水路の鉄人 ロッドビルディング
世間では雷魚は雷魚専用ロッドで!ということになっていますが、雷魚ロッドでは対応できないのが、水路の雷魚ゲームです。
よくあるのが、こんなシチュエーションです。足場の高い水路で、フルオープン。足元の見え雷魚狙い撃ちのパターンです。
こういった雷魚を雷魚ロッドで狙った場合、フッキングと同時に雷魚が垂直飛び。その瞬間にスラッグが出てバレ。このバレパターンがホンマ多いです。
例えば、雷魚ゲームでは一般的な足場の低いカバーだったら、フッキングしたところで、魚は真横に近づいてきますから、垂直ジャンプされにくいし、たとえジャンプしても、カバーに引っかかりやすいので、スラッグはなかなか出ません。
一方、足場の高い水路なんかでは、ほとんど真上方向のフッキングなので、ロッドが硬い場合、魚がジャンプし、それがスラッグにつながり、結果としてバレます。
その理由は、雷魚ロッドの硬さにあります。そもそもが雷魚ロッドはカバーゲームを前提に作られています。ヘビーカバー用はお話になりませんが、ライトな雷魚ロッドといえど、説明は、ほとんど「オープン〜ライトカバー」表記になっているのではないでしょうか。
雷魚ロッドの中で、やわ過ぎるやろ〜と思うのが、ライムカントリーですが、ウルトラライト設定のライムカントリーL74DIFFYでさえ、推奨ゲームは、オープン〜パラヒシになっています。シャドウライズのレーザーもバスロッド並の柔らかさですが、ライトカバー用となっています。つまり、オープン専用の雷魚ロッドは存在しないのです。
私が持っているロッドの中では、シャドウライズが一番ティップが入ってくれて、バレにくかったですが、それでも、足場高い水路でのバレは多いです。
じゃぁ、いっそバスロッドで。と言いたいところですが、そうはいかない理由があります。それは、フロッグの針。フロッグの針は、沖釣り用極太フック並みの太さです。そのため、バスロッドみたいな細いティップでは、雷魚用フックを雷魚の口に貫通させるだけのパワーがないのです。
じゃぁ、ジギングロッドは!?ジギングロッドもティップが柔らかすぎです。1年目に嫌と言うほど経験しました。ジギングロッドのティップでは、フロッグの針は貫通しにくいです。また、短すぎるのも難点。ジギングロッドは大体6ft以下。バーチカルジギングは真下の魚のフッキングがメインなので、短くても事足りますが、水路雷魚の場合、フッキングが魚は真下ばかりではなく、斜め下5m奥とか、そんなシチュエーションも多いので、フッキングを考えた場合、ある程度の長さは必要です。その長さは大体7ftくらいだと思っています。
つまり、水路でありがちな、足場の高いオープンクリークで、見え雷魚を獲るには、フックを貫通させれるくらいティップが硬く、それでいてフッキングした瞬間に雷魚をジャンプさせるほどのパワーがなく、なおかつ、一気にブランクが根元まで絞り込まれて、スラッグを回避できるような、そんな雷魚ロッドが必要なのです。
そんなブランク・・・・
あった!
7.5ft。グリップ改造シャドウライズとほぼ同じ長さ。
張りが合って、それでいて、曲がりやすく、コシのしっかりとした感じ。アンサンド仕上げ。
ティップは、外径2.8mm。ガンガン77が3.0mmですから、雷魚ロッドの部類?と言えますw
曲げた感じは、シャドウライズのレーザー以上、バイオレンス以下といったところ。ティップがそこそこ硬いが、力を入れていくと、粘りのある自然な曲がり方です。これは・・・・オープン専用雷魚ブランクにうってつけ!
カーボンパイプの肉厚は、1.5mm。強度も問題なしじゃろ!こりゃいけるど〜!
