竹グリップ製作
現在までに作ったグリップは7本。EVAとコルクの組み合わせ・・・。ハッキリ言って、もう飽きました。ビルダーがスレッドアートとか、うるしとか、実用面から離れてだんだん芸術的な方向へ行くのが分かります。飽きるんですね。私のグリップなんて、セパレートでEVAとコルクの組み合わせですから、どんなに種類作っても似たようなグリップになります。というわけで、新素材の竹でやってみようかということで、やったります。
フラリと立ち寄ったモンスターで、声がサモハン似の店長さんから教えてもらい、竹を購入。
竹ビルディングについて写真を交えて分かり易く解説しているサイトが存在せず、よぉ分からなかったので、やったります!
まずは材料。ビルディングで使われる竹はホテイ竹(別名:五三竹)。そこいらに生えている竹です。根元から成長し、節の密度が高い根っこ側が手触りがよく、グリップに使われるそうです。上に行くほど成長しきっているので、節と節の間が長く、竹ボウキのようです。
ちなみに、これが今回使おうとする竹です。モンスターに置いてあった竹は、1本200円で激安です。でも、まっちゃまのフレンド(ハリキチの横)にもビルディング用の竹が置いてあり、そちらは1本1000円。モンスターに置いてあった竹よりもかなり長いです。ちなみに、釣具屋によっては、一本2000円くらいで売っているところもありますが、そこいらに生えている竹を乾燥させたものががそんなにするはずはなく、ボッタです。上限は1本1000円以下です。これ以上の値段が付いているやつは、ボッタと思ってかまわないと思います。
香川の釣具屋でビルディング用の竹は見たことないですね〜。丸秘情報なんですが、金毘羅のみやげ物屋に置いてある、竹製の杖。階段上るときの友として貸し出されるヤツです。これがロッドビルディングで使われる竹と全く一緒です。1本頂戴と言ってみたところ、「売り物ではないんよ」と言われ却下。
一般的な釣具屋で注文できないことはないですが、株式会社ナカシマのカタログに竹が載っているので、注文したら手に入ります。株式会社ナカシマは、ジェットテンビンとか、サビキ用のカゴとか、タコベイトとかを作っている会社で、ハンドレッドコートなどのナ「ガ」シマとは全く別会社ですのでごちゃごちゃにならないようにお願いします。
ただし、竹自体が天然モノである以上、カタログと同じ竹を手に入れることは不可能です。特に自分で握るものですから、実際に握って、これがいい!と感じるものでなければ、注文したはいいが、気に入らない!となりかねません。ちなみに、雷魚系ビルディング屋に竹グリップを頼むと、25000円〜とのことなので、オーダー出したはいいが、なんだこの持ちにくさとデザインは!?なんてことになったら、悲劇です。そういう理由から、竹グリップはEVAとかコルクとかで組むタイプとは根本的に違うのです。だから、自力でやったほうが無難です。材料費は安いです。
タコロッド改め水路の鉄人のビルディングでは、この竹を交えたグリップを作って、新しい技術を身に付けることにします。
で、まずは下準備です。サモハン店長によると、竹はペーパーで削って、「漆」を塗るみたいです。漆を塗れば塗るほどツヤというか、深みが出てきて、どこまでやればいいんな!?になるらしいので、個人の好みにより調節してくださいとのことです。で、目安としては、おおかた10回塗りだそうです。
で、ウルシについて調べてみると、本漆と合成漆と二種類あって、まとめるとこんな感じです。
本漆
本漆は、漆の木の樹液で、ウルシオールというのが樹脂の成分。この樹脂の中にはラッカーゼという酵素が入っており、これが温度23度・湿度80%の元で硬化反応を促進するという仕組みです。天然モノのため、当然、不溶解成分なんかもかなりたくさん入っており、布で濾して使うみたいです。さらに、人によってはかぶれることもあるので、ビニール手袋をして作業をしないといけない等の、扱いが難しい塗料です。まともに硬化させようと思うと、インキュベーター(温度と湿度を設定できる乾燥炉)等の設備があったほうがいいなど、一般的な人間が使う用途とはレベルが違うと言うか、職人レベルの人間が使うべき塗料なのです。
合成漆
