メガ花子でリフレッシュ!
リールの金属トリートメントチューニング!


いい加減使い倒して、もうボロボロのC4。リーリングするとゴリゴリゴリゴリ音がうるさいし、トラブルらしいトラブルはないんですが、使い倒して6年目。リフレッシュ的なメンテナンスがしたいなぁと思い、あることをやってみることにしました。


それは、金属トリートメント剤による、金属パーツの疲労回復です。


オートバックスとかに行くと、オイルコーナーのスミのほうに、オイル添加剤が置かれています。これらすべては金属トリートメント剤といわれているものです。エンジンの中の金属パーツは経年劣化のために、無数の傷が入っています。この傷にオイル添加剤に配合された金属トリートメント剤が蒸着。その結果、傷だらけの金属パーツはツルツルの皮膜を再結成することができ、摩擦の低減につながります。これが、燃費向上・パワーアップなどをもたらし、中には、何kmか、オイル無しでも走れる添加剤もあるくらい。

実際、リールのチューニングでマイクロロンチューニングというものがあり、マイクロロンと呼ばれるアメリカ製オイル添加剤を、熱したリール部品にドブ漬けして、界面活性化を図るチューニングというのもあります。

すでにラジコンマニアの方が、すさまじい実験データをまとめており、この効果については、体感できるレベルになるはず!
http://www.hpiracing.co.jp/contents/microlon/shiomi_01.html

というわけで、やってみようか!と思いきや、マイクロロンがむちゃくちゃ高い!一番少ないので4千円しますよorz

実際、オートバックスに行ってみると、同じようなオイル添加剤が1000円で売っているし、そういえば、家に転がっていたオイル添加剤があったっけか。だもんで、それを使ってみることにしました。

家に転がっていたオイル添加剤が、「メガ花子」!

高松駅前の太郎と花子を思い出ししていまいましたが、スゴイネーミングセンスです!

ところが、この手の商品は、どぎついネーミングを使われているタイプが多く、他にも、ディーゼルエンジンに「ちからくん」。とか、「モモちゃん」とか、NASAで使われていないのに、NASAとかいう商品名もあるくらい。ふざけとんのか(^^)と言いたくなるくらいのネーミングセンスwwwだけど、こーゆーんは好きですw

で、メガ花子ですが、三菱系だと思うんですが、菱和株式会社の作ったマツダ純正のオイル添加剤です。れっきとしたメーカーもんですよw

で、中身ですが、
有機モリブデン系の金属トリートメント剤です。

この金属トリートメント剤ですが、大まかに2種類存在し、フッ素系、モリブデン系があります。マイクロロンはフッ素系ですね。フッ素はフライパンとかにに使われている蒸着素材で、私が思うに、ツルツルしたイメージがあります。このフッ素コーティングですが、色んなものを弾くのがメリットでもあり、デメリットでもあります。釣りでいうと、リールオイルもはじく恐れが高いため、注入したオイルがあっという間に飛散して回転が落ちそうな気がします。また、車のボディフッ素コートなんかでは、焼付け温度は160度であり、エンジン内のオイル温度80度で蒸着するのか、微妙です。
実際使ってないのでなんともいえないですが、効果は持続しないと思っています。上のラジコンベアリングの研究結果を見る限り、マイクロロンの効果はもって1日という結果が出ていますし。

一方、有機モリブデンというのは、2硫化モリブデンのことで、産業界やホームセンターでモリブデングリスというのがロングヒットになっており、さまざまな分野で使われています。2硫化モリブデン粒子は金属トリートメント剤にはなっていますが、エーテル系の溶剤が使われており、パッキン等のゴムを腐食する性質があり、車のオイル添加剤に使うと、金属パーツは復活するが、ガスケット系がダメージを受ける可能性があるようです。ま、リールにはパッキンが付いていないので関係ないし、これでやってみようかというわけです。

で、回転に影響のあるパーツ全部入れ、メイン+ピニオンもまとめました。

で、パーツクリーナーを吹いて汚れと脂分を一気に飛ばした後、トドメにアセトン。どうもマイクロロンチューニングを見る限り、完全脱脂したほうが効果が出やすいというわけで、アセトンでしつこく脂分を落とすことにしました。私の知る限り、アセトンが最強の洗浄剤です。パーツクリーナーを吹いた後のような白い粉も残りませんし。あの粉も多いと悪影響が出るようです。ちなみに、アセトンはホームセンターのFRP積層コーナーにあります。地味に高くて、1リットル1500〜2000円くらい。

で、パーツ洗浄が終わって、100均で買ってきたマドレーヌカップに移しました。メインシャフトがスッポリはいるのと、このマドレーヌカップは容量が50mlで、メガ花子も50mlなので、ちょうど良いというわけです。

で、マイクロロンチューニングでは、ドライヤーであっためたベアリングをドブ漬けするのが一般的ですが、私は、ずばり、オーブンでやることにしました。だって、エンジンが回転しているときのオイル温度って、大体80度でしょう。80度で持続して浸漬しなければ、金属トリートメント剤が蒸着しにくいと思います。ドライヤーであっためてドブ漬けしたって、一瞬で温度は冷えますから、どう考えても、80度持続のほうが効果が出るはずです。


温度は回転中のエンジンオイル温度と同じく、80度に設定します。こんなことにオーブンを使っているなんてことがバレたらおおごとです。家族には黙ってやっちまいましょう(^^)


すると、上下の熱源が光り始めます。これでオーブン内の温度が上昇。目的の80度になると、サーモスタッドが働き、


上下の熱源はひからなくなります。このように、全力加熱→室内温度が設定温度に到達→OFFといった温度制御のことを「バイメタル制御」といいます。このとき、オーブン内の温度は80度です。最初から入れて加熱すると、温度的なバラツキがうまれるため、オーブン内の温度が安定してからのほうが無難です。


マドレーヌを焼いているみたいですが、食べたら大事です(^^;)















嗚呼!


















