オリンポス ニードル流用実験!


最近よく思うんですが、オリンポス、値上げしすぎとちゃうか?

とよーく感じます。

昨年まで27000円だったPCジャンボは一気に値上がりして3万7000円に。PC308は2万4千円から3万2千円に。そして、ニードルはもうすこしで1本3000円になるみたいです。

思えば、PCジャンボ206を使ってからオリンポスぞっこんになったわけなんですが、アルミスプレーガンオンリーのなかで精度の高い真鍮削り出しスプレーガンなんて、オリンポスくらいのもの。

低圧低空気量で無茶苦茶キレイなキリがドバッと出てくれるガンなんてなかなかありません。同じ0.6口径のHPG6と比べてみてもその性能は圧倒的で、ニードルがしょっちゅう曲がるわ、ニードル突き出していてツノの掃除が出来ないわペンキの出が悪いわのHPG6に比べるとメンテナンス性のよさも圧巻です。

鈍角ニードルで曲がりにくく、それでいてバラしやすいく、角の洗浄もし易く、でもって霧はエアブラシ級。おまけに丸吹き、平吹き共用のガンなんてPCジャンボくらいじゃないでしょうか。

手にすっぽり収まって、トリガー〜ノズルの距離が短いので、手先からスプレーできるような感覚は、素晴らしいの一言。

指先からエアブラシ級の霧が10cm近いワイドパターンでドバッと出るその使用感は極上です。

と、すごく気に入っているガンなのですが、廃業したのに値上がりの連発というのはいかがなものでしょうか。確かに高齢となってしまった社長からしたら、手間もかかる作業ですし、一人でやっているので、利益がないとばかばかしいのかもしれません。

また、値上げというのは、単純に利益アップだけではなく、欲しかった人が焦って購入するので、在庫をはけるチャンスでもあります。ですので、そういう意図もあるのかもしれません。しかし、すでに出来上がっている在庫をはけている現状からしてみると、製造原価が上がったから値上がりとか、そういう説明ならば、消費者としてこちらも納得できるのですが、そうではない以上、この値上がり、しかも大幅な値上がりというのは、なかなかどうして賛同できないというのが本心です。

だったらオリンポス使うなよといってしまえばその通りなんですが、それをいっちゃオシメェよ。長く使っていきたいなと思うこの歯がゆさ。

というわけで、値上げには断固反対して、とはいえ、本体の値上げはどうしようもないので、「ニードルの値上げに断固反対」して、流用情報を探っていくことにしました。

そもそも消耗品のニードルが毎年のように値上がりして、現在1本3000円なんてことはボッタクリ以外のなにものではなく、こんな高いニードルを買い足していくなんて、やってられません。普通、1000円くらいのもんですよ。また、この調子だと何年後かには、1本5000円とかになる可能性だって十分ありえるとです。

で、探すテーマですが、

条件その1は、「安いこと」。値上がり前の1700円とかの値段もどうかと思うんですが、希望としたら、1本1000円でお釣りが来るくらいの、ランニングコストを出来るだけ安く出来る、そんなニードルで対応できるものを探します。値段の高いニードルだったら、流用情報を探す価値がないのです。

そして、2番目の条件は、「メイドインジャパン」であること。竹島さんのブログなんかで頻繁に言われているのが、タイワンエアブラシはボロくて、ジャパンエアブラシは素晴らしい。ワタシはタイワンエアブラシを使ったことがない上に、このエアブラシの霧が良いのか悪いのか、それすらよーわからんくらいのウデですんで、別にタイワン製でもいいんじゃね?っという感じなんですが、いかんせん、カタチから入るタチでして、しかも使っているのが、トリガータイプ最高峰のHP102B。なんぼなんでも世界最強といわれるオリンポスエアブラシの中にタイワンパーツ入れるんは、オーナーとしていやなんですわ。GTRに激安鉱物オイルいれるようなもんでっさかい。だもんで、探すニードルは、ジャパン製のニードル。

この2つの条件を満たすものを探していきますです。

ネットを見る限り、オリンポスに流用可能なニードルとか、そんな情報は全く転がってないもんで、だもんで、やる価値があるというわけで、実験してみることにしました。ま、ワタシの使用頻度の高いエアブラシは、HP102Bくらいのものなので、汎用性の高い0.3mm口径なもんですから、なんとかなるでしょ〜というわけでwww

※なお、HP102Bだったら、扶桑精機のガンピスの0.3mmで合うやろ!このホッコが!というのはナシです。
ガンピスに0.3mmはないんです。このあたりが、なかなかはがゆいとこなんどす。

まずは、純正ニードルの観察。これがHP102Bの純正ニードルです。1本1700円です。高すぎ(汗)ただ、オリンポスのスペアニードルはハコつきで、ケースがぶつかってもニードルは守られるようになっていて、安心して使うことができます。フタの先にはさらにスポンジがあって、二重にニードルが守られています。