一方、合成漆(カシュー)の場合は、同じ漆科の植物のカシューという植物の実から採取される樹液で、これが同じ漆科の本漆と樹脂の性質が似ており、しかも、かぶれないし、合成できるから、樹脂性能のバラつきがないしで、便利。しかも、硬化は、酵素反応ではなく、乾燥皮膜なので、普通の塗料と一緒。ただし、一般的な塗料と比べると乾燥時間が恐ろしく長く(指触乾燥6時間。作業乾燥3日、完全乾燥10日とかそんなレベル。)、扱いは普通のアクリル塗料とかに比べると難しいですが、できる塗膜は漆に迫るものがあって、なんちゃって漆をやるならコチラというわけ。比べたことはないんですが、本漆と合成漆だったらば、本漆のほうが硬く、性能は上だそうです。以前、ブランク塗装でカシューをやってみましたが、たしかに乾燥時間は長いですが、出来上がった塗膜性能は、2液塗料に迫るものがあったので、性能で言うとお墨付きです。さらに、一般的なのは「透き」と言われるカラーで、染料系クリア塗料と言ったところでしょうか。木目が美しく出るような茶色のニスのような感じで、これを使うのがカシューならではというわけです。塗膜性能も、「透き」が最も硬く、使い易いみたいです。
塗り方
・擦り漆仕上げ
色々あるみたいですが、一般的には、薄め液で薄めたものを筆で塗りこむみたいです。テレピン油というのを薄め液に使うといいみたいですが、普通にカシュー用薄め液があるので、そちらを使ったほうがいいんじゃないの?なんて思ったので、テレピン油は使っていません。テレピン油は乾燥時間がおそろしく遅いみたいですが、カシュー用薄め液は揮発が早く、たれにくいので塗りやすいです。感覚的には、ニスを塗っているような感じです。塗り終わると、タンポという割り箸にウエスを巻きつけたものを使って、肉厚になった部分をすりながら薄くしていくみたいです。そうして、気の済むまでタンポで擦って行って好みの深みの色に仕上げるやり方です。
んが、タンポを使うと、ウェスの毛がこびり付くことは必須で、竹ぐらいの大きさのものだと、別に筆でもいいんじゃないの?というわけで、使い捨てのフデを使って塗りこみ、好みの色まで塗り重ねていき、仕上げることにします。また、塗り重ねですが、本来なら、ちゃんと完全乾燥をさせてから、重ね塗りとのことですが、カシューの薄め液だったら、わずか、2分もあれば、重ね塗りしてもタレないので、一気にやってもかまんのじゃないの?なんて思うし、恐ろしく長い乾燥時間をいちいち待っているほど広い心は持っているはずがなく、筆で一気に重ね塗りしながら、モッチリとした塗膜を作り上げ、車の中に放り込んで、強制乾燥させる作戦で行きます。
で、イキナリやるのは、なんぼなんでもリスキーすぎというわけで、練習。
そこいらに転がっていた竹ホウキが竹なので、こいつを使って、どの漆がどんな感じになるのか調査して、そんでもって、塗り方の練習もしてみます。
ホウキをノコギリで切って、4本にしました。
で、買ってきた漆がこれら。茶色と黒と透きと透明、それと薄め液。どこにでも売っている東邦うるしと薄め液です。で、漆ですが、調べてみると、本漆と漆とあり、本漆の場合、熟練のウデが必要で、湿気を利用した酵素反応による樹脂形成が必要で、まともに使いこなすには、インキュベーター等の設備が必要みたいで、本漆ではない場合、カシューみたいに乾燥皮膜を形成する塗料を利用するらしい。カシューは漆科の植物で、作られる塗膜が漆と似ているため、漆系塗料として利用されているみたいです。
おそらく、この東邦漆は使い易さも考えて、漆系塗料であり、本漆ではないはず。となると、中身はカシューである可能性が高いです。まぁ、とりあえずは、実験実験。
竹に足付けしていきます。
まずは、240番のペーパーでやってみましたが、竹の表面がデコボコしており、スジなんかも入っているため、なかなかうまく削れません。一応、やってはみたんですが、削れているところと削れていないところがあったり、まちまちです。
なので、ペーパーに見切りを付けて、ポリエステルのクロスを使って研ぐことにしました。これだと、スポンジみたいな研磨剤なので、凹凸のある面でも容易に磨くことが出来ました。竹の足付けは、ペーパーではなく、クロス。これが必須です。
で、竹にはもう一つ、EVAやコルクと違うところがあって、それが、節(フシ)です。EVAやコルクは中が空洞になっていて、その径をリーマーで拡張しながら、フィッティングさせることでカーボンパイプにフィッティングさせることが出来ますが、竹の場合、節の部分で穴が塞がりますから、ここを通さないといかんのです。サモハン店長に聞いてみると、木工用のドリルで開けるか、タガネを当てて、木槌で叩いて割るらしいです。ただし、タガネの場合は、衝撃で竹自体が割れることがあるので、ドリルのほうが無難とのことなので、ドリルで穴を空け、リーマーで内径の加工を行いたいと思います。
木工ドリルピットなんてものはウチにはないので、鉄鋼用を使ってみました。
あっという間に穴が開きます。さすが木だけあって、加工は楽です。そして、開けた後にウネウネとドリルの刃を当ててやると、これもすんなりと穴が広がります。
