グリップの塗装
リールシートの続きです。セパレートグリップにする場合、セパレート部分が露出するので、そこを塗らないといけません。だもんで、これも記録に残します。
とりあえず、リールシートが塗れたので、上半分を接着して組み上げました。塗るのは下半分です。なぜ、リールシートと一緒に塗らなかったかというと、パイプ外径とリールシート内径がぴったりのため、塗装をすると肉厚になってリールシートが入らなくなるからです。
で、スプレーガンで塗装をするのでマスキングします。ビニールでグルグル巻きにして、境目をビニールテープで止めて
塩ビパイプと塩ビ板を組み合わせて、傘立てのようなものを作り、これに突っ込み、塗装をする時の台にします。
で、塗りました。今回は、失敗です。
みてん。この肌荒れ!ブツブツだらけやき!ハッキリいって、薄め液が少なすぎました。塗料が出ないから、エア圧を上げて、エア圧を上げるから、薄め液が足りないまま吹き付けられて、そのため、ダマになって塗膜を形成というわけです。
今回思ったんですが、塗装で最も大事な、ミスト&エア圧調整は、音でもアタリが付けれますね。風圧が強すぎると、吹き付けた塗料がズレますから、ムラの原因になります。だから、風圧は、塗料が出るギリギリに調節します。最初はエアバルブを絞っていて、これをゆっくりと圧を高めていきます。で、塗料が出たところを吹き付け塗装の目安にします。
この時、エア圧が高くなると、シューシューシューシューシューシューという感じに、スプレーガンから出るエアの音が大きくなります。今までの塗装で、うまく塗れた時のエア圧の音を覚えておいて、そのエア圧で出るくらいの薄め液調整をすれば、いいミストが出てくるというわけです。
薄め液を入れながら粘性を見るのは、粘性が下がってくると、なかなかアタリが付かないので、むしろ、エア圧の風音調整をしたほうが確実にいいミストが出てくると思いました。ここらは経験ですので、何度もやるしかなさそうです。
1回塗り終了
グリップ塗装の1回目のベースコート(パナロック2液ウレタン)が終わりました。
肉厚に塗ってしまった部分は良い感じにツヤが出ているんですが、問題は、薄く塗っているほう。なんせ、足付けの時に、40番くらいのペーパーで削って、どうせ塗装で隠れるんだからいいやろうと思って、そのまま塗装したのが間違い。
40番から1000番くらいで地ならししてから塗ったほうが表面がきれいにいきますね。40番で足付けしただけだと、どうしてもカーボンパイプの表面がボコボコなため、その荒れがモロに出ます。
これは反省点その@です。
で、2度目の塗装を施すと・・・・
なんと塗料が出ない!プスプスと、塗料が出たり出なかったりです。なんじゃこりゃ!?
わけが分からずです。
で、とりあえずその原因を突き止めるべく色々探ってみると、おそらく、コレ。塗料が減った時のカップ内の減圧を逃がすためのエアホールが塗料がこびりついて詰まっています。そのため、塗料ミストが出なかった模様です。
そこで、ドリルで塗料を削り取って、エアホールを修正。これで、塗料ミストが飛ぶようになりました。しかし、まだまだ、本調子とはいきません。やっぱり塗料が出たり出なかったりします。定期的なメンテナンスが必要な模様です。
となると、スプレーガンのオーバーホールもやらないといけません。だけど、どうやってやるんだろう!?
で、その後、エア圧が低すぎということに気づきました。やはり経験が大事です。
2回塗り終了。
3日乾燥させました。
チェック
厚いところはツヤがあってキレイですが、
反対側は、塗料が薄いのと、サンディングがキツすぎたので、ザラザラです。下地を完全に隠すくらいの厚みが必要です。
で、バイクのアッパーカウル塗装で厚塗りを覚えたので、こちらでも早速やってみました。
ハイ。死亡。アレはプロタッチだからできる技で、パナロックでコレをやるのは、技術がいります。
完全硬化してから誤魔化しに入りますw
誤魔化しという名のペーパー+コンパウンド研磨
一応、全体的に色は付いたので、ペーパー+コンパウンドでタレ修正をしていきます。ビニールをはがすと、キッチリ色が乗っていました。塗膜は0.5mmくらい厚すぎるくらいです。普通ならここからクリアでトップコートと行きますが、今回は試験的にクリアーを塗りません。
これはペイントワークスの説明書ですが、1液のプロタッチはトップコートが必要なのですが、2液ウレタンのソリッドカラーの場合、ベースコートに2液を使う時点で塗膜が非常に強いので、トップコートはいらないのです。現在のブランク塗装では、ベースコートもトップコートも2液ウレタンを使っています。そのため、今回は実験的にクリアを塗らず、釣り用塗料としての性能が十分かどうかのテストにしたいのです。
まず、タレまくった塗膜の修正。
600番の耐水ペーパーで水研ぎします。
ごついタレ方の部分はペーパーでやっていると周りの塗膜が薄くなりすぎて、周りの塗膜がはげて下地が見えてしまうので、
デザインナイフでポコッと出たタレ部分をカット。
そして、600番ペーパーで水研ぎ。
しかし、ポコッと出たタレ跡はだいたいが、気泡が入りまくりで、削っても削っても気泡が出てくるので修正は不可能です・・・。気にせずいきます。
