塗りたい!
自由自在に!
ところが、ここで立ちはだかる自家塗装の壁!
使う塗料は
可塑剤入り車のバンパー用2液ウレタンオンリー。
ちなみに、釣竿用塗料というのは需要が低すぎて世の中には存在せず、板金塗装で使う車用の塗料を流用しているみたいです。で、車用のウレタン塗料ですが、金属用とプラスチック用とバンパー用があります。この中でプラスチック用、バンパー用が硬化剤にDブチルフタレート等の可塑剤(柔軟剤)を添加して、皮膜を柔軟にしているものです。皮膜を柔軟にすることで、曲がったときの塗料のクラックを防ぐことが出来るからです。で、プラスチック用とバンパー用だったら、バンパー用のほうが柔軟性が高く、塗料全体がしなるようになっています。ちなみに、可塑剤は1kg9000円オンリーです。ぺいんとわーくすでは、小売しています。
カシュもあるけど、難しすぎ。
缶スプレーは存在しないし、残るはフデ塗り、しごき塗装、エアブラシのみ。
フデ塗りは、ガン7でやって、悪夢のデコボコ塗装に・・・・。
しごき塗装は、雷魚ロッドは太すぎてしごきゴムが入らない。ロッドを逆さに吊るして逆しごきって荒技もあるけど、どこに吊るすんじゃいってハナシ。ひょっと落ちたらティップから脳天直下のブレンバスター。折れるじゃろ〜。
←逆しごき塗装の図。
さらにしごく速度が変わるとメタボ腹のスジが入るという難攻不落の技術。バスロッドみたいにテーパーの甘いブランクだったらいけるかもしれないけど、雷魚ロッドは太すぎて、しごきゴムがきつすぎて絶対引っかかります。だから無理。
極めつけは、
しごき塗装は、リールシートが塗れない・・・。
ってことで以上の理由から、
やるなら、吹き付け塗装です。
吹きつけ塗装なら、エアブラシが一番か!?
と思いきやエアブラシも痛恨の問題が。まず、エアブラシは室内でやることを前提としていますが、
ウレタンを生活空間で吹くのは毒性が強すぎで絶対無理。じゃぁ、屋外で・・・・。
風で塗料が全部吹き飛ばされます。
運良く風がないときにやったとしても、圧が低すぎて塗料が一気にぬれないため、重複して吹いたところがムラ・垂れになります。そのため、ムラの修復・垂れの修復で何度も重ね塗り。
ところが、
エアブラシは使用後の洗浄が大問題。
塗料を使った後にアセトンを吹きっぱなしにして、それが終わったら先を詰まらせてうがい。これが終わると、分解してニードル洗浄。
吹くたびに30分くらいの洗浄作業が待っています。これを怠ると、塗料が固着して、即死亡。
エアブラシでやる人は、塗り3回クリア5回が一般的みたいですが、
8回も洗浄してたら、一体どれだけ手間がかかるんじゃい!
というハナシ。
で、思うのが、マタギはどうやっているのか。
リールシートの塗装をやっている以上、しごき塗装はまずないと思います。
今年のカタログの9ページにその様子が載っていますが、おそらく、同じ色に塗る予定のブランクとリールシートを集めて一気に塗るんじゃないでしょうか。
じゃぁ、エアブラシ?
何度も重ね塗りなんかしてたら、仕事にならないし、工賃が3000円じゃ、重ね塗りは考えられないです。
おそらく、
まとめ塗りで、塗り1回。クリア1回。
で、工賃を3000円に抑えているはずです。
大量に、一気に、それも一度でやるなら、エアブラシは絶対ありえません。
そこで考えた
アネスト岩田HPより
業務用スプレーガン。
板金塗装で使われるヤツです。
で、早速取り寄せてみると、
これは・・・・・
エアブラシとは違います!
エアブラシは分解しやすいように手分解が可能になっていますが、
スプレーガンは、Eリングやら、ネジが色々付いていたりで、分解はむっちゃしにくいです。
ということは・・・・
職人は、分解洗浄はしていないはず!
