インバーターでコンプレッサーは動くか?


私がしつこく言ってる言葉の中で、

素人ビルダーは「手間をへずるためにはいかなる投資もすべし」というのがありますが、

今回もそのネタ。

移動式ウレタン塗装の改良版です。

今現在は、家のコンプレッサで8キロ充填した25Lアルミサブタンクにエアを充填。

車に積んだ後、近所迷惑にならないところまで移動し、レギュレーターを接続。吹きつけ開始という感じで行っていました。

言ってみれば巨大なエアカンを使っての塗装方法でした。が、これには欠点があり、一回一回タンクを持って帰って充填してという繰り返しが待っています。一回の充填で吹き付けが出来るのは10分程度。で、エアがなくなったら、掃除すら出来なくなるという悲劇が待っていますのでカナリ余裕を持ったエア管理が必要となります。というわけで、8キロ充填で、有限の資源であるエアを3キロ×25L=75Lくらい使って、吹き終って、残り5キロ残ってら!と思っても、余裕を見たエア管理の必要性のおかげで、また家に持って8キロまで充填して、また車にサブタンク運んでという感じで、

兎に角。

めんどい!

だって、プラサフ吹いた後、また、塗装時にしょっちゅう「エア残り大丈夫かな?」とチラチラ圧力計を見ながら、掃除の心配をする始末。

はっきりいって、エアの心配をすることなく気持ち良い塗装がしたいのです。

となると、やはり必要なのはコンプレッサーを駆動しながらの塗装であります。

以前も述べましたが、近所迷惑を考え、移動式に限定し、車で近所迷惑にならないところまで移動しての塗装方法は絶対条件です。まぁ、家の横で吹くんでも、リールシートくらいなら何とかなるかもしれませんが、ブランクはアウトだと思います。

となると、車で使用できるコンプレッサーが必要になってきます。

これについては、DCコンプレッサというのがあり、いわゆる12V直流電源で駆動するモーターを使用したコンプレッサまたは、DC12V→AC100Vという具合に、直流12Vを家庭用の交流100Vに変換する装置「インバーター」を使って、家庭用電源のコンプレッサを駆動するという方法があります。これについては散々選定を行いましたのでその紹介。

まず、DC12Vモーターのコンプレッサを使った方法の模索です。

実はエアブラシで既にこれは経験済みでありまして、詳しくは、「100均コンプレッサでエアブラシ」を参照のほどなのですが、まとめると、大自工業製の激安タイヤの空気入れコンプレッサのホースをぶった切り、そこにタケノコカプラを接続。2分のウレタンホースからエアブラシを駆動するというものでした。しかし、ホースが破裂するわ、シガーソケットのヒューズが飛ぶわで、散々な結果に終わりました。

さて、他のコンプレッサはというと、私が探した限り、「大自工業のFT35Pミニコンプレッサ」「KTコーポレーションが販売しているノンブランドコンプレッサ」、が2大巨頭ではないでしょうか。

で、まずは、ノンブランドコンプレッサですが、8キロ充填の空気吐出量が116L/Mなのでスペック的には申し分なし!

車用のスプレーガンも使えます。ただし、重さが14kgもあって、ヘルニアの私には少々使い勝手が悪そうです。また、値段も2万くらいして、なかなか高いです。良いものだったらば出すことも考えるんですが、ノンブランドというのが心配のタネ。ちょっと躊躇してしまいます。

そして、大自工業のミニコンプレッサですが、スペック見たら、8キロ充填のサブタンク3.5Lで、空気吐出量が30L/mですわ!これだけあれば、スペック的には申し分なしです。しかし、ただし、見た目がオモチャみたいで、ホントオモチャみたいで、スグに壊れるんとちがう?と思ったりもします。なんせ、大自工業のコンプレッサは以前のエアブラシコンプレッサの流用で、散々な目にあっているので、3000円くらいだったらば、試しに買ってみるけども、8000円という値段設定が、「YES!I BUY IT!」と言わせない・・・・。
 
