Jraiden大改造
メイン中のメイン。思うに現存する雷魚ロッド中、最高峰のロッドだと信じて疑わないJraidenが、もうエポキシがガスガス。フットの所は割れまくり。これを機会に大改造しようという作戦です。メイン中のメインなので、しょっちゅう使うので、こだわりまくって、クソかっこよくしたろうと気合を入れております。
計画としては、まず塗装。ただし、赤メタリックの部分は残したいので、黒い部分だけケレンして赤い部分はマスキングして塗装。ウレタンプラサフ白下塗りの、チャンピオンシップホワイトをソリッド1コート塗装。忠実にタイプRに近づけたいため、クリアは塗らない。ガイドはトップがMNST8、KWSG8×3、LCSG10×3、LCSG12×2、LCSG16M×1の合計10個。もともと8個で気に入ったベンディングだったんで、本来なら同じガイドを同じ位置につけたほうが無難っちゃあ無難なんですが、リメイクで同じガイドセッティングはつまらん。見た目重視で10個。そして、KWガイドはLCよりも背が高いので、あまりいいセッティングじゃぁないんだども、このセッティングは誰もやってないだろうから試しにやってみようかなというところ。餅論、ダブルラッピング。下巻きは中央に黒メタ、そこから青メタAと赤Cを重ねて巻く。ガイドのラッピングはピンを金にした黒Cでやります。仕上げにバットガイドのスレッドにタイプRのデカールを貼り付けコーティングに入れます。
もう一度言いますが、ガイドはKWSGを使う予定です。ブランクを白にするから、暗い色のガイドのほうが映えると思うのです
詳しい人なら、「エ!?」と思うはず。
実はKWガイドは、Eカラーとチタンカラーしかないのです。
KWSGはガンスモーク。
そんなものあるの!?
あるんです。
マイガイドケース。こうやってまとめていたほうが仕事の効率がいいですし、何のガイドが何個足りないかスグにわかります。必要なものはスグに手に取れる状態にすること。これ大事です。
で、これが幻のKWSG。ガンスモークのKWSGです。実はガンスモークのKWSGは日本にはないですが、アメリカならあるんです。MUDHOLEで輸入しました。異例の5日で到着したので、国内発注とあまり変わりませんでした。一方、ガン7につけていたホログラムガイドは同じMUDHOLEで発注したんですが、あの時は2週間かかったので、どうなっているんでしょう???
2011年からのメッセージ
送料で5000円とられているからだよw
準備は整った。あとは作業。
まずはガイド外し。トップガイド、今になって気づいたんですが、MNSTって、フットの根元は溶接されてないんですね。スレッド固定させるみたい。むちゃくちゃエポキシが硬くてなかなかはずれなかったけど、なんとか外れました。サイズはCMNST8-3.2。ゴツイ。
で、アルコールランプ+カッターでガイドだけ外して、
ロックリムーバーをはけ塗り。百近の刷毛ですが、ちょっと大きかったなぁ。もういっちょ小さいサイズのほうが良かったですね。
ボロボロになったエポキシをものさしで剥いで、スレッドを分解。これ、特殊な巻き方ですね。ピンラインの巻き方、ロッドビルディングのパーフェクトガイド1のがいにややこしげな方法でやってますね。すご〜
で、ケレン。100番から水研ぎして、400→800→1000で終了。剥離剤をつけなかったら空研ぎのほうが効率がいいんですが、空研ぎだと、傷が深くなってしまう。水研ぎのほうが傷は浅いと思います。だから、剥離剤+細かめの水研ぎがベストじゃないでしょうか。あと気づいたんですが、赤メタの所は、マスキングテープの跡が残っていますねwメタリックパールのクリア塗装でしょうね!