仕上げは、マタギのEVAリーマー。これで完璧に穴が開きました。
続いて、本命の漆塗り。ホームページを見て、勉強してみたところ、塗った後に、割り箸にウエスまいて薄く拭き取る「吹き漆」と呼ばれる技法もあるみたいですが、とりあえず、「フデで塗るだけ」というクソ簡単にやってみてから次を考えることにします。
で、まず使う漆が東邦の黒漆。WATARUさんの漆黒のラスタースティックに憧れていたので、黒味がかった竹グリップというのもイカしますw
で、チューブからミキシングカップに出してみました。これは、ネバイです。シャンプーくらいの粘度でしょうか。とてもこのままでは塗りこめません。
そのまま塗ってみると、これは、漆というより、ペンキ。隠蔽性が高すぎて、天然物のグリップ特有の木目の美しさというものが全く出ません。これでは丸出ダメ夫です。
薄めてみようということで専用薄め液(200円くらい)で薄めて塗ってみても、やはりこれはただのペンキ。もっともっと薄めてみると、ようやく、薄くなったけども、これは、木目が美しく出る!?というよりはやっぱりただのペンキ。私が想像していたものとはだいぶ違います。
だもんで、今度は茶の漆にしました。
塗ってみると、これも黒と一緒。顔料系の漆は、ただのペンキですね。木目もクソもないです。
続いて、本透明。
こっ、これは!?
木目というより竹目ですかね(^^;)きれいに出ます!これこれ。この深い、味のある木目を求めていたんです!すぐに乾いて二度塗りが出来そうな塗膜になるので、どんどん塗り重ねていき、
あっという間にこんな塗膜になりましたwww
最後に透き漆。
これも塗ってみると、透明同様に、うつくし〜〜〜!節のところなんて、かなり味が出ていますw
だもんで、今日は4本やったりましたが、こんな感じで乾燥させることにしますwちょうど、今は猛暑なので、ちょうどいいですwちなみに、指触乾燥は5,6時間というところ。ただし、35度の猛暑で。本来なら1日くらい待ったほうがいいでしょうね。一応、一般的なカシューでは3日で完全乾燥です。
そして、1日後。
黒漆。これはもう・・・お話にならない。ただの汚いペンキ。ボツ。
茶色漆。絵の具でもぬっとんのか!?ボツ。
本透明。これは、薄すぎて、木目が目立たない。ボツ。
最後に、透漆。これが最高です!木目が深いというか、ツヤも見事!これでやったることにします!!!
で、1日経ちました。まだ塗膜は完全に乾いたとはいえません。若干、まだ樹脂が弱いか?くらいですが、指触乾燥は完全に終わり、作業乾燥となっているはずなので、完全乾燥まで待たず、かまうことなく、二度塗りに入ります。一応、本透明漆の様子も見たいので、本透明漆も二度塗りして様子を見ることにします。
二度塗り
足付けもせず、適当にカナリ厚く塗って、車の車内に放り込んで乾燥させました。強制乾燥させて作業時間の効率化を図ることにしました。猛暑で車の中は70℃くらいになっているはずです。指触乾燥を調べてみると、大体、5時間と言ったところ。昼過ぎには完全に作業乾燥に入っていました。その後も、灼熱地獄の車の中は、いい温度で保たれ、帰宅する頃には完全乾燥。塗りから完全乾燥までわずか半日でできるので、やるなら、真夏の炎天下に一気にやりたいですねw
こちらが本透明。本透明は、2度塗りしても、対して深みのある木目は出ていません。言うなら、ただのクリアといったところでしょうか。色が濃くならないので、深みもへったくれもないし、竹の表面についているキズも全く隠れていません。本透明の漆は、あまりいい漆とは言えないと思います。
こちらが透きです。透き漆はというと、2度塗りにより、さらに深みがかった色になっていますw色が濃くなることによって、味が出て、フデで塗っているので、ムラがでていますが、そのムラも味わい深いです。
厚く塗りすぎて乾いたところは少し濃い色になっていてこれがムラです。だけど、こういうムラも模様みたいで、なかなか味がありますwそして、細かいキズもあったんですが、このキズも隠してくれて、いいですね〜!その木目に惚れ惚れします。
てんこつは、ウルシが染みこんで、バラける繊維がくっついています。ワインディングチェックを入れるときなんかは、面取りした後に漆をかけたほうが良さそうです。
はげてしまって、繊維がむき出しになってしまったところは、ウルシをボッテリ塗っても、修復が出来ません。こういうササクレみたいなヤツは、修復できないので、目の細かいのこぎりで切って、なるべく繊維をむき出しにしないほうがいいと思いました。だけど、ワインディングチェックの面取りのときは削らなければならないのでどうすんな???
