千鳥屋ウォームシャフト導入


打倒ベストタックルを目指し、新たな試みを始めましたw

ベストタックルの回転でもそうですが、滑らかな回転をさせる上で必ず必要なのがウォームシャフトです。あの滑らかな動きは、純正やBtrapでは絶対に出来ません。

そこで、知る人ぞ知る、リールバカ250名の駆け込み寺の扉をノックしてきました。

そうです。

千鳥屋さんです。

愛知の凄腕金属加工職人さんによる、手づくりパーツ。先日、ブログでウォームシャフトまで作ってしまったという記事を拝見し、これだ!と思い、C4用に一つ注文しました。

ブログでも紹介されていましたが、こんな風にして作るんですね。ウォームシャフトの加工の様子を見られる機会なんて、まずないので、非常に貴重な写真です♪

まず、純正のウォームシャフトを送り、新しいウォームシャフトにギアとベアリングを組んだ状態で返送してくれる形で対応してもらいました。

これがワンオフウォームシャフトですw

材質は硬質ジュラルミンで作られているようで、ギア側はベアリング内蔵のPOMがはめられております。

POM内部には、3-6-2のベアリングがついており、純正の3-7-3よりも一回り小口径となっております。

ウォームギアは金属パテで接着され、固定されています。熱によって変形することがあるので、溶接よりは接着のほうがいいようです。

これの反対側にベアリングを入れ、ダブルベアリング化完了。

さらに、ウォームギアがけっこう出っ張っていて止めピンがスカスカになってしまったので、

ピンを曲げてテンションがかかるようにして固定しました。

続いてラインキャリエッジとパイロットガイドを組みますが、パイロットガイドにもひと手間かけてもらい、どうやらこのパイロットガイド、キャスト時に湾曲したU字部下端がシャフトに接触することがあるらしく、これを非接触にするためのアシストパーツを頂きました。POMを削って作ったシムのようなもので、

これをパイロットガイドにこうしてつけて、

さらにこちらにこう。このシムがストッパーになり、ウォームシャフト回転時にパイロットガイドとウォームシャフトが非接触になります。

ところがトラブルで、POMカラーが入りません。

どうしてなのか色々調べた結果、原因はコレ!同じように見えるラインキャリエッジですが、ねじ山が全然違います。これは右側が私の国内正規品のC4で左が並行輸入C4です。どうも、同じC4でもラインキャリエッジのネジ山が全然違うようです。

当然ナットも。

どうも、並行輸入品で手に入れたC4は穴が大きく、国内正規品調達のC4は穴が小さいモデルのようで、散々アブを使ってきましたが、これには気づきませんでした。

どうやら千鳥屋さんは並行輸入品のC4でカラーを設計し、私の国内品のC4にハメたためはいらなかったというわけです。お互い、この事実を知らなくて、勉強になりましたw

そんなこんなで、取り付けが出来なかったんですが、千鳥屋から新しいパイロットガイドが開発され、それが、チェックメイトガイドといわれるものだそうです。

このチェックメイトガイドは純正のパイロットガイドのU字溝とウォームシャフトのミゾが干渉することを防ぐために開発された宙吊りガイドで、

純正シャフトとパイロットガイドはラインキャリエッジがスライドする際、このようにセットされますが、

時に、この部分のU字溝下端が接触することがあるらしく、チェックメイトガイドはその接触を防ぐ、いわば、宙吊りパイロットガイドなのです。

で、千鳥屋ウォームシャフトにはこのガイドが推奨!というわけで、これも送ってもらいましたw

POMカラーがありますが、これはスカスカだった際にシム代わりにするようです。

で、接触チェックです。、まずは、マジックでツメにマーキングします。

そしてセットした後、回転させます。

再び開けてみたところ、中央の凹みにはマジックが残ったまま。宙吊り状態になっていることが確認できました。問題ないです。もし、真ん中が剥げていたら接触しているので、真ん中をヤスリで削る等の微調整が必要です。

これで、とりあえず取り付けは完了しましたが、ついでにもう一つ改良ポイントとして、POMとウォームギアの非接触化が施工されています。

アブのラインキャリエッジの駆動方式には欠点が一つあり、それがウォームギアとPOMの接触です。

まずはBtrap製ウォームシャフトから説明しますが、ラインキャリエッジが右に移動する際、ウォームシャフトごと移動し、ギアも一緒に動いた結果、ギアが固定用POMに接触し抵抗となります。ギアとPOMの挙動をよく観察してみましょう。

つまり、ラインキャリエッジが右に移動する時は回転は抵抗を受け、左に行く時は抵抗を受けません。このメカニズムがラインを暴れさせ、バックラを引き起こす原因になり、しいては飛距離が落ちる要因となっています。

一方、これはアブの純正シャフトですが、

これもシャフトが右に行く際にギアとPOMが接触しています。

つまり、アブのラインキャリエッジ駆動方式では、POMとギアの接触が課題となっています。

千鳥屋ウォームシャフトはこの点を改良。

ラインキャリエッジが左右どちらに移動しても、ギアとPOMが接触しないように工夫が施されています。動きは軽くて良好そのもの!

