コグホイール
5152ギアと23404ギアの違い


アブのコグホイルは、大きく分けて2種類あり、5152と23404です。5152はオールド対応のギアで、23404は現行です。
互換性だとか、いろいろと違いはあるのですが、まとめで、徹底的に調査考察することにします。


これがアブのメインの駆動系ギア。左からオールド用コグホイル「5152」、オールド用クリックアンドコグ「19373」。現行コグホイル「23404」、現行クリックアンドコグ23403です。

ぱっとみ、同じなんですが、微妙に違います。

1)現行とオールドのクリックアンドコグの違い。
まず、全く違うのはクリックアンドコグ。コグホイルにかむ部分の小径ギアの直径が違います。

ノギスで測定してみると、23403クリックコグの小径は8.7mmなのに対して、19373は8.1mm。つまり、19373のほうがコグホイルにあたる部分が小さいわけです。

これはアップにしたところ。左が23403、右が19373です。見た感じ、23403のほうが歯の厚みが厚いことがわかります。

歯の数は同じで13個です。

直径
23403>19373
歯の厚み
23403>19373

つまり、クリックアンドコグは、23403よりも19373のほうがスリムなわけです。


2)コグホイルの違い



23404と5152の違いですが、これは以前、「駆動系ギアの検証」でやりました。
直径、ギアの歯数は同じ。違うのはギアの形状です。

この時は小径ギアの比較もしていますが、小径ギアはウォームギアと対応するもので、互換性に関しては関係ありません。ここでは、クリックアンドコグと接する大径ギアに絞って話を進めていきます。

大径ギアの違いは先ッチョの細さ。

左が23404、右が5152.

23404のほうが細長く尖っているんです。

これこそが最大の違いです。


ここで、クリックアンドコグの比較をもう一度見てみましょう。

クリックアンドコグは、23403が太く、19373は細いです。

つまり、

現行 オールド
23404 5152
コグホイル 細い 太い
23403 19373
クリックアンドコグ 太い 細い


こんな感じになっています。

これから各ギアのマッチングの比較写真を出します。

5152+19373

オールド適合の組み合わせです。コグがキツく、クリックコグが緩いんで、適合します。


23404+23403

現行ウルキャスの組み合わせ。コグが緩く、クリックコグがキツんで、適合します。


5152+23403

5152オールドと23403クリックコグ現行の組み合わせ。コグがキツく、クリックコグもキツいため、キツキツ。はめあいがギチギチで、きつすぎて回りません。不適合です。


23404+19373

23404現行コグ+19373オールドクリックコグの組み合わせ。コグが緩く、クリックコグも緩いため、適合します。というか、緩い+緩いで、回転は一番軽いと思います。


現行ウルキャスに5152を入れると、回らないというのはこれが理由です。

5152:太い
23403:太い

だからキツすぎて回りません。不適合です。


その場合、クリックアンドコグを19373に変えると適合します。当然です。5152+19373がもともとのマッチングなので。

一方で、現行コグをオールドに入れたらどうなるでしょうか。

23404コグ:細い
19373クリックコグ:細い


ので、適合します。むしろ、はめあいが緩くなるので、回転は軽くなるはずです。

このように、キツイ・キツイは適合しませんが、どっちかが緩ければ適合します。

23404は細いコグなので、ゆるい。緩いので、どんなクリックコグにも適合します。

なので、現行ウルキャスはもちろん、オールド、CSH、UC、あらゆる丸アブに適合するわけです。
※BCXといった廉価版アブは除く。

23404は適合が広い上に、細いので、ギアの噛みあいが緩く、回転はいい感じです。

市販の改造コグは5152ばかりですが、僕は断言します。

コグホイール改造するなら、23404です!


ファクトリーチューンのコグについて
23404系統といえば、#1132195があります。ファクトリーチューンの純正(AMBプロダクト)のダブルベアリングコグです。
7-4-2の薄いタイプのオープンベアリングを搭載しているコグです。
これについては、販売していたことがあるので、よくわかります。おそらく、700個は売ったんじゃないかなと思います。
売る前に、ベアリングのチェックでシャフトに入れて回転をチェックしていたのですが、

10個あったら、8個はハズレです。芯が出ておらず、ブレまくりです。

これ、全部1132195です。

これをウルキャス用シャフトに通して、



クルクル回してみると、センターがブレまくっています。

ブレがひどい個体なんかは、オールドやクラシックタイプ(パーミングではなくて、ハンドルと反対側にメカニカルのデポチンがあるモデル)ではコグがツラツラなので、コグがブレてカップに当たり、シャリシャリ音がするものもあります。

正直、ファクトリーのコグを入れるんなら、BBなしタイプのほうがマシと思います。

アブの改造といえば、コグのベアリング化が定番ですが、お値段と品質を考えて選んで下さいね〜(^^)


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