値段2000円!や、や、や、安!迷う間もなく購入w
メーカー名?そんなもん書いてません(^^)
というわけで、オープン専用の雷魚ロッドビルディグが始まりました。
グリップ製作
まずは、グリップ製作。材料はホライズンで買ってきました。お値段6000円くらい。コルクとEVAは余ったやつがあるのでそれを使います。
外径14.5mmのストレートパイプ。内部はテーパーがかかっています。
まずはリールシート。讃岐の夢と同じく、ACSにしようかと思ったけども、ACSは小さいので、でかいリールに合わなかったです。だから、TCSKN17をチョイスしました。やはり雷魚で使うなら、リールシートは17はいります。讃岐の夢で採用したACSも17ですが、痩せているので少し小さすぎです。これは、EVAとかコルクを先端につけて回すタイプです。これは雷魚ロッドで採用しているのが一つもない(ハネクラのメタルカスタムがこれっぽいが・・・)ので、珍しいですw
このように付けます。
が、長くて気に入りません。もっとショートにしてかっこよくしたいです。
だもんで、適当なところでぶった切り。
EVAも長さを合わせて
カット。パーフェクトガイド2で勉強したんですが、EVAを切るときは、カッターの歯を少し出して、ジワリジワリ切っていくのがいいです。
で、出口ですが、当然いびつになっています。
で、これがキモ!ペーパーをしいて、押さえつけながら回していくと、平坦に削れます。
注意点
平坦に削るときに、もし、ペーパーをこするように研磨するのは、NGです。人間の手の構造上、引くときに力が入るので、手前が削れ過ぎて、斜めになります。
平坦に削れました。
うまいことつきました。
で、てっぺんが小さいのでカーボンパイプに入りません。だもんで、これを拡張します。
で、毎度おなじみ、マタギEVAリーマーと電動ドリルで穴を一気に拡張します。
入りました。続いてフロントグリップを組みます。
フロントグリップ製作コンセプト
水路専用雷魚ロッド、フロントグリップは短くあれ!
リールシートの位置は上に行くほど、ブランクはしなりやすくなります。ブランクとカーボンパイプを比べると、どねーに考えてもカーボンパイプのほうが太いし、硬いし、しなりません。しなるときはリールシート上側がしなるので、持つところをブランク側、つまり上側に寄せたら、よりしなるはずです。だから、水路用雷魚ロッドでは、よりしなるリールシート位置。つまり、フロントグリップを短くすることを考えて作ります。
で、実際にやってみる編ですが、
こんなふうにセッティングしました。
・・・・合わんな。
続いて、同じ径のコルクを上に。
・・・・これも合わんな。
もう稼動フードナットの上にコルクを置くのはやめ!計画変更です。
で、フードナットをネジ山ギリギリまで切ります。
普通の雷魚ロッドみたいに、フードナットがねじ山から出ないようにしました。
で、フロントグリップ。まずはワインディングチェックを入れます。
デザインナイフでワインディングチェックが入るように凹凸を作ります。
入りました。
で、続いて成形作業。EVAリーマーにマスキングテープを付け、その上に成形したいコルクをはめ込みます。
で、板ヤスリを買ってきて、
こんな感じにあてて、斜めに成形します。
斜めに面を落として成形できましたw
で、400→800→1000の順に研磨して行き、コルク表面をキレイにします。
最後に手でペーパーがけで調節して、終わり。
反対側は余っていた黒を入れます。やり方は、赤と全く一緒。
成形も終わり。
続いてリアグリップ。短めにしてデコレーションリングをつけました。
で、久しぶりにツートン。リアの後ろ側はコルクにしましたw
で、リールが入るかチェック。問題なし。これを怠ると、出来たあとにリールが入らないって最悪なオチがあります。
で、エンドの長さ決め。現時点で、コレ。
リアグリップのコンセプト
リアグリップも短くあれ!リアグリップが短いと、キャスティング精度が上がります。最初に言いましたが、水路の釣りでは、必然的に足場の高い位置からのキャスティングとなり、着水音が大きいので、キャスト精度がものっそシビアです。少しでもキャスト精度を上げるべく、リアグリップはアホほど短くすることにしました。
リアグリップが長い場合。
リアグリップが短い場合。
例えば、剣道で使いやすいのはどちらでしょうか?もちろん、リアグリップが短いほうです。リールシートが支点。もいっちょの手がそれを補助する働きをします。支点と補助点が離れると、テコの原理で振る力は大きくなりますが、メインの手から補助点が離れるため、振りぬくときにぶれやすいです。そのため、精度は落ちます。一方、リアグリップが短いほうは、支点であるリールシートにもいっちょの手が近いので、精度は上がります。ブンブン振るときのブレがないんですよね。