ただ、ガスガス水研ぎしていたら、バットのコルクがガスガスになってしもた・・・(涙)まぁ、ジョニライのコルク自体、もうボロボロで修正の必要ありと思っていたところなので、ついでに修正します。
で、改めてコルクを修理。詳しくはコルクの修復を参照に。
で、塗装です。ケレンが終わったジョニーライデンですが、塗るのは、赤いメタリック塗装の上側のみですので、その他の部分はマスキングします。で、ジョニーライデンのバットエンドはバランサー用のヘビーウェイトバーエンドが入っているので穴が開いています。その穴の中に、適当なカーボンパイプをきったものをマスキングテープでかさ上げしてフィッティングします。
そして、水平な第二固定します。いわゆる、カニ走り塗装です。スクワットよりよっぽど塗膜に出てきたツヤを確認しやすくて良い方法です。
そしてプラサフ。今回は、ロックのミラクルプラサフHBを25ml+硬化剤5ml、パナロックシンナー7.5ml配合。30%稀釈です。よくよくロックの説明書を見てみると、普通、パナロックとかだったら、硬化剤+レジンの何%稀釈と書かれているんですが、プラサフの場合は、レジンの何%稀釈という具合に、表示方法が違っていました。今までは、硬化剤を足した合計の何%稀釈とかでやっていたので、微妙に違っていました。だもんで、今回はホント、説明書どおりに薄めの配合でやったりました。また、このミラクルプラサフHBは、稀釈率はスプレーパテでやる場合は、10〜20%稀釈。プラサフでやる場合は、20〜30%稀釈です。だけど、スプレーガンで吹く場合、30%稀釈にしないと、肌伸び性が悪すぎて、ゆず肌になりやすいので、薄めにしたほうがいいです。このミラクルプラサフはスプレーパテにもできるように開発されているため、顔料のパウダーが他のプラサフに比べてたくさん入っているみたいで、粉が多いと、ゆず肌食らった後に、上塗りして、
こういうピンホールが出やすいので、薄めにして肌荒れ予防の対策をしておいたほうが無難です。
ガン圧&ダブルアクションの調整。空き缶を使って、あらかじめブランクとの距離等を考えながら調整していきます。ただ、野外でやるため、風の影響を受けやすく、ガン圧は、少々高めで調節したほうがいいです。風が吹いたら、ピュ〜っと塗料ミストが吹き飛ばされてブランクにつかず、そこが塗り斑になります。
んで、塗装。線状に塗って、くるっと回して、ぬれてないところを線状に塗る。これを繰り返して塗り斑を確認しながらやります。でも、塗料が足らなくなってしまって、25mlほど足しました。プラサフやる時は、50ml+10ml+15mlくらいの配合にしたほうがいいですね。
で、塗り終わりました。悪くない出来ですw
で、このミラクルプラサフは、上塗り可能な乾燥時間が20度で3時間なんです。で、真冬の塗装で困るのが、気温の低さ。おそらく、この日の気温は10度ないくらいです。だもんで、乾燥時間が長くなりすぎます。というわけで、今回新たな作戦で、車のエンジンをかけっぱなしにして、エアコンを最高温にし、ガンガン回します。その中に指触乾燥を過ぎたブランクをおきっぱなしにします。そして、タイマーで120分。車内はエアコンのおかげで30度を越すくらいの暖かさになるので、プラサフの上塗りには十分な時間になるはずです。120分だったら、半日でプラサフ〜上塗りまで出来るので、実に効率がいい!とのことで、これでいきます。前回、シャドウライズの塗装でこの方法でいけたので、Jraidenもこの方法でいけるはず。
そんで、乾燥後。今回新しい作戦。スリーエムのスコッチブライト。いわゆるスポンジ研磨剤。こいつを中性洗剤を薄めた水につけて、
ブランクをしごく。これで、足付けと脱脂がいっぺんにできてしまう!
