ラッピングテクニック その2
ラッピングテクニック1が長くなったので、第二段。これは、ちょっと高度なテクというか、応用編をやっていこうと思います。
まず、基本的な巻き方ですが、今までは、フジのラッパーを使ってやっていましたが、実はこのラッパーはきれいに巻きにくい道具です。なぜなら、ガイドが巻ける位置が決まっているのと、ラインが出る位置をサイドにしかスライドできないので、次の糸目のアタリが付けにくいからです。そのため、究極は、手で巻くのが一番簡単に、キレイに出来ます。だから、ビルディングDVDは、全部手巻きなんです。だったら、なぜラッパーなんぞを使ってアップしていたかというと、両手が離せるので撮影が出来るという意味もあってアレで紹介していました。だけど、次からは、手巻き+タイマー撮影で紹介します。
基本巻き 手巻き編
まず、ブランクに手前から奥に向かってスレッドを回します。
そして、短いほうの糸を重ねながら、巻きます。この時点で、右手で引っ張る力が強いと、スレッドが滑ってもどけてしまうので、適度な強さで固定し、スレッドが供回りしないようなちから使いがキモです。
そして、糸を切る。
そのまま巻いて、糸目を消す。ちなみに、この時、編み目の隙間を消すために、右手は気持ち、手前に引きながら、左の回転は、これも網目の隙間がなくなるように、両手で調節しながら行うのがキモです。この微調整は、ブランクが固定されるフジのラッパーでは出来ません。だからフジのラッパーがよくないといわれる由縁です。
で、抜き糸ですが、今までは、スレッドを使っていましたが、スレッドはフニャフニャしていて、巻きスレッドに挟み込む時にずれるのと、抜く時にささくれて切れたりするので、あまりよくありません。
ナイロンラインをマスキングテープで挟み、チチワを作ったナイロンを作ります。ナイロンラインはすべりがいいので、抜くときのストレスがないです。ビルディングDVDで多用されているツールです。東邦のDVDは全部これでした。
このナイロンラインを挟み込み、
スレッドを切って、
抜き取る。
で、これがキモです。ホライズンで学んだんですが、一旦、抜き糸を下にぐっと下げて、上げて、ちょっとスレッドがめくれているような時に、デザインナイフでカット。ちなみに、このデザインナイフは、オルファのものです。マタギもデザインナイフを扱っていますが、マタギのデザインナイフは替刃がホームセンターに置いてません。そのため、オルファのほうがいいと思いました。入手しやすさは大事です。
スレッドスムーザーで整える。
糸目は中に入り、消える。これで完璧です。
応用編
簡易ピンライン 卍固め
こういうやつです。やり方は色々あるけども、一番簡単だと思う方法でやります。名づけて卍固めです。この方法は、自力で考えて編み出した、クソ簡単なピンライン製造方法です。どこにも載ってないので、勝手に名づけさせてもらいますw極秘でお願いします。
一般的に、スレッドはダルスレッドとメタリックスレッドと2種類あります。
ピンラインが巻けるスレッドは、メタリックスレッドです。ダルスレッドでも巻けない事はないですが、圧倒的に、メタリックスレッドのほうが巻きやすいです。
もうね。クソ失敗しましたよ。ダルスレッドでやって。マタギのDVD見ても、全くできず。ロッドビルディングパーフェクトガイド2を見て練習しても出来ず。パーフェクトガイド1は、もう話にならないくらいややこしくて、やっては見たけれども、当然のごとくうまく出来ず。ホライズンで聞いて、始めから挟み込んでやったると、出来ることは出来るんですが、効率がクソ悪い・・・。
そんなとき、フトメーカーロッドを見てみると、この手の応用巻きは全部メタリックスレッドでやっているんです。
ひょっとして、ダルスレッドがいかんかったか!?
いけんかったんですねぇ。ダルスレッドが・・・。
気づくのにおおかた、半年くらいかかりましたが、なぜダルスレッドだとダメだったのか、私なりの見解です。
この基本巻きにピンラインを追加します。
まずは、ダルスレッドで巻きます。
まずは、抜き糸をあらかじめセット。
そのまま、巻きます。大方5周前後が目安。普通Aスレッドでやりますが、ピンボケ対策でCスレッドでやっています。Aスレッドでやっても同様の症状が出ます。
そして、抜き糸で抜く。卍型に抜き跡が出ます。
その卍型の両方を手に持ってキュッ!と縛ります。テンションがかかります。
テンションがかかったまま、ピンラインに持って行く当然、ティップに向かうほうが細くなるので、緩みます。緩んだら、またキュッと縛れば固定できます。
そして、ハサミでカット。
糸目を指で奥に追いやって終わり。
その後、スレッドスムーサーで整えた瞬間に、パラリと解けるピンライン。今までの苦労が終わった瞬間!(涙)
これなんですよ。ダルスレッドでやると、
一方、同じやり方で、メタリックスレッドを使うと・・・
少々スレッドスムーサーを使っても、解けないんです。
なぜか!?
