スプラインニューコンセプト


ブランクスの製造方法


ブランクスは、カーボン繊維を練りこんだ熱硬化型のエポキシをマンドレルと呼ばれる鉄芯に巻きつけ、電気炉で焼き付けて成形します。その後、マンドレルからブランクスを引き抜いて、ブランクスの元が完成します。

すると、カーボンの巻き始めと巻き終わりでカーボンの厚さが違います。厚いところは曲がりにくく、薄い部分は曲がりやすいという特徴があります。

ビルディング関係の本に、よくこんな図が載ってないですか???これは、カーボン板を丸めていって、最後に来る場所が筒の中で、最もカーボンが厚い部分で、そこだけ曲がりにくいからそこがスプライン!という説明のときに使われる図です。

つまり、上の図でいうと、スプラインはココということになります。


が、


そもそも、この理論が大嘘。

マンドレルは何回も使いまわしされるので、どうしても熱によるダメージを受けます。ダメージを受けると歪みます。

ゆえに、ブランクは、歪んだ状態で成形されます。

こんな感じです。

で、この手のブランクを回していくと、

ティップに注目していると、曲がっているので、こんな感じになります。

スプラインはココです。

この時、横から見るとこんな感じです。

なぜ、そこがスプラインかというと、

もともとが曲がっているので、その曲がりに沿う部分が曲がりやすく、それに反抗するような方向が曲がりにくいからです。

加えて、ここをスプラインにすると、歪んだロッドが真っ直ぐになるから、そこにガイドを付けるのが一番適しているからです。

ベイトロッドだった場合、ガイドは上側に付けます。

すると、ガイドの重みや、コーティングの重みが乗って、ブランクスは真っ直ぐに修正されます。

曲がったロッドと、まっすぐなロッドはどっちがカッコイイかというと、勿論、真っ直ぐなロッド。だから、この部分がスプラインで、ここにガイドを付けるのが理想的です。スピニングの場合でもベイトと逆の位置にガイドを付けるので、ガイド+コーティングの重みで真っ直ぐに修正されます。

こうすることで、スプラインの探し方の説明でありがちな「ティップを曲げていって一番反発力があるところが・・・」なんて曖昧な探し方をせずにすみます。

ただし、市販のロッドを見てみると、だいたい、スプラインはあっていません。45度〜90度くらいズレているのがほとんどです。これは、歪みが小さいので、トップガイドをつける時に、スプラインを探す手間をヘズっているからではないかと思われます。また、スプラインを確かめる時はバットからティップを凝視しながらやるもんですが、これをやると、バット部分にスプラインのマーキングは出来るけども、それをティップにそのままずらしていくことが困難なため、厳密なスプラインだしというのは実際はなかなか正確に行かないというのが本音ではないでしょうか。

スプラインの利用方法

で、スプラインの利用方法ですが、ブランク成形で出るゆがみで出る、曲がりにくい面と曲がりやすい面を利用してブランクスの性能を最大限引き出します。
曲がりにくい面は反発力が高いので魚を引っ張る時にパワーが出ます。反対に、曲がりやすい面は魚が暴れた時に、ブランクスがきれいなベンディングカーブを描くのに役立ちます。

曲がりにくい面を背(スプラインorスパイン)
曲がりやすい面を

といいます。でも、辞書で調べてみると、スパイン(spaine)=背骨、スプライン(sprine)=捻挫だったので、スパインが正しいと思うんですが・・・どなたか知っている人がいたら、教えてくださいませ。


実戦!トップガイド装着!
スプライン探し
スプラインを探すときのコツです。マスキングテープを30cmおきくらいに巻いておきます。

スプラインを探します。

で、スプラインを見つけ、一番根元のテープにマジックでマーキング。

で、そのまま上へそのスプライン目印を移して行き

トップガイドを差しこみ、どこまで入れたら奥まで入っているという目印のマスキングテープをつけます。

5分エポを用意し、

ティップにエポを付け、

ガイドを入れます。

垂れたエポは、アルコールを染みさせたキムワイプで拭き取ります。

そのままスプラインを維持して、5分押さえたままにして、接着完了。

これで、スプライン+トップガイド装着は終わり。ここから下のガイド接着が始まります。

ダイワの工場見学
ブランクの製造方法についてちょいと予想して語りましたが、後日、ダイワの工場風景の動画があることを知り、すごく勉強になりました。ビルダーなら、絶対見るべし!

http://sc-smn.jst.go.jp/8/bangumi.asp?i_series_code=B010601&i_renban_code=083



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