番外編 アッパーカウルの塗装
塗装に興味が出始めると、何でもかんでも塗りたくなる!だもんで、次はバイクじゃ〜!
バイクのあらまし
2001年秋。北海道は十勝にて。
北海道へ車で遊びに行ったときに、ツーリング中のライダーがホクレンの旗をなびかせながら、サインを出し合って行き交う姿を見て、心はドッカン!なんてカッコイイんだ!
オレもバイク乗りてぇ!と強く思いました。
早速、中免を取るも、肝心のバイクがない。
ちょうどその時、高校時代の先輩が就職で滋賀から北海道へ旅立つということで、このバイクポジションきついし、要らないというわけで、急遽大型免許にステップアップし、タダで譲ってもらいましたw広田先輩ありがとうございます〜!
87年型FZR750のドノーマル。レプリカ黄金時代の幕開けとなったバイクです。バリバリ伝説のグンのライバルのヤマハワークスライダーが乗っていたバイクの750版。1000は750のボアアップバージョンで、125馬力で、ゼロヨン10秒台をたたき出し、当時最高時速280km。当時世界最速。
私はもともと、機械いじりとか苦手で、ノーマルのまま乗っていこう!
と思うも、バイク屋で、とんでもない人と知り合う。
その人はなべ師匠。
91のFZR1000に乗っていて、どうも、ボクのバイクはレア中のレアとのことで、色々と教えてくださいました。
FZRオーナーズクラブの四国支部長らしく、バイクもどえらい改造をしていて、そんじょそこらのバイクとは全く迫力が違っていて、とにかく、どやかましいマフラー音にドキドキしました。
なべさんの強いお誘いで、FZRオーナーズクラブミーティングin淡路島に連れてかれ、そこでみた、30台くらいのFZR。
オーナーズクラブというのは、同じバイクに乗るライダーの集まりで、一緒に走って、楽しむ!
というのは、名目で、実際は改造自慢大会です。
同じバイクだから、差別化をするべく、各人、工夫を凝らした改造を施し、このミーティングで、あの部品をどうやって取り付けたとか、情報交換をするのです。
そもそもがFZRは不人気絶版車で、10年で4回ほどモデルチェンジし、あっという間に生産中止。今やYZFに取って代わられ、人気がないもんだから、社外パーツがほとんどナイ!カスタムには全く向かないこの状態の中、どうやってここまでいじったんだ?というくらいのカスタムです。
改造自慢のオーナーのほとんどは、別のバイクの部品を流用加工して無理やりくっつけているような状態。「他車流用」。バイクの世界では、最難関のカスタムと呼ばれている部類です。
最近の、アメリカンだとか、スクータだとかみたいに、有り余る社外部品を組み合わせて個性を出すという、普通の改造とは全く違う敷居の高い改造車なのです。
ミーティングに行った後は、とにかく、
早くマフラーを変えねば!
と思うようになり、早速ミーティングで得た情報、
FZR750はFZ750とエンジンが同じで、FZ750は人気があるから、マフラーが出ている。だから、FZ750のマフラーを買って、ステーを自作して付けるんだ!
を活用し、マフラーを落札。
落としたマフラーは、アメリカのバンス&ハインズ。ゼロヨンで、スズキと組んで活躍したメーカーです。
ガスケット×4を買って来て、バイク屋に電話しながら、教えてもらいながら、自力で交換し、ダイキで買ってきたステーを加工して、なんせ初めてのことだらけだったので、とにかく苦労して右往左往しながら、やっとのことで取り付け完了。
スイッチをONにして、セルを回す。
ドォドォドォドォドォドォドォドォドォドォドォドォ
心臓が止まりそうになって、スグにエンジンOFF。
もう、ビックリしましたよ!この迫力音に!
なんと、マフラーの音でビビッてしまい、スイッチを切ってしまったのです。
そのくらい、心臓がドカーン!となったんですよ。
アメリカには、車検がありません。だから、まぁ、とにかく、ド迫力のマフラー音なんですよ。カーカーもそうですよね。ホント良い音なんですよ♪
早速走ってみると、もう、最高!今までの大人しいバイクから一転。
ド迫力の改造バイクみたいになったわけですよ。
思えばこれがすべての始まり。
もう、何もかも改造したくなって、バイトを増やして、それでも、キホン流用なので、勉強と試行錯誤が必要で、この時の経験が今の釣りにも活きています。
そんで、気づけば、どノーマルのバイクが、
あっという間にコレ。黄色に全塗装。フルパワー化(エアクリーナーのパッキン外して、キャブのメインジェットを10番上げたらOK)。SP忠雄バックステップ。ブレーキ、クラッチ、オールアルミメッシュ。ニッシンRC30マスター。ブレーキングのペータルディスク。サスはオーリンズ。マフラーはバンスの2LM用SSからスリップオンで3GM用SSR2を無理やり接続。細かい改造はまだまだ書ききれないほどあるけど、こんなところ。
で、まだまだ改造したかったので、バイトを1つ増やし、さらにバイクに金をかけていく。
気づけばコレ。
もはや、ノーマルの面影は全くありません(汗)。ぱっと見ても、何のバイクだかホントに分からないです。上の改造からの変遷は、ニッシン6POTキャリパー+デイトナキャリパーサポート追加。TRXのカウルステーとFZR用カウルステーを溶接してドッキング。無理やりTRXカウルに変更。ハイロウズが好きだったので、タイガーモービルカラーにすべく、カッティングシートでトラ柄に。
あと、ホイールの17インチ化。これが一番難しくて、改造に2年かかりました。普通は、3GM用のスイングアームをピボットにワンオフでカラーを作り、丸ごと移植するんですが、2LMよりも3GMのほうがホイールベースが短いので、2LMに移植するとフンヅマリ状態になります。これがかっこ悪いので、変えようと決意。オリジナルの流用改造を探りました。
まずやったのは、TRXの足回りをスイングアームから丸ごと移植。ところが、TRXは、すべての部品が左右非対称なのです。一方、FZRは左右対称。だから、すんなりと加工が出来ませんでした。削って削って、なんとか取り付けたものの、なんと、リンク周りの設定が狂ってしまい、スイングアームが動かない!あと、18インチから17インチに変更した関係で、車高が下がってしまい、スタンドがあまり立たない。車高を上げようと思っても、サスとスイングアームが今にも干渉しそうだもんで、車高が上げられない!
世にも珍しい、TRXの足をつけたFZR!
