千鳥屋コグホイール導入


ベストタックルのリール研究により、飛ぶ飛ばないに関係するパーツは、ウォームシャフトとコグホイールだというのが分かってきました。

これを極限まで性能を引き出そうと思います。

すでに別コンテンツで取上げていますが、

コグホイールに上下のガタが少しでもあると回転にビビリが生じ、キャスト時に手にバリバリと振動が伝わってきて、回転が落ちます。

なお、純正ではPOMカシメと思われがちですが、これも上下のガタが少なからずあり、ダメです。

また、ベアリングコグは固定方式自体にも限界があり、というのも、Eリングを使う限り、クリップが入る部分でクリアランスというわずかな隙間が出来、これがガタに繋がってしまうからです。

さらに、Eリングを使うとギアに接触すると、抵抗になって回転が落ち、非接触にするとガタが生まれるというわけで、どうにもこうにもガタをゼロにすることが出来ません。

つまり、Eリングにせよ、クリセント型Cリングにせよ、ストレート形状のクリップによるコグホイールの固定はガタという魔物からは逃れられない固定方式といえます。

そこを突いているのがベストタックルで、1φのCリングによるクリップには参りました。これだとシャフトのEリングのハメシロにピッタリとフィットしてガタがなくなり、さらに上下にリングの凸部分が出っ張りますが、コグホイールの上部ベアリングの内輪にのみリングの凸部分が接触し、回転に影響を与えることなく、コグイールの固定が実現できています。

ですが、このベストタックル方式でもカンペキとは言えません。というのも内輪の供回りの回避が出来ていないし、回転中にCリングまで連動して回転してしまうからです。

ウォームシャフトの項でも訴えていますが、ベアリング追加の本来の目的は、内輪と外輪が固定され、回転時にベアリングのボールのみが回転することにあります。内輪と外輪が供回りしていたら、それはベアリングではなく、ベアリングの形をしたブッシュなのです。

そこで、「ガタをなくすこと」及び「内輪の完全固定」この2点を遂行できるようなコグホイールの製作を千鳥屋にお願いすることにしました。

ここで、ライギョマンには2つの選択肢が出てきます。

5152を使うのか、23404を使うのかという点です。

以前、駆動系ギアの検証で、ギア形状の比較をしたことがあります。5152ギアは歯の先が丸くなっており、23404は尖っているため、噛みあいがスカスカの5152ギアのほうが高回転型と結論付けましたが、果たしてそれは本当に正しかったのかが疑問に思うようになってきました。

※ピュアフィッシングに確認してみたところ、5152と23404の違いは、POMのカシメかEリングの固定かの違いで、回転の性能に関する部分に違いはないと答えをもらっています・・・・。しかし、という感じですw

スカスカ=ガタだからです。

ベストタックルでは23404の加工しか受け付けないし、現行アブもすべて23404タイプに変更されています。

案外、高回転型なのは、5152よりはむしろ23404なのかもしれません。

さらにもう1つの問題点は、クリックアンドコグで、5152を使用した場合、クリックアンドコグは19373を使う必要があります。

しかし、この19373が曲者で、現行アブのスプールには小さすぎて、はめあいはスカスカです。少し小突くとポロッと外れるようなクリアランスなため、現行アブのスプールを使う場合、どう考えても19373よりは23403のほうが適任です。また、後に紹介する予定ですが、クリックアンドコグのシャフト接触面をドリルで打ち抜き、回転時の抵抗をゼロにするチューニングを施しますが、このときにもスカスカのクリックアンドコグは問題なんです。

そんなわけで、

現行スプールを使う=クリックアンドコグは23403=コグホイールは23404

という連立方程式が成り立ってしまうため、加工に出すのは、23404にしました。

というわけで、コグホイールとベアリングを千鳥屋さんに送り、

ブログでも紹介されていましたが、

このような研削加工を施してもらいましたwこんな専門的な画像をHPで使えること自体、たいへんありがたいことですwww

スキマもバッチリのようで、

このような座繰り穴を開け、

ベアリングを組んだのがこのコグホイールです。

まず、このコグホイールは市販のダブルベアリングコグとは全く異なるもので、通常は、両サイドにベアリングをハメ込む方式となっていますが、千鳥屋バージョンは、座繰り加工を施し、

