オイル&ベアリングの紹介


色々使っては見たけれど、そういえばリールチューニングのところにバラバラに書いてただけなもんで、ちょいとまとめようかなと思って紹介。

ただし

オイルやベアリングっつーのは、効果がよく分かりません。

オイルはなぜ効果がよく分からないか?
それはOHする時にやるからです。OHするきん、汚れを落とす段階で既に回転がなめらかになります。

それで、オイルを添加したら、

そら、どんなオイルでも滑らかになりますわな。

ほんだきん、オイルを変えたことによる実感がわかんとです。飛距離だって、1回1回投げ方によって変わるし、飛距離だって、メジャーで測っているわけじゃないので、定量的な違いはまず分かりません。

定量的なやり方は、どこかで書いてみましたが、無風の室内で高いところから下へ向かって同じオモリを落として、落下するまでの時間を計測するのみだと思います。しかし、現実的にそんなことができるわけはなく、現在あるオイルやベアリングのインプレなんて、みんな眉唾物だと思いますヨ。

しかし、なぜに効果があるように思うのか。

可能性があるとすれば、高いモンを使っているから、効果を信じてしまうということではないでしょうか。

しかし、オイルに関してはそれはそれでOKではないでしょうか。リールのチューニングで挿すオイルなんて、ほんのわずか。いくら高価とはいえ、オイル購入して使い切るまでには1年以上はかかります。大してお金はかからないし、たかだか1500円くらいのオイル代で、リプレイスオイルの効果を信じることが出来るならば、安い買い物です。だもんで、ケミカルの効果は実感できないけれど、大して金かからないから、OO教(メーカーのうたい文句を信じて使うこと)に入信する価値はあると思います。

ベアリングも同様で、今では各社、色んなベアリングを出していますが、ベアリングは消耗品であり、新品に変えるだけで回転はよくなります。それが、「高級リプレイスベアリングにしたから回転が良くなった!」と「思って」しまうことも少なからずあると思います。実際、オイルと同じで毎回毎回同じ条件で投げれるわけでもなし、以前のキャストフィーリングを正確に細かく覚えていて、比較してということは不可能です。また、飛距離を計測しているわけではなし、やっぱし、人間の感覚的なものにゆだねられると思います。

ただ、オイルは1500円出して良いオイルを使っても何回もOHできますので、投資する価値はあると思いますが、ベアリングはそうは行きません。1個1500円もするベアリングをOHのたびに交換することは出来ないのです。オイルは高いオイル使っても良いですが、ベアリングは交換してナンボです。交換を躊躇するような値段設定のベアリングは、良くありません。



というわけで、使ったインプレと、メンテナンスの現場的立場から薀蓄をタレてみたいと思います。



オイル編
アブ純正オイル(アブ)
アブに最初から付いているオイルです。ごくごく普通の低粘度オイルで、リプレイス信者からすると「純正=悪」と思われがちで、ワタシもその一人だったんですが、レボなんかは、新品ノーOHの状態でも十分に飛距離は出たし、品質的には問題ないと思います。ただし、道具マニアからしてみると、やっぱり社外品じゃないと・・・と思ってしまうため、脱純正は免れないと思います。



シマノ純正オイル
雷魚師としてかなり初期に愛用していたオイルです。どこの釣具屋でも手に入り、値段は、2本で1500円で安いし、普通に使える品質で、長いこと愛用していましたが、これといって不具合は感じませんでした。ただし、グリスはスプレーだと、いらんところに飛び散ってしまって(特にドラグ部)使いにくいです。グリスはチューブが良いです。

F−0オイル(ZPI)
ZPIのカーボンハンドルやらSICベアリングやらを買っていて、オイルもZPIにしようと思い、導入してみました。ワタシがチョイスしたのがスプレー式のやつだったんですが、やっぱオイルはオイル。結局シマノのスプレーとなんら違いが分からず、あっという間になくなったんでそのまま使わなくなりました。

ZPI F0コンク
ZPIのスプールベアリング用オイル。ダイヤクラスターという金属トリートメント剤配合のオイル。フジヤマスピンやIOSと全く一緒のフレコミで、OHで使うとIOSと良く似た感じ。みずみずしい回転になりました。飛距離も似たようなモンで、IOSは3g1500円なのに対し、F0コンクは10ml1500円で、明らかに量が多いのと、IOSは点眼のさきっちょがスグに外れるのに、F0コンクはしっかりとして、外れないのでどちらかというとF0コンクのほうがオススメです。

ただし、F0コンクの場合、不透明な白ポリ容器なので、後どれくらい残っているかが全くわからないので、スポイトつき瓶に移し変えました。

するとまさかの異物登場。底のほうに黒い粉のようなものが残っており、移し変える時に出てきました。

早速、この粉はなんぞや?とZPIに問い合わせてみたら、「ダイヤクラスター」だそうです。こいつが金属の磨耗部に付着してトリートメント効果を出すそうな。でも、ダイヤクラスターって一体何なんでしょうね?検索してもZPIの造語?と思われるようなコメントしかないし、金属トリートメント剤って、フッ素かニ硫化モリブデンしかないような気がするんですが、何なんでしょう???

