とととと、塗装が剥げちゅう!!!

アルコールで溶けるということは・・・・

このロッド、ラッカー塗装かアクリル塗装だわ・・・。信じられん。なんちゅうメーカーや!

安い理由が分かった!マミヤのヘッドハンターは要注意や〜!

んで、無事修理終了。完璧だわwリメイクなんぞやってたら、ガイド修理なんぞアサグソ前です!!!しかし、人の釣竿触るのも、良いですね〜!なんか作業しながら喜ぶ顔が浮かぶんですよねw


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