UVコーティング時の気泡検証
これ、真ん中がジャストエースのNCPのAスレッド。ハジがグデブロのメタリックのAスレッド。
下巻きで巻いた状態でUVコートつけてUV照射させると、
固まると同時に、気泡が浮いてきて大きくなって、そのまま固まってしまいました。
全部出ます(汗)
がしかし、不思議なことに、2回塗り、3回塗りでは出ません。
この原因が気になり、ジャストエースとグデブロのメタリックスレッドで気泡が出るのか、検証しました。
グデブロのHTメタリックは、太くて、ブランクに引っ付き易い、ネチャネチャしたコーティングが施されたスレッドで、
一方、ジャストエースのスレッドは滑りやすくて細いスレッドです。
同じように巻き、し〜〜〜〜っかりとアルコールランプをあて、完全にエア抜きしたじょうたいで、UV照射させました。
結果、見事に・・・・・出ます・・・・・。
黒いぶん、ジャストエースのほうが分かり易いんですけど、
照射〜硬化と同時にエアが上がってきてるでしょ?
ジャストエース、グデブロ、共にボコボコですわ〜(涙)
一応、ジャストエースのNCPスレッドでも同じくらい巻いてUVコーティング。
すると煙が出ながら硬化し、
メタリックスレッドほどではありませんが、気泡は確かに出ております。
なお、この煙の正体ですが、東邦産業によると水蒸気らしいです。また、熱は60℃程度なので、ブランクへのダメージは心配ないとのことでしたが、詳しいことはセン光学に問い合わせとのことだったので、センに問い合わせてみると、東邦とは全然違う説明で、UVを当てるモノによって違うらしくて、おおむね、1分間で100℃近くまで上昇し、相手がステンとかだと、断続的に当て続けることで、500度近くまで上昇するみたいです。
んで、この気泡爆発の原因と対策で東邦産業に問い合わせたところ、東邦側で確認したことがない。
エア抜き不足じゃないか????
とのことでした。
ところが、こっちは執拗なくらいエア抜きをしております。
そんなわけで、確かな手立てがないまま、解決法を探っておりまして、一ついいのを見つけました。
気泡は一発目のコーティングで出るため、塗り方を変えました。
今までは一発目で糸目が消えるくらいの厚みでコーティングを行っていましたが、それをチェンジ。
一旦、糸目が消えるくらいの厚みのコーティングを行った後、フデ先で余分な樹脂をこそぎとるような感じで、糸目を出す。つまり、極薄のコーティングにするんです。
するとUV照射しても、
気泡は出ませんでした。2回目、3回目のコーティングは若干厚めでも気泡が出ることはありません。
結果、今まで気になっていた、ミクロの気泡まで出ませんでした。素晴らしいコーティングです。
この検証から、一つの考察を導きました。それは糸の下にある隙間です。
まず、ブランクにラッピングした状態の断面図がコレ。スレッドは黒の丸いやつで、結局、糸の芯を巻きつけている状態なので、横から見るとこうなります。
それに樹脂を盛り付けるとこーなります。
ところが、芯の隙間はブランク側と逆側、両法ありますから、気泡が発生するのは、図の部分です。
この時、ブランクをよく観察していると、気泡が確認できますが、この気泡の大部分が図で言う、上部の気泡だと考えられます。
当然、気泡対策でアルコールランプを当てますが、そのランプで取れるのは、取れ易い上部だけではないでしょうか?下部の気泡もナンボか取れるかもしれませんが、完全には取れないと考えられます。
つまり、ランプを当てた後は、
上の気泡の大部分と、下の気泡のナンボかは除去できたけれども、下の気泡はスレッドの隙間にガッチリガードされており、完全には抜けきれてないってこと。
エポキシだったら、時間と共にネバくなるし、発熱もそんなにないため下に気泡がかんだまま硬化し、不自然なく仕上がると思いますが、UVコーティングはそうは行きません。
硬化する瞬間、ものすごい熱が加わります。手に樹脂がついたまま硬化させると、やけどするくらいの熱です。
その瞬間、膨張したスレッド間の気泡が跳び出て来て、そのまま樹脂が硬化。
結果、樹脂表面が爆発したような気泡になるのではないでしょうか?
このように考えると説明が付きます。
一方で、樹脂をこそぎ取るように押し付け、糸目が出るくらいの薄塗りで気泡が出ないというのは、
@ 乗っている樹脂が少ないため発熱量が小さく、気泡がスレッドを抜けるまでの膨張にならない。
A フデ先でスレッドを押し付けたときに、スレッド下部に残った気泡を押しつぶして除去している。
のがその理由ではないでしょうか?
1発目のコーティングで気泡なく固めてしまえば、原因となる気泡が固まった樹脂にシーリングされるので、2回塗り、3回塗りでは気泡が爆発しない。
これが1発目のスレッドコーティングで気泡が爆発し、2発目3発目のコーティングでは発生しない理由だと思います。
対策は、
1発目のコーティングで極薄で、フデ先を押し付けるようにしてスレッドの隙間のの樹脂を追い出すこと
です。
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