リジット状態でしばらく乗りましたが、ケツ痛すぎで、もう無理!ってわけで、計画変更。情報を集めて集めて新たな17インチ化の方法を見つけ出す。
足回り研究の様子。何度バラしたことか。(注)これをやるときは、かならずインシュロックでフロントブレーキをかけっぱなしにしておかないと、前に進んでこけます(涙)。
17インチ化について
必要なもの
TRX用ホイール(FZR400SP(4TJ)も一緒)5J−17
3GM用アクスルシャフト+アクスルナット
FZ400(4YR)用チェーンアジャスタ
YZF600サンダーキャット用キャリパーサポート(アメリカヤマハからパーツ番号確認)
シム用ワッシャー(DIYの汎用品)
長いメッシュホース
3LN用リンクアーム
です。
やり方
純正のチェーンアジャスタを4YR用に変更。これが内径20パイ。続けて、サンダーキャット用のキャリパーサポート(内径20パイ)を入れてアクスルシャフトを通す。その後、チェーンラインが来るように外側から、TRX用ホイールをセットして、キャリパーサポートをどれだけ削れば入るのかをマーキングする。キャリパーサポートを削り倒す。グラインダー使用。微調整の平坦出しはすんごく手間がかかるけど、板やすり。若干、スカスカになるくらい。そして、ホイールをセット。スカスカになるので、チェーンラインが真っ直ぐになるようにセットし、余った部分にステンワッシャーをかませて終わり。ちなみに、ハブダンパー側のホイールカラーはTRX用でいけます。
なお、18→17にする関係で車高が下がって、スタンドが立ちにくくなります。これを直すには車高アップなんですが、FZR250(3LN)用のリンクアームをリンクに移植すると、アップでき、しっかりとスタンドが立つようになります。3LN用は、2LM用よりも短いので車高アップになるというわけです。お値段2000円だし、お得な車高調キットです。サスはギリギリスイングアームに干渉しません。なお、サスは、オーリンズに頼んで、バネレートを150N→120Nに落としています。このほうがクッションが効いていいです。150Nは硬すぎ。150Nだと干渉するかもしれません。干渉したら120Nにコンバートすれば入ります。
なお、TRXのリアディスクは、マジェスティのフロントディスクと外径内径穴数が同じなので、合います。私のはマジェスティの社外フロントディスクを付けています。
それと裏技なんですが、FZR750は純正のスプロケは、17丁ー42丁でチェーン112コマなんです。そのため、チェーンは120コマを買わないといけなくて、これが高い。これを110コマでいけるようにするために、15丁ー38丁というスプロケの小型化を測っています。すると、110コマ用のチェーンでいけるし、加速最高速変わらず。そのほうが安いというわけです。詳しい計算式はアファムのエクセルで計算できたと思います。リアのスプロケはISA。チェーンはダイドーです。3GMのアクスルシャフトは強めに締めて、割りピンをかましているだけです。今のところ、実使用で問題は出ていません。
かなり横道にそれましたが、もともとがTRXのカウルを取り付けているため、アッパーカウルだけ、色が違うんですよね。黄色にしようしようと思いつつ、気づけば6年の月日が流れています。ちょうどロッドビルディングで塗装を勉強して楽しくなってきたところだから、この際なので、塗ってしまおうというわけです。
普通は、バイクの塗装といえば、2液ウレタンです。自動車の板金塗装と同じ。実使用に耐えて、なおかつ、紫外線・100kmの風・走行に伴い当たる砂、虫でも塗膜が割れない性能が必要とされ、1液では、強度が全く足りないので、2液塗料が必要になり、2液塗料といえば、エポキシかウレタンかになるんですが、ウレタンのほうが指触乾燥が短く(エポキシが10時間なのに対し、ウレタンは10分。完全硬化にかかる時間は共に、72時間くらい)、作業性が良いとのことで、ウレタンが一般的です。
で、どのウレタンがいいかというと、ずばり言って、ロックペイントの塗料です。ウレタンはカンペ、ニッペ、DNP、ロックから出ていますが、ロック塗料が一番缶が少ないからです。カンペとかは、16kg缶とかですが、ロックは200g缶から出ています。
塗料の性能なんて、大きなメーカーだったらほとんど変わらない上に、個人の自家塗装では、缶が小さいほうが便利です。
ゆえに、使う塗料はロックペイントの塗料。
ロックペイントの2液ウレタンは、パナロックというものです。
これです。10:1タイプの2液ウレタンで、自家塗装で人気があります。皮膜も餅論抜群に強いです。1液の比ではありません。
ただ、プラスチックパーツと、金属パーツで2液ウレタンの硬化剤が違うことを忘れてはいけません。
プラスチックパーツはひん曲がることが多々あるので、塗膜にも柔軟性を持たさなければならず、ブチルフタレートやフタル酸エステル等の可塑剤をはめた硬化剤を使用しなければなりません。
使う硬化剤は、スポイラー用硬化剤。パナロックは10:1タイプの配合ですが、可塑剤で薄まっている関係で、4:1配合にしないといけません。
しかし、
スポイラー硬化剤を使った場合、少しでも塗膜が厚くなると、そこはカシュー塗料のように内部が生乾きのような感じになります。かなり薄く塗らないと強度が確保出来ません。そして、硬化剤がネチョネチョなので、狙った重量を注入することが難しく、配合がやりにくいと来ています。容量配合だと、ネチョネチョすぎて、液面が水平にならず、全く無理。重量配合にするっていっても、キホン外での作業なので、ハカリが安定せずにやりにくいったらないです。そして柔軟性が高いということは、絶対的な強度が弱い。だもんで、自家塗装で、素人がスポイラー硬化剤を使うのは、難易度高すぎで、まず無理です。
そこで、素人でもキレイに塗れる、10:1用の硬化剤(柔軟剤無添加)をチョイスすることにしました。
で、まずは、カウル奪着。
シールを全部はがして、足付けでペーパーをかけました。釣具にくらべてデカイから、とにかく時間がかかるかかる・・・。ペーパーがけすると、粉が舞うので、毒ガスマスクつけての作業が無難ですね。暑いと地獄なので真夏にするのは絶対NGです。
で、もともとがクソボロのクラックはいりまくりのカウルをヤフオクで引っ張ってきていた関係で、クソボロ。そこで、パテでクラックを埋めました。
そんで、ペーパーで平坦にして、パテ補修完了。
で、水洗いしてパテの粉を落として、準備は完了。
で、塗る塗料ですが、ベースコート(いわゆる色つき塗料)を1液ポリエステル塗料。トップコートを2液ウレタンという感じでやることにしました。従来は、ベースコートも2液ウレタン。トップコートも2液ウレタンでしたが、両方2液ウレタンをt使った場合、完全硬化に時間がかかるので、2度塗り3度塗りの手間がかかるのと、硬化剤で使うイソシアネートが毒劇物で、廃棄のコストアップ&混ぜたが最後、使い切らないと余っても固まってしまってコストアップ。というわけで、最近は1液塗料をベースコートに使うのが主流になりつつあるようです。このポリエステル塗料は、2液ウレタンと相性がよく、アクリルの上に塗ったときのような層面剥離が起きないようです。
で、ロックペイントの1液ポリエステル塗料は、プロタッチと呼ばれるもので、乾燥が速く(5分で指蝕乾燥)、そのため、タレのリスクが低く、ミストのなじみがよく、グラデーションやパール塗装が素人でも簡単に出来るそうです。そして、塗布後10時間以内にトップコートをしてくれとのことで、作業性はものすごく良いみたいです。
