グリップの固着外し
リメイクの天敵、固着グリップ。雷魚ロッドみたいに、クソ突っ込むゴクブトブランクで起こりがちなんですが、
ブランクが抜けなくなるわけです。
そーなるとリメイクの時大変。ブランクスルー方式で組むことになり、グリップを組み終わらないと、ガイドセットが出来ず、さらにラッピングはグリップをつけた状態でやるので、しかも雷魚ロッドだから重くて、支える手がプルプルします。ドライモーターでの作業も長くなるため、手間がかかるし、兎に角、なんとしても抜かなきゃいけません。
結構同じような症状で困っている人が多く、同じような相談を釣具屋にしたり、ヤフー知恵袋で見かけますが、案外突っ込んだ説明というものがなく、この機会に紹介したいと思います。
固着グリップと対決するにあたって、まず用意するのが、ネオプレンの手袋です。
ガチガチに固まったブランクは、素手で引っこ抜こうと思ったって、まず動かず、指がすべるだけ。タコが出来るわ、血豆が出来るわ、ひどい目にあいますから、滑らない手袋、ネオプレン手袋必須です。ホムセンで300円くらいで売ってます。
で、続いて必須事項。
2人でやること。経験者は語る・・・・
1人じゃ絶対無理!
やり方は、一人がブランク根元を両手で持つ。
もう一人がグリップの先を持つ。
そして、
「各々が反対方向へまわす」
んです。
ブランクは「擦り合わせ」のところで説明しましたが、手作業で、パイプに入るように削っています。
そのため、ブランクは真円であるわけはなく、イビツな楕円になっております。
ということは、キツイ部分と緩い部分があるわけで、
固着しているというのは、キツイ部分が動かなくなっている状態といえます。
そんなわけで、そのきつい部分を緩い部分へずらすことで、固着を解くわけです。
つまり、擦り合わせ時点では、このようになっているパイプ&グリップですが、
やり方としては、グリップ側を右に回し、同時にブランクを左に回す。
1,2,3、ダァー!って感じで、二人が違う方向へ回すわけです。
その瞬間、
「パキッ!」
という音がします。
その瞬間、こんな感じになっているので、固着時点よりは緩んでいるわけです。
そーなったら、抜ける可能性が出てきますw
次は、逆に、グリップ側を左に、パイプを右に回して、さらに動かします。
それを繰り返していたら、
スポッ!
と抜けます♪
これ、何度も何度もやらなきゃいけないので、まず1人じゃ無理です。必ず2人でやりましょうw
力はホントにホントに全力!ツメがめくれそうになります。次の日は指が筋肉痛で動きが悪くなります。
ちなみに、テコの原理により、手が痛くなるのは径が小さいブランク側です。後輩に手伝わせる時は、後輩にブランクつかませたほうが楽です♪
これで、固着したグリップ、Jraiden,サーペントは抜けました♪
しかし、それでも抜けないグリップがあり、
それがS68です。
もう何度やってもだめ。
で、結局抜けないS68ですが、全く使ってないから、程度は極上w使用回数もクソ少ないし、ピッカピカ。感電注意のシールまで貼ったままで、エポキシのクラックもひとつも入ってない超美品で、しかも、なんでかデッドストックロッドとしては伝説の最強ロッドとして、大人気なもんで、最近売ろうかな?と思ってて、中古屋に持っていったところ、
固着して抜けない状態のロッドは査定が滅茶苦茶下がるそうで、なんとしても抜きたいわけです。
そこで釣具屋に相談したところ、なんと、
メーカーで「固着外し」という項目で修理を行っているらしく、
ジャクソンに送りましたwww
送料は往復取られるか?と思ったんですが、こちらから送る片道だけで良いみたいで、その送料が1200円。
固着はずしの修理代が、???ほど取られ、合計???円で抜くことが出来ました^^
外れなくて悩んでいる人は、メーカー修理に出してみるのも手かもw
※調べてみると、固着外しについて、カーペンターが詳しく解説をしており、ブランクを冷蔵庫の中に入れることで、ナンボか縮むそうです。ブランクとパイプだったら、ブランクのほうが縮むため、スポッと抜けやすくなるそうです。
これがいわゆる、「膨張率の違いを利用したグリップ外し」ですが、フツーに考えて、ブランクが入る冷蔵庫なんてフツーの家にあるわけがなく、参考にはなりません。真冬に外に出しっぱなしにすると、気休め程度に抜けやすくなるかも。
保冷材で冷やしてやってもみましたが、ダメ。兎に角、2人がかり。二人がかりじゃないと絶対ダメです。
さて、今は修理に出しているところですが、査定はナンボになるかな!?
そんなわけで、およそ2ヶ月間、修理に行き、釣具屋から電話があって、取りにいったんですが、まさかの
「外れませんでした」
の悲しい一言でした。
ジャクソン アフターサービスより手紙が同封されており、
「工場にて様々な方法で固着外しを試みましたが、固着が外れませんでした。大変申し訳ございませんが、これ以上は無理に外そうとしますと、竿自体の破損の可能性がございますので、ご返却させていただきます。ご了承くださいませ。」
とのことでした。
そしてそして、釣具屋から追い討ちをかけるように、
「送料だけ1200円頂きます・・・・・」
と申し訳なさそうな一言。
ホントね、涙が出そうになりましたよ・・・
ためしに、パイプ割って取り出したとして、グリップ部分を修理で直せるか?
と聞いてみたところ、メーカー絶版&在庫なしにつき、修理がでけん。パーツがないから、後先考えない抜き方が実行でけんのや!
とのことで、ほんとにほんとにどうにもならない。
その後、大型冷蔵庫による冷却方法を相談するためにカーペンターにも相談してみましたが、基本的にカーペンターで抜くのはカーペンター製のロッドのみで、他社ロッドはやらんことはないけども、抜けなければメーカーに送るそうで、メーカーで不可判定をされている以上、やっても無駄とのことでした。
続いてマタギに相談してみると、やはりマタギも人力にて抜く方法くらいしか実施できず、メーカーで無理とのことだったらやるだけムダでしょうとのことでした。
これがホントのホントの
敗北宣言ってやつやね。
ホントにホントに方法が分からないから、あきらめて中古屋にもっていったところ、
査定1万円・・・・・・・
あのね、買値4万7千円よ!?
結局売らんかったけど、このクソロッドだきゃ、最初から最後までずっとコケ続けとるわ・・・・
なんで俺はこれに5万近い金をつぎ込んだんだろう・・・・
後悔した買い物ナンバーワンですわ・・・・。
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