そして、自家調合したチャンピオンシップホワイトをスプレーガンにいれ、50%稀釈でガン圧調整。
塗った。多分、無事塗り斑とかないはず。白は難しいとかいうけれど、それは、黒のブランクに隠ぺい率の低い白をイキナリ塗るからであって、プラサフを吹いていれば、そんなに難しい塗装ではないと思います。プラサフ塗ったほうが塗膜性能も良いわけだし、プラサフは必須ですね。
で、硬化終了。強制乾燥させましたw手触り、ザラザラ(涙)。すばらしいユズ肌です(;´Д`)ァゥァゥ
思うんですが、
黒いのがブランクだと思ってください。カニ歩きしながら、線上に塗装していき、@が塗り終わります。回転させて、今度はAを上にして塗装します。すると、@はすでに硬化が始まっていますから、2つの線状塗膜が交差するところに、Aの粒状ミストが塗布され、それが粒状に固まってしまうわけです。その部分こそが、ユズ肌の犯人です!これを繰り返すと、交差する部分が増えていきますから、ブランクの表面はユズ肌に覆われるというわけ。
うーん。また失敗かいな・・・。
はっきりいって、腕以前の問題で、やり方に問題がある。
また、新しいやり方を考えよう。どうやったらうまくぬれるのか・・・・。筒状の塗装ってのはめんどいなぁ。
で、ユズ肌を処理すべく、水研ぎ。800番→1500番。
すると、写真じゃ全然分からないんですが、よーに見ると、
このようなピンホールが無数に点在しています。ユズ肌重ね塗りで研磨したもんやけん、ピンホールでたなこりゃ・・・・orz
さらに、
わかりますかね。矢印のところから左に数センチ、下地が出ています!ウレタンプラサフの白の上にチャンピオンシップホワイトを塗っています。同じ白系統だから、よーに見ないと分からないんですが、大失敗やぁ〜
そして極めつけは、コンパウンドかけたのにもかかわらず、
無数のスジ状の跡が走っているのが分かりますか?ペーパーかけた跡が消えん・・・・。
プラサフ塗ったら白は簡単!?冗談じゃない。前言撤回!
白は難しい・・・・。
塗り方、研磨は、ゼットブラックで塗装したシャドウライズと全く一緒。シャドウライズは、うまいこと塗れたと思った。だけど、実際は、アラだらけで、黒だからそれに気づかなかっただけというわけね。やっぱり、塗装はそう簡単にはいかない・・・orz
嗚呼オレのメインロッドが台無しに・・・・
というか、
まだまだ練習の必要あり。経験も全然足らない。出来なくて当たり前。色の道はそんなに生易しいものじゃない。
メイン中のメインのJraidenも、塗装する以上、このようなトラブルは覚悟しておかないといけなかったですね・・・。
だけど、また、分かりました。
まず、カニ歩き塗装は止めたほうがいいということ。理由はユズ肌になるから。そして、塗った跡のペーパー研磨もできるだけしないこと。研磨の跡が残る。そういえば、ウィードフリーカーも研磨の跡が残っていたなぁ。多分、黒とかの濃い色だったら、それに気づかないだけで、実際は研磨すると、気づくか気づかないか、わずかではあるけれど、全部出ているんでしょうね。ということは、塗装後の研磨はできることならしないほうが良い。塗装後の研磨は手間はかかるし、研ぎ跡がわずかにのこってしまうちゅうわけですね。
何にせよ、現在1月下旬。やり直ししてたら、シーズンに間に合わない。もう、このまま組みます。ブランクの下地までいっているわけじゃないし、プラサフもウレタンなもんやけん、強度はバッチリ。だもんで、使用には問題なし。ガン見は厳禁やけど、ぱっと見は、全然分かりませんwで、夏の間もシコシコロッドビルディングはするだろうから、塗装の腕を上げて、来年の冬に塗装をしなおすことにします。あと、Jraiden、グリップもボロボロだし、未熟すぎる腕の時に組んだもんやけん、接着剤の拭き取りが甘くて、エポキシボコボコ。チェックからはみだしまくっとるがな。というわけで、だから、グリップも作り直そうと思います。来年の冬のフルロッドビルディングに向けて、腕を磨かなければなりませんw
そんで、今度はガイド取り付け作業。まずはトップガイド。Jraidenの場合、グリップは既に組んでいるので、スプラインは確かめなくて良い。トリガーを上にして・・・・って、よーに見たら、Jraidenもスプラインがずれてますね。というか、リメイクしたロッド、全部スプラインが微妙にずれています。少々ずれていてもかまんのかねぇ。
で、トリガーを上にして、
ぱっとみ、怪しすぎる白濁液ですが、正体は5分エポです。変なものを想像しないようにw
そんで、ティップに差込、このトップガイドはMNSG8H−3.2です。
トリガーの真下にガイドの頭が来るようにセットし、
アルコールではみ出たエポを拭き取り、5分待つとトップガイドの接着完了w
あぁっ!?しまった・・・。足削るんわすれてら・・・
まっ、なんとかなるじゃろ。
ガイドセッティング
で、ガイドセッティングです。今まで、物差し使いながら適当に決めていたんですが、バットガイドとその一個上のガイドの間が、最後の最後に短すぎたりで、やり直しで、結構時間がかかるんですが、その対応策として、最初に計算してセッティングを出そうと思って、初挑戦。まず、ティップ〜バットガイドまでの長さをメジャーで測ります。長さ144cm。ここにトップガイドを除く10個のガイドを置きます。
で、試行錯誤を繰り返し、セッティングデータ完成!
