リールシートのダイロン染色
ハッキリ申し上げますと・・・・
リールシートは無塗装・無加工が一番良いちゅうこっちゃ!
塗装をすると、やはり塗膜ですから、いつかははがれます。ウレタンが強いですが、ラッカー系を使うと経年劣化でボロボロネチャネチャになります。
んで、ウレタンは強く剥がれにくいのですが、ウレタンは2液ですから、芯締まりが良く、収縮もすくないので、塗膜が厚くなります。塗膜が厚くなると、フードナットがキツキツになります。
そのため、リールを脱着するときにスゴイストレス。また、テンションがかかる部分。
特に、この部分なんかは、テンションで剥がれたり、凹んだり。
そして、リールシートの加工といえば、溶着フィルムというのがあります。
フィッシングショーでマタギのブースで聞き込みして、水圧でどーのこーのと言ってたので、
多分、これじゃないかなーと思うわけですが、
http://www.protoolshop.net/hok/scheme.htm
溶着フィルムは、後々、ベタつくんですよね。上の写真でも、ホコリがついてるのが分かりますか?経年劣化でねちゃねちゃしてきます。
だから、リールシートは性能だけで見ると、無塗装・無加工が最も優秀ということになります。
ところが、無塗装・無加工だったら、見てくれがねぇ・・・
ロッドビルダーなら、兎に角市販ロッドでは出来ないようなことを仕掛けたいハズですので、兎に角、いじりたいというのが本根であります。また、やっぱり、グレーのリールシートは地味でかっこ悪いべしたハー!?
そんなこんなで、
フィルム溶着ではなく、塗装でもなく、それでも色を変えられないか?
こんなテーマを掲げて、色々と調べていると、
み、
見つけてしまった・・・・・・
手芸センタードリームで・・・・
ダイロンマルチ!
ダイロンというのは、染色塗料のメーカーです。
そもそも、塗料には、染料と顔料というのがあり、詳しくは、「インクジェットプリンタでデカール」で述べているのですが、顔料系インクは、下地の上に樹脂が固まり色を再現する塗料。つまり、下地が何色だろうと、隠蔽して新しい色を作ってくれるというヤツです。染料インクは下地に染み込んでいって色を変えるというヤツです。
デカール系で話をすると、インクジェットプリンタは染料インク。テプラのインクリボンは顔料インクです。塗料で話をすると、ペンキは顔料。ニスやステインが染料です。
ちなみに、顔料というのは色の付いた粉のことで、例えば、白のペンキだったら、酸化チタンの粉末。黒だったら、カーボンや三酸化四鉄。赤だったら、硫酸第一鉄、青だったらコバルト系などなど、色々です。粉自体が不透明で、隠蔽性が高く、下地を隠蔽してくれるので、ペンキとして使われています。
一方、ニスなんかは、基本透き通ってますよね。これは、下地を活かす塗装なんかで使われる塗料で、木に塗装をかますときに、下地の木目を活かそうと思ったら、顔料系だったら木目が見えなくなってしまうので、透明なニスをつかって、表面に塗料をしみこませる。そして木目を活かしながら、色合いを変えるという働きをしていまつ。
ダイロンというのは、この中でいうと、染料系インクであり、主に、ワンオフのお洋服なんかを染めるときに使われる塗料なのであります。洋服は顔料使うと生地が硬くなってしまうのでお話になりません。染料でないといけないのです。他にも、ジーパンを染めたり色々あるみたいで、驚いたのは、
ダイロンマルチはプラスチックを染めてしまうものなのであります。
ウソー!?
プラスチックって、繊維違うで。溶融樹脂やで!?それでも染まるん!?
染まるんです。
実際、
プラモ分野でダイロンマルチを使ってプラスチック染色をしているやつがいる。
可能性はあります。
ただし、この染色については注意点が一つあり、
「下地の色の影響を受ける」というわけ。
つまり、
黒い下地に白を着色しようとしたって、黒をどうやって染めても白にはならない。灰色どまり。
だもんだから、リールシートみたいなグレーには、明るい色を染色することは出来ない。出来るのはグレーよりも暗い色。
つまり、一般的に言うと、
染められるのは黒だけというわけです。
※染料インクの代表例。下地が透けます。下地が白だったら発色可能です。
しかし、黒って結構使う色ですからね。色は限定されますが、この実験が成功すると、ロッドビルディングの可能性も広がるというわけです。
こういう人柱は好きなので、やったります。
まずは、ドリームで買ってきたダイロンマルチ。一番黒く、一番染まり易いといわれる、エボニーブラックです。値段は500円。
んで、まずは染め液作り。
説明書どおりにやります。
まず、1缶丸ごと放り込みます。
続いて、塩を約15g入れます。
んで、水を500ml入れます。
んで、溶かします。
で、染め液完成w
んでもって、ナベに入れて、リールシートをつけます。とりあえず、昔、水路の鉄人を作ったときにぶったぎったKDPSの切れ端、あとサザンクロススティックのプラサフをはいだヤツを入れてぐつぐつ煮詰めます。サザンクロスのほうは、足付けをしているので、表面が荒れています。
これが30分後。温度は90度ほど。説明書には、70℃とか書いていましたが、ナベで似るのにマトモな温度制御なんかでけるかいなという感じです。
んでっもって、これが1時間後。すでに液が蒸発しまくっており、リールシートが半分出ていましたw
んで、取り出して、KDPSの切れ端を洗い流して確認。全然染まっていません。んで、サザンクロスのほうは、若干染まっているようにも見えるんですが、
念を入れて、戻した液の中に1昼夜つけて置きました。
で、取り出したのがコレ!
びっくり!
染まっていますwww
これが純正の色と比較したもの。
すご〜wたしかに黒く染色されちゅう!
なんでプラが染まるのか???
でも染まっているからしょうがないwww
しかし、あんまりキレイに染まったとは言いがたいな・・・。やっぱりツヤがないからね・・・。これならウレタンのほうがいいかもしれませんが、まぁ、参考程度ってことでw
ラッカーシンナーにドブ漬けしたら?
今現在製作中のガン7用で使おうと思い、ラッカーシンナーにつけて染色が落ちるかな?と思って実験してみました。
半日経ったらコレですわ!染料が浮き出して、油分のように落ちました。所詮は染料ですね。使っていくうちに手に付いたりするんじゃないでしょうか。発色は悪いし、ツヤはないし、色は限定されるし、やっぱりリールシートはウレタン塗装がイチバンかもw
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