リブレ タフリミテッドのフィールドテスト


先日、フィールドテストをしているメガテックさんから連絡があり、「ヘビーカバー用のハンドルを作った」ので、試作品を送るので、こちらのほうが前回のよりも明らかに強いので雷魚テストはこちらでお願いしますとのことです。


そして、1週間もしないうちに、早速サンプルが到着。商品名はフォルテタフリミテッドfとのことですwさすが、自社加工を手がけるメーカーは開発のスピードが速いですw

フォルテ タフリミテッドF
カタログはコチラ。限定発売みたいです。

まず、ぱっと見た感じ、

ゴツい!


前回のアベントーラが肉厚になり、ハンドルも大型のものに変更され、ゴツい印象を受けますw

前回のアベントーラはバス用のニオイが残っていたように思いますが、このタフリミテッドは完全に雷魚臭がプンプン漂います。

さてさて、かれこれ1年以上使ってますので、インプレでも交えながら語ってみますw



色々比較!



ノブピッチ比較
まずは前作のアベントーラと比較してみました。共に95mm。

旧サーペントが85mm。新サーペントが90mm。オーシャンが100mmなんで、ちょうどいいピッチ間で、問題ないと思います。
※私が思うに、雷魚用として使うなら、ピッチは85mm以上です。80mmは短すぎて負荷がかかった時に巻きにくいです。当然ですが、テコの原理により、ノブピッチが長ければ長いほど強い負荷がかかった時の巻き易さにつながります。


ノブの握りやすさ比較
アベントーラハンドルノブ=マージア。タフリミテッドハンドルノブ=フォルテといいます。

マージアノブのインプレ。
まず、マージア型のノブは、切込みがあり、雷魚がかかって、負荷がかかった状態で巻く時に、この切り込みが指に食い込み、痛いです。

握りこみが出来るのは、だいたい親指と人差し指。中指は半分くらいしかノブにかかりません。さらに、チタンむき出しのノブで、ツルツル滑りやすいため、ファイト中は思いっきり握る必要があり、しかし握りこむと、切り込みに肉が食い込んで痛いので、なかなかに回しにくいです。マージアはストレートのメタル中空パイプですが、握りこみ&負荷を考えると、テーパーがかかっていて、なおかつ切れ込みがないほうが雷魚には有利だと思われます。

続いて、フォルテノブのインプレ
一方、フォルテはというと、
切込みが埋まっています。そのため、マージアノブに比べると、ファイト中の指への食い込みがなく、楽にファイトできます。

握りこみはというと、テーパーがかかっているため、マージアよりは、かなり握りこみがしやすくなっています。テーパーがかかっているおかげで、親指、人差し指、中指の3点握りこみがしやすくなっているのがメリットで、これにより、しっかりとノブをホールドでき、それでいて負荷がかかった状態でも巻きやすくなっています。ただし、肝心の中指は半分くらいしかノブにかからないことが多く、サーペントやオーシャンマークのような大型の部類には入らないレベルの大きさのため、3点ホールドのしやすさは2者には劣ると思います。

ノブホールドの様子の動画(フッキング直後のノブと指の動作について)
続けて、ノブホールドの様子を動画にしたのでご覧下さい。使い始めた当初はサーペントのゴムノブからの引越しで、メタルノブにあまり慣れておらず、握りこみをした時に痛かったり、滑ったりして、戸惑っていました。が、10匹くらい釣ってくると、体が慣れてきて、痛み、滑り、共になくなりました。負荷がかかった時のノブホールドのしやすさは、さすがにサーペントやオーシャンマークのほうがノブがでかい分やりやすいですが、タフリミテッドでも、実釣で支障が出るようなことはないと思います。ただ、サーペント、オーシャンマークは、親指、人差し指、中指全部でノブを包み込むようにホールドできますが、

フォルテのノブは、親指、人差し指はかかるんですが、中指が半分しかかからないって感じで、そこが改善点かなとも思いました。


この動画は、フッキングからリーリング開始までのおおまかな流れを追った動画です。上の説明で言う、フォルテの3点ホールドの様子が分かりやすく表されています。フォルテノブを3点ホールドしていますが、親指と人差し指はしっかりとノブを包み込めていますが、中指が半分くらいしかノブにかかっていないと思います。この点が、サーペント、オーシャンに劣る点だと思います。