結局、やるなら、
やっぱり、「透き漆」!
これで決定しました。
で、3度塗りに入る前に、一つ思うことが。
気泡が見えますかね?やはりフデでやっているので、ところどころに気泡が出ています。この気泡が、触った時に、ザラザラとした手触りとなってあまりよろしくありません。
だもんで、気泡を落とす一巻で、ポリエステルクロスにて、足付けをし、気泡をつぶしました。
すると、表面のステイン(木部にしみこんだ漆樹脂)が剥がれ、良い感じに足付けできましたw
3度塗り
そして、もういっちょ塗り、3度塗り完了w
うーん。有無を言わせぬ美しさ♪そして、ツルツルの味のある手触りw質感w最高!サモハン店長が、「塗れば塗るほど深みが!」というのがよく分かりますw
透き+黒漆配合
そして、もういっちょ実験。黒漆は、色が黒すぎて、ペンキだったので、これを透き漆に混ぜて塗ってみると、どうなん?というわけで、塗ってみました。
結果・・・・
やっぱ、うすめたペンキだわ。というわけで、却下。
しつこいですが、やっぱり透き漆を単体で使うのが一番いいです。
現時点で、透き漆3回塗りで、いける!ということは分かりましたが、サモハン店長オススメの10回塗りはどんなになるんな?というわけで、続けて、4回塗りを実行します。
4度塗り
薄め液を若干多めにして見ました。たれてだめですね。中性洗剤くらいの粘性がいいです。
3度塗りと違いが分からない。だったら、3度塗りフィニッシュでいいかも!
サモハン店長は10回て言ってたけど、私は3度塗りフィニッシュでやったります!
これで練習終了。
そして、本番。タコロッド用のリメイク。
まずは竹に穴あけないけんです。
で、木工用の長いドリルピットを買って来て、
砕きながら削る!
ここまで入ると、
反対側からも削る。しかし、竹が長すぎて、穴があかん。
だから、若干短くして、
穴を開けると、貫通w
んが、中には、竹の出口が斜めになっており、滑って真っ直ぐ入らないものもあるので、
こんまい鉄工用ドリルで穴空けて、
続いてちょっと太いドリルで穴空けて、
すると、木工ドリルが入るので穴空けることが出来ます。
続いて、分割。リールシートの下をどれくらい取るか決めます。
リールシートの下端は29パイ。
ここにフィットする竹の場所のアタリをつけて、
長さを決めて、
のこぎりで切って、
ブランクに通してみるも、全く通らず。
それにしても、ノコギリで切ると、この部分がササクレみたいなのが出来て、修復できんことなるんですが・・・。
まぁ、初めての作業だし、それは置いといて
そこで、マタギリーマーで徹底的に削り倒す。
これが、なかなかにてこずります。EVAやコルクと違って、硬いので削り効率がむちゃくちゃ悪いのです。で、EVAやコルクみたいに、伸縮性についても全く伸縮しないため、EVAやコルクは少々穴が小さくても押し込めばブランクに入りますが、竹は、ちょっとでも干渉すると、全く入りません。さらに、竹自体が天然もののため、全部歪んでおり、入れると、斜めになりながら入ります。すると、これがまたブランクに入りにくくなります。そのため、ブランク径よりもむちゃくちゃ広く削らないと全く入らないのです。
作業の様子はこんな感じです。削った時間は、このくらいの短いやつでも、削ってフィッティング。入らない。さらに削る。これを30分くらいはやったと思います。ちなみに、EVAで、5分。コルクで3分くらいです。いかに竹の加工がやりにくいかというのが分かります。
今度はいけるかと思いましたが、
全然ダメ。
短いので、ゴム砥石ピットでも削り倒しました。素手で竹を支えて、火傷してしまったので、耐熱皮手袋で作業しました。
それでも入らず。
削って削って。これでもかというくらい削って、
ようやく入りましたwが、しかし、ノコギリできったところが斜めになっており、リールシートにフィットせず。