で、粉は沈殿するので、底に溜まっています。そのため、よーに振って底に沈殿したダイヤクラスターを巻き上げた状態で使わないと、金属トリートメント効果が期待できません。

がしかし、この不透明容器じゃよくわからんよね。だもんで、その点は不便です。振りが甘くて透き通ったオイルしか添加しなかったら、ダイヤクラスター効果が見込めないですし。やるなら、透明容器にしたほうが良いと思います。

で、そのまま使っているとトラブル。

なんと、スポイトのチクビがオイルの溶剤でやられてしまい、溶けてしまいました(汗)結構強い溶剤を使っているらしく、そのため、白の不透明ポリ(おそらくPP)に入れているんでしょうね。

だもんで、使うならば、純正のまま使ったほうが無難です。今のところ一番のオススメかなw

ジェットオイラーのトラブル
溶けた瓶を変えるために、ジェットオイラーに入れて使ってみたんですが、すごい勢いでなくなっていき、レベルワインド滴下しただけで、ほとんどなくなってしもた・・・・。ジェットオイラーはミシンオイルみたいに、大量にあるオイルを添加するならかまんけど、リールオイルみたいな少量高級オイルで使うとあっという間になくなってしまってNGやね・・・。

IOS02(IOSファクトリー)
鬼神と呼ばれる雷魚師クラウザー氏のオススメで使ってみたオイル。メーカーのうたい文句はオイル保持能力を高めたオイルで、ベアリングからなるべく散ってしまわないように粘性を上げたオイルとのこと。リールのベアリングに使われるオイルはシャバシャバの粘性で、OH直後は良いんですが、少し使うとあっという間に飛び散ってしまい、スグに補充しなければならないんだとか。その不具合を直すために、粘性を上げ、散らないようにしたんだとか。また、ただし、位置づけ的には、オイルとグリスの中間に位置するもので、「グリスの呪縛から解き放つ」なんてセンセーショナルな言い方をしていますが、じゃぁ、グリスとして使いたいから、ピニオンとメインギアの隙間に充填してもいいんか?と思いきや、そこはグリス指定という、中途半端なオイルです。また、金属トリートメント剤配合で、傷ついたベアリングのミクロの傷を修復しつつ回転させるということで、値段も高くて、4g1600円もしました。すぐになくなるかと思ったんですが、意外。かなり持ちますwww5回くらいはOH余裕で出来ました。

ただ、NGなのが眼滴ノズルです。量が多いときは便利なんですが、量が少なくなると、スポン!とノズルが外れます。

また、容器が低密度ポリエチレンを使用しているのですが、こいつにオイルが付くと、一発でラベルが剥がれてしまい、IOS01と二つ持って使い分けていたら、どっちが01でどっちが02だかわがんね!っつーことで、使いにくいです。ただし、特にオイルの落ちやすい部分、ラインキャリエッジ関係なんかでIOS02、ベアリングやコグホイール等、高速回転が要される部分にはIOS01で使い分けたりもしていましたが、ラベルが剥がれてどっちがどっちだかわからんことなったり、いちいちオイル持ち変えるのがめんどいので、結局IOS 01オンリーになりました。ただ、OH後の回転のみずみずしさはさすがというか、スゴイ!と思いましたが、いかんせん、以前のOH直後の様子をハッキリと覚えているはずがなく、シマノのオイル+グリスでも同じようにみずみずしかったぞ???と思ったりもしました。結局のところ、値段が高いので、効果があるように思っていただけかもしれません。


IOS01(IOSファクトリー)
IOS02の粘度を若干シャバシャバにしたような感じでオイル保持能力はIOS02よりは落ちるみたいですが、その代わり回転が良いという触れ込みです。結局、01と02どっち使うんやという話なんですが、ワタシ的には01でしたね〜。やっぱ雷魚はベイトですから、ベアリングがよりスムーヅに回ってくれるオイルをチョイスということになります。他の部分につけても良いし、特に悪いところもなく、軽快に動いてくれました。ただし、純正オイルと比べてどうこうというのはよく分かりません。