ケツからベアリング、シム、ベアリングという具合に、シムをベアリングでサンドイッチする構造となっています。

この構造にしている理由は「精度」で、通常、両サイドから穴を空ける際は、頭の穴をあけた後、一旦ジグからパーツを取り出し、反対側に裏返して再び穴を空けます。

その裏返す際に芯ブレが起こるようで、精度を追求するなら、一発で座繰り加工をしたほうが芯が正確に出るそうで、こうなったようです。

また、コグホイールの両サイドをシムで押さえる形にしたのは、ベアリングを浮かせてシャフトの座に接触することを嫌っているからです。

なお、C4のシャフトは中央がくぼんでいるため、ベアリングにサンドイッチされたシムが横方向に動くことが懸念されます。しかし、動いた際に外輪に接触しないようなサイズらしく、回転に影響は出ないようです。

また、コグホイールの固定方法でシムが動かないようになります。詳しくは次項で。

フィラーゲージを利用したコグホイール固定について
で、ここからが本題なのですが、コグホイールの固定方法も従来の方法とは全く違う方法で取り付けます。

そもそも、コグホイールはメンテナンスでシャフトから取り外したり入れたりする関係で、ある程度クリアランスを設定されています。

千鳥屋さんでの測定の結果は、ベアリングの内径が4.00φなのに対し、取り付け側シャフトの外径が3.97φとなっております。

つまり、0.03mmの遊びがパーツの取り外しを可能にさせるクリアランスであり、この遊びがある以上、必ず内輪は供回りをします。

接着剤でくっつけるのも一つの手ですが、そうなるとメンテンナンスで困ったことになるため、0.01mmのフィラーゲージでクリアランスを殺すのが作戦です。

フィラーゲージというのは、隙間ゲージとも言われ、シビアな隙間調整をする時に使われる金属の板のことです。

早速セットです。

まずは4-5-0.5のシムを入れます。イーグル製のヤツです。

その後、フィラーゲージを適当な長さに切って、丸めながらコグホイルに入れます。フィラーゲージは結構張りのある硬い板で、下敷きを丸める時みたいになります。だもんで、その反発力でベアリングの内輪をガッチリキープって感じですw長さは、上下は適当ですが、左右は長すぎるとカブって2重になってしまうので、約11mmにします。 2×3.14×2=12.56mmなので、おおむね、11mmという計算です。

そして、一旦真ん中くらいまで移動させて、

シャフトを覆うようにフィラーゲージを入れます。

そして、フィラーゲージの上をラジオペンチ等でツマミながら、

コグホイールを押し込む。※シッカリと奥まで力いっぱい入れましょう。

あとは余分なフィラーゲージをデザインナイフでカットすると、

これで内輪はキツキツになり、逆さにしても落ちてきません。これだけで固定は完了なんですが、一応、抜け防止のために、

シムを入れた後、

Eリングで止めます。完成〜♪

早速まわしてみます!

いい感じですw

早速組み付けてみました。

ところが不具合発生で、すっごい異音が鳴ります(汗)回転は悪くない感じなんですが、ナンボなんでも音がでかすぎ(汗)

千鳥屋さんに確認したところ、どうも、ベアリング底にフィラーゲージがクチュッと広がっていたら異音がするそうで、

取り外してみてフィラーゲージを見てみましたが、特に下端でクチュっとなっているそぶりはありません。

もしかしたらベアリング?とも思い、いったんバラしました。

今現在つけているミネベアのシールドから、Btrapについてるベアリングにチェンジです。

内径が4mmなので、スプールシャフトにベアリングを入れ、

イーグルの0.5mmシムを入れ、

ベアリングを入れてからコグホイールを入れる。結構硬いです。

スプールシャフトについた状態で異音チェックをしてみましたが、異音は皆無。いつまで回るの?ってくらい良好な回転状態ですw

ところが状況変わらず。

そして、今度は千鳥屋コグを純正のロケットにつけてみました。フィラーゲージはなしです。純正状態は異音は全くしません。

すると、ビックリの、同じ異音がします。」

原因は、フィラーゲージでもウォームギアでもなく、間違いなく、コグホイールです。

どーして???