そこで、ペーパーで整えようと頑張るも、ペーパーくらいの研磨力では全く成形が出来ず。やっぱりコルクやEVAとは全く別次元の素材ということを頭に叩きいれておいたほうがいいです。
そこでグラインダーを使って、整えることにしました。
作業の様子です。
さすがにグラインダーだと一撃ですw
フィッティング終了w
んが、竹を回すと、ずれます。なぜこうなるかというと、竹自体が歪んでおり、グラインダーで整えたときは、平坦出しが出来ていても、ブランクに入れていく段階で、ちょっとずつ内部の凹凸があったり、真のセンター出しが出来ていなかったり、とかで、歪んだ状態で入っていきます。すると、回すと、平坦だった両端が、斜めになってしまいます。EVAやコルクの場合は、竹に比べるとある程度伸縮性があるため、このアタリのゆがみはテンションをかけることで勝手に修正されますが、伸縮性が全くない竹の場合は、これが出来ない。そのため、どうやっても斜めになってしまいます。そのため、ある程度はゆがみが出るというか、ぴったりとあわせることは無理と思ったほうがいいです。リールシートも太い部分(トリガー部)と薄い部分があるので、これを使って誤魔化すという感じにしないと無理があります。
そして、トラブル。フシが欠けている部分があり、この処理をどうしようか・・・。ワインディングチェックを入れた場合、カケたところがはみ出る。そして、穴がセンターからずれている(天然ものだから)ため、ワディングチェックがセンターにこないし・・・・。スレッドで化粧巻きして誤魔化そうか。
とりあえず、ほっといて次。
続いて、リアグリップ。EVAのバットキャップと組み合わせる予定なので、適当に長さを決めてカット。
これも徹底的に削り倒して、もうツラッツラ。
なんとか挿入完了wしかし、これは、穴を広げすぎて、てんこつがツラツラ。だけど、こうでもしないと歪んでいるから入らないのよ・・・。こいつは、スレッドで誤魔化そうったって、これだけ隙間が開いていると、きついものがあるど・・・。
でもまぁ悪くないくらいの出来栄えですw
で、余った竹の部分をフォアグリップにしようとしてみると、細すぎて、フィッティングが出来ない。
そのため、新しい竹を切ることにしました。太い部分で長さを決めて、切断します。
悪くないw
こいつも、なかなか内径が広がらないのと、ゆがみで目的の地点まで入らん入らん。
これも苦労して内径を広げて、なんとか入ってくれたが、長すぎじゃろ!というわけで、
ちょうどこの部分が欠けていて、下地が見えているので、ここを切断します。
今度はいい感じwなかなかに難しいですが、次は、竹の下地処理です。
とりあえず、竹の成形作業はこれで終わり。今回の竹加工の感想ですが・・・・電動工具がないと絶対無理です。
カシューコーティングテスト
さぁ、練習の成果をだそかいのwの前に、
東邦漆は量が少ないので、
量が多いし、愛用者も多い、カシューを使ってみることにしました。透きカシューです。600円です。
練習に使う竹は、本番で使う竹の切れ端を使うことにしました。
まずは、ファブリックシートのむちゃくちゃ粗いヤツで足付け。こんな感じになりました。
続いて粗い目のやつで、こんな感じに。
中粗めのやつで、こんな感じに。
最後は、1200番のやつで、こんな感じに。これでOKです。
で、カシューを開けて、薄め液で薄めて、
中性洗剤くらいの粘性に調節しました。そして塗って、車の中に置いて乾かしました。
そして、塗る。しかし、塗った感じ、ステイン(木の隙間に染みこむこと)が甘い。東邦漆のほうが、足付けした木部に染みこむような感じです。そして、色むらがひどい。東邦漆は色が薄くて、竹繊維を際立たせるような感じですが、カシューは色が濃すぎて、ペンキに近いです。乾いた塗膜の感じでは、カシューのほうがツヤツヤしていて、硬いです。なので、塗膜性能はカシューが上。しかし、塗りやすさと美しさだったら、東邦漆のほうが上だと思います。