加えて、フッキング〜ノブホールドまでの説明です。

雷魚はフッキングした直後が一番スラッグが出やすく、バレやすいので、フッキングを入れた後、いかに早くノブに手をかけてリーリング開始できるかがキモになります。

動画の説明(上のホールドの説明と同じ動画)です。まず、フッキングする時は、右手はリールシート、左手はフォアグリップを持っていますから、左手はリールにありません。フッキングした直後に、左手をノブに持って行きますが、ノブを目で探す余裕なんてないので、手探りでノブを探すこととなります。この時、フォルテノブだった場合、テーパーがかかっていて外側が大きいですから、手を広げた状態で近づけると、どこにノブがあるか分かりやすいので、ノブの位置が掴みやすいです。その直後に強烈なトルクでスラッグを出さないように巻かなければならないので、握りこみをする必要があります。その点、フォルテノブはテーパーがかかっているので、手探りでノブの位置を把握しやすいです。そのため、雷魚用ハンドルは、外側にあたるノブ径が大型のほうがスラッグを出しにくく、したがって、バレにくい良いハンドルということが出来ます。サーペント、オーシャンなんかはまさにその点が優れているハンドルで、フォルテノブは、二者に比べると小さいのですが、それでも、手探りでノブを探すのに苦労するくらいの小ささでもないため、実釣で支障が出るような問題はないと思います。

ノブの長さ、径の比較
続いて、ノブの長さの比較です。同じような雷魚用リプレイス用ハンドルとして多くの支持を得ている、サーペント、オーシャンマークと比較しながら、タフリミテッドのインプレ等、語ってみます。

ここで比較するのはノブの長さで、プレート根元からノブの最も外側までの距離です。
こんな感じでノギスで測定しました。

結果は、この通り、

名前 長さ(mm)
サーペント(旧) 47.5
オーシャンマーク 37
マージア 36
フォルテ 36

サーペントが最も長く、続いてオーシャンマーク、リブレという順でした。

私が思うに、この中で言うと、ファイト中の、握りこみのしやすさは、ダントツでオーシャンマークだと思います。指で支えるというより、手で包み込むようなグリップが可能で、負荷がかかった時にノブに力が入れやすいんですよね。長さを比較することで握りこみのしやすさの指標が出ると思っていたのですが、意外。オーシャンマークノブの長さとリブレノブの長さって、ほぼ一緒なんですね。ということは、握りこみのしやすさは、ノブの長さだけではないというわけなんですね。

だったら、何が握りやすさと相関があるんだろうと思い、

考察その2

ノブのテーパー比較
長さではないなら、大きさかな?と思い、今度は、ノブの最も小さいところと大きいところの直径を計測し、テーパーデザインを数値化しました。
小さいほう、大きいほうをノギスで測って測定です。

結果はこの通り。

名前 テーパーデザイン(φ) テーパー
オーシャンマーク 11→26 +14
リブレフォルテ 12→19 +7
サーペント(旧) 18.5→23.5 +5
マージア 16→16 0


ぶっちぎりでテーパーがかかっているのがオーシャンマークで+14。続いてフォルテで、+7。最後にサーペントで、+5でした。


2つの表をまとめると、

名前 テーパーデザイン(φ) テーパー 長さ
オーシャンマーク 11→26 +14 37
リブレフォルテ 12→19 +7 47.5
サーペント(旧) 18.5→23.5 +5 36
マージア 16→16 0 36

こんな感じです。

私のインプレでは、負荷のかかった時の巻き易さは、1位オーシャン、2位サーペント、3位フォルテ、4位マージアです。

この表から、そのデータを引き出そうとすると、テーパーデザイン(φ)の最も大きい部分です。

1位オーシャン26φ、2位サーペント23.5φ、3位フォルテ19φ、マージア16φで、ワタシのインプレと一致します。

ということは、負荷のかかった時のハンドルノブの巻きやすさは、

長さでもなく、テーパー度合いでもなく、ノブの最大直径が大きいほど巻きやすいということだと思います。


で、藤田さんに、インプレを伝えたら、

今後、ジギングや雷魚等を考慮に入れたもう少し大きいノブも検討しておりますので、その時の参考にさせて頂きます。
 
ノブのつかみ方は、釣り方や魚種により細かいレベルで好みが有るのは痛感しております。。。


とのことです。これは、期待大です(^^)

2011年からのメッセージ
なお、このノブって、これでしょうか???フォルテッシモノブと呼ばれるもので、スペック等の紹介は後日とのことですが、どうみても強力なホールド力が期待できそうな形で、かなり期待が持てます♪


ハイ!次!