で、ペーパーによる水研ぎで平坦にしたら、磨きクロスで1000番→2000番→3000番という具合に磨いていきます。そして最終的には、プラスチッククリーナー(コンパウンド)で磨きまくりです。詳しくはエポキシコーティングの水研ぎフィニッシュを参照。
最終的には、このようにピカピカになりますwとりあえず、塗装はこれで終了♪
磨いてないところがこんな感じですから、この差は歴然です。
入らなくなったワインディングチェック
塗った関係で、塗膜が厚くなり、パイプ外径が20.4mmになってしもた。
おかげで、ワインディングチェックが入らん・・・。ワインディングチェックやらリールシートとか、外径が17を超えると途端に選択肢が狭くなります。これはバス用から完全に脱しているためであり、雷魚ビルディングでは、太いブランクスとかパイプのために、色々なところで制約がキツくかかってきます。普通なら、内径20.5のワインディングチェックを入れればいいところなんですが、ワインディングチェックは内径が20mmの次は22mmなんです。ところが、22mmをチョイスすると、22mmのワインディングチェックの外径は28mm。普通のコルク・EVAの外径は27.5mmですから、0.5mmほどコルク幅を超えてしまうのです。これを防ぐために、外径が33mmとか、34mmとかのコルクを選択する手がありますが、その素材は普通のモデルのおおかた3倍もの値段がします。そんなこんなで、外径21mmのワインディングチェックはなかなかないのです。(一応、HTWC−Zというモデルが内径21mmがあるっちゃあるけど、フォルムがダサすぎ)
で、ワインディングチェックの内径をヤスリでしこしこ削って広げることにしました。
と、毎度毎度、この手の内径拡張作業ですが、
大変な手間です。
電動工具でやればあっという間ですが、まず、アルミのワインディングチェックなんで、バイスに固定したら、エッジが欠けます。そして、手で持ってやると、負荷がかかったときに、ワインディングチェックが回ってしまい、削れない。そして、摩擦でむちゃくちゃ熱くなりますから、触れない。
結果手作業で少しずつ少しずつやる必要があり、これがカナリの手間です。
そこで、良い方法はないか、ビルディングコミュで質問してみると、リーマーもしくは超硬バーは?という回答が。
で、探してみたんですが、普通のリーマーなら、3000円くらいであります。ただし、それは17パイまで。ところが、このワインディングチェックは20パイ。20パイを超えるリーマーは、先端ビットで6000円。ハンドリーマーで、1万5千円。
これは手が出ません。そして超硬バーの場合、ワインディングチェックを固定する必要があり、皮手袋+電動ドリルで出来ないことはないですが、巻き込まれたら大事なので、やめました。
結局・・・・
地味に、少しずつ少しずつ手作業が一番手っ取り早く、安上がりだと思いました。
以前は、この作業は100均のダイヤモンドヤスリでやっていたんですが、これだと目が細かくて目詰まりして、スグに削れなくなるのでダメ。
そこで、鉄工用の大き目の丸ヤスリでやることに。
素手でワインディングチェックを持つと、スグに熱くなって持てなくなるので、皮手袋使用です。
ヤスリのパターンはこんな感じです。削っていくと、アルミの塊がポコポコと削れていくので、ダイヤモンドよりはよっぽど早く削れます。
とはいえ、1時間くらいはかかりますが・・・。なんとかココまで削って
入りましたwww
で、EVAを接着してトラブル。なんと、塗装がヘタクソで、無数の穴が開いており、EVAを入れると、EVAの黒い粉が全部穴に挟まってしまい、なにやっても取れん!
また水研ぎするしかないんですかね・・・。
で、
こりずに、水研ぎ。
が、研ぐと、また新しいプツプツが出現。
こりゃー、ダメじゃ〜!
このまま使います。
で、ついでなので、グリップ塗装にグリップの組み立ても追加で。
バランサー
雷魚ロッドの宿命の前のめりを直すためのバランサー。今まではバイク用のバーエンドを流用していたけども、アレを使うと、かっこ悪い+地味に高い(3000円)ので、水路の鉄人から鉄ボルトに変更しました。ホームセンターでロッド持って、いいバランサーを探しましたが、ガン7が重すぎで、六角ボルトはいっこもあいませんでした。で、唯一、M14寸のねじ山ボルトがフィット。ステンと鉄とあったけども、ステンは接着剤との相性が悪いので、鉄にしました。お値段400円。ちなみに、バイク用ヘビーウェイトバーエンドでもやってみましたが、ガン7が重すぎでバランスが出ませんでした。
こいつをグラインダーで切ってはフィッティング。切ってはフィッティングで、バランスを出しました。
で、8号PEを充填剤にして、瞬間接着剤ツリロンで固定します。
で、水路の鉄人みたいに、途中で入らなくなった時に30分型だと時間がなさすぎでどうにもならないので、こいつは失敗したらパァなので、60分型にしました。
こいつを混合して、ボルトに充填しながら、押し込んでいきます。
ものすごい重くなりました。重量。グリップのみで550g。死亡確定!