5-6-7-10-12-14-18-22-24-26です。
で、実際にガイドを付けてみました。
こらあかん。1番ガイド近すぎ乙
計算ではイメージがわかん。やっぱ、実践でやったほうがやりよいわい。
結局物差し使ってセッティングのやり直し。
結局、85-85-85-100-120-145-165-200-220-260です。
MNST8−3.2
KW8×3
LC10×4
LC12×2
LC16M×1(逆付け)
なんと、11個も・・・。実は、LCガイドは背が低いガイドなので、ガイド間を広く取ると、フルベントしたときにラインがブランクに干渉するという可能性があるのです。そのため、同じ長さのブランクでも、LCガイドを使ったセッティングデータは、スピニングとベイトでは、ガイド間がベイトのほうが短くなっています(フジのガイドセッティングデータ&私のサイトのガイドセッティング方法を参照)。で、雷魚ロッドは、太硬すぎて、セッティング状態ではフルベントすることができないので、用心してガイドをたくさん付けてみたらこんな感じになってしまいました・・・。LCはごつくて、フット間が長いガイドですので、あまり付けすぎると、曲がる邪魔をして、硬いロッドになってしまいそうですが、そこはやってみないと分からないというわけで、やったります。また、ガイドは多いほうがかっこよく見えるということもありますしね!ココ重要wまた、讃岐の夢でもLC10個と、かなり多いガイドセッティングでしたが、曲がったし・・・。また、雷魚ロッドで11個もガイド付けているモデルがないので、これも実験的要素が強いのでやる価値はありますw
んで、ダブルラッピングにするので、下巻きのマーキング。ガイドの真下に黒マジックでマーキング。ここがピンラインの目印となりますwで、今風のガイドラッピングらしく、ラッピングは短めにしたいので、(短めのほうがモッコリコーティングがうまくいく上、エポキシコーティングが短くて済むので、補強の役割が削られ、曲がりやすくなる。)両サイドは短めに設定しています。
で、普通にラッピングしたわけでありますが、長距離スレッドを巻いていくと必ず現れるこのヨリ。この解き方の説明。
昔どこかで、フライを巻くためのボビンホルダーを使うとか書いていたけど、めんどくさいから、スレッドのボビンを宙吊りにするだけ。すると、ボビンがクルクルと回っていき、ヨリが解けます。
で、とりあえず巻き終わりましたが、バットガイドの下巻きがダメダメ。ピンラインの下側のラッピングが隙間だらけで、これがバニッシュナイフ入れても糸目のズレが消えません。
原因はコレ。純正の巻かれていたスレッドの跡がのこっており、これが段々になっているため、上巻きのスレッドがどうしてもズレるのです。やっぱり、ちゃんと下地を整えてないといかんな〜
結局最初からやり直しじゃーいあと、この塗装した時のウレタンの段差も消さないとここが隙間になります。
ペーパーで段差を完全に消します。
そして、順調に巻くことができ、
下巻き完成w
次はコーティング。
で、コーティング前に
スレッドの最終チェック。ところどころ、スジが入っているところがあるので、バニッシュナイフで整えます。これを怠ると、後々泣きを・・・・散々見てきたので・・・・。
これでOKw
コーティング準備。
ここから、今一度、エポキシコーティングの解説!絶対硬化不良は起こさせない!