負荷のかかってないリーリング時の扱いやすさについて
加えて、サーペントやオーシャンマークなんかは、ファイト中のフォールド、ゴリ巻きが無茶苦茶しやすくて、それがメリットなのですが、反面、ノブがでかすぎて、通常のリーリング時に、極端な話、ノブをつまむようにな感じになって、巻きにくいのがデメリットだと思います。この動画はそれを表したもので、負荷のかかっていない状態の通常のリーリング時は、ノブを包み込むようにホールドさせると、ダルイだけなので、指でつまむように軽くホールドさせます。そうすると、ノブがでかいため、つまんだ時の指と指が離れすぎており、ホールドがしにくいというのが分かるかと思います。

ちなみに、ワタシのインプレでは、負荷のかかっていない時の扱いやすさは、

1位:アベントーラ(マージア)
2位:タフリミテッド(フォルテ)
3位:サーペント
4位:オーシャン

です。

再びあの表が出てきますが、

名前 テーパーデザイン(φ) テーパー 長さ
オーシャンマーク 11→26 +14 37
リブレフォルテ 12→19 +7 47.5
サーペント(旧) 18.5→23.5 +5 36
マージア 16→16 0 36

この表のデータから、その結果を取り出そうとすると、テーパーデザインの最大直径の小さい順です。

1位:アベントーラ(マージア):16φ
2位:タフリミテッド(フォルテ):19φ
3位:サーペント:23.5φ
4位:オーシャン:26φ

って感じですかね!?


つまり、負荷のかかっていない時の巻き易さというのは、最大直径が小さいほど巻きやすく、大きいほど巻きにくいということが出来ます。


まとめると、ファイト中はノブの最大直径が大きいほうが性能が良く、反面、通常のリーリング時は、ノブの最大直径が小さいほうが性能が良い。


と、こういうことだと思います。これは二律背反ともいえるもので、何かを取ると何かが犠牲になるということなのでしょうね。このあたりが「バランス」で、サーペントやオーシャンは、ファイト中の使いやすさのほうを重視していて、マージアノブなんかでは、通常のリーリングのストレス解消を優先させているといったところでしょうか。


タフリミテッドの場合は、通常のリーリングも快適ですし、ファイト中も不便に感じることもないので、バランスの取れた良いノブだと思います。


これが通常の負荷のかかっていないリーリングの様子ですが、ノブをホールドしている指と指との距離が近く、つまんでまわすというよりは、包み込んでまわしている感が分かるかと思います。上のオーシャンのノブの動画と比べてみても、指と指との距離の違いが分かるかと思います。これが通常のリーリング時のストレスに影響してきます。雷魚の場合、忍耐9のファイト1くらいのモンですから、通常のリーリングのストレス軽減は武器です。

ハンドルプレートの比較
雷魚ではこれが一番大事かと思うんですが、兎に角、硬い!強い!曲がらない!そういうハンドルプレートが優秀です。ハンドルが曲がるかも?なんて思いながらファイトすると、思い切った使用が出来ませんもんね!安心感を持って負荷のかかった状態でのやり取りを楽しめる、そういうハンドルプレートじゃなといけません。

で、

まずは、

材質データの比較

名前 材質 引っ張り強さ(N/mm) 耐力(N/mm) 伸び(%) ブリネル硬さ(HB) せん断強さ(N/mm)
フォルテタフリミテッド A7075(超々ジュラルミン) 570 505 11 150 330
オーシャンマーク A6061(超ジュラルミン) 310 275 12 95 205
新型サーペント A6061(超ジュラルミン) 310 275 12 95 205

すでに材質の種類が分かっているのでデータ比較するだけです。フォルテタフリミテッドのみが超超ジュラルミンと呼ばれる材質。一方、オーシャンマーク、新型サーペントは超ジュラルミンと呼ばれる材質でした。見ての通り、伸び以外のすべてにおいて超超ジュラルミンが上を行っています。「伸び」というのは、折れる前にどれだけ曲がるかというデータで、曲がる前に折れるか、折れる前に曲がるかという感じなんですが、1%しか変わらないのであんまり違いはないように思います。

そもそも、超ジュラルミンは軽くて硬くて強い素材として、戦時中にアメリカ戦闘機に使われていた素材です。一方、その超ジュラルミンを超える強度を確保するために開発されたのが超超ジュラルミン。これは日本の住友金属が開発したもので、なんとゼロ戦に使われていた素材です。墜落したゼロ戦を調べたアメリカ技術者はその材質の良さにおどろいたみたいです。超超ジュラルミンは、バイクのバックステップやキャリパーサポートにも使われているので、強度的には申し分なし。チタンの半分の重さで、チタンと同等の強さを誇る、そんな材質ですから、超ジュラルミンの上を行っているのは確実です。

