カーボンパイプ内径拡張作業

カーボンロービング積層によるパイプ補強


ガン7のリメイクの一番の難点。合うパイプがない・・・・。ブランク外径が17mmですが、そのパイプがないです。

外径16mmまでなら、タックルオフのパイプが合うんですが、それ以上のパイプが存在しません。既製品のFRPパイプとかを見てみても、内径17mmがありません。

内径18mmを探せば、ないこともないんですが、肉厚が0.5mmとかです。雷魚の場合、カバー綱引きでものすごい負荷がかかるので、肉厚が1.5mmは必要かと思います。ちなみにバスロッド用カーボンパイプが、肉厚1mm(ジャストエースパイプ。)です。

ということは、もう特注で作るか、自作で作るかです。

で、そんなときに、古い船を動かす新しい水夫さんが一つの写真を見せてくれました。

こっ、これは!?

大久保さんプロデュースのスミスロッドのブランクをサイズが合わなくて入らなかったタックルオフパイプにぶちこんどる!

聞いてみると、鉛筆の先にペーパーつけて、30分くらいしごいたら、入ったそうなwww

ということは、

今まで出来ないと思っていた内径拡張作業が出来るちゅうことです。

タックルオフパイプのサイズは、16・20・700です。

こいつの内径を16mm→17mmに拡張したら、OKというわけです。

削る量は、肉厚0.5mm。それだけ削っても、残りの肉厚は、1.5mmあるので、雷魚ロッドでもいけそうです。

また、ブランク側も、パイプ引っこ抜くときについた傷を滑らかにするために、どうせペーパーがけするつもりでした。

ということは、ブランクを0.1mmくらい追い込んで、カーボンパイプを0.4mm拡張したら、すり合わせも出来て、ジャストフィットという作戦です。

なんだか出来そうな気がしてきましたw

早速、タックルオフでカーボンパイプを買ってきました。ここのタックスネットの肉厚パイプは誤差がひどいので、逆に、「ノギスで実測して、最も内径が大きい固体をプリーズ。」といって、送ってもらいました。内径16.2mmです。ということは、0.4mm拡張でいけます。

いわずと知れた粗悪パイプ。粗悪さに関しては、JRaidenのグリップ製作を参照に。店側もワタシの意見で精度の粗さに気づいたらしく、指摘以降、ネット販売から姿を消し、店頭でお客様にご理解させた上で販売するらしいです。かなり左に偏ってますね。しかし、今回はむしろ好都合。右側を広げればいいんです。

あと、0.4mm。すぐに削れそうな気がします。

で、なるべくテーパーをかけたくないので、リーマーはやめて、うどんのストレート麺棒に、マスキングテープでペーパーを固定。これで、削っていくことにしました。ちなみにつけているペーパーは60番の結構荒いヤツです。

そんで、こんな感じで、ひたすら拡張していくわけです。

あとから気づいたんですが、削る側をマスキングテープか何かで印をつけて置いたほうが良いです。パイプは両端は同じ形をしているので、どっちを削っていたんだっけ?となります。

で、ブランク側も削っていきます。こちらは、150番のペーパーでやりました。あまり削りすぎると、耐久性が心配なので、ブランク側はあんまし削らないほうが無難です。

で、2日経ちました。

まず、このマスキングテープが良く外れます。で、外れると、奥に行くので、取れなくなります。長い棒で押し込んで反対側から取るのですが、こんなことが度々あるので、めんどくさくてしょうがないです。そして、目詰まりするペーパー。そのたびにマスキングテープ巻きなおして固定する作業の繰り返し。これは・・・・Jraidenのグリップ製作ときにやった地獄のペーパーがけと全く一緒です。あのときの暗い思い出がよみがえります。

仕事が終わってからの作業なので、暗いし、疲れるので、

もうやっとれん!

というわけで、工具を買いました。テーパーがない、筒状のペーパー引っ掛け工具です。これだと外れないので、作業ははかどりそうです。

こんな感じでペーパーを固定します。ペーパーが厚過ぎてきっちりと固定できてないですが、先っちょでは固定できているので、抜けの心配はなさそうです。

そんでまぁ、これもひたすら続けたわけです。



が、



これも結構ツライものがあります。

また、真っ直ぐの筒状に削れるか!?と思いきや、大きな間違い・・・。

人間の手は引くときのほうが力が入るので、

極端な話、こんな感じに削れます。上下にしごくのではなく、クルクル回しながらやってもやはり、同じです。というか、クルクル回しながら削るのは、全然削れないので、ぶっ続けで1週間くらいかかりそうです。また、はめしろが深い(8.5cm)ので、このヤスリは短いので、限界があります。

気をつけながらやっても、こんな感じ。手前が削れ過ぎて、ぐらつきます。そんでもって、やはり手作業コツコツの誤差がバンバンでて、内部がいびつです。そのため、手前はぐらつくくらい削れているのに、奥がいびつになっていて入りません。サッパリです。

まだ、こんだけしか入ってないんですけどね・・・・。3日がかりで・・・・。

だもんで、もうこのやり方もあかん。と思ったので・・・・

ついに電動工具出動!毎度おなじみ、マタギリーマーをドリルの先に付けたものです。マタギリーマーはテーパーがほとんどかかっていないので、一般リーマーに比べると、筒状に近い穴広げ加工ができそうですw

で、手前はあまり削らず、奥のほうを削るようにしました。だもんで、普通のリーマーみたいに奥まで穴に突っ込むのではなく、リーマーの細い部分を突っ込んで、手前のパイプにはかからないような感じで削りました。押し付けるような削り方は、手前がガンガン削れるのでNGです。

さすが電動工具!早い早い。今までの苦労がウソのようwwwまた、リーマーが太いため、手作業よりもキレイな内径拡張が出来ています。

で、どこまで入れたらいいんな?