野球で、より正確に当てたいときにこんなふうに手を持ち変えるのに似ています。つまり、キャスティング精度を上げたい場合、リアグリップを短くして、リールシートともういっちょの手を近づける工夫が有効に働きます。
さらにリアグリップを短くするメリットがもう一つ。それはガードレール対策です。水路戦では、雷魚を見つけた直後に、ガードレールに隠れて気づかれないように打つという忍者戦法なるものが存在します。その時、アンダーキャストで投げるのが普通ですが、リアグリップが長いと、アンダーキャストするときに、ガードレールにエンドが当たります。で、ガーン!とすさまじい音がして雷魚退散。ってパターンがあります。このため、リアグリップは短いほうが有利です。
まずは、自分の手に合わせて、
印を付けて、ぶった切って
切り口の面取りです。
続いてリアグリップのEVAをワインディングチェックが入るようにデザインナイフで成形。
入りました。
各パーツをこんな風にまとめておくと分かりやすいです。
グリップの接着
コツ
一つ一つ接着することです。グリップにエポをベッタリ付けて、付ける予定のパーツを一気に入れる。これは、NG。パーツとパーツのつなぎ目のところは、じわじわとエポがはみ出てきます。それを修正しているうちに可使時間が過ぎて終了です。また、メタルパーツのデコレーションリングなんかは、外径だけ合って、内径は大きすぎて合ってない場合が多いので、センターからずれます。その修正も焦る要因の一つです。一気にやると、修正が多くなるので、接着するときに焦る。焦るからエポの拭き取りが不十分になる。結果、出来栄えが悪くなる。
そのため、エポキシでフロントグリップを付け、完全に硬化してから、リールシート接着。リールシートが完全に硬化してから、リアグリップを組む。なんてことをやると落ち着いて作業が出来るため、出来栄えは良くなります。時間はかかりますが、絶対こっちのほうが出来栄えはいいです。
つまり、落ち着いて作業が出来るように進めていくとうまいこといきます。
以下に、その作業の様子を記録していますので参考に。
手の汚れ対策
ここから接着剤を使った組み立てですが、気をつけておきたいのは、手に付いた汚れです。手に接着剤が付いたまま組むと、コルクやEVAにその接着剤が付きます。気づかないまま接着剤が硬化したらもう二度と取れません。
こーゆーヤツです。二度と取れません。
だから、各々の注意点をまとめます。
普通はエポキシを使います。これはエポのハコです。チューブから出す関係上、使っていくと、必ず液が少しハコにもれます。
口の周辺がベタベタ。
これを出すと、
十中八九、エポが手に付きます。このままグリップを組むと、かならずエポがコルクに付くので、
だから、アルコールで手を吹きます。この時便利なのが霧吹きで、この中にアルコール(アルコールランプの燃料)を入れておき、必要に応じてシュシュ吹いて、ティッシュで吹けばエポはキレイに取れます。
だから、作業のたびにアルコールで手を洗うことを気をつけておけば、きれいなグリップビルディングが出来ます。
パーツのエッジについたエポキシの拭き取り
続いて、重要なのが、パーツ同士の隙間から出てくるエポの洗浄です。
例えば、コルクにワインディングチェックを接着するとき、必ずパーツの隙間からエポがはみ出ます。私もグリップビルディング初期のときは、マスキングテープで保護していましたが、コルクにマスキングテープをつけると、
→外すときにコルクが欠けます。
だから、アルコール+キムワイプで拭くのがいいです。
キムワイプにアルコール霧吹きをシュシュ!とひと吹き。
で、はみ出たエポを拭きます。
はみ出たエポはキレイに拭き取れます。
ティッシュでやらないほうが良い理由
適当なEVAにエポを塗り、
ティッシュを取って拭きます。
ティッシュのカスが付きます。
キムワイプを使った場合、
繊維が付かずにエポを拭き取れます。なければしょうがないですが、なるべくキムワイプを使いましょう。
で、作業再開です。
ワインディングチェックやら、デコレーションリングやらのメタルパーツは、いきなりブランクにつけるのではなく、あらかじめ付ける予定のパーツにつけておくと、組むときに楽です。いきなりブランクにつけると、センターが出なかったり、ずれたり、斜めになったり、そんで修正したり、アルコールではみ出たのを拭いているうちに可使時間が終わって硬化したりで、散々な目にあいます。この仮止めですが、5分エポキシだと、押さえる時間が少なくて楽で、きれいにいきます。これを30分エポキシなんかでやると、なかなか固まらず、待つ間にじわじわとズレたりするので、やはりこれは5分エポキシの勝ちだと思います。
今回はフードナットにもEVA+ワインディングチェックを接着します。また、ここはリールを固定するときや外すときに結構負荷がかかるので、5分よりは強力な、30分エポでやることにします。まずは、ペーパーで軽く傷をつけ、30分エポキシで接着です。