そのため、材質比較の段階では、タフリミテッドの圧勝だと思います。実際のインプレでも、ファイト中のフィーリングは、旧型サーペントのチタンテイストとでもいいましょうか、全然曲がるような感触はなく、ピニオンとメインのかみあいがギリギリとノブに伝わってくるような硬さを併せ持つ、そんな感じで、安心したやり取りが出来ました。



プレートの厚み比較
リブレはテーパーがかかっていて、ノブがついているほうが一番薄く、ハンドルシャフトの部分が一番厚いです。
アベントーラが一番細いところで3mmです。

フォルテタフリミテッドが一番細いところで4mmです。なんと、アベントーラよりも1mmも分厚くなっています。

旧サーペントはテーパーがかかっておらず、厚さ3mm。

オーシャンマークもサーペントと同じく3mmです。

で、
で、新型サーペントは、ミュージックトライアウトさんに調べていただき、3mmということが分かりました。チタンモデルと変わっていないんですね。


座グリについて
アベントーラのフィールドテストからの抜粋なんですが、
リブレは、最も負荷のかかるハンドルシャフト中央の強度を確保するために、座グリと言われる構造をとっています。座グリとは、ナットを材面下に沈めることにより、強度を確保する技術のことです。リブレの場合ハンドルナット部は、厚みが6.5mmとなっており、これが最も薄いところよりも厚みがあるので、さらに強度がかせげると、こういう風になっています。詳しくは、アベントーラのフィールドテスト参照です。ちなみにタフリミテッドの場合は、テーパーが、4.0mm→6.5mmです。

なお、座グリのことで、開発担当の藤田さんに質問したので、その返答を紹介しておきます。

ハンドルノブ部のメインプレートの厚み(一番薄いところ)は、4mmです。
 
シャフトを固定しているネジの頭部分を0.5o座グリを入れてますので、シャフト自身に掛かる負担を受け止める部分は
t3.5oになりますが、座グリを入れておりますので通常の4oより剛性があります。


以上のことをまとめてみると、

名前 ハンドルプレート材質 ハンドルプレート厚さ一番薄いところ(mm) プレート一番厚いところ(mm) 座グリ
フォルテタフリミテッド 超超ジュラルミン 4 6.5 あり
アベントーラ 超超ジュラルミン 3 6.5 あり
サーペント(新) 超ジュラルミン 3 3 なし
オーシャンマーク 超ジュラルミン 3 3 なし

こんな感じです。現行ハンドルのハンドルプレートの材質で最強がタフリミテッドで超超ジュラルミン。厚みが最も厚いのもタフリミテッド。座グリがあるのもタフリミテッド。この時点で、現行雷魚用リプレイスハンドルの中で最強はタフリミテッドというのが分かるかと思います。

座グリあらかると
アベントーラのフィールドテストからの抜粋になるんですが、座グリメリットの紹介です。
リテーナの穴をあわせる手間が要りません。
オーシャンマークやサーペントなんかでは、リテーナーの穴をあわすのが一苦労(オーシャンマークでは、リテーナーの穴を見ながらナットを回転できない。サーペントハンドルでは、使っているうちにプレートが曲がるのか、穴が合いにくくなる。)しますが、座グリナットであれば、リテーナーの穴自体がないからその手間がなくなり、メンテナンス性が良いです。

フッキング時の指の怪我がなくなる。
私は両手でロッドを持ってフッキング入れるのですが、雷魚マンの中には、ハンドルを持ったままフッキング入れる方がいらっしゃいます。つまり、片手でロッドを、片手でリールのハンドルノブを持ってフッキング入れる感じです。DVDを見ていたら、大久保幸三さんもそんなフッキングですよね。んでもって、このフッキングをされる方のトラブルなのですが、たまにハンドルナットに指があたり、ケガをされる方がいらっしゃるようです。確かに、ハンドルは回りますから、フッキング入れた時に回って、指がナットに当たることもあるでしょう。アブや、サーペント、クラシックパワーハンドル、などなど、6角ナットを使用しているモデルでは全部この症状が出るはずです。

