ベアリングのシールド外し


ベアリングのシールドは、異物侵入防止のためについているようです。シールドのおかげで、外から入る異物はシャットアウト!これは便利です。しかし、シールドが外輪・内輪に接触しており、これがフリクションロスにつながります。また、使用することで、転動体のボールは磨耗していくので、微小な金属異物が出ます。しかし、シールドがある関係で、メンテナンスしても、内部の異物を除去できません。これは回転の妨げに繋がります。購入して1年やそこらで気になる症状はなかったのですが、私のC4は4年目に突入し、その間酷使に酷使を重ねてきたので、いい加減回転が落ちました。なんかバックラ気味に飛んでいきます。これはベアリングの回転に異物が随所随所で障害になっているのでは?と思ったので、シールドを外すことにしました。


で、外し方。シールド部分の金属は多分鉄だと思います。けっこうやらこいです。なので、マイナスの精密ドライバをステンの内枠とシールドの間に無理やり押し込みます。すると、シールドは歪みながら、マイナスドライバの角は内部に入ります。角を押し込むと、比較的力はかけなくてもいけます。ドライバの平たい面を押し込もうとすると、なかなか入らないので力が要ります。ドライバの角が隙間に入ったら、上側に跳ね上げるようにひねってやれば、シールドが外れます。


こんな感じ。シールドが歪んでいるところがドライバで跳ね上げて外したところです。シールドはCリングで固定されているようです。


レベルワインドの小さいベアリングも、同じ要領で外せます。


外すと、こんな感じ。


ベアリングつき5152ギアだってこの通り。

慣れてくると、5秒で外せます。


※補足
ところが、なかなか素直に外れないベアリングも結構あります。10-4-4は、結構大きめなので、マイナスドライバの先が入りやすいですが、クロスギアだの、5152だののベアリングはマイナスドライバの先が入らない。これは、NSKさんの3−7−3のシールドベアリング(クロスギアBB用)です。ベアリングがこんまくなると、マイナスドライバの先が入りません。そんな時は左の写真のように、先っちょでこづきまくって、へこまします。

そして、仕上げに、針の先(これは柄付き針です)で、へこましたところに先を当ててまわす。

根気強くやってると、ペコッと外れます。


話を戻します。


いざ洗浄してみると、結構汚れています。左の写真はパーツクリーナでベアリングの内部を洗浄してふき取ったティッシュの写真です。アブの純正に付いているようなオイル。経年劣化で粘性が高くなってました。


シールドを外したベアリングをアセトンの中にしばらく入れたときに出てきました。なんか、細かい藻?のようです。


組んでみると、今までとは回転が全然違います。回転が軽くなったというか、滑らかになったというか。これは是非オススメしたいメンテですw


で・・・・・・


オーバーホールせずにがんがん使って、3ヶ月。


で、オーバーホール。今年はじめてです。めちゃんこ汚れていました(汗)。


で、ベアリングの汚れチェック。


まずは、ベアリング付きコグホイール。なんとボールは赤錆だらけ!!!水がガンガン侵入していたんでしょうか。シールドがあればナンボか防げたはず。ってか、4年前に購入してガンガン使って、こないだ初めてシールド外して見た時は錆はありませんでした。ところが、シールド外して3ヶ月。たった3ヶ月で赤錆だらけです。シールド外すのも考え物。

※これに関しては、ミネベアの3-7-2.5のステンベアリングにコンバートもしくは、3-7-3のARBにコンバートすることで、錆び対策になります。


回転は最悪。ノーマルのほうがまだマシなくらい。よく今まで気づかなかったモンです。


ベアリング付きクロスギア。こちらも汚れは最悪。パーツクリーナーを吹くと、ベアリング内部からボンボン小さい藻のようなゴミが出てきました。シールド付けてたら防げたはず・・・・

※これも、3-3-7のARBがあるので、錆び対策になります。


これは↑の反対側。末期の汚れ。でもパーツクリーナーを吹くと、ピカピカになりました。オーバーホール後は回転には問題なさそうです。コグホイールとクロスギアではベアリングの材質が違うんでしょうか。


スプール内のベアリングもチェック。もともとオープンベアリングのSICBBですが、汚れは皆無。


結論

シールド外せばいいってモンじゃない!異物の入りそうな場所はシールド外さないほうが良い!

今回のオーバーホールでは、コグホイール、クロスギアのベアリングはシールドを付けるべきです。あれは汚れ及びサビ防止に役立ちます。

シールド外すんなら、スプール内のベアリングがいいと思います。


2011年から
シールド破壊して取りだすん。めんどい!なんせ凹ませたって、うまくはずれないのよね。だもんで、進化した方法の紹介。
ベアリングのシールドはCリングにて外輪に固定されています。
使うのはこれだけ!マチ針!

で、これをCリングの間にかませて、ロッドの弾力を使うように、

ピン!と弾くようにすると、外れます。

動画で表したらこんな感じですw

でも、マチ針の先っちょって、甘いんですよね。だきん、なかなか外れないってのがホンネです。

鋭い先といえば、エアブラシのニードルです。次回、ニードルを使ったベアリングのシールド外しをやってみますです。


ニードルを使ったシールド外し
で、実践ですwニードルはオリンポスのHP102B用。0.3mm、1.4Φ、1段鋭角ニードル。

サキッチョが若干曲がっているのがミソで、この曲がった先をシールドを固定しているCリングの下にかましてこじ開けます。

で、実際の作業はこんな感じ。一発で行くときもあれば、何回やっても外れないときもあります。ただ、先曲がりが小さくなるとCリングの下に入りにくくなるので、何回かやって外れなければ、机にニードルを押し付けて先をもっと曲げてから作業をするとすんなりいくように思います。動画で、途中、机に押し付けているような動作があるんですが、それがそれです。また、リングを外した後、シールドのスキマにも先端が入るのでシールドを引っぺがすのもニードルは使いやすいです。

そんなわけで、やはり、サキッチョが細ければ細いほどやりやすいです。当然、マチ針よりはニードルです。今度、0.2mmノズル用のニードルでもやってみようと思います。
※0.3mm用よりも0.2mm用の方がニードルが細い







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