一応、この時点で、組み付けは完了したのですが、ひとつ煮詰めるべき点があり、それがベアリングの供回り回避です。市販のウォームシャフト、純正のウォームシャフトはベアリングとカバーが外れるタイプですので、ベアリングの外輪とカバー、ベアリングの内輪とシャフトの間にクリアランスというスキマが存在します。

こいつがベアリングの供回りの原因となっているのですが、ベストタックルではそのクリアランスを殺すために、ウォームシャフトとベアリング、カバーがくっついており、一切の供回りを許さないメカニズムとなっています。

千鳥屋ウォームシャフトは現時点では全部バラバラになってしまいますので、そのクリアランスは残ったままとなっています。

理想は、

「カシメ>接着>はめ込み」

です。ベアリングと純正カバーはカシメられるクリアランスではないため、カシメは不可能。出来るとしたら接着です。

つまり、ダブルベアリングウォームシャフトのアッセンブリ化です。

そこで千鳥屋さんに相談してみたところ、「嫌気性接着剤のロックタイトでガッチリ逝っちゃいますか!?」

と快い返事を頂いたので、再びウォームシャフトを千鳥屋さんに送り返し、アッセンブリにして送り返してもらうことにしました。

そんなこんなで千鳥屋から加工完了したウォームシャフトが送られてきましたw

今回のは、カバーとベアリング、ベアリングとシャフトをロックタイトの嫌気性タイプで接着したものです。

マジックで内輪と外輪にマーキングをしています。

この状態で、回転させます。

内輪と外輪の挙動に注目してください。内輪はシャフトと共に周り、外輪はカバーに引っ付いて完全に固定されています。

シャフト自体の回転はこの通り♪店長!これ、ウォームシャフトですよ!?凄まじい回転です♪完全脱脂した直後なんで、インチキ臭いですが、ウォームシャフトで、これだけ長く回る動画もないと思いますw弾いた感じ、すごい軽いです!ジュラルミン製ウォームシャフトの軽量化が効いていますw

セット後のギアの回転は良好で、ジュラルミンの軽量シャフトが効いているのか、かなりスムーズに軽い力で回ります。

レベルの動きはレベルの重量による自然落下で落ちていき、ベストタックルのそれと同レベルの動きを見せております。

そしてスプールをセットして動作チェックをした時にまさかの不具合発生(滝汗)

異様な異音がするのと、ターンするときにガガガッ!と止まる時があります(汗)

この現象は、「無限ループ」といって、パイロットガイドのツメがターンする際に横のツメに引っかかっていないから起こる現象のようです。

これは何のことかというと、純正パイロットガイドにマジックで点を付けています。

通常、パイロットガイドはラインキャリエッジの動きに合わせてサイドに移動し、終点まで行くと、約30度程度ターンし、往復します。このターンする時にパイロットガイドのツメが隣の溝に入らなければターンすることが出来ず、無限ループという不具合が生じてしまうようです。これはパイロットガイドのツメがウォームシャフトの溝に浅く入りすぎていることが原因で、パイロットガイドをウォームシャフト側に近づけることで解消されるようです。しかし、近づけすぎたら今度はロックして動かなくなるという、非常にシビアな調整みたいです。

そこで、イーグルのシムを使って調整をしてみました。

0.1〜0.5mmで調整しましたが、結果はこの通り。

0.5:ターンで停止
0.3:ターンで停止
0.2:無限ループ後、指でギアを動かしても動かない
0.1:無限ループ後、指でギアを動かしても動かない

動画でいうと、こんな感じですね。

一言だけかまんかな?

ややこい!