指で回した時は静かなモンですが、いざスプールを組み付けてレベルワインドと連動させると、異音が出るんです。

分かりません・・・・。

ハッキリ言って、リールの本当の飛距離アップの改造がこんなにシビアとは思いませんでした(汗)

結局、これ以上は踏み込んだ調査は出来ず、またウォームシャフトの調子も悪いので、一旦千鳥屋さんにリールごと送って診てもらうことにしました。

んで、約2週間後、千鳥屋に送ったアブが調整を終えて帰ってきました。

まず、セッティングとしては、フィラーゲージの固定はキャンセルし、別方法の取り付け方法で行った模様です。

これは接着剤を使ったシャフト内径アップ法で、

別のC4で紹介しますが、コグホイールのシャフトに瞬間接着剤を滴下します。

滴下直後は???って感じなんですが、

完全に乾いたらこんな感じになりますので、そこにコグホイールを入れます。

すると、接着剤のぶん、肉厚になっているので、内径がキツキツになって抜けないし、供回りもしないというものです。

フィラーゲージの場合、入れる時にクチャッとなり、それがノイズの原因にもなりますので、接着剤のほうが良いかもしれません。

千鳥屋施工の白C4は、固定のあんばいはバッチグ〜で、

止まり方はキツキツでガタは一切出ておらず、

回転も良好。内輪の供回りもなしなので、オススメの固定方法です。

全てセッティング後の回転も鬼のように軽く、戦力の高さが伺えますw

ただし、これは千鳥屋が行っている施行なのでうまくいっていますが、素人の場合、なっかなかうまいこといきません!どうも、遅効性接着剤と特別サイズの金属の棒なんかを使って行っているようです!ここからは私の悪戦苦闘の素人仕事です!

失敗例
先ほどの私の工程の続きですが、あの状態でハメこんだところ、かなりのノイズがして、動きが最悪でした。

そしてやり直そうと思ったら、外れない(汗)

無理矢理外したら、座繰りにつき、ベアリングセットだけ残してPOMギアがスポン!

このベアリングセット、ギチギチにシャフトにカシメられているようになっていてはずれな〜い(滝汗)POMカラーの外輪の締め付けよりもベアリング内輪の締め付けのほうが硬いんスわ。

どうにもこうにも外れないので、一旦接着剤を溶かそうと思い、ラッカーシンナーにドブ漬け。しばらく経ってから、外そうとしましたが、とてもじゃないけど手じゃ外れませんでした。

考えた末、登場したのがツメ切りタイプのラインカッター。これでベアリングを挟み、

全力で引っこ抜いたら外れましたwww

瞬接の膜がこんなになっててワヤです(汗)

根元も同様で、

キレイに取り除きました。

そして再チャレンジ。瞬接つけすぎは厳禁なので

爪楊枝で少しこそぐ程度に抑えました。

前回のにくらべるとうっすいです。

そして再びコグホイールのセットをハメようとおもったら、キツかったので、

ツメで軽く削りました。

で、ハメましたが、相変わらずノイズが出ます。

再びラインカッターで外し、ベアリングをいじってみると原因発覚。

原因は根元の接着剤がベアリングに干渉しているからでした。手で回してもシャーシャーとノイズが出ます。抵抗にもなっているようです。

そこで根元の接着剤をマイナスドライバで小突きながら落としていき、再びハメ込んでみたら、

ゆるいテンションがかかりながらスコッと入り、内輪が固定されつつ、ノイズもなくなりましたwww

回転も良好ですw

瞬接をほんの少しシャフトにたらし、何度か出し入れしつつ、良い感じのテンションで入る時を狙う方法がイチバンいいと思います♪

ただし、今のテンションだと、緩すぎて使用中に欠落というリスクもあるので、安全策でEリングも使おうと思います。

んで、固定方法ですが、まず上下のブレ対策として、イーグルの4-5-0.5シムを1枚かまし、そこからアブ純正Eリングではなく、JIS規格の汎用Eリングを使いました。アブのよりも太いので前述にもありましたが、

止め輪のクリアランスを殺すのが目的です。

動きは良好ですw

組んでみての回転の様子はこんな感じw良い感じですwww

さらに最軽量ブランキングスプールを入れてライン巻いての挙動はこんな感じwいい感じですw

メイン機のC4も組みあがり、

この回転www大活躍期待w

140219 調整のしなおし
自力で接着剤かさましコグを試したわけですが、

ど〜〜〜〜も回転が悪く、また、シャーシャー音が消えず、結局、千鳥屋にリールごと送り、調整をしてもらいました。

どうやら、瞬接では薄い皮が出来るようで、この皮とベアリングのシールドが当たってそれが抵抗になってたんちゃう?という具合でした。

この項では瞬接でやっていますが以上の理由から瞬接はオススメできません。千鳥屋の接着剤は膜も出来ず、イイ感じにフィットして固定できて、塩梅がいいので聞いてみたら、その接着剤は、