ダイワ リールオイルU
どこの釣具屋にでも売っているフツーのリールオイル。スプレー式オイルは飛び散って好かんので、買うならコッチだと思います。10mlで250円。

で、安いけど、口が二つ付いてあって便利!たくさん出したい時は眼滴の先を外し、添加したら良いです。

がしかし、実際使ってみると、粘性高すぎ!ねばいんですよね〜。F0オイルのほうがサラサラで、明らかに回転が悪くなりそうなので使うのやめました。やっぱりF0オイルが一番いいんかな〜。



スピンオイル(フジヤマ)
しばらくIOS愛用者となっていたんですが、そろそろ01なくなるぞっというときに釣具屋で見つけて購入してみました。コチラは眼滴の先がなくて、直接絞って滴下するものです。が、さすが低密度ポリエチレン。

オイルが付くと一発でパッケージが剥がれます。IOSもそうですが、なんとかならんのか!?でもって、メーカーのうたい文句は、IOSと全く一緒。金属トリートメント剤配合で、ミクロの傷を修復して、オイル保持能力が高いとのことですが、滑らかは滑らかなんですが、結局のところ、OH後は何でも回転がみずみずしいっつーわけで、これといった実感は得られませんでした。シマノオイルと同じようなもんっつったら同じようなモンなのかもしれません。

しかし、このフジヤマスピン、しばらく使っていると、なんと白い沈殿が出来てしまいました。新品の状態だったら、黄色いオイルだったのに、これでは使えません。沈殿がベアリングにかむと回転が落ちそうなんですもの。というわけで、即刻使用を止めました。


クレ556 フッソ配合
いわずと知れたCRC。クレ556のフッソ配合です。とある雷魚師から聞いた話ですが、日産のピットワークスのフッソドライスプレーのCRC塗布がアホほど回転上がるという話を聞きまして、ホムセンやカーショップに買いに行ったものの売ってなくて、クレ556のフッソ配合のヤツがあったもんで、おなじようなもんやろと思って購入してみました。これについては別ページにて解説しているのでその通りなのですが、そもそもCRCの目的は「錆を落とす」ことと「潤滑」なもんで、グリスに当たると錆落としがグリスを溶かしてしまって、あまり良くないという話も聞くので、私はもう使っていません。


ミシンオイル
最も安いオイル。ミシンオイル。ホムセンで200円くらいでこの量です。んがしかし、あなどってもらってはこまるわよ!産業界ではマシン系の高回転部位は全てコレ。粘性も低いし、他のリールオイルと似たようなもん。というか、リールオイルの中身、これとちがうんな?なんて思ったりすることもあります。

で、早速OHで使ってみました。ミシンオイルは指しにくいのでジェットオイラーに移しなおしてやります。

で、ミシンオイルを、ベイトの命、スプールベアリングに注入。粘性、ハイエンドリールオイルと全く変わりません。

コグホイールも付けました。これ・・・・ミシンオイルっすよ。まっっっったく、回転、問題ないでしょ!?

で、近くの公園でキャスティングインプレッション。

はっきり言います。

ハイエンドリールオイルと、なんちゃ変わりません。

普通にカッ飛びます。やっぱ粘性が似たようなモンだったら、回転って、似たようなモンですね。ケミカルチューニング、アホらしくなってきました・・・・。

実戦でのインプレ
だめだめミシンオイル絶対NG!
ニッカリ青江にタイプRのC4付けて遠投して雷魚釣ってたんですが、気持ちいいくらい飛んでいたんですが、トラブル発生で交代。

サブのインターカラーのC4にチェンジしてみたところ、

全然飛ばんのよね。

後半が全く伸びずにスグに失速するような感じ。もうダメダメ。バックラもひどい。で、この2機種の違いって、オイルだけなんよね。改造内容は一緒。オイルがタイプRのほうはF−0オイル。インターカラーがミシンオイル。

ということは、オイルくらいしか原因がないよね?公園で投げた時は違いが分からなかったんだけど、実戦で使ってみて、もーダメダメ。なんちゅーか、アブにありがちな、中古アブを買ってきたら全然飛ばんくて、OHしたら直ったという感じ。粘性が高いんかね?ほっといたら粘性が上がりやすいんかね?水に弱いんかね?

兎に角、

ミシンオイル、NGです!