サキッチョは保護カバーがかかっており、これでニードルが曲がるのを阻止しています。ただし、このカバー、硬いです。使用時に引き抜く時に力を入れる必要があり、抜く瞬間に勢い余ってニードルの先を曲げてしまいそうになるという欠点もあって、もっとやりこいカバーだともっといいのにななんて思ったりもします。なお、抜く時は、根元を持つのではなく、サキッチョをツメでつまんで抜いたほうがニードルの先に当たるリスクが小さくなるのでGOODです。

一方、これはイワタのHPG6のニードルですが、イワタは出荷時に、カバーをしていないので、オイオイ輸送中に曲がるんとちがう?なんて思いました。これはオリンポスよりももいっちょ高くて、3000円もします。だけど、真鍮ブッシュをカシメているニードルなもんで、その値段もあるのかなと思いますが、オリンポスのように、真鍮ブッシュにセットボルトを打ち込み、ニードルだけ交換というのが出来たらいいのになと思う今日この頃です。ちなみに、イワタのニードルはカバーなしできますが、トータルTで購入すると、竹島さんがオリンポスと同じ保護キャップを付けてくれるため、イワタニードルでもこういう形で送られてきます。良心的な通販店です。

いささか脱線しましたが、さて、本題に、戻るわよ!

HP102B
ニードルの研究として、長さとニードルのとんがり方を測りました。HP102Bのニードルは全長14cm。ケツから12.5cmのところから曲がり初めています。

サキッチョは、わずかに芯がずれており、とがりかたは、写真じゃ全く分かりませんが、

先端は、わずかに、ほんのわずかに偏っているように見えます。尖り始めのスタート地点はうねっています。つまり、図解すると、上のような感じです。

ER−B
扶桑精機のBB−リッチエアブラシのERBという機種のニードルです。エアブラシツールドットコムで手に入るメイドインジャパン最安値のニードルです。682円。0.3mm。扶桑精機はオリンポスのOEM先らしく、リッチエイトスプレーガンは、アリーズと一緒ということから、かなり流用できそうな気配がします。が、トリガータイプではなく、ダブルアクションタイプ。

で、測定してみたものの、なんと1cmも長さが違います。トリガータイプとダブルアクションタイプで違うのか?

尖り方は、これまた写真じゃ分かりにくいのですが、二段階で尖っています。

こんな感じですかね。全長13cmで、11.5cmのところで、曲がり始めて、12.9cmのところで二段目の曲がりが始まり、13.0cmで、一番サキッチョという感じです。

図解するとこんな感じです。
これはサッキッちょから近い位置から急激に絞られているので、曲がりにくそうです。いってみれば、HP102Cがフックで言うと、ハネクラのマッスル上向きL、ER−Bが雷神のRH1といった感じです。

HP−TR1
続いて、HP−TR1。いわずと知れた、イワタの超有名トリガーエアブラシ。プロホンポでは、革新的なエアブラシというふうに紹介されていますが、実は、トリガーエアブラシの元祖はオリンポスのHP102Bとか、HP84C。これを竹島さんがイワタに渡し、それを元に開発されたのが、HP−TRシリーズというのはあまりに有名な話です。ということは、互換性があることが予想され、この実験一番の注目カブです。値段は安くて、798円。

長さは14cm。

これがサキッチョです。芯はド中心。HP102Bのように偏っていません。約12.5cmのところから、14cmのところに向かって絞られています。尖り方は、中央の点に対して、左右対称に規則正しく絞られているといった感じです。

図解するとこんな感じ。ごくごく普通のカタチですが、カタチ、長さ共に、HP102Bにそっくりで、互換性はありそうです。曲がり始めは、HP102Bみたいにうねっておらず、真円です。


明治MP3
エアブラシのことが何も分からない時に購入した明治機械製作所のMP3。見た目はオリンポスのHP100Cと全く一緒。おそらく、HP100Cを元に開発されたものではないでしょうか。何気に高くて、12000円もしました。今思えば、なぜイワタやオリンポスを購入しなかったのか後悔しています。というのも、12000円あれば、普通にオリンポスのエアブラシが買える上、当時知らなかったんですが、明治はメインラインナップが大口径のスプレーガンで、エアブラシはたったの2種類しかないマイナーメーカーだったのです。また、パーツを購入しようにも会社の材料屋から買ったもので、材料屋が来ないことには消耗品の購入が出来ず、また、通販サイトでこれを売っているのが、ゼストくらいのものなのですが、ゼストから買ったわけではないため、これも困難。最初からトータルTでかっときゃよかったなと思う今日この頃です。

で、これも長さは14cmで、HP102Cと全く一緒。曲がり始めは12.6cmから14cmに向かって絞られている感じで、これもHP102Cとほぼ一緒。

これがサキッチョですが、なんとなく、尖り方が他のものと違います。

図解するとこんな感じ。写真じゃ微妙な違いは全く表現できていませんが、目で見る限り、若干、ほんの若干ですが、丸くなりながら絞られているような感じです。

以上のことを踏まえて、各種のデータを比較すると、HP102Bと長さが同じで、絞り始めの位置も同じ、MP3かHP−TR1が良さそうです。ただ、入手のしやすさを踏まえると、HP−TR1でしょうね。