で、板金屋に聞きに行ってみると・・・・
分解洗浄なんかめんどくさい!するかいや!色塗った後、薄め液を吹いて終わりじゃい!月1回とかのオーバーホールでやるだけ。
これだ!
やっぱり、たくさん塗る人間は、
分解洗浄なんてめんどくさいことは、作業効率上してないです。 つまり、
スプレーガンは、分解洗浄は必要ないってことです。
じゃぁ、なぜエアブラシは洗浄をしないと壊れるのか。
それは、コンプレッサーの圧とニードル径に秘密がありそうです。
エアブラシはコンプレッサーの圧が1キロ、ニードル径0.3mm前後で空気使用量が10L/m程度です。
一方、業務用スプレーガンはコンプレッサー圧が3キロ、ニードル径1.1mm前後。必要空気量が110L/mです。
つまり、エアブラシはニードル径が細いから詰まりやすい上に、コンプレッサー圧が低いので、十分な洗浄が出来ない。だから、うがいやら分解洗浄が必要なんじゃないでしょうか。
だもんで、選ぶなら、スプレーガンじゃろ〜!と思い、これでやることにしました。
面白いことに、
エアブラシもスプレーガンも値段が変わりません。選ぶなら、スプレーガンです。
でも、スプレーガンは塗料カップが600mlです。
釣り道具の塗装で使うなら、カップは20mlに抑えたいところ。
というわけで、改造しましたw
塗料カップを砕き、吸出し口は短くカット。 で、20mlのポリ容器にゴム栓つけて、
ゴム栓に穴を開けて、吸出し口をぶち込み。で、塗料カップを差し込めるようにしました。
で、このまま塗料を吸いだすと、容器の圧が下がるので、穴を開けて準備完了。
上側のネジが、スプレーの平吹きの幅を広げるかどうか。緩めるとたくさんエアが出て、スプレーの幅が広がります。締めていくと、幅が狭くなって直線的にエアが出ます。
で、実験。
中に水をはめて、エア調節しながらドラム缶に水蒸気拭きつけながら練習しました。
20mlカップですが、圧の調節で、おおかた1分は塗れます。
圧が高いのでエアブラシと違って、少々風が強い野外でも吹き付けられます。
ブランク塗装を想定して、壁に水蒸気拭きつけ練習しましたが、おそらく、ブランクは10秒で塗れますw吹き付けられる面積がエアブラシよりも断然広いので、エアブラシみたいな塗りムラは出にくいはず。
おそらく、マタギもこれでやっているんじゃないでしょうか!?
実験
とりあえず、今塗っているリールシートの塗装をコレでやってみました。
配合はナガシマのウレタン白5ml+2.5ml→20ml。前回エアブラシでベスト配合と掴んだ配合です。
これを自家製20mlのカップに入れる。ところが、ゴム栓が邪魔して、10mlくらいしか入らない。
でも頑張って吹いてみる。
アレ?昨日は水蒸気がバンバン出ていたのに全く出ない・・・・。
ウレタン、粘性が高いからかな?
早くしないとウレタンがネバネバになる!
焦ってエアの量を多くしたら、出た出た!
新聞紙にテスト塗装。
おお!
いいじゃーん!
早速吹いてみる。
シュゴーーーー!
出る出る。風が吹いていても関係なし!
で、一瞬で後悔にはや代わり。
新聞紙だと良い感じに塗料が乗っていたのに、プラには全く乗っている様子がないです。
紙とプラで塗料の乗り方が全然違う!
塗料が薄すぎ。半透明の白塗料がプラのリールシートを流れる流れる。
おまけにエア圧が高すぎ。リールシート表面に付いた皮膜を吹き飛ばして次の塗料が乗るもんだから、皮膜は波乗り状態(涙)
いかんいかん!
と思って、すこしガンを離して吹くと、今度は前の塗料と重なって、タレる。
もう塗料が多すぎて、タレまくり。
で、2時間後に触ってみると、厚いところがまだ乾いてなくて、
軍手ダストがベットリ!