KTF スーパーフィネスルーブ
KTFというのはカスタムパーツメーカーでレボのカーボンドラグやハンドルなんかがあるチューニングメーカーです。そことダイワが組んで作ったオイル。ベイトフィネス(こんまいルアーをスピニングを使わずにベイトで投げる)用のオイルで、低粘度が売りです。で、IOSと同じく、オイル保持能力も売り。ただし、ダイヤクラスターとかフッ素みたいに、金属トリートメント効果については触れてないので、ないのかもしれません。
値段は10mlで1300円なので、ZPIのF0オイルより安いです。

眼滴用のサキッチョもついていましたが、このタイプのヤツはIOSと同じく、量が減ってくるとポン!と外れるため、使っていません。容器から直接滴下しています。

インプレ後
これね、容器がでかいから、一滴が多くて、スゲー勢いでなくなります。結局、OH2,3回したらもう空になりました。んで、これ、ベイトフィネス用みたいで、1gとかの軽いルアーを投げるベイトで使うのが本来みたい。雷魚みたいなデカイルアーを投げるためのオイルじゃないみたい。

で、実際に使ってみた感じ、飛距離がどうとかというレベルではなくて、普通にキャストして、普通に使えます。がしかし、オイルが多めに出すぎてしまって、使用後に散ってパーミングカップはオイルでベタベタ。指についたグリスがツルツル滑って使いにくかったです。

それと、この容器だとレボのOHは使いにくいですね。ベイトの注油箇所は、スプールベアリングとコグホイール、ウォームシャフトだと思いますが、タイコアブなら、ウォームシャフト丸見えだから問題ないんですよ。がしかし、レボの場合、隠れてますから、サキッチョが細長いヤツじゃないと注油が出来ません。そのため、レボの整備には先細キャップが必要ですが、あれも結局、注油したら外れますからね(IOS参照)。そう考えると、ZPIのF0コンクのほうが使い勝手がいいオイルですね。




ヘッジホックスタジオ アルケミーオイル ミディアムライト
最近巷で話題の、ヘッジホックスタジオのアルケミーオイルを購入してみました。赤いヤツ、ウルトラライトと青いヤツ、ミディアムライトとありますが、黒鱒屋のオヤジの話ではウルトラライトはベイトフィネス用なので、雷魚に使うならミディアムライトだそうです。

そんなわけで、ちょいと使ってみました。

ごらんのように粘性、非常に高く、IOS02よりももういっちょねばい感じです。

ねばいと、ギアなんかに塗布したとき、浸透してくれなくて、そのままポッティングのようにのっかるため、

コグホイール、スプールピニオン、ウォームギアといった部分への滴下がやりにくいです。あと、先が細すぎて、オイルがあんましでなくて、加えて、粘性がねばいのでなかなかオイルが出てくれず、整備性は悪いと思いました。

一応、スプールベアリング、ウォームシャフト両端ベアリング、コグホイール、スプールピニオンに塗布して、リールを組んでみましたが、みずみずしい回転音がして、テイストはIOS01と同じような感じです。

というわけで早速使ってみたところ、コレ、かなりいいですよw

回転はみずみずしく、シュイーン!という感じで滑らかそのものwインプレしたとき、ベアリングが全部新品なんで、そのせいかもしれませんが、悪くありませんw

ただし、テイスト的にはIOS01と似たようなもの。粘度からすると、IOS02よりももいっちょねばいので、オイル保持能力は抜群だと思います。粘性の高いオイルですが、回転にかげりが・・・・という感触は受けないし。

ただし、そのねばいオイルのおかげで、不快なこともあります。

パーミングしてると、

「ヌルッ!」

ってするんですよね。

C4のパーミングカップのフレームが出たところ、

この部分から内部のオイルがにじみ出てきて、パーミングしてたら、ヌルヌルとサラダ油のような感触が伝わってきます。

これはどのオイルを使っていても起こることなんですが、粘性の低いオイルの場合、スグに落ちてヌルヌルが持続することがないんですが、このアルケミーのミディアムはモロにヌルヌルが持続しますね(汗)

ま、それはベアリングやら金属がこすれあう部分に対して効力が持続することを表しているんで、悪いことではないと思うんですが、やはり不快です。

とりあえず、残っている限り使いますが、使い切ったらもう一度買う気にはなりません。

今のところ、量、値段、メンテナンス性、効果、総合的に見ると、ZPIのF−0オイルかなぁ。

1年使ってのインプレ
おおかた1年使って、ようやく1つの容器を使い終わりましたが、コレ、最初のインプレとは違ってナカナカいいですねwIOS02の徳用版といったところでしょうか。結構持続力があって、また、容器が使いやすいですwヌルヌルは最初は気になっていましたが、しばらく散ってくれると気にならなくなります。

