ウォームギアとPOMの非接触化
打倒!期待感ウォームシャフト!
ポイントはウォームギアの非接触化にアリだと思います。
これが純正&Btrapのレベル駆動の様子です。注目すべき点はウォームギアとPOMの接触。レベルワインドが往復する際、レベルが右に移動するとウォームギアが固定用POMに接触し、左に移動すると接触しない。つまり、ギアとPOMが接触したりしなかったりする現象。レベルが右に行く時は抵抗を受け、左に行く時は抵抗を受けない。
これが回転のブレにつながり、それがラインのバタつきに繋がり、飛距離が落ちる。これは純正もBtrapも同じで、だから市販のチューニングパーツのポン付けでは飛距離は変わらないのだと思います。
そこをついているのが千鳥屋やベストタックルで、このギアをPOMと非接触にするためにオリジナルパーツを組み込み、対応しています。
その威力は相当なもので、リールチューニングで唯一、「違いを実感できる」カスタムじゃないかと思います。
だもんで、千鳥屋やベストタックルに頼んだらそれで解決してしまうのですが、それではつまらん!ので、「自力で出来ないか?」に注目して研究してみることにします。
そこでまずは材料ですが、これはもう一つしかありません。1134361です。
というのも、この手のシャフトは国内C4用の23943もありますが、
この23943はコグホイール側シャフトが3.5φあり、ベアリングが入らないんです。
1134361の場合、この部分が3φなため、容易にベアリング化が可能です。これがベストタックルが1134361を同封しろという所以です。※上が1134361。下が23943です。
もう一点、このウォームシャフトの互換品としてBtrapのシャフトがあります。アブ純正が上、Btrapのシャフトが下ですが、
千鳥屋ブログでも少し言及されていますが、Btrapのクロスギアはミゾの幅がアブ純正にくらべ、かなり広くなっています。※Btrapギアが下。
そのため、アブのパイロットガイドを使った場合、ツメの入り方がスカスカで、これがガタつきにつながっています。ターンするときはなおさらです。そのため、Btrapのクロスギアを入れた場合、キャスト時にギャアギャアとうるさくて、バックラになりやすく、おまけに飛距離は落ちる。ハッキリ言って、いいところが一つもなく、Btrap入れるなら純正のほうがマシだと思います。
だもんで、加工は1134361を使うことにします。んで、千鳥屋もベストタックルも固定用POMの部分にはオリジナルパーツを使っているらしいんで、果たして素人でも出来るのかが微妙ですが、私の家に先日新たな道具が入荷いたしまして、
それがコレなんすわwレクソンのボール盤。1万円ほどでしたが、旋盤とボール盤があったら何とかなるじゃろ!?って思ったんで挑戦するに到ったわけですw加工用のPOM丸棒だって安いしねw
んで、次に何のリールをいじるんじゃ!?というわけなんですが、これはもう一つしかないじゃろ!?
C4!
ではなく、
ロケットじゃ!あのな、小僧、メインのC4だけで、既に3台あるんで。なんぼなんでも飽きてきたわwww
というわけで始めます。まずはウォームギアのカシメ外しから。
しかし、今までBtrapのはバラしたことがあるんですが、1134361は初めてです。素直にいけるかいの????
で、いつもどおり、プロクソンのルーターでカシメを落とすんですが、ルーターの先にチャックオプションをつけてみましたw1500円ほどでしたが、今まで先端ピットの径が変わるたんびにチャックを付け替えていたのでスッゴイ楽になりましたwオススメのオプションですわ。
んでま、削っていったんですが、これ、なかなかに手ごわいです。
前回と同じく、こんな感じでコネコネしたんですが、全く外れる気配がなく、
結局、こんな感じで適当な台座においてマイナスドライバで根元をコジコジすることでようやく外れましたw
ところが、プライヤーでコジコジした関係で、ギアにキズが逝ってしまいました(涙)ギアのプライヤー挟みは厳禁ですわ〜〜〜〜。
とりあえず、ダイヤモンドヤスリで削って使うとして、次いきます。
で、色々いじくりまわしていたんですが、ここで驚愕の事実が発覚。
なんと、ウォームシャフトカバーにベアリングが入りません(汗)
なんつーか、カバーが狭すぎて、ベアリングの径とほんのわずかにクリアランスがあわないんです。
どうもカバーを調べてみたところ、カバーの内径が6.8φのため、7φのベアリングが入らない模様です。
ではベアリングタイプのカバーはどうなっているのかというと、
なんと、ベアリングが入るようにわずかに研削されております。純正と比べるとスリットのようなものが入っているのが特徴です!おのれ散々いじってきたけんど、これには気づかんかった。アブの道は険しいぜっ!