こりゃ願ったりかなったりの塗料というわけで、今回初めて使ってみることにしました。バイク塗装でもいければ、当然ブランク塗装でもいけるというわけですから、これは新しいブランク塗装のやり方が確立できるかもしれませんwww
練習
いきなり本番は自殺行為。初めて使う塗料は念入りに練習の必要アリです。
早速練習。パソコンを塗ってみました。
まずは、説明書どおり、塗料50、薄め液50で配合してみました。すると、薄すぎてたれるたれる。これは塗れたもんでありません。
で、吹きながら薄く薄く調整していくと、段々いつもの感じがつかめてきました。だいたい、塗料100。薄め液20ってところですね。
ただ、この塗料、すんごく匂いがキツイです。薄め液もどぎついので、人が回りにいないところでやる必要があります。
ただ、指触乾燥はカナリ早く、カナリ厚めに塗っても、10分ソコソコで指蝕OKでした。さすが、乾燥の速さをウリにしているだけありますwただ、乾燥後の皮膜の強さは、1液ウレタンクラス。まぁ、トップコート必須だからしょうがないっちゃあしょうがないけども。
薄い部分は若干硬いが、それでも傷は入りますね。鉛筆硬度HBってところでしょうか。やはり2液にはかないません。
ムラが出にくいとのことですが、そんなことはないと思います。
それと、黄色は吹いた直後はいい感じと思っても、乾くと透けてきて、塗るのが難しいです・・・。
厚くタレたところは、カシューのように、中が生乾きです。これは注意しないといけません。
それと、塗っていて気づいたんですが、
今まで塗料ミストはこんな感じで吹いていたわけですよ。塗りムラが少なく、タレの可能性も低いから。リールシートレベルならこれでもよかったです。3回塗りとかで塗装完了に出来るんで。
だけど、
パソコンの場合、でか過ぎて、全く塗れません(汗)
ということは、バイクも全くぬれないはずです。
そこで、
ミストの風圧を絞ると、見る見る吹きやすくなりました。
今まで、塗料ミストは一番風圧が広がるところであわせていましたが、これも塗装をするものによって調節する必要がありまっす。
練習
初めて使う練習あるのみです。
パソコンに続いて、スピーカーを使って塗る練習。
今回は、塗料をカナリ濃くしてみました。
前回は50:50でやってたれるわ、薄すぎで指触乾燥遅いわで失敗したので、今回は、20:5でやりました。塗料はネバイ糸引きから、ポタポタ落ち始めたくらい。
これで、吹くと、ミストが大きすぎてダマになったまま飛んだりして、肌荒れがひどいです。しかし、乾燥時間は最高!
続いて練習でタライのフタを塗ってみました。
試食乾燥時間の調査です。薄く塗ったところは3分。ちょいと厚いところは5分。ダレダレのところは10分って感じです。垂れない粘度はもっと早く、ラッカーに迫る勢いです。すごいですw
これで大体アタリは取れましたw
キモは
・薄く塗ること。薄く塗ったら乾燥時間が3分で済むので、作業が楽。そして効率的。
・薄め液を極力使わないこと。薄め液を使うと、乾燥時間が長くなってしまい、この塗料のメリットがなくなる。
ってところです。
本番
まずは、本番のために、スプレーガンを改造していました。塗料カップを100mlのポリカップに変更。コイツだとメモリが付いているので、2液混合も出来ますし、薄め液のアタリもつけやすいです。その関係で、吸い込み口の延長が必要なので、塩ビホースを連結。これで底の塗料を拾えるようにしましたwしかも、このポリカップは値段30円なので、もう洗浄用のアセトンのほうが高いので使い捨てです。作業が楽々www
しかし、後々気づきましたが、まず、塩ビが溶剤で溶けてヌルヌルになります。そして、塗料カップもヌルヌルになります。ゴム栓もアセトンで洗うときに溶けます。なので、今後はシリコンホース+シリコン栓に改造して使います。
まずは、イス。ポリバケツ。カウルの順に乗せて、台座にしました。
そして、塗料をいれ、スポイトで薄め液調整。でセット。配合は、大体、塗料100、うすめ液10〜20といったところ。薄めすぎたらメリットゼロですから。
塗料のネバさは大体こんなもんです。ネットリからポタッとなったあたりに設定してます。
で、タライでミスト調節。悪くないなと思ったら、本番開始。
で、ウースケさんより教えてもらったテク。「凹凸が激しく、塗りにくいところから塗っていく」方式で塗ります。
終わる順番としてはライト下のエアダクト→ウィンカーの穴→ライト周り→カウルの端の順です。塗料ミストの幅は一番広い、タレの少ないところであわせています。で、エアダクト→ウィンカーの穴→ライト周り→カウルの端という順に塗っていくと、カウルの端を塗り終わる頃には、エアダクト部が乾いているので、エアダクト部の塗りにスグに入れます。そのため、連続的に危険箇所の塗装作業が出来ます。驚くほど早い作業。
さらに、塗料がなくなって、塗料を継ぎ足す、その時間で皮膜が乾いてくれるため、たくさん塗って、塗料がなくなって、継ぎ足していると、次の塗装準備完了時には塗膜が乾いており、作業性&失敗の少ない塗装ができます。これはプロタッチ万歳って感じですw
そして、二度目の塗りが終了。じんわりと濃くなってきているような感じですが、これは・・・・黒い部分は透けまくり。黄色自体が薄いと透けるような顔料なので、重ね塗り何度もしろとは言うけども、そんなことをしてたら、いつまで経っても塗り終わらないんじゃないのか!?なんて思ってきました・・・・。
その後も薄く何べんも吹くという作業を行いましたが、ラチがアカン!塗料はどんどんなくなり、そしてちっとも隠蔽してくれない皮膜。使った塗料はこの時点ですでに、400mlを超えました。塗料カップの塗料継ぎ足しはすでに4回目。
さらに、マゴマゴしてたら、塗料カップをセットして吹いている途中に、ツルン!と塗料カップが取れて、塗料がクツにぶちまけ!塗料の溶剤で、ゴム栓が溶け、塩ビホースも溶け、ヌルヌルです。手首のスナップで塗料カップが落ちるんですね・・・。そして、塗料の継ぎ足し作業が増えると、今度はゴム手袋が溶けてヌルヌルになります。ちなみにゴム手袋はニトリルゴム。使い捨てのゴム手袋はニトリルゴム、塩ビゴム、天然ゴムとありますが、すべて溶剤には弱く、溶けます。
手早く塗らないといけません。この分でいくと、塗料がなくなります。
だもんで、「薄く何べんも吹く」を辞めて、「同じ位置に塗料ミストを吹き続け、たれる寸前に辞める」方式に変更。かなり濃く塗ってみました。
だけど、そうすると技術と経験とカンが必要になってくるので、案の定、タレる危険性が高くなります。赤丸の部分なんかはなんとかもってますが、かなり危険領域です(汗)
だけど、「薄く何べんも吹く」は釣竿とかの小物を吹くときは使えますが、バイクみたいなデカイものを吹くのには全く使えません。絶対不可能です。
しかし、それでも完全には隠蔽できず・・・。
そこで、もう、「オラオラオラオラ!」って感じで厚めに塗っていきました。
1回で持っていく塗膜は、だいたい、このくらいのツヤになった瞬簡に吹くのを止めるってかんじで、ベッタリと塗りました。しかし、普通の塗料でこの塗膜まで持っていくと、確実にタレるけど、プロタッチだとタレない・・・・。さすがというか、プロタッチの偉大さを実感しました!