ま、後述にもありますが、ヌルヌルはベストタックルオイルでやってもらって、その他の部分はサラサラのオイルのほうがヌルヌルがなくて良さそうなので、F0オイルを使ってみることにします。

んで、トラブルらしいトラブルがひとつだけあって、雨の日に使用したとき、白濁がスゴイです。

こんな感じ(汗)

一応、ヘッジホックスタジオに問い合わせてみたんですが、この白濁は防錆剤によるもので、使用に問題はないとのことでしたが、やっぱり回転が悪くなりそうで気になります。


ベストタックルオイル ヘビー
ベストタックルから発売されているオイルです。ライト、ミディアム、ヘビーとあってコレはヘビーです。

通常、カンペキなオイルアップというのは、OHが必要になりますが、度々オイルアップしなければならない部分があって、それがウォームシャフトです。

通常、リールのオイルアップといえば、ベアリングとギアくらいですが、ベアリングはギアとギアがこすれあうようなものではないため、そこまで神経質にならなくてもいいと思います。

ギアもリールの駆動系ギアというのは、ほとんどがPOMですので、これもそこまで神経質にならなくてもいいと思います。

問題はウォームシャフトで、シャフトが金属、パイロットガイドも金属で、しかもツメがシャフトに接触するカタチで常にこすれあっているため、オイルが飛びやすく、また、カバーの下にツメが入るための穴が空いているため、重力によりオイルが落ちやすいです。そのため、ウォームシャフト関連のパーツはオイル保持力がキモとなります。

つまり、ウォームシャフトは、十分すぎるほどオイルが必要なくせに、オイルが落ちやすいポイントであります。

保持力といえば、オイルとグリスでいうと、グリスのほうが高いですが、反面ねばいため、回転性能が落ちます。

例えばこれはグリスのみでメンテナンスしたウォームギアですが、レベルが落ちてくれませんでした。

オマケにウォームシャフトは通常使うぶんには、シャフトのカバーに穴が開いているため、そこからドンドンオイルが散っていき、手がオイルでヌルヌルになることもしばしば。結局、それはオイルが落ちていることを意味するので、釣行ごとにウォームシャフトにはオイルアップをすることが必要となります。

そのため、ウォームシャフトのメンテナンスで必要なオイルというのは、兎に角ねばくてなかなか落ちない、「グリスに近いオイル」といえます。

一応、オイルとグリスを混ぜて試したこともありますが、そもそも物性が違うので混ざりません。

そんなわけで、何かいいものはないかと探していたら、ありましたwそれがベストタックルのオイルです。

ネバいオイルで、グリスのようなオイルとのことで、しかも最初はサラサラなんですが、添加した後にネバくなってくるというシロモノです。一応、ウォームシャフトのメンテナンスはコレ!と専用品を銘打っていますw

2500円で、しかも送料が割引で400円で送ってくれるし、郵貯OKなため、振り込み手数料がいらないのでイイですw

早速使ってみましたが、まず、スポイトがダメです。太くて、細かい添加が出来ません。また、スポイトは油断するとタレますね。さらにスポイトが大きいので1滴が多く、結構消費が激しそうです。

また、スポイト、先端が瓶の下端まで届いていないので、使っていくうちに吸えなくなることが予想されます。ナナメにしてやらなきゃいけません。

アルケミーオイルみたいな点眼容器に入れ替えて使ったほうが使いやすいと思うので、探してみたんですが、ホーザンから出ていることは出ているんですが、値段がビックリの1600円もするんで、ヘタすりゃオイル入りの容器が買える値段です。

そこでヘッジホックスタジオに相談してみたところ、海外向けに販売している容器があるので、これは?と言われ、良さそうだったので買いましたw

400円ですw

大きさはアルケミーオイルよりも一回り大きい感じです。

ベストタックルオイルを入れてみると、全部入りましたwこれで使いやすくなりましたw

で、使ってみたところ、講釈どおり、確かに滴下するときはアルケミーのミディアムくらいのネバさで、滴下後ネバリが増してきました。トロトロで、指につけると若干ねばるくらいの粘度です。ウォームシャフトへの付着性はバツグンで、1,2回の釣行でもカピカピになることなく、トロミのついたオイルが残っていました。耐久性もバッチリです。また、ネバイので、使用中に散ってリールシートに落ちてくることもありません。

イイですよコレ!ウォームシャフトは結構シビアな部品なので、このオイルによるメンテナンスが良いと思います。

※後から分かったんですが、ZPIの「F−0スピニングオイル」もグリスが入っているオイルのようで、ウォームシャフトのメンテナンスに使えるかもしれません。ベストタックルオイルは良いんですけど、入手が困難なので、なくなったら、F0スピニングを買って試してみます。

雨天釣行による白濁化
アルケミーオイルでも確認できたんですが、このオイル、雨の日に使うとニゴリます。リール用オイルってみんなそうなんですかね?



