キャンディ塗装
あまり聞きなれない、この塗装方法、一言で言うならば、暴走族のペイントです(爆)
暴走族のバイクをガン見するのが怖い!という方は「旧車会」でも構いません。
何十年も前の下品なバイクに施された、ギンギンのオールペイント。あれこそがキャンディ塗装です。
うっすらと透けるステインの下に、いかつく光るギラツキ。
「妖艶」という言葉が相応しいでしょうか、バイクが下品なもんだから、なんともミスマッチなバランスから生まれる爆音ハーモニー。
バイクと行動は全く美しくないんだけど、塗装には見とれます(^^)
手間がかかる上に難しいので、一般的なロッドビルディングではまず採用されない方法ですが、そこは個人の趣味ですから、やってみるのもアリでしょうwというわけで、挑戦してみることにしました。
塗るロッドは、エポキシ使って、クラック地獄になってしまった勤労者、シャドウライズですwwwこいつに紫のキャンディ塗装を施したいと思います。
この塗装、簡単にいうと、パールベースの部分にステインをかます方法です。
やり方としては、まず、プラサフを塗り、そこからベースコートとして、粗目のフレークを吹き付け、その上に透明度の高い、透けやすいペンキをクリヤで希釈したものを塗る、すると、ペンキから透けて、下地のギラついたフレークがうっすらと見えるようになり、その上にトップコート用のクリヤを塗って終了。3コート塗装です。
ここで出てくる、「透明度が高いペンキ」は、色はついてるけど、透けて見えて、それが飴のように見えるので、「キャンディ塗装」と呼ばれています。
で、まずはペンキから。
プラサフは持っているので、フレークです。下地を透けさせるのが目的の塗装なんで、派手で発色が良いほうがよく、一般的には、最もギラつきの強い、銀を使うみたいです。
ところがどっこい、フレークというのは、粒子がでかいので、小型のスプレーガンでは吹き付けが不可能。最低でも、ガン口径が2.0mm以上じゃないと、塗装が出来ません。私がビルディングで使っているガンは最大でも0.8mm。
そんなわけで、フレークを使う方法は頓挫してしまい、白羽の矢が立ったのがメタリックです。メタリックというのは、アルミの粉をクリアに混ぜたカラーで、その中でも、アルミの粉が最も粗く、ギラつきがある「スパークルメタリック」を選択しました。
で、カナメとなる、透けるカラーですが、ペイントワークスに問い合わせたところ、「ファーストバイオレット」がお勧めみたいです。私的には、CMYKWで調合して作りたいところなんですが、ペンキというのは、「混ぜると濃くなる」という特徴があり、例えば、紫を作りたいならば、青と赤を混ぜるわけですが、透明度の高い、ディープブルーとマゼンタを組み合わせると、かなり暗い紫になってしまい、鮮やかな色は出ませんとのことで、通常、キャンディで使うペンキは、調合はしないそうです。
そんなわけで、スパークルメタリックとファーストバイオレットを注文し、到着しましたw
で、これがファーストバイオレットです。オートクリアで希釈する際、目安は、95:5の割合なんですが、ワタシは鮮やかな紫にしたいと思っていて、それよりも薄い希釈で行くつもりです。
で、これがスパークルメタリック。パールベースのようですw
で、まずは、キャンディ作りから。オートクリヤに少しずつファーストバイオレットを入れていき、目的の色を作ります。
透明じゃないと見えないもんですから、希釈の瓶は透明なガラス瓶を使います。これにシリンジで少しずつ紫を追加し、ワリバシで混ぜながら、色を見ることにします。
オートクリヤを100mlくらい。
ファーストバイオレットをためしに3滴ほど入れて見ました。
たったこれだけでもこんなに色が付いてしまいました(汗)
濃すぎ?って思いましたけど、もう手遅れ(涙)100:95なんていけるんでしょうか???