全パーツの仮止めが終わったら、こんな感じにしばらく完全硬化を待ちます。
で、接着です。
今回は、30分エポキシでやることにしました。普通、雷魚ロッドはなんでも最強を使うとなっています。だから、エポも普通は90分を使っています。
が、どのビルディングDVDを見ても、使っているのは30分タイプです。沖釣りロッドや激しいジギングロッドですら、30分です。
思うに、グリップ接着は30分でいけるんじゃないでしょうか。
90分は実は曲者で、90分経つと動かない・・・・わけではないです。経験上、だいたい、2日かかります。
1日経っても、思いっきり、グリップをねじってみると、じわーと動きます。
だから作業性がものすごく悪いです。
例えば、EVAとかを押し込んで密着して、平坦修正するときなんか、テンションをかけっぱなしにしなくてはいけません。接着してそのままほっといたらテンションでじわーと戻されていって、ワインディングチェックが外れます。
だから、
こんな感じの工具を作り、追い込んだまま2日間固定しなければなりません。
一方、30分エポキシは、30分抑えておけば、もうびくともしなくなります。
作業性がいいのは圧倒的に30分です。可使時間も30分くらいあったら、一つ一つのパーツを組む時間としては、長すぎるくらいです。30分くらいだったら、テレビ見ながら押さえて、時々確認するのもちょうどいい時間だし。
強さも、十分強いです。5分エポキシでさえ、一度接着したら、熱なしでは手では絶対動きません。
だから、今回、30分で試してみてイケれば、今後は30分エポで組みます。
で、作業再開。いつものようにタコ糸w今回は直径2mmのタコ糸で隙間を埋めます。付け方については、フルロッドビルディングを参照に。
巻いていってみると、きつめながらもリールシートが何とかねじ込めるくらい。
瞬間接着剤で固定し、リールシート挿入。
しかし、思いのほかきつくて、途中で入らなくなりました。
で、やり直そうと思ったら
う・・・・・・・・・・・・・・・・
(((( ;゚Д゚)))) 動かない!!!!(゚Θ゚)
もう焦って、必死で抜こうと思って、頑張っても全く抜けない
そんなこんなで、焦っていると、
エポキシの可使時間が過ぎて、終了
結局アクリルカッターで真っ二つにして、リールシート御臨終。
手は血豆だらけになりました。 2,3日指が痛くて、仕事になりませんでした(汗)
考えてみたら、ブランク外径が15.5で、タコ糸2mmを巻くと、4mm拡張するので、19.5。まぁ、引っ張るから若干縮むので、17.5として、リールシート内径が17。
入るわけないじゃろ!
今思えば、なんであそこでタコ糸をもうちょっとゆるくしなかったのか、悔やんでも悔やみきれません
やり直しです(涙)
で、ぶっ壊れた部品のみ、ホライズンで買い足してきました。2000円のブランクで安く作れる!と思いきや、だんだん市販ロッドと変わらない値段になってきました・・・・。だからビルディングは金がかかる・・・。
今度は、1mmのタコ糸を巻きました。付け方に関しては、フルロッドビルディングを参照。
リールシートは赤いリングがなかったので、黒いリングにしました。
ヨッシャ!十分入る。隙間もほとんどない。このテンションを覚えておきます。
で、30分エポを付けて、リールシートを押し込みます。
で、アルコール付きキムワイプではみ出たエポを掃除。
で、ネジ山の根元に付いたエポは、ティッシュでもなかなか取れないので
爪楊枝の先にキムワイプを少し巻いて、アルコールを付けて
ねじ山の根元を拭きます。
キレイに拭けます。
で、続いて、リール下。コルク・EVAを付けた状態でマスキングテープでマーキングし、800番ペーパーで足付け。
エポ塗って、EVA・コルクを入れて、はみ出たエポをアルコールキムワイプで拭いて
乾かして終了。
で、リアグリップですが、内部バランサーにする予定なので、全部組んだ後に付けます。
ガイド選定
水路対策で、ロッドのしなりと同時に気をつけたいのが、キャスティング精度。足場が高い位置からのキャストなんで、自然と着水音は大きくなります。しかも、雷魚の顔の向きとかで、フロッグを落とすべき位置はピンポイントである場合がほとんどです。ピンポイントを外すと、着水音がでかいので、ミスキャストの瞬間に逃げられるか、着水音で不穏を察知され、警戒されて食わないなんてことは日常茶飯事です。そのため、水路雷魚では、足場の低い位置からのカバーゲームよりも、キャスティング精度はシビアであるべきです。
キャスティング精度は練習あるのみ!とはいえ、キャスティング精度を上げるためのセッティングというものがあります。
それは、ガイド径を小さくすることです。