で、1日乾かしてみると、ネジ山が塗料で埋まった! 塗料を塗りすぎるとたれてこんな感じになるのか・・・・。これはムズイ。
とりあえずフードナットは入るけれども、きつすぎ。まともにうごかんぜよ〜。
どうやって修正するんじゃい!
おっ、オワタ!ご臨終!
昨日はウマーくいくと思たのに、じょんならん結果になっちまいました・・・・。
でも、分解洗浄なしでイケルかどうか実験は成功。アセトンを瓶に100ml入れて、吹いた時と同じエア圧で50mlほど吹くと、ウレタンはキレイになくなりました。少々残っているかもしれないですが、ニードル径が大きいのでエアはちゃんと出ました。エアブラシよりもよっぽど楽!
極めるならエアブラシよりも絶対スプレーガンです。
つまりこの実験で
スプレーガンは分解洗浄の必要なし!ってことが分かりました!
今日の失敗の原因と対策
・塗料カップのサイズ。前回はミキシングカップで20ml作って全部塗料カップに入れました。そして、混ぜながら吹くと良い皮膜が出来ました。しかし、同じ配合なのに今回は塗料が薄すぎ。
原因はおそらく薄め液とウレタンの比重の違い。ミキシングカップで薄め液を入れた時点で、薄め液のほうが比重はかなり軽いので、下にウレタン。上に薄め液と、分離します。今回は塗料カップに10mlしか入らないのでそこに注ぐと、上にあった薄め液ばっかりが移動。ミキシングカップにはネバイウレタンが残っていました。
配合したら、それを全部入れなければいけなかった模様です。そのため、次回は、10mlミキシングカップでレジン2ml・硬化剤1ml、薄め液3ml。これで塗料カップに注ぎ、その後ミキシングカップに薄め液を3ml入れて塗料カップにデカント。コレでいきます。
・エア圧。エア圧が高いと付いた塗料が吹き飛び、波うち、それがムラになります。特に角度がついているややこしい部分は下地のスジが入ります。だから、エア圧は低いほどいいです。だから、塗料が出るギリギリのエア圧を探す必要があります。ところが、ウレタンは2液性なので、時間が経つとあっという間にネバネバになります。こうなるとふけなくなります。それを防ぐために、ウレタンを塗料カップに入れる前にエア圧を決めておきます。使うのは薄め液。薄め液オンリー状態で塗料カップに入れ、エア圧の調節をします。調節が終わった段階でウレタンを調合して、入れます。そして、遠くから吹き付けます。技術がないのに一気に塗るのは自殺行為。タレるからです。今回の実験で、洗浄が楽だということが分かりました。焦らず、少しずつ皮膜を消していくことを目標に重ね塗りします。
・塗料選定
今日、帰りに板金屋に寄って、あれやこれや聞いてきました。
もう塗料がほとんどなくなったので、可塑剤入りのバンパー用ウレタンの白くれ!と言ってみると、
板金屋「どんな白な?」
オレ「白は白ですよ。」
板金屋「
世の中の白塗料は白じゃないで」
なんと、白は白じゃないそうな。例えばガードレール。あれって、白かと思ったら白ではないんですって!白に少し黄色とか、灰色とかを若干混ぜて調合しているみたいです。白は色の中で最も明るい色ですので、隠蔽性が最悪だそうです。だから、隠蔽性を上げて下地を隠すために暗い色を若干混ぜて、対策をしているそうです。ちなみに、純粋に白を使っている塗装屋はいないみたいです。
それから、硬化剤の配合でも隠蔽性が関係しているみたいです。ウレタンは大まかに分けて「1:1」、「2:1」、「10:1」の3種類あります。
この中で
一番いいのは、10:1ウレタンだそうです。なぜなら、硬化剤が少なくてすむから。
硬化剤は透明です。
透明な液体を多く配合すると当然隠蔽性は下がります。だから・・・・
隠蔽性の高い10:1ウレタンが一番塗装には適しているそうです。
なるほど!理にかなっているアドバイスです!目からウロコがポロポロ。
次に買う塗料は10:1ウレタンにします。
配合は10+1→20でやります。