そんなわけで、ダブルベアリング化は、両軸ベアリング用のカバーが必要となります。手持ちの中では、Btrapのカバーがあるんで、それを使うことにして、
ホレ!ハウジング用のスリットが見えよるw
んで、ウォームシャフトの両端に3-7-3のベアリングを入れてカバーにハメたら、
ホレ!ダブルベアリング化完了ぢゃ!
しかし、ここでMANZOKUするのは早いw目的はウォームギアとPOMの非接触化です。
ンデ、あれやこれや触って非接触化を考えていったんですが、
ようは、シャフトが右側にスライドしなけりゃいいんじゃん!ってわけで、
普段こーなっているシャフトが
レベルが右に行くことで、こーなるんですけど、これを防止すればいいわけで、
それならば、ベアリング用に研削されたハウジングを利用したらなんとかいけないか?と思いまして、
色々やってみたアイデアの結論がこれや。右側のシャフト部にオープンタイプのベアリング、3-7-2を2個かますわけ。これでベアリング幅が4mmになり、カバーに施されたハウジングにぴったりハマるわけ♪
フレームへのフィッティングは良好!シャフトが右に移動しようにも、ベアリングが邪魔して移動ができなくなっちゅう!
反対側は3-7-3のベアリングにBtrap用の純正POMを使い、フィッティングしてみたんですが、
ベアリングがでかすぎてハマらんき!
そこでここにも3-7-2のオープンベアリングをハメて、フィッティングしてみたところ、
イケた!!!
さて、ギアの挙動はどうなっちょんかいの〜〜〜???
いっ
いけたじゃ〜〜〜〜ん!!!軽さもイイ感じw
店長!
メドがつきました!!!
というわけで、これから煮詰めていきますよ〜〜〜w
まずはウォームシャフトの内径が3mmなんで、イーグルのシムをイリジョンから調達。
イーグルの3-4-0.1〜0.3&0.5シムとタミヤの3-5-0.1〜0.3を入手しました。
まずはギアと反対側のベアリングをフレームと非接触にすることでベアリングの供回り回避からしようと思います。
ウォームシャフトにイーグルの3-4-0.5のシムを入れてみてフレームに入れてみると、
なんとフレーム側の穴が大きすぎて
落ちちゃいました。
しかし、ま、こんなことは想定済みなので、続いて
タミヤの3-5-0.5のシムを入れてみると、
これもダメ。店長!想定外です(汗)
となると、ウォームギアとは反対側のベアリングを非接触にしようと思うと、BBの外輪側にシムを入れなきゃいけません。
フレーム側の穴を図ってみると、内径5mmなので、7-6シムが必要です。
この7mmシムは後々頼むとして、厚み調整ということで煮詰め作業を再開します。
そんで煮詰め作業をしていき、ウォームギアの位置がシャフトにPOMに当たらず、それでいて左右のガタツキもなくなるようにシム調整をした結果、
左側:真鍮ウォームギア、白POM、3-4-0.3mmシム、3-7-2オープンベアリング
右側:3-4-0.5シム×2、3-7-3シールドベアリング
という塩梅になりました。
左側真鍮ギアに3-7-2ベアリングとシムを入れている理由は、
シムなしだと、白POMとベアリングが接触してしまい、回転に悪影響を及ぼすからで、ベアリングと白POMを非接触にすることが狙いです。なお、3-4-0.5シムも入れてみましたが、
そうすると、トメ板が入らなかったです。
ベストの位置調整は3-4-0.3mmシムです。
あとは真鍮ギアの固定。
ギアの皿の部分にUV接着剤を落とし、
UV照射8分。
固定OK。UV環境はこーゆー時にクソ便利っちゃねw
あとはベアリングの外輪を接着剤かさましでカシメます。
カバーのベアリング内ハウジングにロックタイトピンポインタゼリー状を綿棒で擦っていきます。
純正のカバーのBBハウジングは内径7.08φの穴が空いており、外径7mmのBBをはめるにはガバガバなので、結構何度も塗らないと固定が出来ませんでした。
※千鳥屋では内径7.01φのカバーをワンオフで作って施行しているようです。でもそんなんできんし、接着剤でやるしかないんやっ!