コアーズオイル
先日、香西釣具にオイル買いに行ったら、安いオイルがあって、コアーズというメーカーのものらしいんですが、粘性が違う種類のオイルが3種類ほどあるので、用途別に使いやすいかなと思い買ってみました。

ところが、商品を開けてみると、なんと瓶の中にナットが2つ入っており、香西釣具に確認してみると、不良品みたいなんで返品しました。



ZPI ナノフィネス
黒鱒屋で購入。1800円でした。オイル容器としては珍しく、修正ペンのような容器に入っています。今現在、オイルの主流は縦置きのオイルですが、リールケースがドライバーとかの収納ケースなので、横置きOKの容器はユーザーのことを考えた形状といえますw

んで、これまた修正ペンのようですが、中に固結した成分を崩すためのラトルが入っています。おそらく、ダイヤクラスターが沈殿するので、それを拡散する目的だと思います。しかし、以前のF0コンク同様、容器が不透明なため、ダイヤクラスターが拡散しているかどうかが分かりません。ZPIのオイルは透明な低密度ポリエチレンにするべきです。

ベイトフィネスで使われるサラサラのオイルらしいですが、全般的に使えるようなので、試してみることにします。



YT フュージョン ナノトリートメントオイル
釣具屋で見つけて購入。15mlで1500円と安く、粘度はアルケミーオイルミディアム以上、ベストタックルヘビー以下といったところ。最近、ねばいオイルが好きなので、買ってみてワンシーズン使ってみました。

使用感はベストタックルヘビーっぽい感じで、粘つく感じで、ウォームシャフト関係のメンテナンスでよさそうな感じです。

ベアリングやコグ等のしゃばいオイルが推奨される部分にも使ってみましたが、別段、不具合が出るような感じではなく、良好でした。

見た目、濁っていますが、問い合わせとかしてないんですが、このニゴリが金属トリートメント剤じゃないかと思います。

容器はアルケミーオイルみたいな点眼系の油さしになっていて、使いやすいです。

量が多くて、滴下しやすく、潤滑の持続性も十分で、安くて入手しやすいので、いまのところ、オイルではこれが一番じゃないかなと思います。

ただし、乳化しやすいのか、容器の底に沈殿物が確認されます。また、車の中に放置してたんですけど、最初は黄色だったんですけど、変色してきて、若干茶色がかってきて、透明度が増してきました。

そこでメーカーに聞いてみたところ、このような回答が返ってきました。

> 弊社商品をご使用いただき誠に有難うございます。
> ご質問の回答です。
> ご指摘の通り、最初にあったにごりが、潤滑及び金属表面改善の添加剤です。
> それが時間の経過と共に底に白く沈殿する場合がございます。
> その際オイルが茶色く透き通って見えますがこれがオイル本来の色です。
> いずれも品質に異常はございませんので、お手数ですが細い棒などで撹拌してご使用ください。
> 今後とも弊社商品を宜しくお願い致します。


とのことです。問題なさそうですねwオススメオイルですw




グリス編
シマノ純正スプレーグリス
初心者の頃に愛用。どこの釣具屋にも売っていて、値段も安いです。が、スプレーグリスはダメです。スプレーで吹き付けられるレベルの粘性に下げられており、他のグリスに比べてシャバシャバ!グリスの使用用途は、飛距離に関係なく、負荷がかかるところ。いわゆる、メインとピニオンのスキマとIARです。負荷がかかるため、求められるのは硬いグリスだと思いますが、スプレーだとやりこすぎ。また、メインとピニオンのスキマに吹き付けると、飛び散って、ドラグのほうにママコが飛んでいったりして、拭き取りがめんどい。というわけで、オイルならばスプレーでも良いと思いますが、グリスはスプレーはやめたほうがいいですね。使いにくいです。


フジヤマ スピングリス
同じく、フジヤマのグリスです。他のメーカーのうたい文句と一緒で、表面トリートメント効果をもたらすグリス。使用場所はギアとギアの間で、ベイトでいうと、ピニオンとメインギアの間です。ま、普通に使うことは出来るのですが、ハッキリいって使いにくい。というのも、固形グリスで、容器の中に入っているから、爪楊枝で出して使わないといけないんですよね。