また、100均コンプレッサがそうだったんですが、音が兎に角けたたましい!実際にFT35Pの音を聞いたことがないのでなんともいえませんが、8キロ充填で6キロ再起動というのがミソで、

8キロでモーターが停止し、空圧用品を使い始めて、タンク内圧が6キロまで落ちたら、モーターが再起動なのですが、タンクが3.5Lしかないので、音がやかましかったら、そのまんまということです。これがスゴイストレスになることが予想され、なかなかです。また、連続運転時間が15分。15分使ったら、5分休んでの繰り返しです。

もういっちょの選択肢である、インバーターを使った家庭用コンプレッサーの利用ですが、これも問題がないわけはなく、まず、家庭用コンプレッサの大きさがカナリ制限されます。

まず、コンプレッサの構造からですが、「コンプレッサの構造調査」の項を参考にしていただけると分かりやすいのですが、電気でモーターを回し、モーターと連結されたコンロッドがピストンを動かし、ピストンの上の吸気バルブから入った空気を圧縮し、排気バルブから吐き出し、サブタンクに送るとこういう仕組みで空気を圧縮しているわけであります。

つまり、コンプレッサで動かすのは電気でモーターを動かしているとこういうことなんです。

ここで、突然話は変わりますが、自転車に乗っていると思ってください。自転車で一番しんどいときって、どんなときでしょうか。それはコキはじめです。

モーターも一緒で、動き始めが一番しんどいのです。つまり、モーターは、動き出す瞬間が一番電力を必要とするのです。これを突入電力と言い、定格出力よりも大きな電流を食うのです。そのため、例えばコンプレッサーが100V110Wの場合、使用するインバーターは110W以上のものを使わないと動かないのです。

で、問題はここから。ほんだら、いったいどれくらい大きなインバーターを使えばええんな?なんですわ。

で、この回答は、バラバラです。

1.47倍と説明しているメーカー。

3〜5倍と説明しているメーカー。

10倍としているメーカー。

各種バラバラです。ホント、ばらっばら。確認してみてください。ビックリです。

なので、使用すべきインバーターの能力が全く未知数なのです。

また同じような実験をしている人がいません。

過去に同じようなことがありました。そうです。デカールの人柱。今回もやったります。

インバーターとコンプレッサの人柱というわけで、

大自工業のインバーター(500W)を購入。毎度毎度、この手の投資は寿命が縮まる思いだわい。

これを使って

100V100Wのアドコンを起動しようと実験しました。

で、早速付属のケーブルをつけようと思ったら、まさかのトラブル。

ケーブルが届かないのよ〜〜〜。なんちゅう短さ。まさかエンジンの真上にインバーター置いて作業はできひんから、

ブースターケーブルを使うことにしました。

これだと5mあるのでらくらく届きますw

でもって、バッテリーに接続した後、インバーターに接続。

この際、バッテリーにつなぐ順番ですが、必ず+から接続しないといけないそうです。理由はなぜだか分かりません。水素爆発するからということですが、マイナスはバッテリーのマイナスではなく、ボディにつけたほうがいいということなのでしょうか。

でもって、これにアドコン接続。ドキドキのスイッチオンです!

ポチッっとな!


































嗚呼!!!




















































ピーピーなって全っ然うごかんちや〜!(゚д゚|||) 

コンプレッサーはというと、ブーンと言うばっかしで、これまた全然動かん。これがかの有名な、「突入電流を乗り越えられませんでした事件」じゃ〜!!!ネットで情報収集をしていた限り、ホームセンターで売ってるようなでかいコンプレッサーは無理って感じでしたが、たとい、100W程度の小型コンプレッサーでも無理ってことがよ〜〜〜〜〜〜にわっかりますた(涙)。これが・・・・・・人柱道ってもんよ。悲しいね〜。んが、あきらめの悪いワタシは、懲りずに、ディーラーにどうして500Wのインバーターで100Wのコンプレッサが動かんのか、もっと良い方法はあるのか?また、コンセントが2個あって、ヒューズが30Aのがついているけど、これって、ホンマに500Wなんか聞いてみました。