で、もうひとつ留意する点が、絞りの角度であって、

エアブラシの霧の出る原理なんですが、

通常は、ニードルがノズルにぴっちりとはまっていて、ペンキとエアが出ないようになっているんですが、

ニードルを引くことで、ノズルとニードルの間に隙間が出来、その隙間からコンプレッサの圧縮空気が発射され、減圧されたノズルからペンキが霧状になって吹きだすのがエアブラシの原理ですが、

もし、尖り方が緩やかで、絞っている長さが長いと、

ニードルがノズルから出る長さが長くなり、

逆だと、短くなります。

長くなったら、ニードルを引いてもペンキの発射されるノズル面が少なくなるので、塗料は少なめになり、なおかつ、微調整がよく出来るようになり、また、保護カバーに指を押さえられないので掃除の時にうがいが出来ない。逆に短ければ、塗料の出る量は多くなりますが、微調整がしにくく、ドバッと出てしまう。

こういう違いがでるのではないでしょうか。

と、あれこれ考えるのはここまでで、実際に使用して、実際流用は可能なのか?霧にどんな違いがあるのか?調査します。


HP102Bニードル→HP102B
まずは比較先の調査。

純正ニードル。ニードルの先はこんくらいでています。ちなみに新品を使いました。

吹いてみました。点と線と水平線。

点、線、書きやすいです。水平線も同様。気持ちよく塗料が通ってくれますw

ボケ足もいいかんじwこれが純正です。


明治MP3ニードル→HP102B
続いて、明治のMP3のニードルをHP102Bに入れて吹いてみます。

これがニードルを入れたところです。HP102Bとニードルの形状はほぼ一緒(14cmで、12.6cmから尖り初めている)ため、差し込んだ感じは、純正品とほぼ一緒。

ノズルの出方はこんな感じで、

キャップをしても、ニードルが突き出さないので、うがいも問題なく出来ます。

ニードルの長さが同じなので、ニードルアジャスタの設定も純正と全く一緒。

これが吹いてみたものなのですが、

塗料の出が悪いです。

HP102Bに比べて、薄いというか、ペンキの濃さは一緒なのですが、なんか、水っぽいというか、塗料がなかなか出てくれないというか、そんな感じです。

だけど、ボケ足は良い感じで、使おうと思ったら十分使えるレベルです。


ER−Bニードル→HP102B
ERBニードルをHP102Bに流用します。長さが1cm短く、ニードルの尖り方の形状が全然違うくて、大丈夫か?なんて思いますが、とりあえず付けてみました。

が、しかし、ニードルを入れてみると、1cm短いだけあって、フンヅマリです。そのため、ニードルアジャスタは使えません。締めていってもトリガーは普通に引けます。一番奥までいくと、ひっかかりますが、微妙なアジャスタ調節は無理です。

ノズルの先はこんな感じ。純正と比べてみても、全くニードルの先が出ていません。曲がり方が純正に比べると、緩やかなきん、途中でつまるんでしょうな。

で、これが吹いてみたものです。

使用感は、一気にドバー!です。フル噴射までの遊びが少なくて、すごく扱いづらいです。

でもま、できんことはないんじゃけど、明らかに使いにくいわな。

だけどだけど、ベタ塗り目的だったら、これで十分です。むしろ、ニードルの絞り方がゆるいので、曲がりにくくて、むしろ扱いやすいニードルかもしれません。絵を書くには向かない流用ですが、ベタ塗りだったら余裕でいけるニードルだと思います。

HP−TR1ニードル→HP102B
今回の大本命、イワタのHP−TR1ニードルです。HP102B、HP83Cを元に開発されたもので、ニードルの形状はほぼ一緒。おそらく、そのままいけると思われます。

長さが同じ14cmなもんで、ニードルアジャスタ、全く問題なく調整出来ます。

ニードルはちょっと突き出しすぎと違うか?と思います。

←これが純正ニードルですが、うーん。微妙すぎてわがんね!

しかし、保護キャップより飛び出すというわけではないので、OK。長いのは、トリガーの引きしろで調節しやすいので、むしろ微調整が可能になって、問題なしです。

で、これが吹いたもの。

点、線、ともに使いやすいです!

ボケ足もグッド!これ、なかなかナイスですよ!今回の実験では、純正品に一番近いモノだと思いました。

まとめ
HP102Bにつけるなら、HP−TR1のニードル!

ベタ塗りオンリーだったら曲がりにくくて安い、ER−Bのニードル!

※なお、今回の実験の使用感等は、あくまで、ド素人のワタシのインプレなので、参考程度にしといてくださいな。



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