↑普通の雷魚ロッドのガイドセッティングはこんな感じです。トップガイド10。8ガイドが3個くらい続き、10×2、12×2、バットガイドが16。全部がこうっていうわけではないんですが、おおむねこんな感じです。すると、リールから放たれるライン軌道はらせん状にクルクル回りながら水色のラインを通ってキャストされます。
もし、ガイド径を小さくするとどうなるか
ガイドサイズをワンサイズ落とすと、こんな感じになります。トップガイドは、ノットが引っかかることがあるので、通常、1番ガイドよりもワンサイズ大きくするのが普通ですが、キャスト精度を優先して、1番ガイドと同サイズにしときますw
ガイドのリング径を小さくすることで、キャスト時のラインのらせん軌道の上下のブレが小さくなります。つまり、ライン軌道は、ブランク側に寄り、ブランクに這うように放たれることになります。すると、ブレが少なくなるし、ラインがブランクに追従しやすいので、キャストの精度が上がるというわけです。
問題は、ビミニのノットが6サイズのガイドリングに通るかということですが、釣具屋で試してみたところ、無事通りましたw
これで、いけます。
水路専用雷魚ロッドは、カバーロッドよりもワンサイズ小さいガイドを選択し、キャスティング精度を上げます。
トップガイド
ローライダーガイドのMNSTをチョイスしました。左から、8-3.0、8-2.8、6-2.8です。8-3.0、8-2.8が雷魚用です。比べてみると、若干キャシャになりますが、どうせオープン専用。バスロッドよりも断然ゴツイので、6-2.8を選択します。
ただ、このトップガイドは、足付きです。曲がりを重視した場合、足がないほうが曲がりはいいです。足がないローライダートップは、MGSTというヤツがありますが、あれは、8以上からです。6サイズがないので、チョイスは見送りました。6サイズで、足を切ったろかいとも思いましたが、ホライズンの店長さんに聞いてみると、曲がりはほとんど変わらず、抜けやすいトップガイドの抜け防止にも役立つから、とのことなんで、足アリで使うことにしました。
1番ガイド〜3番ガイド
選択したのは、LDB傾斜ガイドです。サイズは、LDBで最大のLDBSG6です。PE使う雷魚釣りでは、ティップ付近のライントラブルがものっそストレスになります。だから、無論、傾斜ガイド。雷魚ロッドでシングルフットを採用しているロッドはないので、これも曲がりがよくなってバレが減ってくれそうです。
また、曲がりを重視した場合、ダブルフットとシングルフットだったら、断然シングルフットのほうがいいです。
例えば、ダブルフットだと、ブランクが曲がるのに対して、フット側に戻そうとする力が働きます。これがブランクの曲がりを邪魔します。カバーがらみのパワーが必要なシチュエーションだったら、ブランクをしっかりと支えるために必要なガイドですが、水路雷魚相手だと、そんなパワーはいりません。
一方、シングルフットだった場合、足がブランクの曲がりに抵抗するような要因がないので、ブランクに沿って、ライン軌道をアシストするような感じです。ブランクの曲がりを邪魔するようなことはないです。
私が思うに、水路でのオープン雷魚だった場合、ティップ付近のダブルフットはむしろ足手まといで、むしろシングルフットに軍杯が上がると判断しました。
で、シャドウライズで、1番ガイド〜3番ガイドでのラインがらみのストレスがむっちゃあったので、傾斜ガイドにしました。
問題は強度ですが、
シャドウライズのLNガイドと比べた場合、ワンサイズ小さいにもかかわらず、断然LDBガイドのほうが太かったです。傾斜がかかっている分、負荷に弱いので、それが心配ですが、シャドウライズのガイドで大丈夫なんだから、LDBでも大丈夫やろ。と思って、こいつを選択しました。
4番ガイド〜5番ガイド
このあたりからガイドはブランクの中腹くらいに位置するようになります。当然、ティップに比べて太いだけあって、かかる負荷も大きくなってきますから、シングルフットには見切りをつけ、ダブルフットに切り替えます。普通のPEロッドなら、4番ガイドからLCガイド(ローライダー)に変わるところなんですが、あえて、MNガイド(MNST8)をチョイス。これを選んだ理由はロッドを曲がらせたいからです。
これは、10番の大きさのNガイド(ガン7に付いていたヤツ)とLCガイド(ローライダー)です。
←Nガイドを装着したときの予想。両サイドからブランクを引っ張る感じ。
←LCガイドの場合。Nガイドよりも足の間が広いので、ブランクの曲がりに沿うピッチが広いです。すると、より広い範囲でブランクを曲げないようにする反発力が働くため、Nガイドに比べると、曲がりにくくなります。これがゆえに、LCガイドは、長いロッドにマッチングします。投げ竿推奨とされるゆえんです。
今回はより曲げたいので、曲げ重視で、ダブルフット間の短いMNガイドにしました。ちなみに、Nガイド、MNガイド、LNガイドという感じにライトになっていきます。シャドウライズはLNですから、アレよりも少しゴツイガイドです。強度も問題ないと判断しました。ちなみに、MNは、バスロッドのドムドライバーとかに採用されています。