まず、絶対失敗したくないコーティングをするときは、エポキシはケチったらいけまへん。4g+3g配合でやります。検量誤差を少なくするためです。ミキシングカップは、マルエムの10mlカップ。
このカップも、色々あります。5ml、10ml、20ml、30ml。7gだったら、10mlがベスト。カップは大きすぎると、樹脂が下のほうしかたまらないので、攪拌する時に遠心力でカップのヘチについたのが、そのまま残りやすい。また、攪拌した時に、上に持ち上げられた硬化剤が下に行かずに、そのままヘチに残りやすい。そのため、大きすぎるカップは絶対NG。また、小さすぎると、今度は攪拌する時に、こぼれやすいので、これまた配合誤差が出てきます。そのため、樹脂が半分よりもちょい上くらいになるようなカップが適しています。
そして、これが攪拌の様子。
攪拌方法の解説
時計回り→反時計回りを徹底的に繰り返します。しかし、これでは中心にある樹脂の攪拌が甘くなるので、縦にガシガシ混ぜて横にガシガシ混ぜるを繰り返す。その後、時計回り→反時計回りを繰り返す。ちなみに攪拌棒は百均の綿棒の綿を片方取ったヤツがベスト。長さもちょうどいいし、なにより、適度にフニャフニャと曲がってくれるので、ミキシングカップのヘチについた樹脂をこそぎ落としながら混ぜることが可能です。なぜ、カップのヘチについた樹脂をそんなに気にするのかというと、
それは、硬化剤の比重にあります。検量した時点では下にレジン、上には硬化剤があります。これは、レジンの比重がおおかた1.1、硬化剤が0.9(エポキシの硬化不良とその対策を参照)なので、硬化剤が上に来るのです。ということは、攪拌した時に、ヘチに付くのは、硬化剤。となると、後々フデでエポキシをすくう時に、ヘチに硬化剤が付いていて、これがフデに付着→硬化不良へとシフトしていくからです。そうなると、例えば、10個コーティングかまして、そのうち、数個が硬化不良なんていう失敗につながり、絶望へとまっさかさま。これに泣かされるのです。だから、カップのフチについた樹脂は下のレジンに触れるようにして、神経質なほどかき混ぜないといけません。爪楊枝ではヘチについた樹脂は取りにくいですから、絶対百均の綿棒の綿を片方取ったヤツを使うべしです。エポキシは、かき混ぜが甘いと、これまた硬化不良の原因になるのです。アッガイさんのお母様の名言、「雷魚釣りはカエルと雷魚の出会いなんですね!」ではないけれど、「エポキシ樹脂は、プレポリマーのエポキシ基と変性ポリアミンの活性水素との出会い」なのです。キチンと出会いの場を作ってやることが重要です。しっかり過ぎるほど混ぜること。コレ重要。私は何度も泣きました・・・。
そして、攪拌が一通り終われば、今度は、過熱に入ります。これも理由があります。一つは、温度。エポキシ樹脂は、硬化するのに条件があります。それが気温。5度以上でないと反応が進みません。反応が進まないと、比重の違いにより、硬化剤が上へ。レジンが下へ移動してしまいます。すると、上にある樹脂は、硬化剤が多いことになりますから、硬化不良の原因となります。完全に樹脂同士が結合しているのがベストの状態ですから、こういった、上下のレジン硬化剤配分の違いは致命的です。そのため、攪拌した時点で、ある程度反応を進める必要があり、それが加熱です。また、加熱をすることにより、樹脂には運動エネルギーがいきますから、熱振動が加速され、エポキシ基と活性水素の反応が促進します。そして、エポキシは、熱可塑性樹脂ですから、熱を加えることにより、粘性が下がる。粘性が下がると、すばやく攪拌することで、より良く混ざることが出来る。また、下から加熱することにより、対流という、下から上へ行く力も生まれる。
以上のような理由から、熱を加えているのです。
で、動画を見れば分かるんですが、加熱をした後に再び攪拌して、また過熱をした後に攪拌をしています。これは、自分がフデで塗りやすいくらいの粘性に持っていっているのです。
んで、もういっちょ留意点。ミキシングカップの上のフチに注目。樹脂を攪拌した関係で、フチにはエポキシ樹脂が付いています。そのため、指にもわずかにエポキシが付いているはずです。
指についたエポキシはアルコールで完璧に拭き取りましょう。
なぜかというと、後々フデでコーティングに入ります。その際、しばしば、ブランクを支えてコーティングします。そのとき、指に知らず知らずのうちに付いたエポキシが、ブランクに移ることになります。すると、ブランクに予想外のエポキシが付着し、汚くなります。だから、指についたエポキシは完璧に拭き取る必要があるのです。
んで、コーティングに適したフデの大きさを選びます。
フデの置き場に困るので、フデ置き場を用意します。
そして、エポキシコーティングの技術はまだ続きます。
コーティング前に、カップの中に筆を入れ、軽くかき混ぜた後に、筆で樹脂をすくい、筆に付きすぎたエポキシをこそぎ落としてコーティング。これはNG。
何がいけないと思いますか?