ここまできたら一気に組み上げます。
バットキャップをホライズンで物色した関係で、リアEVAが合わなくなりました。
だもんでEVAを切ってペーパーで平坦に処理して、フィッティング。OKです。
で、組み付け前に5分エポでEVAにメタルパーツをあらかじめ接着します。
で、30分エポで接着。
が、しかし、
なんと、
バットキャップが入っても入っても戻ってくる・・・。
なんと、バットキャップに穴が開いておらず、しかもキャップ内径がカーボンパイプ外径とツラッツラなため、おまけに、パイプ内部はバランサーで空気の逃げ道がないため、入ってもピストンのように押し戻されてしまうのです。
そこで、作業は中断。バットキャップだけ取り出してエポを拭き取り、リアEVAの接着を終えてから作業します。急いで穴をあけて空気の逃げ道を作って作業を一気にやってもいいんですが、この手の作業に焦りはキンモツ。出来るのが30分遅れたくらいで、魚はにげりゃぁせん。それを今までの経験で学びました。
まぁ、このキャップは最後の最後でもいいので、先にブランクの接着をしました。
内径16→17に広げた関係でブランク入り口はスカスカ。ここにエポを充填して二度と外れないように接着することにしました。FRPとして、カーボンやガラスクロスを混ぜ込んで積層したほうが同化していいんですが、隙間が狭いんで繊維が入り込みにくいかなと思って、エポのみでやることにしました。エポでトラブルが出たらFRPにして接着します。
で、ここは最も力がかかりそうなので、60分型にしました。30分よりは作業性が悪いですが、90分よりはよっぽどマシで、接着も強力というわけでこいつをチョイスです。
エポを塗りたくり、
突っ込む。
はみ出たエポは、キムワイプ+アルコールランプの燃料で拭き取ります。
で、エポ系の接着作業では大抵付きまとってくるんですが、完全に可使時間が終了しないと、エポが隙間からはみ出てきます。これは内部の気泡が上に上がってきている模様です。爪楊枝でとってもいいんですが、爪楊枝だと破裂しないので、ぐちゃぐちゃになるので、
ライターで熱した柄付き針(解剖用のやつ)を泡に当てると、自然な感じで消泡することが出来ます。
消した直後はこんな感じ。
消した直後は凹んでいます。ここに再びエポを入れて、泡が出てきたらまた針で刺す作業を繰り返します。泡はだいたい同じ位置から上がってくることが多いです。
で、1時間待ってもちょっと動きますが、そのまま寝て、6時間ほっておきました。
で、完全硬化。
若干エポが引けて隙間が出来ましたが、ガッチリ固定できているんでこれはこれでヨシ。いつものことながら、トラブルが出たら次の打つ手を考えます。
で、最後の最後にバットキャップの接着改めです。
ルーターで穴を開けて、空気の逃げ道を作りました。
エポ塗って、
今度はばっちり戻ってきませんw
エポをふき取って、
終了!
長かった・・・・。
初めてのリメイク&初めての自家塗装。研究とか試行錯誤とかで、結局、半年かかっていますが、こいつを完成させることで、また一つ成長したような気がします。次は竹やるど〜〜〜!
で、トップコートなしについての感想
2液ウレタンはトップコートはお好みでということでしたが、結局やってみたところ、トップコートしたほうがいいですね。
今回新しい試みとして、アンダーコートに白のウレタン塗料を塗って終わりにしました。塗りは4回?だったかな。本来、2液ウレタンは非常に強い塗膜なので、トップコートはしてもしなくてもいい塗料です。普通は必ずトップコートするんですが、実験的にトップコートをキャンセルするとどうなるのか確かめたくてチャレンジ。ツヤはそれなりに出ますが、コンパウンドをかけまくっても結局はクリアには及ばず。クリアしたほうがいいですね。また、クリアとは違って顔料が入っている分、希釈率のアタリをつけるのが難しく、肌荒れが深刻です。その肌荒れを直すためにペーパーがけすると、肌と肌の間の隙間がミクロのブツブツとなって出てきて、EVAなどの粉がそこに入ると二度と取れない。そのため、よーく見るとEVAの無数のホクロがあります(涙)。だもんで、結局は、トップコートをしたほうがいいということが分かりました。
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