6番〜7番ガイド
バット付近は結構な負荷がかかるので、無論ローライダー。LCSG10×2です。
バットガイド
ここも無論ローライダー。バットガイド用で、背が少し高いヤツのLCSG12Mをチョイスしました。
スレッド巻き
4番ガイドまでは、エポキシの余計な硬さを回避したいので、シングルラッピングの予定です。なので、ガイドを直付け。5,6,7,8番ガイドは結構な負荷がかかりそうなので、ダブルラッピングにする予定です。下巻きを巻きました。これは、ガイドラッピングの基本巻きにしたがってやるだけ。飾り巻きの部分もラッピングテクニック参照。バット部分の長距離スレッドは、これまたラッピングテクニックのスレッドスムーザーを参照。これらは、「ガイドセッティング」にもやり方を書いてます。
バット部分長距離スレッドの理由
普通は、こんな総巻きみたいなことはやりません。ものすごい時間がかかるし、スレッドスムーザーでもうまくバニッシュ処理が出来るかどうかが微妙だからです。なぜ、バット部分にここまで長いスレッド巻きをしたのかというと、ずばり、アンサンドのブランクにデカールが乗らないからです。
これは、このアンサンドブランクに東京眼張行脚のデカールを貼ったものです。アンサンドは蛇腹が波打ってます。そのため、どうしてもエアが噛んでしまいます。それを防ぐためには、
バット部分に総巻きして、エポキシコーティング1回。これで、水研ぎフィニッシュを行います(エポキシコーティング参照)。まぁ、何もなしでコーティングして貼るという手段もありますが、今回はインクジェットデカールでネーム入れをやりたかったという理由もありまっす。
すると、総巻き+エポキシコーティングで平坦なブランク地肌が作れますので、これでデカールを貼ることが出来ますw
だから、アンサンドの場合、ネーム入れ部分を平坦にするための工夫が必要なのです。それがバット部分の総巻きだったというわけです。もしくは、何もしない上にコーティングして、水平な塗膜を作るかです。
ガイド装着+コーティング
ガイドセッティング方法にまとめました。そっちを参照に。
下巻きのコーティングは2度塗り。上巻きはトップ〜5番ガイドが3回塗り。6番〜8番ガイドは4回塗りで仕上げました。
コーティングはエポキシコーティングを参照。「2本のフデを使った基本コーティング」を使って下巻きをコーティング。「デザインナイフを使った修正」で平坦にします。その後「ガイドの取り付け」「フット部のコーティング」でガイドのコーティング。「デザインナイフを使った修正」でアラをなくします。で、2度塗り、3度塗りでフィニッシュ。万一、エクボが出たら、「水研ぎフィニッシュ」です。
コーティングの失敗その1
最悪!フット下の隙間にエポキシ充填しようとして、いけると思ったけど、時間が経っていくうちに内部にあった気泡が出てきて、途中で止まってこんな感じになってしまいました!15分おきくらいにチェックして作業したほうがいいと思った失敗でした。
修正
デザインナイフで気泡のエッジを切っていき、自然な感じに穴を広げます。
こんな感じにしました。
そして、エポキシコーティング。今度は失敗しないようにします。
一応、分からないようにごまかせましたwww
デカール作り
今回は、実験的に、インクジェットでカールでいけるのかどうかの実験もかねることにしました。使ったのは、ミラクルデカール。インクジェット専用のデカール用紙で、薄すぎでゴムのように伸びる上に、溶剤にものっそ弱く、なかなかに技術が必要な難しいデカールです。詳しくは、インクジェットでデカールを参照に。
普通に印刷できます。専用光沢紙モードでキレイ設定の印刷がグッドですwメーカー推奨のデカールベーススプレーは吹かないほうがキレイに出来ますwちなみに、香川では松屋玩具店で手に入ります。
入魂作業のネーム貼り付け作業。この瞬間がたまりませんwネームは、「水路の達人66Light」中華の鉄人みたいでカッコいいでしょうw
一応、裏には注意書き。カバーで使うことを考えていないので、「カバー使用禁止!」くぅー!雷魚ロッドではありえないメッセージwたまらん(鼻息!)
で、いつもだったら、ここでナントカbyふくすけと書くところなんですが、ふくすけふくすけと自分の名前を書くのもバカバカしくなったので、でも「讃岐」の文字ははずせんじゃろってことで、「讃岐漁具」ってのにします♪メーカー名みたいでカッコイイでしょwこれからワタシが作るロッドは讃岐漁具って刻印を押します。香川で作って香川で使うんだもん。いいじゃないのw大好きな北海道の雷魚系?ショップ、アメリカ屋漁具店からもちょいと文字りましたw
失敗その2
水研ぎコーティング中に、やってしまいました。エポキシ平坦にしていたら、削りすぎて、デカールまで逝ってもうた!