で、今まで使い慣れていることもあって、本番は、東邦漆でやることにしました。
本番の足付け
取り付けた竹を外して、
竹はこういう穴が開いているので、足付けをした後、パテ埋めします。
まずはファブリックシートで、足付け。
しかし、粗い目も度がきつすぎたのか、傷だらけに(涙)このファブリックシートは使わないほうがいいですね。
このファブリックシートでやり始めたほうがいいです。
とくに、スジになっている部分は、凹んでいるので、ヤスリが入りにくく、入念な足付けが必須です。
結局、こんな感じになりましたw
これから、穴開いているところをパテ埋めします。
使うのは木工パテ。コルクの修復で、ベアリングの共同研究やりませんかと持ちかけてきてくれた人のオススメです。400円くらいでした。
匂いは強烈ですが、ジャストエースみたいに水性とは違うので、性能は良いと思います。
厚めに盛り付けて、爪楊枝でこそぎ落とす感じです。
一応こんな感じでやりました。これからペーパーで整えます。というか、足付け前に穴埋めしていたらペーパーがけが二度手間にならないので、そちらのほうがいいなと思いました。
さらに、
赤丸のところに注目。パテ埋めした関係で、パテが内部まではみ出ています。このはみ出たヤツは、竹の内径過工で修復できるので、
パテ埋め→内径加工→足付け
という順にしたほうがよかったなと後悔しましたw
で、加工再開。パテ埋めしたところが汚いので、クロスで整えました。
最終的にはこんな感じで修復できました。
そして、作業は漆コーティングへと入っていきます。あとは東邦漆を塗るだけです。で、台座がないと、うまくぬれないので、あいそうなエスロンパイプを切ってガムテでかさ上げして、フィッティング。これで準備完了。終わったら突き刺して乾燥できるように粘土も準備。さぁ、塗ります。
漆を塗る刷毛は、100均のナイロン刷毛。カップは、同じく百均の弁当箱ケースの売り場にあったポリカップ。15個で100円。
この作業のキモとなる粘性は、中性洗剤くらい。つまり、
こんな感じです。
そして、塗る。命が吹き込まれるようですwww
もはや気分は、漆職人♪何度も往復しながら、節目節目の間までしっかりと入り込むように、フデをコリコリしながらコーティング。最後に、ゆっくりとビンタさせるように、行ったり来たりさせながらフィニッシュ。
1本終わったら、用意していた粘土に突き刺して乾燥。
竹自体が違うので、他の竹は、ちょいと色が薄いような気がしますが、
何度か重ね塗りしていると、おなじような質感になります。
最終的に、3本すべて終了。あとは車の中で乾燥させます。
そして乾燥完了w
うーん。ツヤ質感強度。文句なし!漆ってすごいなぁ!1液塗料だったら最強ですね。
ただ、凹んでいる部分、
穴埋め補修した部分は、ノリがイマイチ。2回目のコーティングで重点的に塗ります。
そして、いつの間にか割れている部分もあるがなorz
裏側は何もなっていない表面だけ割れている模様です。
そして、ノコギリで切った時に出来たささくれは補修できず。これはしゃーない。
そしてお約束のタレ。これはペーパー補修で隠します。
で、ファブリックシートでやるも、削る力が弱すぎて全く削れなかったので、240番のペーパーで削りました。
あとはファブリックシートで削って、
最終的には、
こんな感じになりましたwフシのところが出っ張っているので、そこだけ足付けで色がよっけ落ちています。で、2度目のコーティング行きます。
で、塗り終わったのがコレ。これはキレイです。今まで出一番じゃないでしょうか。だけど、練習では2回塗りよりも3回塗りのほうが良かったので、もう一回塗ります。
待て待て!
なんじゃこりゃ!?いつの間にかクラックが入っている・・・。
ここにも一発追加。
なんで?