強い光を見るとわずかに透けていますが、こんなに濃くて、下地が透けるのかどうか不安です。
そんなわけで予備実験を行うことにしました。
昔、ブランク塗装で練習したブランクがあるので、これにスパークルメタリックを塗り、そして、希釈したキャンディ紫を塗ってみて隠蔽性を見ることにします。
カップに少量取り、筆で塗ってみます。
ドライモーターで回しながら、塗っていき、
で、乾きました。ちなみに、これ、2液ウレタンですが、硬化剤は添加していません。キホン、1液にシンナーが混ざっているだけですから、シンナーが揮発したら、固まります。硬化剤を添加することで、強靭な塗膜になるってわけなんで、テスト段階だったら、硬化剤を使うまでもありません。
そんで、キャンディ紫を塗ってみたら、なんと、
薄すぎで、全然発色せんき!
タレたら、ようやく紫って分かりますが、スプレーは塗膜がうすいんで、この発色なら、まず、紫にはならず、銀のまま〜って感じになることは確実。
ファーストバイオレットの添加量が全然足らん!
そんなわけで、ファーストバイオレットを足しつつ、それを塗りつつ、調整をしていきました。
濃すぎると、下地が完全に隠れてしまって透けないし、薄いと透けすぎで、紫が発色しない、
キャンディ塗装、調合の段階でゲキムズです(汗)!!!
調合段階では、瓶のペンキが重なって、カナリ濃く見えるんだけど、実際の塗装は、薄い塗膜だから、「調合の色あいが、実戦での色に反映されない」ってわけ。かなりシビアですぞ、コレ!
そんなわけで、ちょこちょこファーストバイオレットを足していきながら調整していき、
結局、最終的には、この濃さで、
この発色。
実戦ではどうなるか、全く分かりません。
一番良いのは、1本ほど、スパークルメタリックを塗ったパイプを用意していて、塗る直前に少しずつ足しながら調節するのが一番かもしれんき!
兎に角、予備実験で、実戦。プラサフ→スパークルメタリック→キャンディベース→マルチトップクリアで練習してみます。
そんなわけで、適当なブランクの切れ端を使って、キャンディ塗装の練習をしてみました。
まずはプラサフ。ウレタンプラサフHBを適当に塗ります。
で、続いて初めての塗料、スパークルメタリックです。
硬化剤を調合した感じ、メタリックの粉が沈殿します。時折カップをクルクル混ぜながら塗装したほうがいいかもしれません。
PC206で吹き付けましたが、この塗料、その性格上、表面がボコボコになるので、ユズハダというものがないですね。
そーゆー意味では難易度としては、ソリッド塗料よりも簡単だと思います。
んがしかし、やはりというか、写真じゃまったく分かりませんが、ムラというものがありますね。。。。
ンマ、だけど、遠めに見たらほとんど分からないし、問題ないくらいのレベルなんで、そこまで難易度の高い塗装ではありません。
ただ、掃除の時に、結構メタリックの粒子がガンの隅々に残っていて、うがいは必須だと思いました。うがいを何回してもしぶとく粉が出てきます。
んで、これが作ったキャンディベースです。
調合したらこんな感じ。
んで、遠慮がちに吹き付けてみると、
嗚呼!
いい感じじゃ〜んwwww
うっすらと紫に透ける感じがして、かなり妖艶な感じをカモシだしております♪
で、このキャンディベース、目的の色あいになるまで塗り重ねていくもんですから、結構吹き付けます。
だもんで、あっという間に塗料がなくなってしまって、追加でもいっちょ配合しました。
で、最終的にはこんな感じ。
一応、成功かな?キャンディベースの色としてはいい感じだと思いますw
今回は練習なんで、PC206でやりましたが、いい加減、すげー汚れてきました(汗)だけど、こーゆー道具はペンキで汚れたほうが迫力が出るというか、味があっていいですねwww使えば使うほど愛着が出てくる道具、オリンポスは不思議な道具です。
で、これが薄めに塗ったキャンディ。
これが濃い目に塗ったキャンディ。
写真じゃ分かりにくいですが、薄めに塗ったキャンディのほうが断然キレイです。
やっぱ、下地のキラメキを浮き出させる意味合いがあるんで、キャンディーベースは薄めに吹いたほうがいい感じです。
で、出来はというと、やはりというか、ムラが出ます。吹き重ねていって同じ色を・・・といっても、ブランクをクルクル回しながらやっていくので、さっき塗った場所は回転で見えなくなるわけで、なかなかに、
難しい・・・・
んがしかし、遠めで見たらムラなんてサッパリ分からず、また、その後、スレッドラッピングがあるんで、ブランクの半分くらいはラッピングで隠れるので、ムラはあまり気にしなくてもいいと思います。
なにはともあれ、練習としてはいい感じにいけました。
続いてシャドウライズで本番行きます!