で、塗料がなくなったので、継ぎ足そうとすると、なんと、カンの下のほうに塗料が溜まっていて出てきません。急遽、シンナーを入れて粘性を落として補給しました。
ということは、塗料って、大体が下のほうが粘性が高いということです。
塗料の配合説明書とかで、薄め液は塗料の5O%配合とか書いてますが、継ぎ足す塗料が下に行けば、薄め液配合量を増やさないといけないですよね。ということは、塗料の配合説明なんて役に立たないというわけですよね。
やはり、上の動画みたいに、塗料を混ぜて、そこから落ちる塗料のネバさで配合しなければなりません。
→透けていたサンディング部分も、完全に隠れましたw
しかし、やっぱり素人。垂れてしまって、それをティッシュで吹いて、ダメダメになった部分もあります。合計3箇所タレました。こればかりは技術と経験とカンが必要です。
途中、塗料が全くでなくなってしまって、どうして?と思ったら、ニードルがつまっていました。乾燥の速い塗料はコレがあるので要注意ですね。落ち着いてアセトンで落としました。すると今まで通り出るようになりましたw
とりあえず、ベースコートは終了。
垂れた部分なんかは、これからトップコートで出来る限りごまかします。
で、今回の初めての挑戦アッパーカウル塗装ですが、分かったことがあります。
ベースコート塗装の反省
吹こうとする部分によって塗料ミストの幅を調節するのが大事ですね。
例えばこういう、とがった部分に対して、ミスト幅を広くすると、塗料が全然乗らないわけですよ。こういう部分を塗るときは、、ミスト幅を狭くして、一気に吹く感じがいいです。
一方、こういう凹凸部分は、上の線上を塗るよりは、平面に近いですから、ミスト幅は、上の幅よりは広げるべきです。
そして、赤丸とピンク丸の部分ですが、ここは平坦なので、ミスト幅を最大にして塗ります。しかし、台座に乗っているカウルの姿勢から、赤丸のほうは地面に平行にあるので、タレにくく、ピンク丸は地面と垂直に位置しているのでタレやすいです。ということは、赤丸部分は厚めに塗って、ピンク丸部分は薄めに塗る×2をして塗っていけばいいです。
こういう、計画的な塗装プランを立てると、さらにいい出来栄えがいけますねw
アラ探し
1日経って完全に乾きました。タレた部分も乾燥収縮で若干ごまかされていますwで、毎度恒例のチェックです。
うーんw素敵♪ライト上側はいい感じにミストが乗ってくれて、ツヤがあります。若干、一つほどダマが残っていますが(汗)
右上のパテ補修した部分は、パッと見、分かりませんよwパテ補修+塗装でここまでごまかせるモンなんですね!すごい!
カウル下側。肌荒れがすごすぎ!鮫肌のようです!薄め液が少なすぎましたね・・・。ここはトップコート厚く塗りまくって誤魔化します。
カウルのハジのタレた部分。塗料の乾燥収縮で誤魔化しれてくれた!トップコート吹けば分からないですw
→今回最大のミス。これも乾燥収縮で消えかけてくれてます。トップコート吹けば分かりませんw
→今回、めっちゃパテ盛りして塗った部分。これも厚めの塗膜で完全に誤魔化されています!
パテ埋め+塗装でここまで誤魔化せるもんなんですねぇ。ビックリしました!
トップコート編
まず、スプレーガンの不具合の修正。前回、ゴム+塩ビホースで溶剤で溶けたので、今度は溶けないシリコン栓+シリコンチューブで吸い取り式で塗料カップ接続部を改造しました。
台座はいつものようにイス+ゴミバケツ。
で、使うのはパナロック2液ウレタン+パナロック用シンナー。前回、一回一回塗料を作り直すのが手間だったので、今回は200ml一気に作って、それから塗料カップに小分け+シンナーで希釈して使うことにしました。可使時間が6時間くらいあるので余裕で大丈夫です。
今回も塗りにくい垂れやすい部分から塗ることにしました。まずはライト下側のエアダクトからです。塗料ミストは絞って使うことにしています。
続いてアッパーカウルの急な角度のところです。
若干ツヤが出てきました。
若干ツヤが出てきましたwここで一服。10分ほど置いて塗料が乾くのを待ちます。
続いてスクリーンが当たるところ。
で、ベースコートを塗ったときにかなり肌荒れしていたエアダクト部分がざらざらだったため、厚く塗ることにしました。つやが出てきていますが、タレる寸前です。
ここで、2度目の一服。乾くのを待つのがキモです。
しかし、乾くと、塗料が引けてツヤが消える。なので、段々厚塗りになってきました。
バックミラー取り付け部も塗った直後はツヤがあっていいんですが、いかんせん乾燥するとツヤが消えます。消えたらまた塗りのやり直し。これはかなりの手間です。
で、油断するとどんどんタレていく(汗)
で、なんだか塗料の出が悪い。初めに用意した200mlもあっという間になくなってしまったので、継ぎ足し。しかし、よく見ると塗料缶のハジについたウレタンが固まっています。フタ締めるときの塗料の拭き取りが甘かった(汗)
で、そろそろ塗りにくい部分が終わったので、塗料ミストを絞っていたのを解除して、ミスト幅を広げて吹き付けました。乾くとツヤがなくなるの繰り返しが嫌になってきたので、段々と厚く塗っていき、
それと同時に、タレがだんだん増えていきます。
気づいたんですが、塗料ミストがプツ!プツ!と途切れるような自体が連発。
ダマはパンバン飛んでで行って、ダマが垂れて、もうワヤ!
なんで???
と思って、よくよく塗料カップを観察してみると・・・・
犯人は塗料の量。100mlしかない塗料カップの中で、残りが50mlを切ると、手首のスナップを効かせながら吹いた場合、中の塗料がピチョピチョとなり、気泡が噛む。この気泡が、プツプツと途切れる塗料ミストにつながっています。そのため、50mlを切ると、塗料を足さないといけません。
そしてトラブルは続く。
手首のスナップを聞かせて吹いていると、ボドゥ!という音と共に塗料がクツにぶちまけ!
シリコン栓のところがツルン!と滑った模様です。これは、ベースコートでもありましたね・・・。なんせ、塗料がヌメヌメしているので、何度も塗料を継ぎ足したりしていると、どうしても栓の部分がヌルヌルしてスポンッ!と落ちてしまうのです(涙)だけど、塗料が減ると増やさないとエア噛みでミストがおかしくなるし、これはやれん。
そして、何度も塗料カップを脱着していると、今度は吸い上げのホースがヌルン!と落ちる。砂が付いてどうしようもなくなったので、新しいシリコンチューブを使い、今度は落ちないように針金で縛りました。それにしてもしんどい。やっぱり、改造スプレーガンは問題が多いです。
そんなこんなで、トラブルが続いてくると、段々塗膜のアラが増えてきて、イライラしてきて、
しまいにゃ・・・
オラッ!