5分位してから、トラブル。なんと、マドレーヌカップからオイルが漏れてます!


オイルが熱源の棒の上に落ち、これが気化し、モクモクと煙を上げています!部屋の中は、オイルの焼けた匂いで充満しています。まずい!嫁さんにばれたら、コトやで!?まるで、エレメントを交換した後にエキパイに付いたオイルが気化しているかのようです!


当然スイッチOFF。


そして、掃除が始まりました。とんでもない匂いで、たまらんかったです。タイヤの焼けたような匂いですorz


もれるもれる。なんでこんなに漏れるの???


オイルを排出し、各パーツの掃除。


この添加剤も、ヌルヌルがすごくて、パーツクリーナーだけではなかなか落ちません。


パーツクリーナー&アセトンで、3度くらい洗いまわってようやく、オイルがのきました。手はベタベタ。キョーレツな匂いを放っていますorz

洗っているうちにアセトン中毒になりそうになるわ、最悪です。


だけど、思うんですが、パーツクリーナーやらアセトンやら使って、金属トリートメント剤が落ちないんですかね?この手のオイル添加剤はヌルヌルで、粘性がリールオイルよりもよっぽど大きいため、きちんと脱脂しないと、十中八九回転を阻害します。となると、パーツクリーナーですが、ハッキリ言ってパーツクリーナー程度の溶解力じゃ、このヌルヌルは落ちません。となると、アセトンとか、ラッカーシンナーってことなんですが、2硫化モリブデンの溶剤がエーテルですよね。エーテルとアセトンだったら、溶剤力はドッコイドッコイです。アセトンで洗った場合、蒸着した2硫化モリブデンも一緒に落ちてしまうように思います。


まぁ、組んでみないと分からないか・・・・。って、掃除が終わって、ゴミ袋をみてビックリ!

添加剤がビニールを通過してます!ビニールの粒子の間をオイルが染みていって、最終的には通過するんですね。バイクのオイル交換して普通のビニール袋に入れたときも同じような現象が起きてました。ナイロンを侵して通過するんでしょうか。オイル添加剤ってビニールを通過するモンなんですね。

となると、マドレーヌカップからオイルが漏れたことも理由が分かります。100均のカップは、オイルが通るんですね。

100均カップは絶対使うな!これ、教訓ですorz


実際、組んでみました。
メインシャフトです。触ってみた感じ、ツルツルとはしておらず、ちょっと指が引っかかるような感じです。におってみると、まだ若干添加剤の匂いがしています・・・。あれだけ洗ったのにまだ落ちててないちゅうことですか。もしくは、蒸着した添加剤の影響かどちらかです。だもんで、さらにアセトン洗浄。しかし、くさいなぁ〜。

ピニオンからもいまだ若干添加剤が落ちてきています。取れなさ杉。

で、グリスですが、今までシマノ純正グリスを使っていたんですが、オーバーホールのたびにグリスがすべて落ちていたので、粘性の高い社外グリスを使ってみることにしました。今回使うのはフジヤマスピンのグリスです。硬いです。

爪楊枝で取って塗っていきます。グリスが硬くて、なじんでくれているというか、シマノのグリスよりもギアには良さそうです。このグリスにも金属トリートメント剤が入っているみたいです。トリートメント剤といえば、IOSもトリートメント剤配合ですよね。最近のはやりでしょうかw

で、組んでみた感じ、ハンドルが以前よりも重いです。このメインギアは負荷がかかるので、これくらい硬いグリスのほうがいいと思います。なので、シマノのグリスは捨てて、しばらくこのグリスを使うことにします。

で、肝心の回転ですが、


ココココ、コレは!?



















なんてこった!11往復!






















うん。何もかわっとらん!


アレだけ苦労してこの結果か。もう二度とするかいオイル添加剤チューニング。


思うに、この手のチューニングって、意味あるんですかね。今回の改造で思ったのは、やはりオイル添加剤の取れにくさ。脱脂するのが大変手間。ドブ漬けしたら、もう取るのに苦労しますよ。そして完全に脱脂したら、蒸着した添加剤も落ちるような気がしますし。

だけど、回転がよくなった!ってレポートがありますよね。反面、何も変わらないというレポートも見かけます。あれって、完全に脱脂しているから、そう思うんじゃないんでしょうか。普通のオーバーホールなんて、アセトンまでまず使いません。パーツクリーナーシュシュと吹いてティッシュでふき取って終わりです。だけど、オイル添加剤だからアセトンとかの強力な溶剤を使う必要がある。すると、今まで不完全に脱脂していたものが完全に脱脂されるもんだから、古いオイルが完全に取り除かれて、新しいオイルの性能が引き立つ。そして、回転が良くなったと勘違いしてしまうんではないでしょうか。

また、添加剤チューニングはオーバーホールのついでにやることが多いので、オーバーホールの影響もあって、回転がよくなったと思っているんではないでしょうか。

何にせよ、この手のチューニングはもうこりごり。

マイクロロン!?もうゴメンです。


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