と、ここでミクシィのビルディングコミュで教えて君をやってみたところ、
漆は、常温乾燥が基本。真夏の車内で無理やり乾燥させると割れるもとです。ドライヤーで強制乾燥させたときも同じような現象が起きたビルダーさんもいるみたいで、じゃぁ、これは・・・・。
勉強と思ってあきらめるしかないです・・・。
そして、くわえて、完璧に仕上げたつもりでも、割れたビルダーさんもいるみたいで、
竹と割れは切っても切り離せない関係ですと言われる方もいて、
さらに、竹を薄く加工すると、割れやすさ倍増ということで、
ほしたら、雷魚ロッドの場合、太いけん、内径広げないけんのにどうすんじゃい!?というわけで、
こういう肉薄成形は、ご法度みたい・・・・。
まぁ、
竹はややこい材料やちゅうことです・・・。
さらに、漆も、モッチリやりすぎると、コツンと当たった拍子にクラックが入って、部分的に剥がれ落ちることもあるみたいで、この手の加工の難しさを物語っています。
一方で、パテ埋めした部分は、完全に漆がステインしており、いい感じw
これで、足付けして3度塗り入ります。
嗚呼。今度は垂れた・・・。フデ塗り&タテに置いて乾燥させるんだもん。しょうがないよね・・・。
だけど、
今度は漆が濃すぎです。濃すぎて、竹の繊維が消えました。
2回塗りのほうが質感が良かった。
こりゃ、透き漆は、OO回塗りと決めてやるよりは、自分の好きな質感で止めたほうがよさそうですね。
一般的に言われる「10回塗り」なんかは、そんなに塗り重ねたら、真っ黒になるで!?と思いました。
じゃ、たれるんなら、ドライモーターの出番。ということで、竹をドライモーターにブッ刺して、フデ塗りで修復を試みました。
クラックの穴埋めもしないといけないし、ドライモーターで垂れないもんだから、ここぞとばかりにもってやると、今度は、さらに濃くなって、嗚呼。2回目でとめておけばよかった状態です。
だけど、さすがにタレはなしwやはりタレ防止は回転に限ります。
クラックも穴埋めされとるし、いい感じではないでしょうか?
怪しげな部分もあるけど、まぁ、これくらいは許容範囲♪
アレアレ!?なんてこった、クラックが全く埋まってないorz
こりゃ、漆が入りにくいのか、だったら、パテ埋めしたらいかんと思って、パテ埋め。
だけど、パテも全く入らん。
ベッタリ塗って、
乾いて、ペーパーがけ。
微妙ですが、ほとんど埋まっていません。穴にパテは効くけども、亀裂にパテは全く役に立たんちゅうこっちゃorz
しょうがないので漆塗り。結構ペーパー掛けで削ったので、これでもかというくらい盛ってやります。
だけど、今度は盛りすぎて、ほとんど真っ黒やがな!!!
クラックはポツポツ隙間があるけども、もう、これくらいが限界。あまり深追いはしないほうが良さそうです。2回塗りでやめときゃよかった・・・。
そして、ドライモーター回しても、これでもかっちゅうくらい厚いコーティングすると、ヤッパリ垂れるわ・・・。
もう、これ以上やる気にならん。クラックも結構入ってるし、今回は勉強として、割り切ります。
じゃぁ、組んでみようかと思いきや、両端に漆がついて入らんことになっちゅう。
全部入らんとです・・・。
しょうがないので、マタギリーマーで拡張。
これで何とか入りましたw
煮詰め作業に入りますw
使うパーツですが、いつも色やガイドをあわすんですが、今回は、ラッカー塗装や竹など、実験的な要素がたくさんあるので、ありあわせの余っている道具を使って組みます。経済的!
リアグリップの上側。やはり竹。曲がっており、隙間ビシバシ。これを目立たなくさせるために、
ワインディングチェックで誤魔化す。
だけど、これは内径20パイのチェックで、差し込みたいブランク部分は、21パイなので、1mm拡張の必要ありです。
1mm拡張作業。カナやすりで拡張。1mm広げるのに・・・大体2時間かかります。もういやこの作業(涙)ベルトサンダー買おうかな・・・。
ぎりぎりまで削って、上側のチェックがちょいと削れているけども、こんなものはご愛嬌。
なんとか入りました。
続いて、フロントグリップのチェック。これは足が邪魔で入らん。
そこで、足の部分は、カナノコで切り取りました。
バリは、ルーターで落とします。
これでOK。
最後。エンドキャップ。これにフィッティングさせないけんのですが、当初の予定だった、EVAキャップは、ここまでつらっつらに成形するのが至難の業というか、できるのか状態なので、
最初からツラッツラのゴムキャップをつけることにしました。
ですが、竹が曲がっている関係上、マトモに入っておらず、上とずれています。だけど、天然もの素材の痛いところ。ブランクは真っ直ぐ。ゴムキャップも真っ直ぐで合っているのですが、竹が曲がっているので、どうやってもフィッティング出来ません。
特に、この隙間が気に入らん。
なので、デザインナイフで、キャップ側を加工。
ん・・・・。完璧とはいえないけど、これくらいで妥協せんといかんね・・・・。