オラッ!
オラッ!
オラッ!
オラッ!
オラッ!
もうね・・・・
タレまくりですよorz
で、一日乾燥。
まぁ、まともかな?と思えるのは、上の面。
両サイドは、がいにひどいです。
で、
一つ分かったことがあります。
塗るときに、重力を考えて塗装計画を練るほうが賢いですね。
重力に平行だと、タレにくいです。
重力に垂直だとタレやすいです。
ということは、
塗る面を地面に平行にセットして吹く!
これがうまく塗るコツってやつではないでしょうか。
今回のトップコートの場合、ライト側が地面に平行になっています。つまり、タレにくい。そのため、まずは、ライト側を塗りまくり、完全に乾いたら、次に、右サイドを上にセットして、塗りまくり。そして、右サイドが完全に乾いたら、左サイドを塗りまくり。
こうすることで、タレにくくなって、うまく塗れると思います。
合理的に考え、綿密な塗装計画を立てて、それに忠実に実行する。
これが、素人でもうまく吹く工夫ではないでしょうか。
毎日吹いているわけではない、経験もない、素人がうまく吹くには、頭を使わないといけないと思います
で、乾燥してみると、両サイドが引けすぎて、コンパウンドに入れないくらいの塗膜なので、もう一度吹く必要があります。
だから、今度は両サイドを地面に平行にして吹いてみます♪
というわけで、右サイドを塗りました。
今回は、釣竿用に新型スプレーガン(近畿製作所のKX−3)を買ってきたので、それの練習がてら吹いてみましたw詳しくは「新型スプレーガン」を参照。
今回は、2液の配合をフタ付のメモリ付ポリカップで行いました。これだとなんと・・・・攪拌棒の必要がないんです。フタしめてシャカシャカシェイクすれば混合終わり!後片付けも使い捨てで捨てればOK!このほうが楽です。おまけに、フタをしめておけば混合して塗料カップに入れるまでに異物が入る予防にもなりますし、最高です!塗装は何かと準備と後始末がたいへんなので、カットできる作業はなるべくカットすべきです。
で、薄め液を10%くらい入れて、吹いてみました。
こ、これは・・・・
最高にミストがいい感じです!霧がものっそ細かくて、今まで悩まされていたママコが全く出ません!やっぱり、ガン口がこんまいほうがミストは小さくなり、うまいこと塗れるというわけですね!これでブランク塗ったらむちゃくちゃきれいに塗れると思いますよ(^^)
こんな感じwミストの感じは最高ですw
しかし・・・・
いいことばかりではない。
まず、ミストがこまかいので、ムラは今までのスプレーガンに比べると、比較にならないくらい出にくくなりました。
しかし、ミストが細かいと、当然、溶剤の蒸発が早くなりますから、ミストが吐き出されてから塗装対象物に接触するまでにカナリの確率で固まります。
すると、これが肌荒れ(表面のザラザラ)につながるわけです。この写真で分かりますかね?反射しているところが、ザラザラになっています。
スプレーガンを近づければ解決しますが、近づけると、お約束のタレが出てきます。
で、塗る対象物がバイクのカウルで、しかもベースコートが黄色だもんだから、もともとがテカテカしていて、クリアが乗っているのか乗っていないかの判断がむっちゃ付きづらい・・・。
だもんで、これくらいやったらOKじゃろう?というアタリが全然付きません。
以前使っていたデカイスプレーガンだったら、あれよあれよという間に塗膜が重なっていって、塗り終わりのアタリが付けやすかったんですが、このKX−3は塗装対象物がブランクとかの小型だったら、完璧なんですが、バイクのカウルはちょいとでかすぎるように思います。
結局は適材適所。
対象物の大きさによってスプレーガンを使い分けることが大切というわけですね。
だけど、スプレーガンを近づけていって、タレながらでもようやくカウル左側は塗装完了。ツヤが厚くなりました。
それでもお約束のタレはバンバン。いや、ホンマ難しい・・・。
で、もいっちょ気づいたことが。クリアが厚くなってきて、ツヤが出てきて、もう塗装終了の目安が付きづらかった原因その2。後片付けで気づいたんですが、ゴーグルが汚い!これでは、視界が曇ってしまうため、当然、ツヤ出終了のアタリが付けづらいです。塗装する前にゴーグルの掃除。これは必須かなと思いました。あと照明。暗かったら、クリアのアタリが全く付かない。室内でやるときは野外に近い明るさで塗装する必要ありです。で、板金塗装屋にどんなところで作業してるんや?と思って見に行ってみたんですが、照明の数がスゴイ。コンビに並みの照明です。これくらい明るくないと、塗装は出来んちゅうことですね明るさは大事です。
後片付けは、アセトンを染みさせたティッシュでカップ内側を拭き取り、20mlくらいアセトン入れて吹き切り×3で終了。終わった後は、ティッシュをかぶせて異物が入るのを防ぎます。
あとは、右側を塗って、塗装は終了。ごまかしのコンパウンド作業に移ります。
で、話は変わるんですが、
ミクシィのビルディングコミュとかで塗装の相談をしながら気づいたことがあるので、載せときます。
2液ウレタン塗料のクセというか、塗膜について
現在塗装で悩んでいるのが、ザラザラの肌触り。
こういうやつです。
希釈するとたれやすくなるので、希釈を甘くして、吹いていますが、そうすると、塗装対象物に当たるまでに、塗料ミストが乾いてしまい、極端な話、
こんな感じで、粒状に固まりきったウレタン樹脂が付いて行って、ザラザラボコボコの肌触りになってしまいます。
そして、2度塗りすると、
粒状樹脂が重なってしまい、
重なった部分は、隙間が生まれてしまい、水研ぎすると、この隙間が無数の隙間となって出てくる。
その結果、
水研ぎすると、こんな感じの無数の穴ボコが出現。
理想の塗膜は、
連続的に液体が固形化しているようなこんな塗膜です。
これに近づけるためには、塗装対象物に塗料が粒状で固形化するのを防ぐ必要があります。つまり、塗装対象物に付いた時点では濡れ濡れ状態の粒で、後から飛んできた粒と混じってなじんで、ツルツルした液状にする。これが必要です。そのためには、塗料を薄くするか、もしくはリターダー(硬化遅延剤)を配合するしかないです。しかし、リターダーを入れた場合、3液混合となり、また、リターダーなんてあまり使うことがないので、希釈溶剤以上に経験がないので先が苦労しそうで、なおかつ、リターダー自体が特殊塗料で入手が難しいので、稀釈率をあげるのが無難でしょうね。
メーカー稀釈率は50%くらいになっていて、それでやった場合塗料が薄すぎと感じていましたが、実は、メーカー指定の稀釈率のほうが正しかったというわけでしょうね・・・。
要するに、こんな感じの塗膜が悪いと思っていましたが、実はこの塗膜をキレイに塗りこなせる技術が必要だったというわけです。
とはいえ、現行の塗装方法はベースコートにトップコートの2コートフィニッシュです。ベースコートに関してはソリッドカラーの隠蔽性が重要なのと、塗装表面がツルツルになるのには、トップコートがツルツルになっておけばいいのです。