で、この座グリ特殊ナットですが、そもそもが、バスボートの振動でリテーナーが緩むトラブルの対策のために作られたようで、特殊形状のネジ山及び特殊工具のレンチが非常に強いトルクをかけられるようになっており、締め付けトルクは、6角ナットの比じゃありません。引っ掛ける面積が多いからできる芸当でしょうが、うたい文句の通り、使用中に緩んだことは一回もありません。オススメの取り付け構造です。


ちょっと話がそれましたが、ハンドルプレートの話に戻ります。サーペントはハンドルプレートに穴が空いてないし、オーシャンマークは穴が少ししか空いてないですが、リブレは穴が開きまくっているんですよね。これが強度にどう影響するのか、調べてみました。


プレートの形状について
で、アベントーラでも、フォルテタフリミテッドでも気になったんですが、
リブレはむっちゃたくさんハンドルプレートの種類があるんです。ところが、数あるハンドル形状の中で、雷魚向けアベントーラも、タフリミテッドもTYPE6なんですよね。なぜ、この穴形状を雷魚テストにこの形状を選んだのかという点です。

実は、ちょいと思うことがあって、それはトラス構造です。

ウィキペディアより。
トラス構造というのは、骨組みを三角形にして連結させることで、軽量でありながら強度を出す建築構造のことです。実は鳥の骨もこの構造を取っており、飛ぶための軽量化&強度確保をやっています。

これはバイクの世界にも応用されており、

有名なのが、イタリアのバイクのドカティ。ポパイの横のレストランではないぞ!(香川人限定ネタ)
ドカティホームページより。パイプが三角形になっています。これで軽量化&強度を出しているんですが、なぜか鉄フレーム。現行のスポーツバイクはだいたいアルミフレームなのですが、この点が理解できません。

ヤマハホームページより。ヤマハのTRXもトラス構造を導入しています。オイラのバイクのアッパーカウルはコイツですw

やっぱり、モリワキ派生のバイクカスタムメーカーだからでしょうか。トラス構造を導入しているあたりがなんとも言えません(^^)

このあたりについても藤田さんに尋ねてみると、

ハンドル形状の件ですが、今回タフリミテッドに採用したデザインはご指摘の様に弊社のハンドルデザインの中で重量と剛性のバランスが一番よいTYPE6形状(トラス構造風)をさらにタフリミテッド用に肉厚を増やし剛性UPいたしました。

弊社のハンドルは、すべて折れ方向剛性とねじれ方向剛性を考慮しております。

デザインの関係でどうしても剛性が無い物は、縦方向の肉厚(細くなる部分)を変えたり肉抜き形状のR位置を曲げ応力の掛かる部分からずらしたりして対応してます。

タフリミテッドのプレートも単体ですと12.2g(TYPE6 95oは9g)で、プレートだけの比較では、見た目よりかなり軽くなってますが、
剛性はきっとふくすけ様のお持ちのハンドルの中でもトップクラスだと思います。

なるほど。デザインと強度確保について、色々と試行錯誤されたようで、この辺りが、自社加工メーカーの強みかと思いました。

やはり、トラス構造は重量と剛性のバランスが良いみたいですw

今のところ、使用において、全く問題なかったため、穴がたくさん開いていても全く問題ないと感じました。


ノブシャフトの比較
プレート、ノブと終わって、最後にノブシャフトの比較です。材質も既に調べてあります。とりあえず、径を測定し、材質データで比較しています。
旧サーペント。SUS304(ステンレス)5φ。ベアリングは汎用ミニチュアベアリング。

オーシャンマーク。SUS304(ステンレス)5φ。リプレイス用高級ハンドルにしては珍しく、ベアリングは付いていません。

フォルテタフリミテッド。SUS303(ステンレス)4φ。ベアリングが、ARB。


では、表による比較。

材質 ノブシャフト径 引っ張り強さ(N/mm) 耐力(N/mm) 伸び(%) ブリネル硬さ(HB) せん断強さ(N/mm)
SUS303(ステン)タフリミテッド 520 205 40 187 -
SUS304(ステン)オーシャンハンドル、サーペントバイトハンドル 520 205 40 187 -
A7075-T6(超超ジュラルミン)アベントーラ 570 505 11 150 330


タフリミテッドの採用されたノブシャフトはステンのSUS303です。旧型のアベントーラでは、ノブシャフトは超超ジュラルミンでした。ここで、ノブシャフトの材質変更に伴い、やっぱりパワーゲームは超超ジュラルミンよりもステンのほうが良いのか、開発担当の藤田さんに聞いてみたところ、このような返答が返ってきました。