と思い始めてきたので、

ケンクラのウィードフリーカーのはめしろを測ってみました。突っ込む長さは8.5cmです。

そこで、ガンガンも8.5cm差し込めるように削りました。

これで終わったwww

しかし、

内径・外径を見てみると、ぅぅぅぅ!ずいぶん削りすぎています・・・・。

一番手前の内径17.7mm、外径20mm。17.2mmくらいに抑えようと思ったけど、ダメだった・・・・。

肉厚が1.15mmしかありません。

ビフォーアフターを見るとひどいなコリャ・・・・。

雷魚パイプは、肉厚が1.5mmは欲しいところです。

だったら、


補強をしてしまおう!


と考えました。

外径を大方22mmにしてやれば、肉厚は1.5mm以上になります。また、すると、22mmのワインディングチェックが付けれるので、見栄えも良い。

ヨッシャ!やったります!

で、カーボンパイプの外径の補強ですが、結局、カーボンパイプはカーボン繊維を骨材にしたエポキシ積層樹脂なので、カーボン繊維が必要です。積層といえば、一般的には、ガラス繊維ですが、ガラス繊維よりもカーボンのほうが、曲がりやすく、強度が強く、軽いので、こっちを使ったほうがいいです。値段ですが、ガラスクロスの2倍くらい。だけど、部分的に補強するので、量は必要ないし、安く上がりそうです。
詳しくは、「自作FRPパイプ」に書いています。

まずは材料調達。積層用の骨材といえば、ガラスクロスとかカーボンクロスとかの、クロスが一般的ですが、調べ上げると、なんとロービングなるものがありました。つまり、カーボンを束ねた糸です。これを使えば、クロスみたいな編みこみ素材で悩みの種のバラケが回避できるので、便利極まりないです!

http://www.sano-factory.jp/SHOP/125750/125754/list.html

で、値段も1000円を切るくらいなので、いいですw

早速調達してきました。
これがカーボンロービングです。

差込口の辺りを補強すればいいので、マスキングテープでおおかたの目印を付けておきます。

で、スレッドと同じように、始めに糸を内側に編みこませて、巻きつけていきます。

すると、なんと解けてしまったので

瞬間接着剤で固定します。パイプにタコ糸を固定するような感じです。

どんどん巻いていって、一番上まで来ました。一番上が一番薄いので、3重に巻いて、特に強く補強しておきます。
そのままらせん状に戻してきて

糸の終わりのところを瞬間接着剤で固定します。で、余ったところをニッパーで切って終了。

インプレ
この、カーボンロービングですが、総巻きみたいにしたほうが密に均一に巻けると思っていました。だから、細めの6Kを選択しました。しかし、カーボンロービングはちょっとテンションをかけると、ニューーーーっと伸びるようなゴムのような感じなので、結構隙間が出来ます。そのため、12Kみたいな、太いロービングのほうが作業がやりやすかったなぁと思います。次やるときは、12Kの太いタイプで挑戦しようと思います。また、バラけですが、完全に回避というのは出来なかったです。巻いているうちにところどころ千切れているロービング繊維がピンピンと出ている感じです。でも、クロスみたいに、曲げたら編みこみが緩んで一気に解けるようなトラブルは皆無だったので、パイプ補強にはどう考えてもカーボンロービングのほうが適していると思います。

で、あとは、エポキシ積層です。

ジャストエースのエポキシを使い、10:9配合の、4g:3gでやりました。

こんな感じにドライモーターにセットして、回しながら均一に積層します。

で、固まりましたwバッチリ補強できていますw

で、トップのワインディングチェックに入れる予定の内径22のパーツを入れてみると、スカスカだったので、も一回積層することにしました。

前回と同じように、カーボンロービングを激安瞬間接着剤ツリロンで固定します。

で、巻き終わりました。

で、ジャストエースエポで積層して終了。

パイプ外径は22.4mmに拡張w

ワインディングチェックが22なので、0.2mmほどペーパーで追い込んでフィッティングします。

なんにせよ、やっとのことでガンガン77のパイプを用意できました♪ここまで来るのにFRPやら何やらでむっちゃ苦労したけど、完成したパイプを見たら感無量!だからビルディングは止められない(^^)


その後
ワインディングチェックのフィッティングで外径を削りました。その削り跡がこれです。こりゃ、カーボンパイプ削ったときと変わらない削り跡です!ホンマにカーボンパイプがそのまま分厚くなったみたい!積層ってのは、スゴイです!


実釣インプレ
これね!いいです!まったく問題なし!

雷魚でも、

ハマッチでも全く問題なしwww


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