なお、当然、シャフト側にも接着剤を塗布し、カシメが出来るようにしています。
そんで、無事、カシメはできて、アッセンブリ化は完了です。
ギア位置のクリアランスも完璧となっています。
で、組み付けました。レベルは純正のブランキングレベル。千鳥屋軽量レベルにはかないませんが、自力で限界まで軽量化をさせたものです。
で、これがその動き。どんなもんじゃ〜〜〜い!!!完全に非接触になっじょる!
しかし、動き自体は千鳥屋ベストタックルと比べると明らかに重ひ・・・・・
千鳥屋やベストタックルはこうするとレベルの重みで自然落下していたんですが、ウチのはそうはならんですね〜〜〜(汗)
ちょっと心配しつつ、組み付け。
昔買ったマミヤ5501CのカップをC4サイドプレートに組みます。なお、アベイルの2点遠心を使うので、2点遠心用のピニオンを使用しました。なお、ギア比はもちろん6.3ですw
なお、真鍮ブッシュのところはメカニカルゼロにする関係で、詰め物をする必要があって、塩ビシートを2.5mmポンチで打ち抜き、入れました。
3mmのヤツだと入らなかったです。手持ちのポンチが2.5mmのしかなかったんで出来なかったんですけど、2.5mmはスカスカなんで、ベストは2.8mmだと思います。
なお、千鳥屋の真似をしようとして、不溶性の紙を入れようと、アルミ箔を使ってみましたが、薄すぎてうまく行きませんでした。
さらにアベイルの極小遠心をいれてみたら、ユニットに対して長すぎたので、
ニッパーで切って短くしようとしたら、なんとブロックごと割れてしまいボツ。
しょうがないのでゴム砥石を旋盤に付けて削っていき、純正のベークライトブロックと同じくらいの長さにしました。今度は塩梅が良さそうですw
最後にオイルアップ。ベークライトブロックはオイルを滴下したほうが動きがいいように思います。
最後はドレスアップの心臓部のハンドル。色が同じだからビックシューターのハンドルがいいんちゃう?って思ったんですけど、なんとハンドルが厚すぎてナットが入らず。
ラウンドアブのハンドルをレボに流用はできますが、逆はできないんですな〜(汗)
しょうがないので余ってたZPIのハンドルをつけました。これ、一回曲がったヤツだからあんましよくないんやけど、しゃーなしです。
なんだかんだでイイ感じやっ!赤ベロと一緒やね〜w
なんつーかアブって、サムバーがある中で、未だにプッシュボタンが主流っつー意味が分からんのよね〜wクラッチ切るのがだるいやろ〜って思うんよね。あとハンドル戻りトラブルもあるしw国産はもうすべてサムバー化したしね。ワタシはプッシュボタン形式のリールはちょっとイヤやね〜サムバーのほうがスキ!オ〜レ!オマエ!スキッスキ!やねwセクマシやねw
んで、ようやく完成したんで、動作チェック。レベルハジキの様子。ハッキリ言って、千鳥屋やベストタックルにくらべるとカナリ重いッスわ。やっぱ素人いじりはここらが限界なんかね〜!?
ほんでも、とりあえず、公園行ってキャスティングテストをやってみましたw
結果、
ベストタックルや千鳥屋と大差なし(^^)
やと思いますwwww
千鳥屋にくらべると回転は重いんだけど、代わりにラインのバタツキが全然なしw振動もBtrapみたいなビリビリくるような感触は皆無w静かなモンですw
テイストとしたらベストタックルに似てますね〜www
飛距離もベストタックルや千鳥屋とほぼ一緒。レベルハジキの時は重かったんやけど、ラインのバタツキと振動、ノイズがないという点で、そんなに変わりなかったですw飛距離ってのはその部分が大きいんやろね〜w
今回のリールカスタムに関しては大満足の結果です。純正やBtrapカスタムにくらべると雲泥の差、実感できるカスタムですから、これはオススメですぞっ!www
あとがき
このチューニングの最大の難点はコストだと思います。改造するためにはBtrapのパーツがいるからです。クロスギアが4000円。シムが700円。3-7-2ベアリングが300円。となると、この時点で5000円です。さらに1134361シャフトも必要なので、それも入れたら8000円。千鳥屋に頼むと1134361が3000円+加工費6000円で計9000円ですから、1000円しか変わらないため、自力でやるメリットというのがほとんどないように思います。実際問題、性能面では千鳥屋のほうが動きが軽いですし・・・・。
既にBtrapのパーツを持っているなら、やる価値はありますが、わざわざ4000円出してBtrapパーツ買うなら千鳥屋に頼んだほうがマシなんじゃないでしょうか。