ノブシャフトの件ですが、強さ(数値)はA7075の方が強いです。
ただ、伸びを見て頂くと判りやすいのですが、A7075は伸びの数値が低い為強いのですが、限界を超えた時折れてしまいます。
SUS303は、強さ数値はA7075を下回りますが伸びの数値がA7075より高い為限界を超えてからすぐ折れるのでは無くある程度曲がってから折れます。
SUS303でも十分強度はある為、雷魚の様に限界に近い部分でご使用される可能性が有る釣りですので、SUS303を採用しております。
 

とのことです。強度的に見ると、超超ジュラルミンのほうが上ですが、伸びが違う(SUS303は40%なのに対し、超超ジュラルミンは11%)ので、SUS303を採用しているみたいです。確かに、強烈なファイト中に折れたら、それ以上巻くことは出来ませんが、曲がったぶんに関しては巻き続けることが出来ますので、パワーゲームにはステンのほうが適しているということなんでしょうね。

なお、前作のアベントーラでは、プレートが折れる前にノブが折れる設計をとっていたようですが、タフリミテッドの場合も、プレートが折れる前にノブが曲がる設計にしているようです。

さて、サーペントとオーシャンとの比較ですが、表を見る限り、材質データは全く一緒ですね。防錆についてはSUS304の方が上だったと思いますが、雷魚だったら淡水なので関係ないと思われます。

で、シャフト径ですが、コレに関してはタフリミテッドが一番細いので、強度的にはサーペントやオーシャンのほうが強いと思います。

なお、1年以上使いましたが、シャフトが曲がるようなトラブルは一切起きていません。強度的にSUS303,直径4φでも全く問題ないと思います。


クラッチ戻りトラブルについて
あと、雷魚ハンドルで、最も重要なのが、クラッチ戻りトラブルについてだと思います。

藤田さんからも
前回のプロト品より剛性はUPしておりますので、剛性的には問題無いと思いますがその分重量が重くなった為、クラッチ戻りトラブルだけが少し気になります。出来ましたら、クラッチ戻りトラブルを優先してテストして頂けますでしょうか。よろしくお願いいたします。

とのことでした。

なお、重量は、45.5gでした。アベントーラが38gですから、約8gの増加といったところです。オーシャンマークが59gでクラッチトラブルが出ますから、これは気になります。

テスト条件

ロッド・・・讃岐の夢
リール・・・改造ロケット。
サイドカップ・・・5501Cクラシックレッド
フレーム・・・・6501Cプロロケ
ギア・・・・6601C4用
スプールシャフト・・・6601C4用
クロスギア・・・Btrapダブルベアリングクロスギア
コグホイール・・・Btrapベアリング付コグホイール
レベル・・・6601C4用セラミックレベル。
スプールベアリング・・・Abu純正
ブレーキブロック・・・ゼロ
サムレスト・・・6500CSHミスターシンのサイン入りアルミサムレスト
ライン・・・アバニGT8号

このタックルで、フルキャスト10回行い、トラブルの有無を調べる。

結果
使用フロッグ 重量(g) クラッチトラブルの有無
自作フロッグ39号 12.0 無し
スナプル 12.2 無し
AMGR(クレンスイベル) 16.4 無し
マンズ(ザ・フロッグ) 17.2 無し
プチボン 20.1 無し
ボンジュニ 24.4 無し

で、25gを超えると、讃岐の夢ではウェイトオーバーなので、今度は

ロッドをジョニーライデンに変更。そして、続きを行いました。

結果
使用フロッグ 重量(g) クラッチトラブルの有無
ボン 31.4 無し
バスプロテンダートート(大) 34.7 無し

これで、完了

リブレのフォルテタフリミテッドは、クラッチトラブルは起こりません!

ふぅ、一安心(^^)


まとめ
 


プレートについてのインプレまとめ
まず、肝心なハンドルプレートの使用感ですが、どんなカバーでもびくともしません。テイストで言うと、チタンサーペントみたいなかんじで、がいに硬くて、たわむような感じが全くありません。かなり硬くて、ピニオンギアとメインギアの噛み合いがガンガン伝わってきます。厚さ4mm、座グリ強化の超超ジュラルミンプレートって、こんなにも剛性が高いのか!とビックリします。使った感じ、ホント、チタンと変わりません。リプレイスハンドルで超超ジュラルミンを採用しているのはリブレだけで、しかも厚みも最厚。現時点で最強のハンドルプレートだと思います。ゆえに雷魚用ハンドルとして、大合格!