だから、ベースコートに関しては、今までと同様に、稀釈率10%くらいの、粒状塗料積層パターンでタレ防止&隠蔽性アップを狙い、トップコートの稀釈率を50%くらいにあげて、表面をツルツルにする。この塗り方でいいと思います。
とりあえず、FZRのアッパーカウルに関してはすでに手遅れなので、次のブランク塗装をする時にでも実践してみますw
照明について
会社で自家塗装の話をしていて、板金屋の塗装方法の話になり、どうやら、板金屋は天井の四方八方に作業灯をつけているらしいことが分かり、改めて、明るさの大事さが分かりました。だって、光がないと、クリアがどれだけ塗られているのかが全く分からんもん。塗装するときは、明るいところでやる必要があることが分かりました。ついでに、板金屋は上からフィルターをかけたエアを換気扇で下へ吹き付けているらしい。軽いクリーンルームを作っているんですね。だってそうせんと、ホコリとか砂をかんでしまうから。さらに、ホコリの舞い上がり防止のために、塗装直前に地面に水を巻くなんて裏技もやるらしい。打ち水をしたら、ホコリが立たないから便利ですね。打ち水くらいだったら、自家塗装でも出来るので、今度はやってみます。また、作業灯もつけます。
で、残るアッパーカウル左側を塗ります。
これもタレ防止で、地面と平行にして重力によるタレを防ぎます。
塗料は前回の失敗を踏まえて、80ml+硬化剤8ml入れました。
そして、薄め液で約20%希釈にしました。
塗料はおおかた110ml塗料カップはイッパイです。キンキのKXー3は、150gカップとか書いていましたが、実際は100mlですね。
で、今回は、前回の失敗を踏まえて、楕円ミストは絞り気味、エア圧は高めでやりました。
しかし、今回もあんましいい出来栄えとは言えず。やっぱり、固まるのが早すぎて、ツヤというか、濡れ具合がイマイチです。無数の粒状塗料が残ります。やはり、薄め液が足りないんでしょうね。今度は30%希釈でやってみます。
で、
兎に角、
アッパーカウルのスプレー塗装はコレで終わり。
あとは、誤魔化しのためのペーパーがけ+コンパウンドがけが残っています。これが一番時間がかかりそうです。
誤魔化し改めペーパーがけ
完全に乾かしました。1週間。ウレタンは薄めに塗ると3日くらいで完全硬化しますが、厚めにぬると、メーカー指定の完全硬化時間では絶対に硬化しません。指触乾燥から完全乾燥までが長いです。垂れた部分にツメをあてて、傷が付くか付かないかで判断しています。ちなみに、だいたい1週間ってところです。2度塗り3度塗りとかの重ね塗りは1日くらいでいけますが、最後の塗りが終わったら必ず1週間くらいは乾燥時間を見ておきましょう。
で、アラ修正に入ります。ボコボコした部分が多いので、ペーパーは320番でやることにしました。まずは塗料の薄めが甘いのと、距離が遠かったので、肌荒れ気味です。こいつをペーパーで削り倒して地ならしします。
320番のペーパーで水とぎします。
すると、今度はモッコリもりあがった部分が出現。テカっていて分かりませんでしたが、水をつけて地ならしすると、塗膜のムラが出てくる。これも水研ぎしますが、赤方向です。水色方向にやってしまうと、薄い部分までたくさん削ってしまって下地を削りかねないので、水研ぎの方向にも気をつけないといけません。そして何よりも大切なのが、深追い禁止!
なんつっても素人の自家塗装。完璧は無理です。下地までやってしもてオワタ!なんてことはなんとしても避けなければなりません。
そして、ある程度ごまかせましたので、この部分はコレにて終了。
ってな感じで、肌荒れ修正&ムラ修正をしていきます。
要注意なのがこの凸部分。これは、凸のてっぺんがよく削れるため、特に角にはペーパーを当てないように気をつけます。
続いて、垂れて止まってダマになっていまった部分。これの修正です。これはペーパーでやってしまうと一番凸になっている部分が削り終わる頃には、その他の部分を削りすぎてしまって・・・ってなことになりやすいので、凸のてっぺんを限定して削る必要があります。
これは板状のヤスリですが、これが便利そうなので買ってきました。ペーパーみたいにフニャフニャならないので、限定した部分的な研磨を得意とします。
こんな感じで、モッコリした部分を限定して削っていきます。他の部分に当たるとこれも下地を出してしまいかねないので細心の注意を払いながらの慎重な作業が続きます。
分かりますかね?てっぺんだけ平たく削れています。このくらいで板ヤスリの作業は終了。
あとはペーパーによる水研ぎ。若干モッコリがのこっていますが、結構削ったので深追い禁止。これくらいで妥協しておきます。
引き続き、誤魔化しという名の研磨作業は続きます。
上の方法でおおむね削っていっていますが、ポコッ!とでてしまったタレ途中固結部分が厄介でした。
まず、クソ硬い。
ここだけピンポイントで削っていこうとしても、なかなか削れません。ペーパーかけたら一発で他の部分の下地が出そうです。しょうがないので、こいつでシコシコ削っていきますが、それでもなかなか削れません。
だもんで、今度は、デザインナイフで一気にやったろかいと思ったんですが、デザインナイフだと刃が短くてむっちゃ切れ味がいいので勢い余った時に他の部分をガスッと逝ってしまいそうなので、カッターでやることにしました。
鉄片がペコンと削れているのが分かりますか?撮影上出来ませんでしたが、刃を両手で支えてゆっくりと上を向いてきるようにしたらうまいこといきます。
で、何もなかったように修正成功w
が、しばらく削っていたら
なんと黄色い下地まで逝ってしもとる!どこでやったのかわからないけど、最悪じゃ〜!やりすぎは禁物。
続いて、ハシッコにたれて溜まった樹脂も切ります。
両手で支えやすいようにカウルを裏返したり、自分の姿勢を変えたりしながらゆっくりと切ります。
ペーパーで適当に整えて、
これも修正成功!
ってなことを永遠と繰り返し、
あっ!
と思った時に、
スッと入ったカッターが滑ってしまい塗膜直撃!下地が逝ってもーたorz
まぁ、素人塗装。しかたないしかたない。
また、ここでも下地をだしてしまうなどの失敗をして、
どうにかこうにか、
一通り誤魔化し完了w
320番のペーパーがけでおおかたタレはすべて修正したので、今度は600番。続いて800番。1000番。1500番。コンパウンドという感じで仕上げていきます。
で、600番終了。
で、手でデコボコを触りながら800番でより均一に削っていきます。800番終了。
で、1000番終了。
で、1500番終了!ようやく終わった!これから最も長い道のりであるコンパウンドが始まります!!しかし、この時点で、もう二度とやりたくないなと思うバイクの自家塗装です。
で、コンパウンド作業です。塗装で何がいやってコレが嫌!
