ラッピングテクニック


ガイドラッピングやら、ダブルラッピングの下巻きやら、バット部分の巻きやら、ロッドビルディングに必須なのがラッピング。私自身、飾りまきなんて高等テクニックは出来ないので、簡単なヤツだけ紹介します。

ラッピングの基本(通常巻き)
ラッピング道具。フレックスコートのハンディロッドラッパーなるもの。マタギのビデオを見てみると、こんなもん使わずに、両手で簡単にラッピングしてますが、何回やってもうまくできません。手を離すと巻いていたラッピングが戻ってしまい、作業効率がものっそ悪いのです。12000円でかなり高いですが、是非オススメしたい一品。構造と機能が分かれば、自作できると思いますが、ゼロから始める人には是非是非是非オススメしたい一品。


ロッドの支えはムキ出しの木ですが、回している間に塗装が傷つくので、クッションをつけてます。


本来ならスレッドボビンが付くんですが、分かりやすい解説をしたいので、太いラインをつけています。ネジが付いているのがスレッドテンショナー。こいつを締めるとスレッドが引っかかっているところにテンションがかかり、きつく巻けます。


その後、可動式の木に通します。これを動かしながら巻くことで隙間なく巻くことが出来ます。


そして、端糸が出ているほうを内側に通して、重ねながら巻きます。


で、何回か巻いて、手で隙間なく移動させます。


そんで、出た端糸を切ります。このとき、なるべく根元から切ったほうがキレイに仕上がります。


こんなかんじで。さらに巻き続けます。


で、巻く巻く巻く!


もうええやろ。と思ったときに、同じ太さの糸で輪を作り、下糸にかませます。


で、その上を巻く巻く巻く。


で、白い糸を手で持ち、テンションを保ったまま糸を切ります。そうしないと、止めてないので糸が戻ってしまい、ほどけてしまうからです。

で、白い糸を緑の輪に通します。


で、ちょいと分かりにくいんですが、右手で白い糸を引っ張りながら持ち、左手で緑色の輪っかの糸を持ちます。そのまま左手だけ引っ張って、


このようにします。白い糸にテンションがかかるので、右手はもう離しても大丈夫。


で、左手で白い糸を引っ張って、右手で白い糸を根元から切ります。


ほんで、緑の輪を引っ張ったら・・・・


白の根元が糸の内部に入り、根元が出ていない巻きかたの完成。これがガイドを固定するためのまき方です。


応用編 2連続で巻く方法
二つ連続で巻く方法です。
まずは、フツーに巻いていきます。


で、糸を追加したいところで、マスキングテープで固定。


そのままだと、タレさがった糸が邪魔で巻きにくいのでこいつもマスキングテープで固定。


追加したい糸をその上から通し、これもマスキングテープで固定。


そのまま新しい糸を巻いていきます。


ある程度巻いたら、マスキングテープを外します。


出た糸を切って、さらに巻いていきます。

もうええやろ。と思ったところで、輪っかを通し、


基本編と同じようにカットしたら完成。糸と糸の間がキレイに埋まってます。


飾り巻き(ピンストライプ)
いわずと知れた、ラッピングのテクニックで、やや高度とされるのが、ピンストライプ。
いわゆる、こんなヤツです。ただ、このやり方を詳しく解説しているサイトがなく、ビデオをみても全く参考にならないため、紹介しますw

まずは、プロのビデオでの解説
マタギ編
まずは、飾りまきをするスレッドを基本ラッピングで巻きます。

白でピンストライプを入れます。まずは、ピンストライプで使うスレッドを、基本ラッピングと同じ方法で巻き始めます。

最初のスレッドが引っかかったら、即抜き糸投入。

で、抜く。しかし、抜いた瞬間、おそらく糸は解けます。右へ追い込みをかける時点で、テーパーのゆるい方向へ向かうので最初のスレッドのテンションがとれ、噛みこませているスレッドも少ないため、一瞬で解けます。さらに、スレッドが緩んだ状態で抜き糸を引き抜くため、キッチリと抜き糸が固定されません。

手先が器用な人なら別ですが、

出来わけないやん!!一般的な人がこの方法でやるのは、絶対無理!