それは、フチを筆でなぞることです。前述の繰り返しになるのですが、比重が違う以上、硬化剤は、ヘチの上のほうに溜まっている可能性があるからです。アレだけかき混ぜても、実際、目に見えないことなので、留意するに超したことはありません。そのため、筆でヘチをなぞる行為は絶対に慎みましょう。
理想的なのは、コレ。カップの中心真下で軽く樹脂をかき混ぜた後、付きすぎたエポキシを、別のカップのヘチでなぞって樹脂を落とす。これ重要です。
これでコーティングに入ると、硬化不良には絶対なりません!
対エポキシ硬化不良のまとめ
エポキシの硬化不良を相手にするうえで、一番大事なことは、化学の力を使って立ち向かうということです。エポキシのやっかいなところは、攪拌〜コーティング終了時点では、硬化不良になるかどうかわからないということです。コリャ、硬化不良じゃ!と思うのは、完全硬化後なんですよね。泣くのは最後の最後なのです。しかも、目に見えない世界のことですから、もう化学の力を借りて対処するしかないんです。適当にやったって、硬化不良にはなりません。だけど、たまになることもある。この「たまに」をゼロに近づける努力。これはもう、できることは何でもするくらいの意気込みでやったりましょう。エポキシを使いこなすことは、それほどまでに厄介なのです。
んで、だいたい、4箇所くらい塗ったら、粘性が上がって塗りにくくなるので、即ゴミ箱。新しいエポキシを混ぜて、残った下巻きをコーティング。
んで、コーティング終了。結局エポキシは3回ほど作り変えました。
ほんで、ガイドの足削り完了。
で、ラッピングの様子見。今回はサザンクロスみたいに、ごちゃごちゃさせず、シンプルにいきますよ〜
青メタに黒C。うーん。地味じゃね。ピンラインが響かん。
水色メタに黒C。うーん。これもイマイチ。
冒険してみようか。緑ピンに青C。これは、ソルトみたい・・・。
緑ピンラインと黒C。結局、これが一番良い感じwガン7のリメイクもそうだったけど、白に黄緑メタって、結構イケますよ!
だけんど、この、バットガイドのピンラインの残りが取れん。これ、どうやって取るんじゃろ。スレッドのメタリックの色素がスレッドの後のクボミに蒸着したような感じ。
で、ここでフィッシングショーでフジのビルダーに教えてもらった必殺技。足に乗っかる時にスレッドのテンションを下げる。こうすることでフットの下にスレッドが入りにくく、うまいこと乗る。そして、ここからテンションは緩めで巻く。
緩めで巻く理由。フットの真下のエポキシが入りにくいエリア。赤丸の部分ね。昔はここの隙間に筆でエポキシを押し込んでいましたが、
アレをやると、
じわじわと気泡が出てきたりだとか、
押し込んだ関係でどうしても黒丸の部分にエポキシが暴れやすい。だきん、やらんほうがええ。
じゃぁ、どうやるかというと、青丸の部分にやや多めにエポキシを塗り、アルコールランプで炙る。すると、粘性の下がったエポキシは、スレッドの間からフットに向かって染みこみ、落ちていく。結果、フットの下にキレイに充填される。ところが、注意点が一つあり、スレッドを密巻きに、テンションを高めに巻いた場合、スレッドの隙間がキツキツすぎて、エポキシが下にしみこんでいけない。だきん、青丸の部分のスレッドは、なるべく緩めに巻くこと。
これがフジビルダーの社員の意見です。まさにその通り、いわれるままにやってみますた。
そして、ここからがワタシの改善策。抜き糸を切らない。なぜか!?最後の最後、コーティング前のバニッシュナイフの工程で、スレッドが緩むことが多々あります。一発緩むと、もう巻きなおす以外に方法がない。ところが、抜き糸を切らないでおくと、最後のバニッシュ工程で、緩んだスレッドにテンションをかけることが出来る。だから便利です。抜き糸は、コーティング直前に切るのです。
それにしても、ガンスモークのKWガイドが泣かせますw
こうして、全部巻き終わりましたw市販雷魚ロッドではガイドが11個も付いたモノはないので、オリジナルならでわですwんで、LC基本のティップがKWというのも、市販ロッドではない。そして、バットガイドLC16Mも市販ではない。(確かサンダーシャフトは、LC16か、LC12Mだったと思うので)色々オリジナルならでわなので、どんな感じになるか楽しみですw
んでもって、コーティング直前のスレッドのバニッシュ作業&抜き糸切りで準備完了。
コーティングに入りました。
それにしても、
90分もかかりましたよ!!!