ノブについてのインプレまとめ
@ノブシャフトについて:サーペントやオーシャンが5φなのに対して、タフリミテッドは、4φで、強度が心配でしたが、何度となくヘビーカバーで、ゴリ巻きしまくっても、何ともなかったので、強度的には十分だと思います。また、まさかの時も、SUS303の採用により、プレートが折れる前にノブシャフトが曲がってくれるので、これも安心してやり取りできる要素の一つだと思います。

Aノブの回りやすさについて:アベントーラのフィールドテストで気になる点として紹介しましたが、フォルテの場合、回りすぎることがありません。なぜか異様に回ったマージアノブでしたが、フォルテノブはこの症状が現れません。テーパーがかかると、回りが悪くなるんですかね?兎に角、マージアで気になっていたブィーンと回り続ける症状は出ません。

ノブピッチについてのインプレまとめ
タフリミテッドはノブピッチが95mmですが、このピッチが絶妙のピッチで、すごく使い易いです。まず、雷魚用に関しては、圧倒的にノブピッチが長いほうが有利。ワタシの使用では、ノブピッチは85mm以上が絶対条件だと思います。簡単な話、テコの原理で、ノブピッチが長ければ長いほど負荷のかかったリーリングがやりよいのです。リプレイスハンドルでありがちな80mmピッチはあくまでバス用だと思います。雷魚で使うにはピッチが短すぎだと思うので、95mmピッチというのは使いやすい長さです。また、ピッチが長すぎると今度は1回転あたりの円周が長くなり、通常のリーリングがだるいという症状が出るのですが、100mm(オーシャンマーク)だと若干だるい感がありますが、5mm短い95mmだと、このストレスがありません。旧型のサーペントも85mmで、このストレスがなかったので、85〜95mmが雷魚用ハンドルとして、良い範囲なんでしょうね。通常のリーリングも負荷のかかったリーリングもしやすい、バランスの取れたピッチだと思いました。

取り付け(リテーナー)についてのインプレまとめ
リテーナー=ハンドルの固定ネジ。全く緩みません。特殊形状のねじ山を採用しているおかげで、締め込みトルクをかなり強くかけることができ、ゆるみ防止のネジがなくても、ガッツリ固定できていて、どれだけ酷使したって、全く緩みません。バスボートの振動でハンドルナットが緩むトラブルを回避するために開発したみたいで、これは自信あると言ってましたが、その通りでした。メンテナンス性も、穴を合わせる手間がない分快適。ただし、座グリを採用しているために起こるEリングの取り付けの手間が増えます。そのデメリットについては後に書いています。

まとめると、
ハンドルプレートの材質、厚み、ともに、現行最強。クラッチトラブル起こらず。リテーナーの取り付け楽!さらに絶対緩まない!ノブはテーパーがかかっていて、通常のリーリングと、負荷のかかったリーリングの扱いやすさがバランスよく両立!ノブピッチは快適に使える95mm。



リブレのタフリミテッドが雷魚用リプレイスハンドルで最も良いハンドルだと思います。


※私は何食べてもおいしいというレポーターが大嫌いなので、良い悪いはハッキリと言いますが、今回はなんか、リブレの回し者みたいなインプレになってしまったのと、他にもタフリミテッドユーザーさんがいらっしゃるので、そちらの評価も参考になるだろうと思うので、紹介させていただきます。

スタウトさんのブログです。同じくタフリミテッド使いの雷魚マンさんです。釣行をバリバリと繰り返されていますので、必見です!
http://ameblo.jp/keepslant/

しかし、まだ気になる点はあります。


リブレのハンドルで惜しい点
Eリングの取り付けが手間
ハンドルシャフトにEリングが止めにくいです。座グリを入れている関係で、Eリングを入れる時に座グリの穴の引っかかる部分から、Eリングを入れる必要があり、これが非常に入りにくいです。もし滑ると座グリの中に入り、なかなか取れません。先が針みたいになったピンセット必須です。

マイクロラジペンやラジオペンチなんかでやってますが、Eリングが斜めにズレたりすると、ピッン!と音を立ててどこかに飛んで行き、探すのが一苦労。

コンクエなんかではEリングを止めないのでこの必要はないですが、

アブの場合、Eリングを止めなかったら、Eリングの厚み分、右側にガタツキが生まれるので、厄介です。

で、もいっちょ曲者なのが、アブのEリングはJIS規格のEリングではないという点。手前がJIS規格。上がアブ純正。微妙に違うでしょう。そのため、なくした時は、アブの部品を注文しなければならないです。(もしくは、アベイルさんで、流用可能なEリングを取り寄せるか)JISのEリングを入れた場合、ハンドルナットが入りません。また、アブの部品注文は2週間〜1ヶ月はかかります。なので、この点を改善してもらえると、メンテナンスが楽になるのになぁ。と思う今日この頃です。