スケルターワークス編
フライ用のボビンを使います。

まずは、右手でボビンを持ち、黄色いスレッドをロッドの上に通します。

左手をロッドの下に通して、出てきたスレッドを持ちます。

左手でスレッドを上に持っていって

反対側にぐるっと回します。

右手のボビンを裏側にもって行って

そのまま一周させて

そのままこちら側に持ってきて、

そのまま3周ほど同じ巻き方で巻きます。

すると、手を放した状態でも落ちません。テンションがかかった状態になります。

今度は、白いスレッドを同じようにロッドの上側に通して

左手で下からすくい上げて

左手の薬指で黄色のボビンを左に寄せて

黄色のスレッドの端を噛みこませるように、3回右手の白ボビンを巻きつけます。

すると、手を離しても、白スレッドのテンションがかかったままになるので、手を離しても、2個のボビンは落ちず、ブランクにぶら下がった状態になります。

黄色スレッドが白スレッドに噛みこまれたので、黄色スレッドの端を切ります。

あとは抜き糸を入れて

で、抜きます。しかし、この時点で、やっぱり白スレッドの巻きが少ないため、少しのテンションの緩みで全部緩んでしまいます。

念入りにテンションの修正をしたって、抜き糸を引き抜くテンションの緩みで、全体の編みこみが甘くなります。

結果・・・・・

手先の器用な人ならまだしも、


こんな方法で、出来るか!

というのが素直な意見。


ホライズン方式
ホライズンの店長さんに教えてもらった方法。不器用な人にオススメw
まずは、マスキングテープを4本適当に付けます。

で、飾り巻きを入れる予定のスレッド(白)を1mくらいで切って止めます。

抜き糸も付けます。

で、本巻きのスレッドを巻いていきます。
続いて、抜き糸を反対側に折り曲げてまたマスキングテープで固定します。

白スレッドをマスキングテープから外して手前に引っ張ります。

白スレッドを引っ張っていき、裏に回して、手前に持ってきて、

巻いていきます。この時、ブランクを回しながら巻いていく関係で、オレンジのスレッドもどんどん巻かれていきます。で、抜き糸も一緒に巻かれていくので、出来れば、抜き糸はかわしたほうがいいです。

ココまで持ってきて、

一緒に巻かれてしまった抜き糸をピンセットで取り出し

抜き糸に白い飾り巻きスレッドを通し

ちょうどいいところでテンションをかけながら

抜く。

バニッシュナイフで整えて

終了w誰でも出来ます!

注意点
もし、スレッドを外側へ巻いていった場合、

抜き糸で抜いたときに

ペコッ!とクボミが出来ます。これを気にしなければ、楽でいいんですが、神経質な人は上の方法でやったほうがいいです。

どうやってもクボミが出ます。

でもこれを気にしなければ楽でいいです♪



バニッシュナイフによるスレッド隙間処理
スレッドを普通に巻いても、所詮は手巻きなので、どうしてもスレッド間が均一にならずに、隙間が出来ます。

この隙間を整えるための道具がバニッシュナイフ。本来ならプラスチックのヘラみたいなヤツですが、そんなもん売ってないので、適当な代用品を使います。私の場合は、ピンセットを使っています。ピンセットの持つところがヘラのようになっていて、固いので、地ならしがしやすいです。

角度を浅くして、かるーーーーくこするような感じです。

たったそれだけで隙間は埋まります。

ただし、Aスレッドはあんまりこの作業をやりすぎると、毛羽立って、こんな感じになります。

そのままコーティングに入ると、

こんな感じになってボコボコになるので、要注意です。


専用道具(スレッドスムーザー)を使ったバニッシュ処理
長いスレッド巻きをやると、100%ムラが出ます。

今までは、このバニッシュ作業にピンセットやら、フデのケツだとかを使っていたんですが、サバロでスレッドスムーザーという名前でなんと400円で売っていたため、ためしに買ってみることにしました。

絶対買うべきコレ!

