UVハードナー実戦のまとめ
今までUVハードナーの使い方についてあれこれ検証してきましたが、まとめて実践しようと思います。
まず、ドライモーターは使ってください。これを使わないと、1分ごとに90度ずつ回さないといけないので、大変手間です。
ハードナーは回っているブランクにランプをかぶせないといけないので、キャスターで移動できるようにしておく必要があります。
ドライモーターで回しながらコーティングし、エア抜きしたあと、ハードナーをゆっくり近づけながら箱の中に入れること。
あと、接着剤は、ハードとソフト、混ぜて使うことが出来、雷魚ロッドだったら、ソフト2g、ハード1g配合がベストセッティングだと思います。
では行きます。
とりあえず、ダブルフットのダブルラッピングを例にして行います。
まずは下巻きから。
赤を10巻き、グレーを10巻き、ガンメタを巻いて仕上げています。
で、ハードナーのスイッチオン。スイッチを入れてからランプの暖機運転で5分程度かかります。
ドライモーターにセットしてクルクル回しながらコーティング。この時、ハードナーのフタは閉じた状態でやらないと、漏れた光で硬化してしまいます。
目安は糸目が消える程度ですが、なるべく薄くやったほうが失敗なく行きます。筆でコーティングし、
エア抜きをして、
UVを照射させます。この時、イキナリランプの真下にぶちこんだら、一気に硬化して凄まじい反応熱が出て、気泡は出るわ、タレるわ、ろくなことがないんで、フタをあけた状態で、若干遠くからUVを当てます。およそ10秒くらい。
続いて、さらに近づけて10秒くらい照射させます。
その後、ランプの真下にぶちこみ、20秒くらい照射させます。
コーティングの様子を見ます。
すると、ちょっと薄かったんで、追加でコーティングします。
フタを閉じて、再コーティング。
チューブから直接出して塗ります。
その後同じように、フタをあけた状態で遠くから紫外線照射。10秒くらい経ったらOKなので、
ゆっくりとランプの真下にぶちこみます。
で、フタを閉めて本硬化。
タイマーを8分にセットし、照射し続けます。
で、ガイドを付けようかなと思ったらトラブル。キレイに処理したと思ったんですけど、中央のメタリックスレッドに凸がありました。
そんなわけで、凸をデザインナイフでカット。
再びコーティングして、
UVを遠くから照射させて、その後本硬化。
タイマーは8分です。
8分後、硬化完了w輝く美しさですw
そして、ガイドラッピング。今回は赤メタAを10巻きして、黒Cをハネクラのタスキ巻きで組みました。
UVコート、ねばいので、フット下によーくしみこむように、チューブからはフット下を狙ってコーティングします。
こんな感じで1回目のコーティングが終わったら、UV照射。
下巻きと同じように、フタをあけた状態で遠くから照射させ、10秒くらい経ったら、
さらに近づけて、じわじわと硬化させていきます。
ランプ直下にセットしたら、約10秒、照射し続けます。これで70%くらい硬化するんで、次のコーティングに入れます。
コーティング中にUVが当たらないように、ハードナーのフタを閉めた状態で、コーティング。
エア抜きして、
同じようにじわじわとランプに近づけて、ランプ直下にきたら
フタを閉じて、タイマーを8分にセット。
8分後、
完璧なコーティングが完成w気泡も分かりませんw
本来なら、下巻きコーティングが9日。上巻きが6日かかる、15日間の作業がわずか、30分ほどで出来てしまうから驚きです。樹脂の性能も申し分なし。エポキシみたいに測る手間、混ぜる手間がいらないし、粘性が上がったからといってムダに捨てることもない。チューブから直接出してコーティング出来ます。
鬼の作業性とはこのことw
UVコーティング、使ってみたらこんな感じですw
トラブル発生 ハジキが出る
ニッカリ青江のグリップビルディングでネーム部の長距離コーティングをやりました。そこでトラブル。
なんと・・・・
ハジキが出ます・・・・。
いやービルディング初期に悩まされたハジキが再来ですわ〜。ハジキはシャバイエポキシだったら、出るものなので、対策としては、粘性が上がってからコーティングすること・・・・なのですが、UVコートは粘性が変わらないから対策ができないわね。どーしよ!?
もう一つの対策は水研ぎして重ね塗りしていくことなんで、これでいくしかない!ってわけで、とりあえず照射。で、8分照射し続けて完全硬化。
ハジキは写真の通り、バリバリ出ています。
そこから水研ぎし、
表面に傷をつけた状態で再コート。
更に照射し、8分かけて完全硬化。
悪くはないんやけど、まだ凹凸が残っているので、さらに水研ぎし、
再び8分かけて完全硬化。
完璧ではないんやけど、ま、許容範囲かね?エポキシだったら、9日間コースですが、わずか30分程度で出来る作業性に驚きです。
でも、出来ることなら、一発仕上げのほうが薄くなって良いんですよね。これ、対策は他にあるんでしょうか?
ってわけで、東邦に問い合わせてみました。
すると、
ハジキは出るようで、対策としては、「1液ウレタンスプレーを吹き付けた後にコーティングするとダイジョウブ・・・・・なときもある」ようで、1液ウレタンスプレーなんて珍しいモン、ホムセンには売ってないし、ナガシマのやつかね〜?