とにかく、シコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコシコ
コンパウンドつけてこするのみ。こすればこするほどピカピカに。
地味な単調作業が永遠と続く。ウデは痛くなり、指も痛くなり、もうこれほど歯がゆい作業はないですよ。
いつもは、プラスチッククリーナーをティッシュにつけてこすってましたが、バイクのカウルでこんな作業をしていたら、1年くらいかかるんじゃないか?と思い、新たな方法を模索。自家塗装を調べてみると、皆さん、コンパウンドスポンジなるものを利用していますね。
だもんで、早速ホムセンで物色して、
白・黄色用のミクロコンパウンド。これならコンパウンドスポンジも付いています!このスポンジですが、洗車コーナーのワックスについているやつと同じですね。値段はセットで700円でしたw
磨く前がこんな感じ。
で、永遠とシコシコ磨いていきます。
が、はっきり言って、ピカピカになっているかどうかは、ウエスでコンパウンドを拭かない限り分かりません。で、最初は全体的に満遍なくやっていたんですが、どこが磨けているのかどうかが全く分からず。とりあえず、全部拭いてウエスでコンパウンドを拭き取ってみると、
合格点が出せそうなのは、ライト右側の部分のみ。
後の部分は、磨きが甘くて、全然合格点に達せず。
で、いちいち全部コシコシして、全部ウェスでふき取って毎回チェックなんてコトをしていたら、拭き取ったコンパウンドが無駄になるので、部分部分に分けて、完璧に磨ききったら次の部分という作業に切り替えました。
まずは、合格点の出せるヘッドライト右側の部分から磨き倒します。
30分くらい磨いたでしょうか。
ヘッドライト右側を見てみると、
スバラシイ!コレですよコレ!ウレタンのツヤですwww
反対側の磨きが甘い部分と比べてたらその差は一目瞭然。というわけで、こんな感じで、部分部分を完璧に磨きながらコツコツと全部に広げていきます。研磨作業中、ペーパーがけの甘いところが多々見つかり、やはりタレの修正がやっかいということがわかりました。だけど、初めての素人自家塗装で完璧追い求めるのが無理な作業。かなり基準点を下げて我慢することにしました。
バックミラーのところは、フニャフニャするので、めたんここすりにくいです。
作業が終わった後の手は、ひどいもの。溶剤がかなりにおいます・・・。
で、しごきまくった後に、表面がピカピカしているかどうか確認しないといけないので、定期的にウエスで残ったコンパウンドを拭き取るわけですが、ボロボロのウエスでやったら、
傷だらけ(涙)ウェスは柔らかいウェスを使わなければならんとです。
で、このカドが磨きにくい磨きにくい。
それにしてもなかなか終わらん。毎日1時間頑張っているですが、4日やって、まだほんの少ししか出来ていません。手作業の限界を感じました。
そして、電動工具導入。
バフがけ用のマジックスポンジを買ってきました。円形のピットにマジックテープが付いていて、バフ用のスポンジをつけて、電動ドリルにつけてポリッシャーとして使うみたいです。で、最初そのままポリッシュかけたら、回転が速すぎて、カウルがブレるのと、摩擦で熱くなりすぎて、こりゃプラが溶けるぞ。と思ったのでやめて、電圧コントローラーで回転を落として使ってみました。
しかし、
コンパウンドがあっという間に、ワタの中に入ってしまい、表面には研磨剤がナッシング状態に・・・。こりゃ使えません。それと、やっぱりカウルがぶれるので、やりにくいです。特に、バックミラーをつけるところなんて、フニャフニャしているんで、グラングラン、曲がりまくりで、全然研磨できません。
続いてフェルト生地でもやってみましたが、これもワタ同様に、コンパウンドがフェルトの奥に入って研磨が出来ません。そして、フェルトのほうが、かたいので、カウルの凹凸に反応できずに、全くポリッシャーとしての役割を果たしていませんでした。
まぁ、いうなれば、こんな感じでポリッシュしても、
バイクのカウルは湾曲しているので、凹んでいるところが研磨できないというわけです。
結局、手作業でないとでけん。
そして毎日コツコツと作業を続け、兎に角ポリッシュを続け、特にカウルのサイド下側が全く鏡面にならんもんなけん、自家塗装サイトを見て勉強したわけです。
すると、
水研ぎが甘いと、コンパウンドがけがいつまでたっても終わりません。とナイスアドバイス。
ワシ、水研ぎが甘いわ・・・。ササッとペーパーかけて、次の番数に移行しとる。
表面を触っただけでもザラザラしているし、それじゃ終わらんみたいや・・・。
この時点で、すでに2週間が経過しており、もう、あきらめかけた頃だったけん、なんとか助かった・・・。
しかし、水研ぎをやり直すということは、コンパウンドがけもやり直すということなりorz。
またあの作業が1から始まるのか・・・。
だけど、水研ぎしたら、早く終わるんじゃないの?というわけで、頑張ってやりました。
→特に、今までコンパウドがけを通して、フニャフニャするところは力が入りにくいのでポリッシュがやりにくいということが分かっていたから、端っこのミラーステーのところなどは、これでもか!というくらい徹底的に水研ぎしました。もうペーパーがけをしても、ザラザラではなく、ツルツルするくらいです。ちなみに230番→最終1500番です。その後、コンパウンドをかけたら、なんと!(コンパウンドがけ+拭き取り)×3で、ピッカピカになりました!やっぱり、しつこいくらいの水研ぎが必要だったというわけですw
そして、ペーパーがけをする媒体も効率が深く影響しています。
まず、スポンジ素材。これはダメダメです。コンパウンドがスポンジの隙間に入り込み、タップリとつけても表面のコンパウンドがあっという間に薄くなります。すると、研磨力が弱くなり、作業効率が悪くなる。
良いのは、水をしみこみにくいタオル。銭湯行って、絞っても水があんまり出ないやつがありますよね。アレです。しみこむタオルだったら、コンパウンドもしみこんで、研磨が甘くなります。これにタップリとコンパウンドを塗って、
いわゆる、氷を磨くような感じでツルツルとしごく。これが一番効率が良かったです。
それともいっちょ裏技。コンパウンドが硬いほうが研磨効率がいいです。やっぱり柔らかいものよりも硬いもののほうが削る力が強いからでしょうね。実は、フタを閉め忘れて、カピカピになったコンパウンドでやったんですが、こちらのほうがよっぽど効率が良かったです。なくなるのは早いですが(^^;)
カピカピになったコンパウンドで磨くとこんな感じです。ママコがウネウネと伸びるような感触でしごく感じです。ツヤの出るのが早いです。
そして、一気にやっても全く終わる気配がないので、継続は力なりというわけで、毎日1時間ほど、磨き、それを2週間ほど繰り返し、もうホンマ、嫌や〜!と思った頃、また自家塗装のサイトを見て勉強したわけです。
すると、多くのサイトでオススメしているのが、ピカールです。
私が使っているのが、超超ミクロンコンパウンド。
もしかして、ピカールのほうが効率いいのか?というわけで、ピカールにしてみました。むちゃくちゃ安く、150gで300円。思うに、一番安いコンパウンドではないでしょうか。早速使ってみると、まず気づいたのが、がいに匂うちゅうことです。どう考えてもアンモニア臭。磨き始めにツーーーン!と鼻の粘膜を直撃し、ヒリヒリします。磨いているうちに、アンモニアが飛んでそんなに匂わなくなりますが、以前のミクロンコンパウンドとは別格の臭さです。それで、まぁ、磨き倒していると、ミクロンコンパウンドよりかは早く作業が進むような気がします。思うに、ミクロンコンパウンドは磨き粉の粒が細かく、ピカールは荒いんじゃないでしょうか。だったら、微小粒のミクロンコンパウンドのほうが鏡面に近づけそうですが、ハタから見たら、違いが全く分かりません。思うに、素人の自家塗装では分からないレベルなので、コンパウンドの粒は荒いほうが効率が良くて、いいような気がします。
そして、バイクのカウル塗装も終盤に差し掛かり、ピカールで、強烈な匂いを我慢しながら、シコシコやり続け、これも1週間くらい経過して、
もうこれくらいでかまんやろ!
