コーティングイボの修正


ガイドコーティングで結構頭を悩ませるのがイボ。抜き糸のところのカットが甘くて、こんなイボが出来てしまうんですよね。

これは既製品でも良く見られて、例えばオオノのマッシブでも、ココにイボが2コあります。

UVコーティングの場合、1回塗りしたあと、数秒照射して、2回塗りに入りますから、1回塗り後に完全硬化を待っていたら作業時間が倍かかるので、やっていません。

このイボですけど、一回目のコーティングの時にイボになる気配はするんですけど、2回塗りで接着剤を盛った時にイボが消えてくれるか、残るか、どっちに転ぶか分からないのが厄介なんです。

2回塗りのコーティングでイボが消えてくれることもあれば、残ることもあるんですよね。

最悪なのは仕上げのコーティングで残った時。完全硬化させてイボをカットし、

さらにもう一回、仕上げのコーティングをすると厚すぎてボテボテに。そりゃ、仕上げを想定してコーティングしてますから、それ以上のコーティングは仕上がりを悪くします。

そこで、完全硬化でイボが残ったとして、それを後から処理して誤魔化せないのか?という点に注目して試行錯誤してみようと思います。

では逝きます。

まずは適当な練習用ブランクを用意。

ここにイボがあります。

このイボをデザインナイフでカット。

カットすると、その部分は白くなります。この白化した接着剤を透明ピカピカに仕上げれば誤魔化しが可能ではないかというわけです。

そして、コンパウンドとして、ピカールを用意しました。

さらに、プロクソンにセットするバフピットも用意。

バフにピカールを付けて、

カットした部分を研磨・・・・・しようと思ったんですが、ルーターの回転でピカールが吹き飛んでしまいました(汗)

ピカールを付けるのは樹脂側です(汗)

もう一度やって見ました。回転しているため、どうしてもピカールが飛び散ってしまいますが、我慢し、またバフがボロくて、毛がよっけ飛びますがこれも我慢。

ものの10秒程度ルーターで研磨した結果、白化した樹脂はピカピカとまでは行きませんが、透明になりました。

しかし、ナイフでカットした面が丸分かりの状態で残ってしまい、見栄えが悪いです。このメソッドはダメ。

しかし、研磨の方向性は間違っていないと思います。

続いて、別のメソッドとして、イボの処理をナイフではなく、砥石でやってしまおうと思い、ゴム砥石ピットに変更し、ルーターでイボを削り込んで、ピカール研磨でやってみようと思いました。

丸い研削ピットを使い、イボを削りこんでいきました。

すると、こんな感じになりました。

その後、バフがけしてみて、

結果がコレ。全然修復できていません。

というか、削ったらその部分のハジがササクレみたいになり、ツルツル面との違いが大きすぎて、どんなフォローをしてもツルツルに仕上げられず、その部分だけ違和感が出てしまいます。

ルーター処理に比べるとナイフでカットのほうが透明度が高く、誤魔化し効果はありますが、結局はカットした部分はそのハジがスパッと切れているので、カットしたところだけ違和感が残ります。

以上の結果より、イボの修正みたいな、局所的な研削のフォローはできないと考えたほうが良さそうです。イボを完全修復しようと思ったら、追加のコーティングが必要だと考えられます。

その後、実戦で、スレッドの毛羽立ちが出て、コレに対して、ルーター研磨でイボを削り、追加コーティングで出来栄えをチェックしてみました。

これが問題の毛羽立ちコーティングです。

完全硬化させ、ルーター研磨。

平滑化した結果、こうなりました。毛羽立ちがあるということは、スレッドが飛び出ているからで、ルーター研磨により、スレッドまで削れてしまい、スレッドのササクレのようなものが出ました。

その後、追加でコーティングした結果、ルーターでフォローした場所は白化によって見栄えが悪くなっています。

結論から言うと失敗。どうも、ルーターはナイフに比べると、研削による樹脂もしくはスレッドの毛羽立ちササクレが大きすぎて追加コーティングで白化が残ると思われます。

補修する際にワザワザ電源取らなきゃいけないのも手間ですし、イボの修復補修のメソッドとしては、

1回塗りの時点で完全硬化させ、イボをナイフでカットし、追加コーティングで仕上げること。

これがベストだと思います。

そこで、テストしてみました。

適当にラッピングして、UVコーティングでイボを残した状態で完全硬化。

イボはこんな感じに残っています。

ここで、デザインナイフでカット。

すると、カットした部分は白化してしまいました。

続いてコーティングさせ、塩梅を見てみると、

カタチは悪くないんだけど、

カットした部分の白化が残ったまま。やっぱり、少しでもスレッド本体を切ると、その部分が白化したままになります。

こんな感じなんで、キーポイントは「なるべくスレッドを切らない」ことでしょうか。ということは、あらかじめ肉厚にコーティングして、樹脂部が多い状態でイボを切ることです。凸を切る際に、樹脂部ばかりだと、スレッドを切る必要がないため、イボの処理をしつつ、スレッドも切る必要がなくなります。

図解すると、こんな感じ。つまり、切るのは接着剤のみで、スレッドはそのまま!

そして実戦。

まずは、イボを残した状態で、コーティング。

こんな感じです。

続いて、イボの処理をするべく、イボの部分だけメタボ腹になるようにコーティング。ここで完全硬化させます。

結果がコレ。

そして、デブった腹の部分のイボをナイフでカット。スレッドはほとんど切れていません。切ったのは接着剤の腹がメインです。

その後コーティング&完全硬化。

結果がコレ。やっぱ、メタボの余韻が少し残っていて、イビツなコーティング形状になっていますが、

イボの処理はカンペキ。白化も起こっていません。

メタボ腹を少し細くしたらもっと出来栄えが良くなるかもしれません。

以上、コーティング後のイボの処理メソッドとしては、イボの部分だけチクワ状にコーティングし、なるべくスレッドを切らないで凸をナイフで処理。その後再コーティングといったところでしょうか。

でも最も出来栄えが良いのは、抜き糸が出てない状態でのコーティングですよ〜!



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