これでグリップのオプションパーツは作業終了。
接着作業
キャップをあわせて、どこまで差し込めばいいか、マジックでポイントを打ちました。
竹部分はセメダインの30分エポで接着。竹が完全に乾いてからチェックは5分エポで接着。夏だからか、20分くらいで固まりました。冬よりも迅速な作業が必要です。
ここから、リールシートの向きが大事になります。
まず、スプラインを見て、トップガイド接着。アメリカンタックルのホログラムガイドが余っていて、サイズが合ったので、これを使うことにしました。
トップガイドが付いたら、リールシートの位置を決めて、マーキング。
リールシート下側の竹の位置を決めて、マーキング。
まずは、竹を接着し、先ほどつけたマーキングを、エポが乾かないうちに、アルコールで拭き取る。
リールシートと隙間があるので、PE8号を接着。
トップガイドを凝視して、
リールシートを差し込むアタリをマーキングします。フジのシールと矢印が合うようにマーキングしました。
そんで、30分エポで接着。
途中、見えないくらいの穴が開いているのに気づかず、そこから接着剤が出てきました。油断なりませんw
フォアグリップも30分エポで接着完了。
これで大体出来ましたwうーんwやっぱり苦労しただけあって、この瞬間がなんともいえませぬwwwあとは、グリップエンドをくっつけるだけw
で、なんだかんだで、
最後のバットキャップ接着作業。この作業の時は、長い作業の終わりを告げるもので、うれしくもあり、さびしくもあり、いつも複雑な思いで行います。
ただし、竹が斜めになっている関係上、位置によっては下地が見えてみっともないです。
そこで下地が隠れるような位置を探して、キャップと竹が一列になるようにマスキングテープを貼ります。これを目印に接着すると、間違えなく隙間を埋める位置に固定できます。エスロン配管を接着する時のテクニックの応用ですw
で、気をつけておきたいのが、このキャップはゴム製の「ギンバルキャップ」であるということです。ご承知の通り、ゴムは難接着物質で、ビルディングで使う2液エポキシとは相性が悪く、剥離が起きます。そこで、ゴムだの、軟質塩ビだの、弾性体用の2液エポキシである、セメダインEP001を使って接着します。
くっついた!これで完成です!
いや〜ほんと苦労しました。しかし、そこまで実用性がないこの竹グリップ。詳しくはタコロッドリメイクのインプレでwww
穴広げでトラブル
何年かして、もう一回竹グリップを作ろうかなと思ってやってみました。
まず、カッティングですが、ダイヤモンドカッターでやると、
歯が短すぎて切断までいけませんでしたので、
切断砥石でやりました。
で、節を木工ピットで貫通させていったはいいんですが、
上下の穴を広げる過程で、竹が貫通。
往々にして、竹を真っ直ぐ貫通させるのは至難の業で、竹自体が歪んでいるのでセンターもクソもないんですが、兎に角、内径を広げようとすると、ドリルを傾けて削る必要があり、そうすると、先端部が貫通。
いったいどうやってやるんやろ???
で、結局、木工用のドリルピット(18Φ)で穴を貫通。細いドリルで穴を広げるのではなく、最初からでかいドリルであけたらサクッといきますがな!
焼いてかっちょよく加工
オリジナルグリップでよくある、節が黒くなっている竹グリップ。あれに挑戦しましたwまずは、竹を適当な長さに切って加工。ホムセンの安いノコギリです。
つなぎ目がデコボコなので、ベンチグラインダーで削って処理します。
スコッチブライトで足付け。
あとはバーナーで炙るだけ。焼けば焼くほど茶色→黒になりますが、焼きすぎると焦げるので遠くから炙ったほうがいいです。
炙る時の加減はこんな感じ。
で、節のアタリを中心に炙っていき、最終的にはこんな感じ。
で、漆の工程に入るんですが、前回やったスキ漆は全部が茶色っぽくなるので、それだと焦げ目の濃淡が付かないので透明漆でコーティングします。今回のは本透明の漆を使いました。
で、薄く何度も塗り重ねていくんですが、
タレました(涙)
こうなると、ペーパーで処理したって完璧には修復できないので、
竹の漆コーティングは、ドライモーターに付けて、一発厚塗りがいいと思います。それでもシッカリと固まります。
で、グリップに接着するんですが、竹はデコボコしているのでグリップにはきれいに密着せず、必ずスキマが生まれます。
スキマがあいていると、負荷がかかった時にかちかち曲がるので、スキマにはエポキシを充填させます。オイル指しに一旦混ぜたエポキシを移し変えた後、充填させると楽です。
こんな感じになればOK。
完成しましたが、
エポキシにEP001を使ったのはまずかったかな〜と思いました。白いもん。ここらは透明なエポキシでやったほうがいいですね。
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