すると、ディーラーからナイスアドバイス。

接触不良による、電圧降下かも?とのこと。いわゆる、コンデンサーの接触不良。

インバーターの純正端子は、丸型。

ブースターケーブルの純正端子は、ハサミ。当然、ハサミのほうが接触面積が小さく、これが原因でバッテリーの電圧降下が起こる可能性があるみたいです。

というわけで、インバーター側には純正端子をセット。届かないので、エンジン内でやることにしました。当然、端子がボディに触れたら、一発でヒューズが飛びます。こーゆー、一歩間違えたらショートの状況でやるの、嫌なんですよね。






で。ドッキドキのスイッチ

ON!



























































うっひゃ〜〜〜〜!!!!やっぱりうごか〜〜〜ん!(゚д゚|||) 

やっぱりダメぷり〜!!!

嗚呼だめだめまん。

完全無欠の人柱状態じゃ〜




完全に失敗に終わった、このテスト。




原因は・・・・・


調べます。


交流の測り方
我が家に伝わる1000円のボロテスター。小型で、表示もわけがわからんスグレものです!

テスターの使い方。DCとAC。DCは直流電源でバッテリー用。ACは交流電源で、家のコンセント用。で、まずは、家のコンセントの測り方。AC250Vにツマミをあわせます。

んでもって、コンセントに端子を突っ込みます。

針は100Vを指します。


直流の測り方
ツマミをDC10Vにあわせます。

乾電池が直流ですから、乾電池に+−をくっつけます。

針は1.5Vを指します。

さて実戦。

まずは、バッテリーチェック。12.5V出ています。問題なし。

で、続いて、インバーター側の電圧チェック。これも12.5V。問題なし。

で、交流変換側。85V。通常100Vと思われがちだけど、説明書に85Vで問題なしと書かれているので問題なし。

で、インバーター側、バッテリー側に問題がないことが分かりました。

あとは、スイッチを入れた状態でどうなるかです。

これが、交流電源の様子。85Vまで上がって、ピーっという音と共に0Vになっています。


これが直流側です。12.5Vから10.5Vになるとピーという音と共に、また12.5Vになっています。

で、この警告音の原因ですが、説明書によると、警告音は10.5V以下になった時になり、9.5V以下になると出力カットと書かれています。

ということは、電圧降下が大きすぎるため、インバーター側が安全装置で回路を停止しているためと考えられます。

電圧降下というのは、何か電力を食うもののスイッチを入れた時に、電圧が低くなる現象で、例えば、車のセルモーターを回すときは、12.5Vあった直流電圧が、10.5Vくらいまで落ち込みます。エアコンのスイッチを入れたときも同様。バッテリーが古くなると、エンジンがかかりにくくなりますよね?あれも電圧降下で、古いバッテリーは電圧の落ち込みが大きくなるためです。ちなみに、電圧降下が8.5V以下になると、セルモーターが回らなくなるそうです。

ということは、

今回の失敗ですが、

@コンプレッサーのスイッチオン。
A電圧降下が起き、電圧が10.5Vになる。
Bインバーターからピーという警告音。
Cそのまま電圧はさらに降下し、9.5V以下になる。
Dインバーターが回路を停止
E交流電源が遮断され、コンプレッサーは動かない。

この繰り返しで、コンプレッサーが動かないと、こういうことでしょうね。

というわけで、完璧なる人柱の結果、100Wくらいの小型コンプレッサーも動かないので、

インバーターで、コンプレッサーは動かないと、こういう結果とあいなりましたです(涙)

直流モーターのコンプレッサーを使う以外、方法がありません!



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