色があわせにくい
雷魚系のリールって、黒、銀、紺、青、緑、茶色とか、シックな落ち着いた濃い色のリールが多いんですよね。これに金色のハンドルを付けた場合、金色が響きすぎてしまって、浮いたような感じになるんです。そんなわけで、雷魚系のカスタムハンドルって、大体が銀か黒でしょう。金が似合うのはカルコンくらいのもの。アブ主流の雷魚の世界だったら、黒か銀のハンドルプレートのほうが良いと思いました。



ノブキャップの緩め方について
ブを交換する時に、マイナスドライバでやったんですが、ノブのキャップのねじ山が、キズだらけになりました(涙)

説明書を見てみると、10円玉でやれとのこと。

ぴったりちや〜!!

マイナスドライバ厳禁ね!十円玉でやりまいよ!説明書よーに見てん!

あと、開発スタッフの藤田さんに聞いてみたところ、

「エンドキャップは、10円玉に合うように設計しておりますのでマイナスドライバーより、10円玉で溝にまっすぐ合わせて閉めて頂くと傷が付きにくいと思います。あと、Oーリングが付いておりますので、軽く閉めるだけでも緩みにくくなってますので、閉めすぎないのも傷を付けない方法です。」

とのこと。あんましトルクをかけないのも一つの方法みたいです!




最後に更なる可能性を求めて
色々な方向からタフリミテッドの分析やインプレをしてきましたが、あと一つだけ・・・・・。改善点があるとしたらコレだけです。

ずばりノブ。

ファイト時にノブをホールドする、そのとき、しばしば、中指の引っかかりが甘くなり、ちょっとしかかからなくて、回しづらくなることがしばしばあります。つまり、ファイト時には、もう少しだけノブの最大直径が大きくても良いかと思います。

前にも書いていますが、ノブは、大きくなるとファイト時はやりやすくなるんですが、反面、通常のリーリングがしにくくなるという、二律背反の関係にあります。

ファイト中の使用で、大きく不具合が出るようなことはないのですが、通常のリーリングのストレスにならない程度の、あと少し、あとほんの少しだけノブを大型にして、中指への引っ掛かりを配慮したノブの採用で、ホントにホントに「完璧」な雷魚ハンドルになるような気がします。

気になるのは、

やはり、フォルテッシモノブです(^^)。



あと、最後に藤田さんから、

  あと、構造では無いのですが、今回採用した表面処理は少々乱暴に扱ってもらってもすごく傷等が付き難くなってますのでそこも出来ればアピールして頂ければありがたいです。 

のような依頼を受けていたんですが、サイドカップの塗装をして、アルマイトメッキから、傷つきやすいウレタン塗装にチェンジした関係で、すんごく慎重に扱っていますので、アルマイトの傷つきやすさのテストは出来ませんでした(^^;)








そして再び発売

昨年、リブレのタフリミテッドを使い倒して、色々とインプレを語ってみたんですが、アレは限定生産なわけで、ワタシがインプレを書いたのは確か11月なので、既に生産終了〜〜〜♪

ってなわけで、インプレの意味あったのか!?状態だったんですが、

今年、なんとアイツが再販されるみたいです。

値段がリールよりだいぶ高いのがアレなんですが、これについては高いだけのことはあると思います。

ごつくて、ノブピッチが長くて、強くて全然曲がらん。負荷のかかったリーリングでもたわむような感触皆無。そして、サーペント・オーシャンマークの難点だったクラッチ戻りトラブルが起きない。

そんなハンドルって、いまんとこ、タフリミテッドだけです

ちょいと、普通バージョン(3mm幅)のアベントーラにフォルテノブを付けて使ってはみましたが、やっぱし、ゴツイだけあって、タフリミテッドのほうが良いです。安心してやり取りできますし、無理しても大丈夫感があるので、

雷魚マンにオススメするのは、やっぱりタフリミテッドのほうです。

そんなわけで、興味がある人は、↓を参照の上、リールをもう一個買ったつもりで、清水の舞台から飛び降りてくださいな。

http://www2.ocn.ne.jp/~megatech/limited.htm

http://ameblo.jp/m-livre/





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