さすがにダブルフットガイド11個はきつい。
3つずつやって、エポキシは4回作り変え。
確かに、フジのビルダーのいうとおり、スレッドを緩めに巻いて、執拗に炙ったら、勝手にフットの下にはいってくれるわぁ。でも、LCガイドはむっちゃ時間がかかる。フットがごついから、エポキシがなかなか充填せん。オマケに、コーティングでエア抜きできたと思っても、時間が経つと、奥から気泡がでてきよる!
だもんで、何回もチェックしないと、
こねーになってまう。水路の鉄人で出たこのトラブル、LCにつき物じゃわ。要注意。コーティングして30分くらいした時に、再チェックをしたほうがええね。
で、翌日チェックしてみると、まさかの、ドライモーターからチャックが落ち取るトラブルが!!!ネジが緩んでいて、落ちたみたい。これ、注意せんといけんなぁ。
コーティングどうなった!?
と思ったら、
薄塗りしていたので、タレてなかった。九死に一生を得ましたwww
そんで、タミヤヤスリで抜き糸の出っ張りを削り、
2回目のコーティング。
ティップは、勝手に厚塗りになるけれど、
バット側の広いフットのコーティングがむずい。
というのも、
こんな感じで、筆を置いたところがどうしてもハケ目が出て凹んでしまうから。
そのため、長いスレッドをモッコリコーティングにしようと思うと、兎に角ボテボテに置いていって、
アルコールランプで炙りまくる。
すると、粘性が低くなったエポキシは均一なタル上になり、中央からタレてきます。
そのタレかけのエポキシを筆で平坦にする。すると、キレイなたる型のエポキシが出来上がりますw
だけど、今回はうまいこといったほうだと思いますw
それと今回気づいたんですが、KWガイドのフットがきれいなコーティングが出来にくいという点です。シャドウライズで使ったKWも同じ。
問題のKWはここの赤い丸の部分。フットの境目からフレームにかけてぐっと狭まっているデザイン。これのおかげで、スレッドの抜き糸地点が暴れる。
おかげさまで、こんな感じで、フットの終了地点のスレッドの隙間が出来やすい。
そして、赤丸の部分から急に上に向かってフレームが伸びているので、フットの終了地点が上がりすぎて、不自然なモッコリとなってしまう。
さらに、写真見たら分かりますが、KWのフットは上側と下側では、フットの長さが、上が短すぎるんですよね。となると、スレッドが長いほど、エポキシコーティングは平たく、短いほどコーティングは球体に近づくわけですから、
3回塗りで仕上げた場合、下側のコーティングはちょうど良い感じでも、上側のコーティングは球体すぎ。そのため、スレッドの長さを上側を長めに、というか、下側と同じ長さくらいにしとかないとコーティングがおかしくなるというわけ。もしくは、上側を2回塗り、下側を3回塗りで仕上げるとか、コーティングの感じを調整しないといけませんね〜。
これもやっぱり、上側のスレッドがおかしな感じになっとる。
LCガイドも、上側のフットのほうが短いから、KWと同じようなコーティングのクセがあるはずなんだけど、そうでもない。上側のフットがKWみたいに、急に上に持ち上がってないからかなぁ。なんにせよ、KWのコーティングは考えないといけません。
そんでもって硬化したわけですが、今回、2回塗りで良い感じの仕上がりになってしもたw
しかし、2回塗りだと、抜き糸の処理がまだ甘いのよねぇ。ところどころポコポコ出た糸の凸が気になる。
抜き糸、今回はデザインナイフで極力出ないように処理したつもりだったけど、やっぱり、コーティング後のヤスリ掛けで抜き糸の処理をせんといけんね。
コーティングの厚みは、2回塗り終了時点の今がベスト。しかし、抜き糸の処理は甘い。コーティングが厚過ぎたかなぁ。
どうしようか。
ロッドビルディングは蛇足で一気に出来栄えが悪くなるから、引き際か、もういっちょいっとくか、微妙な感じですが、
A型の性格が、兎に角抜き糸の出っ張りを気にするので、
3回目のコーティングを行うことにしました。なるべく薄塗りで行こうねとは思うけど、バット付近のスレッドはボテボテに塗らないと良い感じのタルになってくれないから、かなり蛇足的に感じますが、とりあえずやってみょ。
んで、一晩待ってコーティングオワリ。
さてと、
立てかけて乾燥させるか。
嗚呼!!!