それは、
←ダルスレッド
←メタリックスレッド
ダルスレッドが、ヒモみたいなスレッドをヨッたもので、メタリックスレッドは、ヒモと、ラメの編みこんだPEをヨッたものというのが分かりますかね。
ヒモは滑ります。一方、メタリックスレッドのラメ配合PEは、ギザギザが見えると思いますが、このラメが滑り止めをするため、滑りにくいです。そのため、引っ張って固定した時の結束力が、ダルスレッドよりも優れています。そのため、ダルスレッドはピンラインみたいな、ほどけやすいラッピングがやりにくいのに対し、メタリックスレッドはやりやすいというわけです。
なお、メタリックスレッドではない、ソリッドカラーのスレッドでピンラインを表現しようと思ったら、マタギの扱っているグデブロスレッドからHTメタリックが出ており、これがソリッドのメタリックスレッドが出ていますので、それを使えば出来ます。ちなみに、これから出てくる、黒いピンラインは、グデブロのHTメタリックの黒です。
補足ですが、簡易ピンラインは、卍型でスレッドを切るため、ナンボかはみ出ます。そのため、その修正はエポキシのコーティング&ペーパー次第です。
うまくいくとこんな感じに、ほとんど分からないですが、
失敗するとこんな感じになります。
だから、簡単だけど、見栄えがわるいとこういうわけ。
簡易ピンライン 化粧巻き固定法
こうして、やり方を進化させ、もっと見栄えが良く、もっと簡単に、もっと早く巻く方法を考えました。
まずは、メタリックスレッドを5周くらいまきます。
そして、最後のスレッドをマスキングテープで止めます。
マスキングテープを止めたまま、NCPのスレッドを巻きます。テープでスレッドの端が止まっているため、ひょっと緩んで最初からやり直しということがありません。
メタリックスレッドをNCPスレッドで固定できたら、マスキングテープを外します。
余ったスレッドをはさみで切ります。
あとは巻くだけです。
これで完成。誰でも技術なんて要らない化粧巻きができますw
ピンラインラッピング応用
いわゆるこーゆーやつ。
これも化粧巻きでマスキングテープで糸を固定させる方法の応用なんやけどね、5周巻いて、マスキングテープを止める。
その上にメタリックスレッドを5周巻いてまたマスキングテープで止める。このとき止めるのはメタリックスレッドだけ。黒いスレッドはメタリックスレッドで固定されています。
で、後は巻くだけ。
ハイ完成wわりとかんたんですw
ダブルラッピングの下巻き
いわゆるこういう下巻きです。ガイドの位置にピンラインを入れています。
まずは、ガイド位置に、卍固めでスレッドを固定します。両ハジは、適当な長さで切ります。
上にスレッドを巻いていきます。
反対側も同じように巻いて終わりです。
あと両ハジは上で紹介した「卍固め」で整えればOKです。
ダブルラッピング下巻き方法 その2
で、今回、新たにこの巻き方を紹介。ネタバレしてしまうと、フィッシングショーでフジブースのスタッフに教えてもらったやり方です。
まずは、普通に巻いていき、半分くらいでスレッドを抜きます。
その後、反対側から同じように巻くんすわ。
で、抜く。
バニッシュナイフで整える。
終わりwクソ簡単ですwオススメのやり方ですwダブルラッピングの下巻きでもかなり使える方法ですw
コーティングしたらこんな感じw
タスキ掛け
http://yaplog.jp/kongo/archive/71
ハネクラのヘミスティックに搭載のラッピング方法。通称タスキ掛け。
まずは、卍固めでメタリックスレッドを固定。
下から普通に巻いていき、
重なるところで斜めに移動。
で、普通に巻いて、スレッドスムーサーで整えて終わり。ハネクラは、スレッドではなく、塗装という話もあるけれど、多分スレッドでやったほうがやり良いと思います。
トリムラッピング基礎編
おそらく、最も簡単なラッピングテクニック。
使うのは二色のスレッド。
黒を上。赤下にします。コヨリみたいに混ざらないように注意必要。
普通に巻く。
3週して、赤をカット。
切った赤のハシを黒スレッドで覆うように巻くべし。
飛び出たスレッドを全部切ります。
で、巻く巻く。
終了。ハシッコがトリムです。
トリムラッピング応用編
これです。私の知ってる中では、ガイドラッピングで一番ややこしいラッピング方法です。
まずは、普通にメタリックスレッドを巻きます。大体5周くらいでしょうか。
そして、メタリックスレッドのテンションを保ったまま、メインの黒いスレッドでメタリックスレッドの左側の余ったやつを上から押さえるようにして、黒いスレッドを左親指で抑えます。これで、メタリックスレッドとクロスレッドが固定されました。
で、ここがキモなんですが、上の図で言うと、黒が上。赤が下ですが、この上下関係が崩れないように右手で2本のスレッドを整列させたまま、黒スレッドと赤メタリックスレッドを同時に巻いていきます。おおむね、5回くらいでしょうか。
そして、左手で、赤と黒を抑えたまま、赤の先っちょを切ります。
あとは、赤のはみ出たスレッドを黒スレッドで覆ってしまえば、
完成です。
私が思いつくガイドラッピング(フットにするやつ)はこれくらいですが、他にもあったら、紹介してください〜!