実戦編
シャドウライズでキャンディ塗装をやるので、レポートを書きます。
まずは、下塗り。PC308を使い、プラサフを塗ります。
そんで無事、塗装が終わり、続いてメタリックベース。
スパークルメタリックを見てみると、メタリックが沈殿しており、使用前によく振らないといけませんね。
で、「キャンディ塗装」でも紹介しましたが、メタリックベースはなるべく重ね塗りしてムラをなくすほうがうまく行くとおもったので、ガン口径を0.2mm落としてPC206でやることにしました。どうせあとからクリアをかけるうえに、メタリックベースがざらつくので、ユズハダ関係なしで、微細ミストでタレにくい重ね塗りをしたほうがメリットが多いと思った次第です。
ンデ、これも問題なくいけたと思います。が、クルクル回しながら吹き付けていたら、太陽が上にあるのに加えて、メタリックが反射するので、上部は薄く、下部は暗く写ってしまいます。
そのため、「常に上側が薄いんじゃないかな〜?」って思うので、かなり手ごわい塗装だと思いました。
で、とりあえず、メタリックベースが終わり、タレもないので、そのままキャンディベースに入りました。
ガンは勿論、重ね塗りでタレのリスクの少ないPC206です。
で、なるべくムラなく塗ろうと思うんですけど、やはりここでも、メタリックの反射によるムラの判別困難が待ち受けていました。
どこが薄くてどこが濃いやらサッパリわがんね!
ってわけで、遠めに見つつ、ある程度ムラがなかったらいいや!って妥協しながらキャンディベースを終わったんですけど、
途中、アレ!?ガンが詰まった?と思って、圧を上げた瞬間に、キャンディベースのママコがブランクにぶっ飛んでいき、
これですわ〜(涙)
どーゆートラブルこれ?フタについていたねちこいママコが落ちたんかな〜?もう、ここにスレッド置いて隠すしかないよね。
見た感じ、ムラがないようにも見えるんだけど、続いてクリア行きます。
で、問題なく塗り終わり、やはり肌荒れがあるので、研ぎ出し。今まではソフト9のプラスチッククリーナーを使っていたんだけど、高いのと、新しく買うのがめんどいので、ピカールを使ってみました。
ピカールでも大丈夫大丈夫。ピカピカになりましたw
で、塗装を改めてみてみたら、結構ムラがあります(汗)
もはや、写真じゃまったく分からないレベルのムラなんですけど、まず、下地のメタリックにムラがあり、キャンディーベースにムラがあり、よーく見てみると、あまり出来栄えは良くありません。
ガン見厳禁使用のいつもの塗装レベルですな・・・・。キャンディ塗装の場合、「ムラが出やすい塗装工程を2つかませる」わけなんで、決してやさしい塗装じゃないと思いました。
パールだったら、塗れば塗るほど濃くなってムラが出来易いのは、パールベースの1工程だけ。キャンディの場合、メタリックベースとキャンディベースのダブルパンチやきん、そりゃ難しいよね。塗れば塗るほど濃くなる。これが曲者。
きれいっちゃーきれいで、市販ロッドでやってるものもないので、珍しいのだけれど、なんとなく、主張が薄いカラーだわね。案外、私的には1番簡単な、ソリッド1コートが一番きれいかもw
山口のホットロッドって雷魚ロッド委託製作の工房がよくやってますが、原色のソリッド1コートにノンメタリックで化粧を決めたスレッドラッピング。あーゆーのが一番好きかもw
produced by fukusuke