ロックタイトピンポインターゼリー状

とのことでしたw汎用品で助かりましたwこれでダイブ自由度も広がると思うんで、別項目で打倒千鳥屋目指して自力であれこれしてみようと思いますw


千鳥屋コグの取り付け方法変更
先日、白いC4の千鳥屋チューニングリールで不具合発生。

ギュァ〜〜〜!とすっごいノイズが出だして急に回らなくなりました。

バックラでガッツンとなってからなんですが、どーも千鳥屋リール、結構そーゆートラブルが多くて、ベストタックルのはあんましそーゆートラブルがないんですが、ここらが純正流用とオリジナルパーツをガッツリくわえているリールとの違いなのかな?とも思ったりします。

特に、バックラ後にちょっとノイズが大きくなるのは青い千鳥屋C4でも結構あって、なんつーか、リール巻いた時の音がカパカパとするんですよね。で、ずっとその音が鳴り続けるのかと思いきや、使っているうちにノイズが収まります。

いったい何が原因か分からないんですけど、飛距離は変わらないし、気にせず使っているんですけど、今回のはノイズが大きすぎで飛距離も落ちてきました。そこで家に帰ってバラして原因を突き止めようとしました。

が、原因が分からないまま、OHして、BBを全部(ウォームギア側以外)変えたらたらノイズが収まっちゃって、結局よく分からないままです。

怪しいのはコグなんですが、バラしてみると、ベアリングとベアリングの間に入っている0.5mmのシムが入っておらず、千鳥屋に聞いてみたら、ベアリングとベアリングの間にシムをかましたら、アブ側のシャフトがくびれているんで、シムが宙ぶらりんになってシャフトに接触するため、ベストはシムをキャンセルすることですとのことだったので、自分でやってみました。

まずはベアリングを、ロックタイトピンポインタゼリー状でかさ増ししたシャフトにハメます。

しかし、ベアリングの下に0.5mmのシムが入っているため、ちょっと浮き気味になっています。ひょっとしたら4-7-2のベアリングのほうがいいかもしれん?て思ったりします。

その後コグ側にベアリングをはめます。

で、奥まで突っ込む必要があるので、ちょうどいいのがメインシャフトなんですが、これの真鍮ブッシュを押し当ててベアリングを奥まで入れます。

そんでコグのシャフトに突っ込むだけなんですが、このままだと奥に行き過ぎてベアリングとベアリングが接触しちゃう可能性があるので、ここから僕のオリジナルの試行錯誤をやってみます。

イーグルの7-6-0.5のシムがあるので、これをコグに仕込みます。すると、上下ベアリングの外輪のみがシムによって接触して長さをきっちりあわせられる!

と思ったんですが、やっぱ甘くなくて、シムが入りません!おそらくベアリングがぴったりと固定できるようにするために、コグのベアリング穴の外径が7mmよりもややマイナスにしているんでしょうね、シムは最初くらいしか入らなくて奥まではとても入りそうにありません。

しょーがないので、シムを外してそのまま入れてみます。

理想は少し浮かしたくらいなんですが、

セットしたらこんな感じ。

たぶん奥まで行き過ぎちょる。

おそらく図解したらこんな感じになっちゅう。上下のベアリングが接触していて、コグはややカップ側にズレとる感じやね〜。

こっから押し込む時にゆるーく押し込みたいんですが、力をハメると、スコッ!と落ちちゃいますね〜〜〜(汗)

一応、これでキャストしてみたんですが、今までどおり、軽い感じで回るんやけど、なーんかおもんないちやね〜〜〜。

こーするためにはどうすればイイんやろ???

ちょっと考えます。


6-7-0.5シムをCリングにして活用
千鳥屋アドバイスでやっぱし0.5mmのシムを活用したほうがよさそうなんで、やってみることにしましたw

まずは座繰り穴に4-7-2.5のベアリングをハメて、イーグルの6-7-0.5のシムを用意します。

その後、シムをバイスにはさんで、ダイヤモンドカッターでカット!

こんな感じになりましたw

これを座繰りの穴に入れます。切っているんでスンナリ入りますw

その後、ベアリングを入れてみると、

いきました!つまり、シムを切ってCリングのようにしたってわけw

これを接着剤でかさまししたシャフトに入れたら、

いい感じじゃ〜ん!

さぁ、塩梅を見てみようかね〜w



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