このパーツですけどね、ホント、曲者・・・・。

なるほど、ベストタックルがリール丸ごと送って加工する理由がよく分かりました。リールチューニングも突き詰めていくと、すごいシビアな調整加工が必要になって、何でもかんでもポン付けできないちゅうわけですね。

逆に言うと、ポン付けで不具合なく動くようなパーツでは、回転は変わらない。

素人のチューニングがダメっていうのは、そこなんじゃないでしょうか。

そこで千鳥屋さんに相談してみたところ、ジュラルミンシャフトは一度無限ループになった時にロックしたら、その際にミゾのエッジが欠けることがあるらしく、パイロットガイドのツメが入らなくなった可能性があるそうです。

そんなわけで、別コンテンツで苦戦中のコグホイールの異音の正体も全くつかめないし、素人の手ではこれ以上は限界を感じたので、千鳥屋さんにリールごと送って診てもらうことにしました。

なるほど、ベストタックルがリール丸ごと送らせるのはこういうことかと納得してしまいました(汗)

こうしてリールごと千鳥屋に送り、調整してもらったC4が帰って来ましたw

あと、送るついでに、新品のC4も同封して、スペアとして同じチューニングを施してもらいましたw財布が炎上中だっぺ!

ンデ、前回トラブルが出たのはジュラルミンシャフトでしたが、やはり溝の欠けのリスクが大きく、結局純正加工でセッティングしてもらいました。

真鍮タイプの千鳥屋ウォームシャフトですw当然、ベアリングはカバーとシャフトに接着してもらいましたw

もちろん、真鍮ギアでもPOMとは非接触ですw
※白いC4のは分かりにくかったのでもういっちょのC4の動画で紹介しています。

回転の様子はこんな感じwジュラルミンシャフトと比べても見劣りしない軽い回転ですw

レベルの自然落下もばっちり出来ていますw

で、肝心要のパイロットガイドですが、チェックメイトガイドにPOMシムを1枚付けでセッティングを出されています。

ンデ、回転の様子はこんな感じw

ノイズの除去は完璧ではありませんが、前回のノイズまみれの回転に比べると格段にマシになっており、使用に問題ないと思います。驚くべきはその回転の軽さで、羽の生えたように軽く回ってくれますwパイロットガイドのターンも滑らかそのもの!滅茶苦茶軽いですw

そしてカスタムパーツも元通りに組みつけて完成〜w

駆動系はBtrapから千鳥屋に乗り換えたので、自作で千鳥屋エンブレムを作り、貼り付けましたw良い感じやね〜www

とりあえず、あとは、実釣で使用しながらアタリを出して行きたいと思いますw

純正パイロットガイドとの相性について
なお、上記のセッティングは千鳥屋製チェックメイトガイドで行っていますが、同じチューニングをしたもう一方の新品紫C4で、レベルが動く瞬間にカカカッとノイズが出ることがあります。

これは、まだアタリが出始めておらず、回転が良すぎて、少しの抵抗も拾ってしまい、ノイズが出てくるようで、使っていくうちにアタリが出て解消される模様です。

なお、ウォームシャフトの溝が純正なので、純正パイロットガイドも装着可能で、純正での挙動もチェックしようと思い、回転を見てみましたw

これがその様子なのですが、動かした感じ、チェックメイトのほうがダイブ軽いです!やっぱし、チェックメイトガイドのほうがいいと思いましたw

さぁ、90UP捕獲のためにがんばってちょ〜!!!



チェックメイト不具合
先日、朝練でスペアの千鳥屋仕様のC4を使ってトラブル。

使用30分くらいで、急にガガガガガッ!とノイズがして失速しました。

調べてみると、パイロットガイドのターンのときに無限ループが起きていました。

使用頻度は少なく、これで2回目の釣行です。

帰って調べてみると、なんとチェックメイトガイドのツノの一部が舐めたような感じになっています。魚をかけたことは一度もないし、少し前までちゃんと使用出来ていたので、原因が分かりません。

バックラでガッツリ止まった時に、ダメージが逝ったのかなぁ???ジュラルミンウォームシャフトの時もトラブルが起きて無限ループになったし、やっぱり、ジュラルミンよりも真鍮のほうが良いのかなぁ?

一方、使用頻度がもっと多くて、バックラも何度もしている白いC4はこの症状は出ていません。

青いC4はレベルはじきの際に、ガガガガッとノイズがしていたので、ひょっとしたらこれが原因かもしれません。

なお、トラブルが出たパイロットガイドは千鳥屋に送って原因究明に役立ててもらうことにして、今度は千鳥屋から新たに煮詰めたチェックメイトガイドが送られてきました。

左側が新型。右側が旧型です。ツノが若干平らになったように見えますが、設計を色々と煮詰めて出来たようです。

早速入れ替えてみました。

動作チェックをしてみたところ、やはり、ノイズが出ます(汗)特に、止まっている状態で一発目の動作が始まる時にカッ!とノイズが出ます。おそらく、このまま使ってもまた欠けると思ったので純正に戻してみました。

これが純正パイロットガイドに戻した時の挙動なんですが静かなものです。

不思議なもので、白いC4はこのようなノイズは出ません。なぜなんでしょう〜???




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