今までの代用品と出来が全然違います。やっぱり餅や餅屋や〜

ゴシゴシゴシとこすります。なかなか消えないときは力を入れてゴシゴシこすります。

で、こんなにキレイになります。

コーティング後。キレイになりましたwww


ガイドの足けずり
ラッピングの時にまず必要なのが、ガイドの足削り。フジのガイドは足のつま先が太く、ラッピングが歪んでしまうのです。
これは、HVSG16Lのガイドの足。先がややナナメに切られていますが、これでは全然スレッドが乗りません。



スレッドを巻きつけていくと、ガイドの足でストップ。足の台座が急なので、そこで、スレッドは上へ上へ登っていこうとしてなかなか前へ進みません。一方、ガイドの裏側は凹凸がないですから、すんなり前へ行きます。ガイドの上下で、ラッピングの進み具合に差ができますので、その結果、一番右の写真のようにラッピングにスジが入ってしまいます。

また、トリムでラッピングする場合、フットをちゃんと削らないとフットの上り口でいびつな形状が丸見えです。

ちゃんと削っていたら、この通りw


というわけで、ガイドの足を平らに削らなければなりません。そこで、ベンチグラインダーなる機械を使います。3500円。


マスキングテープでSICリングを保護し、削っていきます。スイッチを入れて回し、止める。惰性で回っているところにガイドの足をつけて削るとうまく削れます。


こんな感じで。


で、微調整。ダイヤモンドやすりですこーし削ります。


そんでラッピング。こんなふうに、隙間なく、キレイな出来栄えになります。



マイクロベルトサンダーによる研磨方法 from 2014
時は経ち、ベンチグラインダーの場合、一気に削れ過ぎてしまい、イマイチであることが分かってきました。そこで、プロクソンのマイクロベルトサンダーなるものを導入。これだとうまくいきますw

削るモノは、LCガイドです。

これが削る前です。

で、やり方ですが、まずは、片方を削ります。手前から足の先に向かって角度が落ちるように削ります。

で、反対側も同じように削ります。すると、中央は尖がっているはずなので、その尖がりを滑らかにしつつ、下へ向かって滑らかな斜面になるように削って行きます。これで完成です。

こんな感じで完成ですw


ガイドの設置方法
今までは、マスキングテープでガイドの足を固定してやってましたが、その方法だと、巻いている最中にいちいちマスキングテープを外さないといけないので、めんどくさい。加えて、マスキングテープを外すときにガイドがずれて、その修正がめんどい。加えて、むっちゃ小さいガイドを細いブランクに付けるときは、マスキングテープの接着面が小さすぎて、ガイドの足がブランクに固定できない。結果、スレッドがガイドの足に乗らない。

などなど、不具合がむっちゃたくさんあったので、新たな方法でのガイド設置方法。これもホライズンの店長さんに教えてもらいました♪

じゃじゃ〜ん!ボンドGクリヤー!100円っすわ!

ねちゃねちゃで、昔の駄菓子コーナーにあった風船のような感じですw

こいつをガイドの足につけたら、

スグに固定されます。

こいつの最大のメリットは・・・・・

接着が甘いということ!

つけてから30分くらいは、

こんなふうにネチャネチャしながら動きます!

動くから

ガイドの位置修正ができる!



マスキングテープじゃないから、そのままスレッド巻ける!

で、この後エポキシコーティングがあるのですが、

エポキシは本来、ガイドの真下の接着は出来ていないため、ここに1液の接着剤があってもコーティング後の強度に関係がない!っつーわけで、

この方法が一番良いと思います!

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