最悪!あれだけだけ苦労して作ったデカールが一発でパァやんか・・・・。しかもイキナリ、メーカー名がつぶれるとは、縁起でもない・・・・。原因は多分、ペーパー。ホームセンターの耐水ペーパーだと、削れすぎです。文字がないところはそんなに気を使わなくてもいいけど、デカール真上を削る時は、ミスターホビーの水研ぎクロスをつかったほうがいいですね。アレだとあまり削れないのでむしろ活用できます。
ちょっと削れただけだからいけるかなぁ?と思って2回目のコーティング。思いっきり気になるわ!
この際だからメーカー名を全部削ってそこだけやり直すことにしました。
段々削れました。他のデカール部分も削ったらイカンので、マスキングテープで保護しています。
一応、削りきりました。
で、そこだけデカールを貼る!うまいこといけたか?
今度は慎重に・・・・
デカールがない部分は1500番のペーパーで水研ぎ。
デカールがあるところは、より削る力が小さいミスターホビーの研ぎ出しクロスで行いました。
それからコーティング×2。水研ぎでフィニッシュ。
なんとかごまかせた!ほっとしました。今後は気をつけます・・・・。でも讃岐漁具の部分だけコーティングが薄くて若干へこんどる・・・・。まぁ、大失敗したんだもん。しょうがない。許容範囲許容範囲(汗)
グリップのスレッド巻き
ブランクとグリップ。二つ作ったドライモーターで同時進行で一気にコーティング作業をしました。ドライモーターは2個あると効率がいいですw
で、白スレッドに赤メタリックの飾り巻き。コーティングは3回行いました。
グリップ作り再開
さぁ後はリアグリップを組むだけ!終わりが見えてきたのでソワソワしますね〜♪
しかし、重心が全くあってない・・・。リアグリップを切りすぎたか。まぁ、バランサーを組めば問題ないでしょうw
まずは、EVA接着予定のところに150番ペーパーで足付け。
30分エポで入り口に付けて
グリップに押し込んで、エポをアルコール付きのキムワイプで拭き取る。
大体乾いたので、
ここに東京眼張行脚と同じく糸オモリを貼り付けます。
こんな感じに巻いてエポを塗ってOK。
と、あと少しだと思って、グリップを眺めると・・・・
!?
あ!!!!!
EVAが、ずずず、ズレとる・・・・
なんと、くっついていたと思っていたEVAが実はまだ完全硬化していなく、そのまま糸オモリを巻きつけて行ったモンだから、EVAがズレた模様です(涙)
最悪。なんちゅうミスや。
気づいたときはエポは完全に固まり、引き抜き不可。リアグリップ死亡。
ギョエェー!オレのバカバカ!
落ち着いてやりまいよ〜・・・・・
後悔してもすでに遅い。
まだ、ワインディングチェックは死んでないので、前回の失敗を踏まえて、落ち着いてバラしていこうと決意。
まずは、糸オモリを外します。エポと鉛は相性が悪いらしく、不幸中の幸いで簡単に外れました。
EVAはカッターで切っていきます。歯をなるべく浅い角度で当てながらジワジワと角を落としていきながらやるのがキモです。
一応ここまでカッターで削りました。
で、ラジペンでワインディングチェック引き抜き。しかし、直接ペンチを当てたらアルミが傷つくので、マスキングテープで保護しました。
アルコールランプで炙りながら、こんな感じに当てて引き抜こうとするも、全く抜ける気配なし。
なので、デザインナイフでワインディングチェック周辺のEVAをもっと削っていきます。アルコールランプで炙りながら削っていくとやりよいです。
今度はいけるでしょうw
ラジペンが挟みにくかったので、今度は大型プライヤーでチャレンジ。コレもマスキングしています。
ワインディングチェックの角があるところを挟まないように注意です。
もし角をつまんだ場合、十中八九、アルミが曲がり、傷が付きます。私は失敗しました(涙)
で、外れたので、あとはアルコールランプで炙って、ワインディングチェックにこびりついたEVAをデザインナイフで切ってきれいにします。
あとは、ペーパーでこびりついたEVAやエポを一気に削って滑らかにしました。
そんで、5分エポでワインディングチェックだけ固定しました。
これで修正終了。グリップ組み立て再開です。
バランサー作り
思いっきり前重心だったので、なんとしてもリアを重くして重心をリールシート側に持ってこないといけません。。
ウースケさんのアイデアをまんまパクって、ボルトをパイプにぶち込み、バランサーとします。
さぁ、入るかな?って、最後まで入らん!