対策らしい対策とはいえませんね。
というわけで、このUVハードナー、ダイヤモンドラップとかの長距離コーティングはできません。長距離コーティングはウレタンクリアがイチバンいいかもしれんね。
スレッドラッピングのみって考えたほうがいいかもしれんね。
気泡爆発について
詳しくは、「UVハードナーの気泡爆発検証」で紹介しているのですが、このUVコーティング、一発目のスレッドコーティングで、
このような気泡爆発が起きます。
2回塗り3回塗りでは爆発は起きず、一回目の気泡が残ったままコーティングできます。
原因はスレッド下部の残存気泡だと考えられますが、
対策としては、一発目のコーティングを極薄の糸目が見えるくらいにしてのコーティングで気泡爆発は起きません。
キモは、樹脂をこそぎ取るように筆先を押し付けることです。
硬化時の煙の正体について
UVコーティングは、UV照射で樹脂が固まる瞬間にものすごい熱が発生します。
不思議なのは、照射機内を見ていると、コーティングしたスレッドからしばらく白い煙が上がっていることです。
これ、ブランクへのダメージ大丈夫か?と思い、東邦に問い合わせてみたところ、煙の正体は「水蒸気」で、熱は60℃までしか上がらないから大丈夫とのことでした。
なぜ、樹脂から水蒸気が上がるのか?が気になり質問してみたんですが、専門的なことは、ランプの販売元のセン光学に問い合わせてとのことだったんで、
セン光学に問い合わせてみると、どうも東邦とは違う説明で、熱に関しては当てるものによって違うみたいで、ステンなんかの金属は断続的に当て続けることで、500度くらいまで上がるようです。モノによって熱伝導率が違うのでバラバラなんですが、おおむね、
1分間で約100℃が目安だとか。
がしかし、これもどんな樹脂を使うかによっても違うみたいです。
また、セン光学はランプ製造会社であって、接着剤は作っておらず、UVハードナーで使われる「UVコート」に関しては、まったく知らないとのことでした。
そのため、東邦の説明にあった「UV照射で水蒸気」については、接着剤がないから分からないとのことで、ブランクなんかの熱があまり加わらないほうが良い物に関しては何らかの冷却装置で対策を取ったほうが無難らしく、UVハードナーの上部についてあるファンは、その冷却装置かな?とも思いました。
そのため、東邦が専門的な発生原因はよく分からないとのことだったんで、詳しいことはよく分からないままですが、説明を信じて、
煙の正体は水蒸気で、温度は60℃。熱対策で上からファンを吹きつけている
で納得することにします。
便利なタイマーの紹介
で、UVコーティングの必需品、タイマーですが、昔は、ハードナー本体の上のネジに100均タイマーを取り付けて使用していましたが、100均タイマーは1個につき1個しかセットできないので、不便です。
よくやるんですが、UV照射中の待ち時間にフロッグチューニングをして、エポキシを使って5分セットが出来ません。タイマーが2個いります。さらに、自作フロッグの成形では、2個のタイマーを使います。
兎に角、雷魚系の道具いじりは、タイマーがいるんです。
また、裏面磁石のタイマーは縦につけなきゃいけないので、照射中にホムペ編集をしていて、あと何分だから、何しようと思ったときに、あと何分かみれない。
100均タイマーは、タイムアップした時に、カウントがもとにもどってしまうので、他の部屋で作業していて部屋に戻ってきて、タイマーみたら、カウントが回ってないと勘違いして、果たしてセットし忘れたのか、終了時間が終わったのかの判断が付きにくい。
などなど、不便なこと続出で、A&Dの3連タイマーを導入しました。2000円もしたタイマーですが、コレ、安いタイマーと違って、自立するので色んな方向から見やすくてカナリ便利で、さらにコーティング中に5分型のエポキシをフロッグチューニングで使っているときも同時期動作でき、さらにタイムアップになると、そこからタイムアップ後、何分経過したかカウントしてくれるので、タイマー時間が聞こえなかった時でもタイムアップの有無を知ることが出来る滅茶苦茶便利なタイマーです。スーパーオススメツールです。UVコー
ティングはタイマーが命。イイヤツを買いましょうw
うちでは、フロ入れたとき、15分で満水になり、その待ち時間にコーティングをするので、UVタイマー8分、フロ15分で同時にカウントが取れて、大変役立っております♪
何があってもコーティング中は止めるな!
UVハードナー使っていると良くあることなんですが、
本体は、上のファンで風を送りながら冷却するんですけど、
その際、ファンからダストが良く出てきます。
いまからUV照射するぞっ!ってときに、
そいつがたまにコーティングに付着し、
こーなります。
固まる前に取ろうと思って、ドライモーターを一旦止めて、ピンセットで取っていたら、
なんともう片方の樹脂に大きなチヂミが起こっているじゃないですか(驚)
心得その1。
光を当てた瞬間からドライモーターは絶対に止めるな!
しょうがないので完全硬化させたあと、ヤスリでゴリゴリとチヂミを削って平坦にしていき、
もういっちょコーティングをかまして、
修復完了wわかんないっぺこのw気をつけましょう。
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