で、終了!
磨けば磨くほどツヤが出るもんやけん、永遠に終わりがない。思うに、どこで切り上げるかじゃないでしょうか。もう、適当なツヤが出たら終了。じゃないと、エンドレスです(汗)
おおかた3ヶ月以上かかった作業もようやく終了。もう二度とやりたくないですね。特にコンパウンドがけが・・・。
そうして、生き返ったカウルをバイクに付ける作業です。
途中、カウルフレームのサビああちらこちらに出ていたので、サビ止めで、5分エポキシを付けて補修。
そして、タレこんだ塗膜のおかげで、ポッシュのアルマイトナットが入らんことなっちゅう!
ヤスリで広げて事なきを得た。
と、思ったら、
なんと、トップコートのウレタンにボルトの皿がめりこんじゅう!やっぱり、補修用の2液ウレタンは、新車のウレタンに比べたら塗膜が弱いんかなぁ・・・。
と、驚くことに、ブレーキレバーがガクガクするもんやけん、アレ!?と思ったら、
ナットが外れて、シャフトが抜けかけとる!危ない危ない(汗)
で、取り付け終了w
出来上がったバイクを見ると、感無量!と言いたい所ですが、はっきり言ってアラだらけ。
アラ行きます!
左側面のハシッコ。コンパウンドがけするときに地面に置いていた関係で、設置面が削れてアウト。下地が見えています(汗)
サイドカウルのハシ。面ではなく、線であるため、塗料がどうしても乗らない。そのためはげています。トップコートもマトモに乗っておらず、指で引っかくとペリペリはげます。タッチアップしたほうがいいんかな(汗)
トップコートしている時に、ヤブ蚊が止まり、取り出すと跡が残るため、そのまま乾燥。そのため、黒ずみとして残っています。溶剤の芳香に誘われて結構蚊が付きます。注意しないといけません。
パテ埋めした部分。隠せたか?と思いきや、終わってみると、ばっちり残っとる!まぁ、遠めに見たら分からんけんかまんけど。
サイドの面。タレまくってそれが完全に修正できなかったため、ウネウネの塗膜。フニャフニャ動くのでコンパウンドもかなーーりかけにくかったっけ。
3ヶ月の手間を要したのでそれなりに満足はしていますが、あれだけの手間と時間、そしてイマイチの塗装面。こりゃプロに頼んだほうがよっぽど良いような気がします。まぁ、自分でやらなければ分からないことがあるし、自分でやることによって成長するし、より詳しくなれ、経験値もあがるので、やって良かったとは思いますが、もう二度とやりたくはないですね。釣竿の塗装のほうがよっぽど楽で、簡単です。で、結局いくらかかったんだろうというわけで簡単に計算してみました。
ポリッシャー用のマジックスポンジ×2=2500円
コンパウンド×3=2000円
プロタッチ=3500円
パナロック=4800円
ペーパー=1500円
カンカン+ロウト=1500円
ヤスリ500円
16300円
作業日数=3ヶ月と1週間
結構かかってますね〜。
まぁ、色々と経験も出来たので、この自家塗装を通して学んだこと
・ みずみずしいツヤを出そうと思ったら、塗料ミストを絞って、なおかつ風圧を上げるべき。風圧が弱いと、一度付いた塗料の上に、塗料の粒が重なるようにセットされるため、肌荒れになり易い。その影響を抑えるには、スプレーガンの風圧を上げることと同時に、薄め液を足すことが大事。薄め液が少ないと、タレのリスクは減るが、早く固まってしまうため、粒として半固形状態で塗装面に到着。すると肌荒れになる。肌荒れになると、ぺーパーで削っても下の肌荒れが出てくるので、永遠に肌荒れとおさらばできない。つまり、タレるギリギリのラインで塗装をしなければ、ツヤが出たみずみずしい塗膜肌は実現できない。ただしやりすぎるとタレて後々ペーパー+コンパウンドで地獄を見る。
・ 1液ポリエステル塗料のプロタッチは乾燥時間が短いすばらしい塗料である。プラスチックに追従できるくらいの柔らかさも兼ね備えており、ブランク塗装に流用してもかなり良い性能が出せる模様。ただし2液ウレタンのトップコートが必要。ベースコートもトップコートも2液ウレタンのみを使うよりは柔軟性があり、ブランクにはプロタッチ+パナロックが適していると思う。
・ タレの修正は、240番でもなかなか削れないので、180からやるべき。
・ コンパウンドは、研磨作業の前のペーパーがけで何番まで水とぎするかで後のコンパウンド作業効率に段違いの差が生まれる。なるべくペーパーを使って高い番数まで塗膜を水とぎしたほうがいい。例えば、800番まで水研ぎやってコンパウンド作業に移った場合、永遠とツヤが出ないと考えたほうが良い。1500番まで水研ぎしてコンパウンドに移ると、若干ツヤが出易い。ただし、研ぎ残しがないようにする。
・ コンパウンドは磨き粉が「微小」と表示されているものは避ける。超ミクロンコンパウンドはNG。むちゃくちゃ時間がかかるため。素人目には、微小だろうが、普通の大きさだろうが、分からない。ピカールが安くていいが、ピカールはアンモニア臭がきつい。
とりあえず、自力でやった自家塗装!愛着があるので、次のツーリングが楽しみです。また、この作業を通して、ブランク塗装のウデもワンランク上がったような気がします。次のブランク塗装も楽しみwww
ただ一つ、総括して確実に言えることは・・・・・
シーズン中にやることではない。
ということです。おかげで、自作フロッグが完全にストップしとるばい。冬にやりましょう!
produced by fukusuke