なんで?
パイプを覗いてみると、怪しげな汁が・・・
なんと、
コレをやったときに、エポがパイプ内部に侵入。途中で硬化して固まった模様です。オイオイ。どうすんだ?こりゃ取れんぞ。
しょうがないので、ネジを切って根元まで入るようにしました。
あとは、ボルトの山をベンチグラインダーで削りまくって、パイプからハミ出ないように成形。
こんな感じに入ります。
バットキャップも内径を削って入るようになりました!
5分エポでさっさと固定。
重心チェック。まだ若干、前のめりです。本当なら、失敗した時の内部のエポキシがなければ長いボルトを使えばいいんですが、それが出来ないので別の方法で重心を微調整します。
とりあえず、再びデザインやり直し。このEVAでやります。
ちょっとワインディングチェックがはみ出ます。ツラッツラです。
しょうがないので、若干切って修正。デザインナイフで切ります。
これでちょっと厚く広がったので、ジャストフィット♪
あとは回しながら平坦に整えて
フィッティング。バランサー入れたのと、デザイン変更に伴ってEVAが短くなったのでバットキャップとの間に隙間が出来ます。
ここはコルクを入れて修正します。適当なコルクを切って間にはめ込みます。
こんな感じです。
そして、リアに2mmの糸オモリを巻きながら最終的なバランス調整。バランスが完璧に出ましたwww
だもんで瞬間接着剤で固定。ドライヤーでさっさと乾かします。残りの部分の隙間充填は2mmのタコ糸を使いました。
EVAを30分エポで固定。前回の失敗を踏まえて、いったん完全硬化を待ってから作業。残りの部分にもタコ糸で充填しました。
で、ラスト。バットキャップ。これはコルク両端のツラあわせがあるので、2個いっぺんに接着固定します。
30分エポで完全固定。はみ出たエポはアルコール+キムワイプで拭き取り。
この時、他の部分のパーツも要チェック。エポを使う以上、他の部分にエポが付いていないか要チェックです。エポがこびりついていたので、これもアルコール+キムワイプで拭き取りです。
そしてついに・・・・
完成!
大失敗の連発で、てこずったけど、できた時の喜びはひとしおです!だからビルディングは面白い!
ワンポイント紹介
まず、リールは鬼のギア比7.0のスピードマスターを合わせます。とにかくスラッグを出さないようにする雷魚釣り。しかも水路なら足場が高いのでもっとシビアにスラッグ対策を取らないといけないです。だもんで、アブの6.3のギア比を超える7.0がベストチョイス。ラインキャパはハッキリ言って力不足ですが、6号を50mも巻ければ距離のいらない水路で何の不自由もないのでこれでOKでしょう。
バット部分は長距離スレッド。長距離スレッドは糸目のアラが大きくて、スレッドスムーサーをもってしても、なかなか修正できないで、2,3度巻きなおして、なんだかんだで、3時間くらいかかりました。
ネームはミラクルデカールのインクジェット印刷。インクジェットの耐久性を見る実験も含んでいます。水路の鉄人まさに水路専用雷魚ロッドに相応しい名前♪
カバーがらみになると力不足になるので、スペックはカバー使用禁止!さらに讃岐漁具のメーカー名もナイスナイスナイス代行♪
コーティング。長距離スレッドを1回コーティングした後、水研ぎフィニッシュしてデカールを貼り付け、その後2度塗りで水研ぎ。しかし、削りすぎてしまい、デカール死亡。結局デカール全部削って貼りなおしました(涙)その後2回コーティング。讃岐漁具の部分が他の部分よりも薄くて、ちょっと凸凹してますが、これはデカールを全部削った以上、しょうがない。次からはペーパー研磨で気をつけます。
バットガイドは逆付けLCダブルラッピング。下巻き2度塗り。上巻き4度塗り。
メーカーのようなモッコリコーティングを目指したけども出来なかった・・・・・。マタギのビデオでは、単純に重ね塗りしたらモッコリコーティングが出来ます。っつーけど、できねーぞ!?またホライズンに行って聞いてみよう。
6、7ガイドは通常付けダブルラッピング。 これも下巻き2度塗り。上巻き4度塗り。
4、5ガイドはMNガイド。シャドウライズよりもワンランクごついやつです。これは曲がりを重視してシングルラッピング3度塗り。
これは単純に3度塗り。
1,2,3ガイドはなんと雷魚ロッドでは初めてのLDBガイド。水路ではティップが入ってくれないと一瞬でばれるので先端の曲がりをかなり重視しました。
トップは無論ローライダートップです。
さぁ、これをもって水路へレッツゴー!最初の一匹が楽しみ〜〜〜♪
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