生乾きのコーティングに指が当たってしもたっ!
さ、最悪。指紋がついたがな〜(涙)
しょうがないので完全硬化してから修正。1000番ペーパーで水研ぎ。
あとはコンパウンドつけてしごくだけ。
修正完了wだいたい20分くらい。
んで、
ついに、
オイのメインロッドが、
完成!!!
さて、感想いこうかw
トップガイド。まずまず。だけど、ちょっと盛りすぎかなぁ。
KWガイド。やっぱり、上側がすこしいびつな形。前も紹介したけど、上側のスレッドを下のスレッドと同じくらいにしたほうが、上下同じような盛り方になって、見栄えが良い。次回の課題やね。
続いてLC。これはまずまずだけど、
中には、上側がタル型になりすぎていて、見栄えがおかしいところもある。これもKW同様、下のスレッドと同じくらいの長さにしたほうがいいねぇ。
んで、これも盛りすぎ。2回目のコーティングが厚過ぎたわね。
バットガイド。これも、下側のスレッドをもう少し長くしたほうが見栄えが良かったのと、エポキシ盛りすぎ。
総括
このJraidenは色々な意味で、新型です。
まず、雷魚ロッドでガイドを11個もつけているやつがない。また、ティップだけKWを使っているモデルがない。それと、バットガイドにLC16Mを使ったやつがない。そして、後々紹介しますが、このガイド、SICじゃぁありません。アルコナイトセラミックガイドです。これは、国内にないガイドリングです。色々な意味で、今までの雷魚ロッドにないものを追求したロッドです。だきん、実験的なデータが取れればと思います。それと、
塗装がヘタクソすぎ。樹脂が盛りすぎ。どげん考えても、2回目のコーティングが厚すぎた。あまりに出来栄えがアヒャヒャなので、引き続き、様子を見ながら、また作り変えていこうと思います。あと、グリップが未熟な時の作品なので、ヘタクソすぎ。メインロッドに恥じないような出来栄えのロッドにしたいので、また何本も作って腕を磨いてからのリメイクやなぁ。
ま、とりあえず使ってみるばい!
2012/2/28から
違います!アルコナイトじゃありません!
SICでしたっ!
黒いフレームのKWSGはなくて、こいつはアルコナイトとおもっていたんですが、マッドホールのガイドのところを見たら、同じ黒いガンスモークフレームでもKWSGとKWAGとあるんです。KWAGがアルコナイトガイド。で、自分の過去の伝票を見てみると、KWSGとなっております。というわけで、アルコナイトガイドではなく、普通に、SICガイドでした〜。
でも、調べてみると、アルコナイトガイドって、アメリカのPEモデルでも普通に採用されているみたいで、SIC搭載しているのは、ほんの一部のハイエンドモデルみたい。セントクロイとかでもアルコナイトですし。ハードガイドとはいえ、プラスチックではなく、セラミックガイド。SICとほぼ同等の強度を誇るわけで、セラミックにつき、サビないし、普通に使う分にはこれで十分な気がします。
が、日本にはないのよね〜
ちなみに、
左がアルコナイトガイド、右がSIC。アルコナイトは、日本にないブラックカラーがあります。品番はBKKWAGです。かっちょいいよね。今度、オールアルコナイトで組んでみようかしら。
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