しかし、ピニオンとメインギアの間って、爪楊枝ではなかなか充填しにくいんですよ。また、爪楊枝についたグリス全部が塗布できるわけでもなく、ナンボかは楊枝についたまま廃棄。もったいないです。シマノのグリススプレーのところでも書きましたが、結局のところグリスはチューブグリスが一番使い易いです。ブニュッとたくさん充填できることが使い易い条件です。

ただ、シマノグリスとの一番の違いは、硬さ。スピングリスのほうが硬いです。硬いほうがオイル保持能力が高く、タレたり飛び散ったりということが少なく、ドラグに進入するリスクが少ないのでそこは評価が高いです。

ただ、このスピングリス、使用後再OHの時には驚くほど汚れています。他の部位の汚れを取ってくれているんでしょうか?シマノのグリスではこんなふうに汚れることはないので、むしろシマノのほうが汚れが他の部分にいかなくていいのかも?なんて思ったりもして、結局良いのか悪いのか良く分かりません。



ダイワ モリブデングリス
ダイワの純正グリス。容器がチューブというところがミソ。

イマドキのハイエンドグリスって、こういうカップに入っていて爪楊枝で添加するんよね。でも、グリスの主要用途って、ピニオンギアとメインギアの潤滑。がしかし、爪楊枝だと、ギアのスキマに落としにくいし、爪楊枝にくっついて無駄に捨てるし、不便なんです。やはりグリスはチューブ。それも先の細いチューブが一番です。そんなわけで買ってきたんです。

入り目は30gで1000円ほどだったから、ハイエンドグリスに比べると安いけど、モリブデン配合なので、金属トリートメント効果があります。

色はホムセンのモリブデンとはちがい、黄土色。

で、実際に使ってみたんですが、GOODです!メインとピニオンのスキマにモッチリと出すことが出来、すごく整備しやすいです!

こんなふうに肉盛りすることも簡単に出来ますし、爪楊枝でやったら、爪楊枝に引っ付いて相手になかなか添加できなかったのが、チューブだと一撃!

ベタベタに塗りたくることが簡単に出来ます!やりこさはスピングリスとかのカップ入り固形グリスよりはやりこいです。が、問題ないレベルの硬さだと思います。やはり、グリスはチューブ。すごく整備しやすいです!ただし、エアが噛んでいると押し出し中に「ポン!」といって、飛んでいくことがあるので、それが不便。あと、先っちょをもう少し細くしてくれたほうがより細かに充填できるので、それが課題かと思います。




ホムセンリチウムグリス
で、リチウムグリスはホムセンで最も安いグリス。汎用グリスです。リチウム→シリコン→モリブデンの順で良いグリスです。モリブデンは二硫化モリブデンが金属トリートメント剤で、ミクロのキズを修復してくれるので最も優秀です。

左からモリブデン、シリコン、リチウムです。この中で使うなら、モリブデンがイチバン優秀ですが、モリブデンは黒いので、他部分が着色しやすく、OH時に内部の汚れが激しくなってやりにくそうなんで、で、シリコンは白いのでこれも汚れそうで、使うならリチウムグリスかなと思います。


で、メインギア+ピニオン+IARはリチウムグリス。汎用リチウムグリス、フジヤマグリスに比べると、粘性が低いです。負荷がかかるところはなるべく硬いグリスの方がいいと思うので、使うならシリコングリスのほうがいいかもしれません。リチウム、シリコン、モリブデンだったら、シリコンがイチバン硬くて、粘りがなくて、フジヤマグリスに似ています。しかし、白いので掃除がめんどそうなので、ここはフジヤマとかZPIとかの硬いハイエンドグリスの方がいいような気がします。




ベアリング編
メインで使用しているのがアブなので、すべて10-4-4のベアリングでの話です。また、定量的な性能調査(スプールベアリンググランプリ)をしたため、その実験を行ったうえでの感想です。先にも申しましたが、結局は、ベアリングっつーのは消耗品。新しいのが一番いいんです。高級リプレイスベアリングっつーのもいいんやけど、そのベアリング、OHのたびに交換できるか?ってことです。早めに交換できる値段で、精度がシッカリしたベアリング。これが一番いいです!これは自信をもっていえます!結局ミネベアの汎用ステンベアリングに軍配が上がります。


アブ純正
アブに始めから付いているベアリングで、社外品信者としては、もっと性能の良い高級リプレイスベアリング!といいつつ、実はアブのベアリングは1個3150円もする、どのベアリングよりも高級品。スプールベアリンググランプリでの性能を見る限り、社外品に負けないどころか、どの社外品よりも高回転を維持しています。実際の使用感では、レボにつけていたヤツが純正ベアリングですが、普通にカッ飛ぶので、純正だから性能が悪いというのは都市伝説。十分イケますw