この点で見ると、ファクトリーチューンがダブルベアリングウォームシャフトを使っており、これも流用が可能だと思いますが、値段を見ると、シャフト&ギア&POMアッセンブリが#120528で2900円。ウォームシャフトカバーが#25196で2100円もするため、計5000円でBtrapパーツを突破w流用として使うのであればBtrapのほうが良いです。
また、ファクトリーチューンのウォームシャフトはチタンコーティングがされており、これが非常に塩梅がよろしくないようで、アブのシャフトは、個体差が大きく、ウォームシャフトには研削加工で残ったバリがあることもしばしばで、これに硬質なチタンコーティングを施すことで、バリが強化され、パイロットガイドに甚大なダメージを与え、ツメが逝ってしまい、無限ループになることもあるようです。
これがウォームシャフトの顕微鏡画面なんですが、矢印のところにバリが見えます。
この状態でパイロットガイドが動くと、
ツメにダメージが逝き、無限ループになることもあるそうです。だもんで、やるなら1134361シャフトがベターです。
※どうも、研削加工をする際、エンドミル等の加工工具を使って溝を掘ったりするそうで、その工具の寿命は使えば使うほど短くなるわけで、ある程度使ったら交換するそうです。そのため、エンドミルを交換した直後の研削加工によって出来上がったシャフトはクオリティが高いけども、交換間近のエンドミルで加工したシャフトについてはバリが出てしまうという、製造工程上仕方がない精度のアラだそうです。
若干脱線してしまいましたが、ダブルベアリング化の手段としたら、純正のカバーを使って、3-6-2のベアリングを使い、POMを加工して外径7mmのハウジングを作り、ハメるという手もありますが・・・・。ちょっとめんどいなぁ。
やはりやるなら1134361シャフトとBtrapクロスギアの部品取りがベストの組み合わせだと思います。
さらにコグホイールについても言及してみると、コグをアベイルに注文したら、3200円かかり、さらにシムが400円。ベアリングが300円で、4000円ということは、最悪、5000+4000=9000円となってしまい、今度はベストタックルのライトチューンとほとんど変わらず。
自力でやることにナミナミならぬこだわりがあるなら別ですが、正直な話、ベストタックルや千鳥屋にお世話になったほうが賢い選択といえるかもしれません。
今回のチューニングの課題について
性能面でも少し気になることがありました。まず、シムです。1134361シャフトの右側のベアリング固定でシムが足りなかったので、ベアリングがフレームに接触している点。これについてはイーグルから適したシムが出ているのでそれを使ってまた実験しようと思います。
あとメカニカルゼロです。今回のチューニングでは右側のキャスコンブッシュとクリックアンドコグを非接触にしなければ意味がないんですが、スプールが右によっており、キャスコンで右に移動させたため、メカニカルゼロになってないと思います。詰めモノをもっとたくさんして、完全にキャスコンゼロにする必要があります。
あとは写真にも出ていますが、ウォームシャフトのバリ取りでしょうか。やったことがないんで良く分からないんですが、大型の虫眼鏡で見ながら作業したら出来そうなので、施行してみようと思います。
パイロットガイドのベアリング化について
いじりながら思いついたんですが、パイロットガイドを削り、ベアリングを入れることで、より摩擦が減ると思います。安いパーツなんで、自力で加工してみようと思います。
以上、いくつか課題があるので、続編で紹介しようと思いますが、今回のチューニングはこれでひと段落とします。なかなか良いチューニングになったと思いますw
ウォームシャフトのBB外輪非接触化
イーグルシムの6-7-0.5をゲットしたので、早速外輪非接触化をしてみましたw
シムの順序としたら、4-5-0.5、3-7-3BB、6-7-0.5です。
ハメた感じ悪くありませんw
そして組み込み完了w
動きをチェックしてみましたが、イマイチ!
なんか、時折引っかかるような感じになって、動きが硬いです。
しかし、ベアリングだのシムだののセッティングはこれ以上はどうしようもないのでこれにて閉幕。あとはウォームシャフトのバリ取りで対応しようと思います。
まとめると、
@1134361アッセンとBtrapの2BBクロスギアを購入。
A両方ともルーターでカシメを削ってギアをはずす。
で、こんな感じにセッティングです。なお、ベアリングや白POMはロックタイトピンポインタゼリー状にてかさ増し固定必須です。
produced by fukusuke