網タイツラップ
ハネクラのタスキ巻きからヒントを得て、やってみました。網タイツラッピングです。
まずは、ガイドのフット中央部にスレッドを巻いて、糸も抜きます。
そしてスレッドを回しながら、タスキ掛けの容量で、らせん状に回していきます。
そして、ここからがキモなんですが、ガイドの根元まで巻くと、そこから折り返しです。
そして、ガイドのオモテでクロスするように交差させますw
で、スレッド抜いたら終わりw結構簡単で、しかも市販ロッドでこれをやっているロッドなんぞないだろうから、目立ちますよ♪
長距離スレッドの留意点
長距離スレッドは、ネーム入れで使うラッピングです。
が、これは、
巻いているうちに、
必ず、道糸が
こうなります。スレッドボビンから出る時にヨレていたのがもつれて、100%こうなります。
だもんで、このようなスレッド用のボビンホルダーを使ってやったら、絡まないのでうまく出来ます。
もしくは、
ヨリの上を持って、ボビンにスレッドを固定して、フリーにするだけです。ボビンがヨリにしたがって、クルクル回っていき、ヨリは自動的に解けます。長距離スレッドを巻くときは、定期的にヨリを解きながらの作業が良いです。
んがしかし、ボビンホルダーはスレッドがハジにいくと、回転部に挟まれてボビンが動かなくなって不便なので、一番便利なのは、ミシンのテンショナーです。
工業用ミシンなんで、手芸店では手に入りませんが、マタギで売っています。これを工夫して作るのが一番です。詳しくは、自作スレッドテンショナー参照です。
ジャストエースとグデブロのメタリックスレッドについて
スレッドといえば、ジャストエースかグデブロだと思いますが、微妙に違うんで、用途によっては使い分けたほうが賢いです。
何がちがうかというと、ジャストエースは滑りやすく、細いこと。
グデブロはねちこく、太いことです。
メタリックスレッドの用途は、ダブルラッピングの下巻きと上巻きの化粧巻きですが、メインはやはり下巻きの長距離コートです。
ジャストエースのメタリックスレッドは細い上にすべるので、最初のひと巻きで、手を離せずにズレやすいです。それが緩みとなり、糸目が崩れます。また、細いので、下のスレッドにそって巻くことが難しく、特に太いバット部分の下巻きをするときに、
糸目が離れすぎて、こーなります。
これはメーカーロッドでも良く見る失敗ラップです。
がしかし、発色が鮮やかな上に細いので糸目が目立たず、うまく巻けたときは大変美しい仕上がりとなります。
一方でグデブロはネチコイので、スレッドがロッドに引っ付き易く、最初の引っ掛けで容易にブランクに巻きついてくれ、巻きやすい上に、スレッド自体が太いので、密巻きで隙間が出にくくなっております。また、長距離コーティングなんかでは、太い分、ジャストエースに比べて、ブランクを回転させる回数が少なくてすむため、仕上がりも良いし、疲れないため、オススメはグデブロだと思います。
なお、グデブロでもねちこいのは、「HTメタリック」と呼ばれる種類のスレッドです。HTでなければ、ジャストエースと大差ありません。
HTは表面に滑り止めのコーティングが施されており、チン毛みたいな感触です。
ただし、エア抜きのしにくさはダントツでHTメタリックです。
メタリックスレッドは芯糸の周りにギラついたフィラメントを漂わせているため、通常のNCPスレッドに比べるとエア抜きがしにくくなっております。
そのため、エアを抜いたつもりでも、スレッドの下の方でエアが残っており、こいつがコーティング中に浮いてくると、表面はボコボコになります。
同じ条件で、シッカリとエア抜きした状態でUVコーティングさせたものが、コレなんですが、
気泡のデカさは明らかにHTメタリックのほうが大きく、たくさんあります。
一発目のコーティングで余分な接着剤をこそぎ取るようなコーティングでエア爆発のリスクは減りますが、リスクはHTメタリックのほうがあります。
そんなわけで、使いやすいのはHTメタリックですが、出来栄えはジャストエースのほうがいいと思います。
私的には、使いやすくて楽なHTメタリックが好きですw
produced by fukusuke