ARB シマノ
ARBでは10-4-4のラインナップがないため、ソルト用のS−ARBを使用しないといけません。ただ、値段が高いです。(1個1200円)、

また、グリスでベタベタなので、完全脱脂しない限り、使い物になりません。

完全脱脂したらまぁまぁいけますが、スプールベアリンググランプリを見る限り、ビックリするほど回転が良い・・・わけではありませんな。


セラミックベアリング(ライラクス) 
セラミックベアリングという名前ですが、結局のところ、セラミック=SICのことで、SICBBです。ケーシングがステンです。やはり、他のベアリングと同じく、ビックリするほど効果がある・・・わけではなく、あんまし効果とかわからんき!ちゅうわけです。これについては、オイルなしでしばらく使ってましたが、普通に飛ぶし使えましたw


SICベアリング ZPI
雷魚師として初期に愛用していたベアリング。当初は1個売りで1500円だったんですが、途中から防錆SICBBに変わり、2個セットで3400円くらいで売るようになりました。初期型は黒。

新型の防錆タイプは銀色になっています。淡水使用ならば防錆じゃなくてもマズさびないので、雷魚用としては400円ほど高くなるだけなんで、いらんとです。

でもって、インプレですが、確かに回転は良くなった?気がしますが・・・・・結局のところ、よく分からない上に、スプールベアリンググランプリの結果を見る限り、やっぱし定期的な交換が良いと思われるため、2個で3400円もするベアリングはメンテナンスのたびに変えるのはほぼ不可能。というわけで、これを買うなら、安いミネベアベアリングを12個買ったほうがいいと思います。


アベイル アルミハウジングBB
今ではチラホラ同じようなベアリングが発売されていますが、元祖はコレじゃないでしょうか。アベイルのアルミハウジングBB。7-4-2.5のベアリングにアルミのハウジングをかまして10-4-4に無理やりコンバートさせたもの。7-4-2.5のベアリングのほうがボールが小さいので摩擦が少なく、回転が滑らかになるというもの。

確かに、理屈で言うと、今までの手を変え品を変えベアリングに比べて、物理的に違いが分かるので、うたい文句に説得力があり、飛ぶ!ような気がします。

が、結局新品のステンベアリングに比べてどうなの?っつーわけで、あんましです。というか、アベイル通販でしか手に入らないのと値段が微妙に高い(確か800円だったかな?)のと、すでに廃盤で手に入らないので、現実的に使うのは無理です。



汎用ステンベアリング(ミネベア) 
ミネベア製の汎用ベアリングで、シールドにNMBとミネベア刻印が打たれています。ミニチュアベアリングの先駆的メーカー。さすが、製造メーカーだけあって、余分なコストがかかっていないのか、1個250円という安さ炸裂のベアリング。しかし、さすがメイドインジャパンだけあって、性能的には全く問題なし。スプールベアリンググランプリでもトップクラスの回転性能です。安いため、OHのたびにフル交換が可能で、今のところワタシはこれオンリーです。高いベアリングを粘り強く使うよりは、安いベアリングをサクっと交換するほうが必ず飛びます。消耗品ですからwww

ただし、シールドは脱脂の目安が付かないので、シールドは外して使用したほうがいいです。

脱脂の目安はコレです。

ラジコン用 セラミックベアリング(LRP)
コラッ!ラジコン用がいいなんて言ったヤツ誰だ!?見て分かるようにセンターがズレとって、使ったことは使ったけど、まぁ、見た目がこんなやけん、即交換。ラジコン用っつっても、ラジコンメーカーがベアリング工場持ってるわけはなく、結局は巨大ベアリングメーカーのOEM。確か300円くらいで安くて、精度がこんなんやけん、外国製のベアリングをそのまま転売したんじゃないでしょうか。メイドインジャパンでこの精度はないと思います。ダメダメ。



IOS ギアグリス
黒鱒屋いったときに、店長オススメとのことで買ってみましたw

かなり固いグリスで、やりこいグリスみたいに、ピニオンとメインの間に入れてギア回しながらなじますのは無理だと思います。

黒鱒屋店長曰く、メインギアに米粒くらいのグリスを滴下して、指で回しながらなじませるんだとか。多いと、ギアが重くなるんで、目安は米粒1個。

で、グリスを滴下してみてのインプレは、かなりしっとりしていい感じですwww

やっぱIOSはしっとり感が増しますね!愛用中です!


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